日本の加盟組合のリーダーシップに期待-UNI-Aproテレコム部会 クン・ワルダナ・アビョト担当部長に聞く

グローバルな金融・経済危機は、テレコム部門にどのような影響を与えていますか?
米国AT&Tで人員削減が報じられるなど影響が出ています。UNI欧州は、金融・経済危機に対し、グローバルな規制強化を呼びかける13ポイントの決議を出していますが、我々もこれを支持します。アジア太平洋地域のテレコム部門に限れば、現在のところ大きなインパクトは感じられません。しかし今後アウトソーシングなど、組合員数に対するインパクトが表面化してくるでしょう。コアビジネスまでアウトソースすることは受け入れられません。レイオフに対する保護の仕組みを作る必要もあります。グローバル金融・経済危機は4年以上続くと言う学者もいます。米国や欧州の動向を観察しつつ、対応を準備していく必要があります。

2008年を振り返り、UNI-Aproテレコム部会はどのような成果を上げましたか?
第1に、テレコムの規制に対する取り組みは、グローバルに共通するテーマです。テレコムと放送の融合、携帯による支払いなど金融との融合というコンバージェンスの枠組み、機能的分離への対応、ユニバーサルサービスなど、どこの国でも枠組みの変化が課題となっており、労働組合はチャレンジに直面しています。私たちは、定期的で緊密な情報交換を行い、各国における規制議論に組合が有効に対応できるように支援してきました。
第2に、組織化です。既存の「レガシー」と言われる分野で組合員が減少する一方、携帯、専門職・監督職、アウトソーシング企業などにおける労働者の増大に対応し、私たちはテレコム労組が新たな領域で組織化を行うように働きかけ、成果を上げてきました。ASEANでは2国間交流で助け合っています。フィリピンでは携帯会社のスマートやグローブをカバーするCWU(通信労組)が形成されました。タイでは、TRUEに働きかけを行っていますが、さらにノルウェーの傘下にあるDTAGも組織したいと考えています。
第3に、小地域における連携の強化と、政治的な存在感の拡大です。地域統合の枠組みに対応し、ATUC(ASEANテレコム労組協議会)、SATUC(南アジアテレコム労組協議会)を結成し、ASEAN、SAARCに対話のパートナーとして認知されることを目指しています。フィジーでUNI加盟協が結成されたこともあり、オセアニアではネットワーク化を図りたいと考えています。東アジアテレコム労組フォーラムは定期に開催されており、UNI-Aproテレコム部会をリードしています。個人的な意見ですが、3カ国プラス1オブザーバーから、モンゴル、中央アジアなども含める形に発展できればより良いと考えています。

2009年の課題をお聞かせください。
今述べた規制、組織化、小地域の連携と地域経済統合に対する対応は、継続的な課題であり、当然のことながら今年も重点課題となります。さらに今年は、グローバル枠組み協定(GFA)締結に力を入れたいと考えています。UNIは、2010年長崎世界大会までに50のGFA締結を目標としています。UNI-Aproテレコム部会としてもこの課題に応え、対応を強化します。テレコム・マレーシアなど可能性はあります。ヴァーチャル・テレコム労組アライアンスで青年と女性の参加を促進していますが、この分野も発展させたいと考えています。

日本のテレコム部会加盟組合へメッセージをお願いします。
加藤UNI-Aproテレコム部会議長(NTT労組委員長)にはいつも感謝しています。NTT労組のイニシャティブによる多くの活動が、UNI-Aproテレコム部会の活動の基礎を作っています。又KDDI労組、情報労連の組織化の取り組みにも敬意を表します。日本は、テレコム産業という技術面で最も発展しているばかりではなく、組合も多くの経験を積み、各国の労組は多くを学ぶことが出来ます。日本で起こったことは他の国でも起こります。今後ともUNI-Aproテレコム部会における日本の加盟組合のリーダーシップを期待します。今年7月UNI-Aproテレコム部会大会がジャカルタで開催されます。ぜひ皆様とともに、UNI-Aproテレコム部会の将来を討論し、有意義な結論を得たいと考えています。そして2010年長崎では、アジア太平洋地域のテレコム労組の強さを示したいと思っています。

クン・ワルダナ・アビョト―インドネシア出身。2005年5月、UNI-Aproテレコム部会担当部長に就任。バンドン工科大学博士課程修了。東京大学への留学経験もある。1995年から2004年までPTインドサット社に勤務、UNI-Apro青年委員会の議長を務めた。


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