ブログアーカイブ

北米のビデオゲーム開発の労働者、全米通信労組の下で業界全体の組合を発足

米国とカナダのゲーム開発に携わる労働者が、United Videogame Workers-CWA Local 9433を結成した。アメリカ音楽家連合(AFM)と提携する全米通信労組(CWA)による、直接加入可能な業界全体を網羅するビデオゲーム労働組合だ。

この強力な新組織は、サンフランシスコで開催されたビデオゲーム業界の専門家を対象とした世界最大の業界イベントである2025 Game Developer Conferenceで発表された。

UVW-CWAのミッションステートメントには「我々の使命は、自分たちを歯車のように扱う人々から、我々の生活、労働、情熱を取り戻し、同僚を力づけること、解雇された人々、フリーランサー、失望した契約社員、権利を剥奪され疎外された人々、この業界を支えるために目立たないところで働く労働者たちと手を結ぶこと。(…中略…)我々は、目先の利益を追い求めるのではなく、才能を育み、未来に投資する、我々のために機能するゲーム業界を創り出していく。ゲームを作るのは我々自身。我々がどのように働くかを決めるのは我々でなければならない」と書かれている。

またUVW-CWAの結成は、2020年以降、6,500人以上のテックおよびビデオゲーム開発に携わる労働者の組合加入を支援してきたCODE-CWAの5周年記念にも重なっている。

トム・スミスCWA組織化担当シニア部長は「この組合は決して単独で突発的に結成されたのではなく、何年にもわたって団結することの意味を問い続け、世界最大の収益を誇る業界の一つで力を取り戻すために闘ってきた何千人ものビデオゲーム労働者による積み重ねられた努力の成果だ(…中略…)これらの労働者は、果敢に行動を起こし、我々が愛するゲームの裏方である労働者のために力を結集しているのだ」と語った。

UVW-CWAの立ち上げの一環として、組合員は、ビデオゲーム業界で働くすべての労働者、特にレイオフの危機に直面している労働者の尊厳と雇用保障を求める嘆願書への署名を集める予定だ。ビデオゲーム業界は、近年収益が大幅に増加している世界で最も急速に成長しているエンターテインメント業界の1つである。

業界全体では、2023年に10,500人以上の雇用が失われ、2024年にはさらに14,600人の雇用が失われた。GDC 2025 State of the Game Industry(ゲーム業界の現状を示す報告書)によると、2024年に解雇されたと報告したゲーム開発に関わる労働者は、調査対象の10%を超えた。30以上のスタジオが全従業員を解雇し、親会社によって閉鎖された。その中には、マイクロソフトやソニー・インタラクティブエンタテインメントといった最大かつ最も収益性の高い企業も含まれている。

請願書の全文は こちら。

直接加入の組織化(プレマジョリティー・ユニオニズムとも呼ばれる)によって、フリーランサーや近年レイオフされた何千人ものビデオゲーム労働者等が、従来の組合認証プロセスで使用者が課す障害や手続きによるタイムラグなしに業界全体で力を結集することが可能になる。また、労働者が一つのビデオゲームスタジオにとどまらず、共通の懸念事項に対処することも容易になる。

クロード・カミングス・ジュニアCWA委員長は、「UVW-CWAの結成は、ビデオゲーム業界で働く人々が業界内で力を蓄えるのを支援するという、我々の活動における次のステップとして非常に喜ばしい」と述べ、「ビデオゲームスタジオの統合が進むにつれ、ゲームに生命を吹き込む創造性、献身、スキルを持つ労働者は、ますます二の次になってきました。彼らは、企業の経営陣が持続可能な将来を犠牲にして目先の利益を追求する中で、レイオフと再雇用という終わりのないサイクルにさらされている」と指摘した。

カリー・リベックUNIシニアコーディネータは、「ビデオゲーム業界を変革する世界的な動きは、さらに強固なものになった(…中略…)世界中のビデオゲーム労働者は、過酷な労働分化による搾取、不安定な契約、そして、彼らの多大な献身や才能に釣り合わない不十分な報酬を拒絶している。我々は力を合わせて、画期的なゲームを開発するだけでなく、公正さと卓越性の新たな基準となる職場づくりに尽力していく」と強調した。


クリスティUNI書記長、ラジェンドラUNI Apro地域書記長の記念講演 ~第26回 UNI-LCJ年次総会~

クリスティUNI書記長とラジェンドラUNI Apro地域書記長

★講演1:「生成AIがもたらす労働の未来」 クリスティ・ホフマン UNI書記長

現在、世界は激動の時を迎えており、米国のトランプ政権は政府機構を解体し、国際機関からの脱退を進めています。その影響は世界中に及び、AIを含む技術革新にも大きな影響を与えている。

特に、AIの職場への導入については、労働組合の関与が不可欠だ。その理由は、①最良の結果を得るため、②労働者への悪影響(解雇など)に対応するため、③生産性向上の利益を労働者と共有するためである。しかし、使用者側は「テクノロジーについて交渉するのは非現実的」として反対しているが、それでもフランスの70以上の企業が社会対話に合意するなど、前向きな動きもある。

AI技術の中でも特に影響が大きいのはアルゴリズム管理と生成AIだ。アルゴリズム管理は、監視や労働者への圧力に利用され、Amazonの倉庫やコールセンターなどで広く導入されている。一方、Chat GPTなどの生成AIは、文章作成やデータ分析などを自動化し、多くの業務の一部を代替する可能性がある。IMFの予測によると、全雇用の40~80%が何らかの形で生成AIの影響を受ける、特に事務職やバックオフィス業務がリスクが高いとされており、コールセンターやプログラマーも影響を受けており、今後、経済全体への普及が加速する可能性がある。

労働組合は、AI導入に関する交渉を進めるべきだ。既にいくつかの成功例もある。例えば、米国の脚本家組合はAIの使用を制限する協約を勝ち取り、オーストラリアやドイツの労働組合もAIに関する協議の枠組みを確立した。これにより、AIが労働者に与える影響を最小限に抑えつつ、技術の利点を生かす道が開かれると期待している。しかし、多くの国ではまだAIに関する労働規制が整っていない現状もある。そのため、労働組合の活動を奨励し、雇用主が技術導入の際に労働者と協議することを義務化するなどの政策が求められている。労働者のスキル向上を支援し、新たな仕事を創出するためのインセンティブも必要だ。

テクノロジーの発展は不可避ですが、それが労働者にとって公平で持続可能な形で進められるよう、労働組合は交渉の場に立ち、積極的に関与することが重要である。UNIは今後もこの課題に取り組み、労働者の利益を守るために国際的な対話を推進していきたい。

★講演2:「平和・人権・民主主義」 ラジェンドラ・アチャリャ UNI Apro地域書記長

アジアにおける民主主義の状況は国によって異なり、日本、韓国、インドは民主主義を維持しているが、他の国々では依然として厳しい状況が続いている。

ミャンマーでは、軍事クーデターから4年が経過し、大規模な避難、暴力的な弾圧、そして活動家の投獄が続いている。労働組合は民主主義勢力とともに、民主主義を復活させるための国民統一政府(NUG)を結成した。香港では、中国の国家安全法の下で制限が強化され、言論の自由や報道の自由が制約されている。バングラデシュでは、政治的な状況が不安定であり、前政権は反対派の声を抑圧していたことで批判された。現在の指導者は、同様の手段に頼ることなく、安定した政治運営を行うことが重要である。

アジアにおける平和は依然として不安定であり、国境を巡る争いや南シナ海での緊張や、朝鮮半島における終わりの見えない紛争の脅威が地域の安定を脅かしている。 また、ミャンマー、アフガニスタン、フィリピン、パキスタンの一部地域では内戦が続いており、平和と安全を取り戻すための障壁となっている。

人権:続く闘い

アジア全体で人権侵害が広がっており、政府は言論の自由を制限し、報道機関を弾圧し、人権活動家を迫害している。また、監視体制や強制労働、政治的抑圧が根強く存在している。多くの国々で進展が見られる一方、依然として女性やジェンダー平等に対する制約が続いている。

労働組合の権利と労働条件:

アジアの労働者は、特に労働保護が不十分な国や権威主義的な国々で重大な課題に直面しており、多くの国では団体交渉が制限され、労働者は搾取され続けている。湾岸諸国では移民労働者が非人道的な労働条件に苦しんでいる。しかし、バングラデシュのラナ・プラザ事故後、繊維業界の安全基準が改善され、国際安全衛生協定はバングラデシュとパキスタンで進展を見せている。

国際労働基準と人権デューデリジェンス:

アジアにおける国際労働基準の施行は国によって異なる。いくつかの国々は主要な国際労働機関(ILO)の条約を批准しているが、その実施は一貫していない。強制労働、児童労働、そして安全でない労働環境は、繊維、農業、建設業、さらにはサービス業でも依然として続いている。人権デューデリジェンスは注目を集めており、日本、韓国、オーストラリアは企業責任規制を強化している。

デジタル時代における労働と労働組合の権利:

技術革新、デジタル化、自動化はアジアの労働市場に変革をもたらし、製造業やサービス業で雇用の安定性が脅かされている。ギグエコノミーの拡大に伴い、特に新興経済国で労働者保護が不十分だ。職場の監視やアルゴリズム管理には倫理的懸念があり、強力な規制が求められている。労働組合は、技術革新が労働者の権利を守りつつ進むよう役割を果たすべきである。

UNI Apro: 私たちの役割と取り組み

UNI Aproは、民主主義、人権、労働組合の自由を守るため、ミャンマーの強制労働問題やフィリピンの労働組合弾圧に対する活動を行っている。インドネシアのオムニバス法に挑戦し、香港のRCCGUを支援。さらに、フィリピン、インド、パキスタン、ネパールで労働組合権利強化を進めている。

アジアにおける民主主義、平和、人権、労働組合の自由の闘いは続いており、権威主義や労働搾取は依然として課題である。労働組合の強化、国際労働基準の施行、デジタル変革の責任ある導入が重要だ。

講演後には、福井洋損保労連事務局長は、アルゴリズムによる労働管理が日本に導入される可能性について言及し、「その際に労働者の納得感や働きがいに差が生じるかどうか。もし差が生じる場合、労使協議で特に重視される観点は何か、またアルゴリズム導入後に従業員からフィードバックを得る仕組みや、働きがいを高めるためにどのような工夫がされているか」と質問した。

また、UNI Apro青年委員を務めている横内愛咲UAゼンセン運動推進局局員は、UAゼンセンの多くの組合が若者への教育機会を設けているものの、意思決定機関に若者を参加させる進展が低い現状を報告し、「青年が意思決定機関に参加するために一番大切なことは何か、また海外での先進的な青年活動の事例」について質問した。


第26回UNI-LCJ年次総会開催~変革のために、共に立ち上がろう!

クリスティUNI書記長、ラジェンドラUNI Apro地域書記長とUNI-LCJ幹部会メンバー

2025年2月26日(水)、第26回UNI-LCJ年次総会が全電通労働会館ホール(東京都千代田区)で開催され、各加盟組織より運営委員、総会代議員、オブザーバー等約60人が出席した。

UNI-LCJ年次総会と監査報告をする戸口監査委員

2024年度活動報告、会計報告の後、UNI-LCJ内部監査員である戸口剛全印刷書記長より2024年度の会計監査報告があった。続いて2025年度活動計画および予算が承認された。

質疑で発言する川口日放労書記長、古賀印刷労連副書記長、中田UNI Apro女性委員会議長(UAゼンセン国際局副部長)

質疑の時間において、川口哲矢日放労中央書記長は、昨年11月タイ・バンコクで開催されたUNI Apro地域大会・女性大会と併催のメディア部会委員会の内容に触れ、「組合の役割は注目度が高まっており、連帯を高めるための活動は重要である。海外の仲間と様々な知見を共有し議論できるのは、日本の組合員にとってもとても有益である。今年度は、自組織の若手組合員と海外メディア労組との交流会の開催を期待したい」と述べた。

古賀初代印刷労連副中央書記長は、UNI Apro女性大会で中田綾子UAゼンセン国際局副部長がUNI Apro女性委員会議長に就任したことに触れ、「UNIの女性の取組みについては、印刷労連でも方針の柱の1つにしている。毎年UNI-LCJが開催している、青年・女性ネットワーク会議やユース英語セミナーを通じて、産業や組織の枠を超えたコミュニティの場が設けられており、非常に有益に感じている。グローバル化やDXなど新たな課題が山積だが、これからも、しっかり取り組んでいただきたい」と期待した。

中田UNI Apro女性委員会議長がこれに続き、インドネシアASPEK訪問の際聞いた、ASPEKが新しく始めた女性支援の取組みについて報告し「とても良い事例なので5月にシンガポールで開催されるUNI Apro女性委員会で報告ができるよう働きかけている。良い事例などあったら、今後も積極的に取り込んで情報共有していきたい」と述べた。

クリスティUNI書記長とラジェンドラUNI Apro地域書記長
(UNI-LCJ年次総会 記念講演)

続いて開催された記念講演には、UNI本部よりクリスティ・ホフマンUNI書記長、UNI Aproよりラジェンドラ・アチャリャ地域書記長が来賓として出席した。クリスティ書記長は「生成AIがもたらす労働の未来」について、またラジェンドラ地域書記長は「平和・人権・民主主義」について講演した。

詳細はこちら

レセプションで乾杯の発声をする永島智子UNI-LCJ副議長(UAゼンセン会長)

記念講演終了後、会場近くのレストラン(グッドビューダイニング Good View Dinning、中央大学駿河台キャンパス19F)に場所を移し、レセプションを開催した。

レセプション開会の挨拶をする石川UNI-LCJ議長(JP労組中央執行委員長)

UNI-LCJ議長である石川幸徳JP労組中央執行委員長は「厚生労働省、連合、ITUCのご来賓に迎え、またUNI書記長・地域書記長から貴重な講演をいただだいた御礼を述べ、「今後もパートナーシップ労使関係を基盤とした労働運動の発展に向け、UNI-LCJも尽力していきたい」と冒頭の挨拶した。

来賓および連帯挨拶

続いて、秋山伸一厚生労働省大臣官房統括審議官(国際担当)に来賓の挨拶を、また、清水秀行日本労働組合総連合会事務局長、および、郷野晶子国際労働組合総連合会長より連来の挨拶をうけた。

全国農団労への感謝と司会進行を務めた永渕達也UNI Apro青年委員(情報労連中央執行委員)

また上田智亮UNI-LCJ事務局長は、全国農団労の川岸正徳代表および大谷篤史氏へ感謝の意を述べ「いつでもUNIファミリーに戻ってきてほしい」と言葉を贈った。

レセプションの中締めをする安藤京一UNI-LCJ副議長(情報労連中央執行委員長)

UNI欧州の調査:人々は公的資金が賃金と労働条件の改善につながることを望んでいる

2025年3月上旬に発表された欧州全域を対象とした調査(UNI欧州が委託したもの)の結果によると、EU市民の大多数(72%)が、団体交渉を通じて労働者の生活を強化する公共調達を支持していることが明らかになった。

この調査結果は、民間企業への公契約の発注を管理するEU調達規則の改革に 欧州委員会が着手した矢先の発表となった。調査結果は、調達規則の中に団体協約を有する企業を優先し、労働組合潰しやダンピングを行う企業を排除する社会的条項を求める労働者や組合の声を後押しするものとなる。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は「今回の調査結果は、緊急の行動を求める呼びかけであり、欧州委員会は欧州の有権者の声を聞くべきだ。公的資金は、公正な競争を阻害し労働組合を弱体化させる企業ではなく、質の高い雇用を支援すべきだ」と述べ、「最善の方法は、労働組合と団体協約を結んでいる良心的な雇用主を優先することだ」と付言した。

EUでは、公契約を通じて何百万人もの労働者が雇用されている。公共調達は、民間部門全体の賃金や労働条件に影響を与える基準をつくっている。

調査の主な結果:
• 回答者の65%が、公契約は価格、品質、環境、社会基準に基づいて発注されるべきだと回答
• これらの基準のうち、賃金と労働条件は最優先事項であり、回答者の46.4%が、価格が高くても正当化されると回答
• 回答者の83%が、組合潰しの企業や低賃金の企業を排除することを希望
• 回答者の72%が、公共機関が団体協約のある企業を優先することを希望
• 公共入札において価格以外の要素を考慮することを希望する市民の割合は、2011年の同様の調査以来、52%から65%へと大幅に増加

この調査は、欧州全域で700万人の労働者を代表するUNI欧州の委託により、独立系の世論調査会社オピニアが実施した。チェコ、フランス、ドイツ、アイルランド、ポーランド、スペインの6か国より6,080人以上の回答者から回答を得た。

調達をより社会的なものにするという人々の希望は、労働者や労働組合の要求と一致している。2024年10月1日、9か国から1,000人以上のエッセンシャルワーカーが賃金と労働条件の改善を目指す公共調達改革のためにブリュッセルに結集した。しかし、UNI欧州の調査では、EU全域の公共入札の半数が、最低価格のみに基づいて行われており、これは調達規則に起因する場合が多い。

トマ・ピケティやイザベラ・ウェーバーなど100人以上の世界屈指の経済学者が、公開書簡の中で「入札において最低価格のみにフォーカスしすぎること」を批判し、規則の改革に向けて「団体交渉の強化」を求める労働者の要求を支持した。労働集約型の清掃、警備、ケータリング産業の使用者団体ですら、価格のみに焦点を当てることをやめる必要性を強調している。

レティクUNI欧州地域書記長は「欧州の人々は、エッセンシャルワーカー、世界有数の経済学者、そして使用者とともに、EU規則は最低価格のみに焦点を当てるのではなく、労働条件、賃金、サービスの質に関する欧州全体の基準を設定すべきだ、と訴えている」と主張した。そして、「これは規則を簡素化するという欧州委員会の目標を推し進めることにもつながる。例えば団体協約の尊重といった明確な基準は、単に煩雑な役所仕事を減らすだけでなく、ヨーロッパの数百万人のサービス労働者の賃金と労働条件を改善することにもつながる」と訴えた。


フランスで開催のAIアクションサミット:多くの使用者が団体交渉、研修、サプライチェーンの公正性に対する支持を示す

2025年2月中旬にフランス・パリで開催されたAI アクションサミットでは、70社以上の使用者が『Pledge for a Trustworthy AI in the World of Work(仕事の世界における信頼できるAIについての誓約)』に署名した。この誓約には、団体交渉や労働組合との協議、トレーニングやスキルアップ、さらにはAIのサプライチェーンにおける労働基準の向上といった重要なコミットメントが含まれている。

この文書は、サミットの重要な成果のひとつであり、企業によるコミットメントをOECD、国際労働機関(ILO)、G7の最新枠組みと整合させ、労働者を代替するのではなく支援するAIの推進を強化するものだ。

サミットにパネリストとして参加したクリスティ・ホフマンUNI書記長は、今回の署名を歓迎し、次のように述べている。

『今回の誓約は、労働者の権利を尊重し、公正な経済を促進する形で人工知能を活用する動きに近づくものであり、先駆的な署名者のリーダーシップを称賛したい。サミット後の数週間で、我々は協力してこれらの誓約を具体的な行動に移さなければならない。つまりAIの影響を受ける人々、およびそのデータサプライチェーンの労働者の両方に対して、社会対話と団体交渉を拡大する上で真の進歩を遂げるということだ。またAIが雇用に影響を与える中、トレーニング、専門知識、スキル構築への投資を増やすことも意味する。これは規制に取って代わるものではなく、公益のためのAIを推進する政策を補完するものだ。我々は今後、使用者、政府、国際機関と協力し、ここに定めたコミットメントを強化し、AIをディーセントワークと経済的正義の推進力とするよう努めていく。』

文書の全文はこちら(英文)から。


人権デューディリジェンス:労働組合のための新たなツールが形に

労働者の権利を保護する労働組合の力を強化するための新たな取組みが具体化しつつある。UNIがドイツの労働組合総連合DGBおよびフリードリヒ・エーベルト財団(FES)と提携し、2025年に人権デューディリジェンス・コンピテンスセンターを設立する。センターの目的は、労働組合が新しい人権デューディリジェンス法を活用して労働者の権利を効果的に保護できるようにすることだ。

任意の企業責任から企業責任の義務化へ
OECD多国籍企業行動指針や国連ビジネスと人権に関する指導原則など、従来の任意の規範を基に、ドイツ、フランス、EUの人権デューディリジェンス法は、グローバルな事業活動やサプライチェーン全体を通じて、労働者の基本的権利を含む人権尊重を確保するため、大企業に法的拘束力のある義務を課している。多くのグローバル・サプライチェーンが存在するアジア太平洋地域の労働組合にとっては、多国籍企業との社会対話を強化する大きな機会となる。この法律は、企業に対してグローバルおよびローカルの両レベルで労働組合などのステークホルダーと関わることを義務づけており、労働者の権利問題に関するより体系的で有意義な社会対話を促進する可能性をもつ。

今後開設されるコンピテンスセンターは、次の3つの重点分野を通じて、欧州の法律とグローバルレベルでの実施との間のギャップを埋めることが期待される。
●デューディリジェンス法を効果的に活用するための労働組合の能力強化
●労働者の権利への影響に関する具体事例への支援
●企業および政策立案者に対する人権デューディリジェンス法の効果的な実施の提唱
●協議ワークショップ

2025年1月15日にはオンラインでの協議ワークショップが開催され、UNI加盟組織、姉妹GUF組織、そしてアジア太平洋・アフリカ全域のFES各国担当者ら60人以上の参加者が集まった。このワークショップは2025年初の重要なイベントであり、2024年9月に開始した一連の協議の一部を成すものだ。

ブリタ・ウッツFESサハラ以南アフリカ地域労組コーディネーター、モニカ・テッパーITUC法務担当官、そしてUNIのミリアム・ニール氏が共同で進行役を務めたワークショップでは、人権デューディリジェンスの実施における労働組合の以下のような重要な役割が強調された。
●企業のデューディリジェンス方針および管理システムに関する対話への参加
●労働者の基本的権利に影響を与える問題を企業に通知する
●適切な是正措置について労働者を協議する
●デューディリジェンスの不備を明らかにするために企業の報告書を精査する
●企業が適切なデューディリジェンスを実施しない場合の説明責任を徹底する

参加者は、グローバル枠組み協定の強化、労働者からの苦情に対する信頼性できる申し立てメカニズムの確立、実施体制の利用など、人権デューディリジェンス法の潜在的な影響を示すいくつかの具体的事例を検討した。


ホフマンUNI書記長、ダボス会議でメンタルヘルスについて提唱

2025年1月に開催された世界経済フォーラムのパネルディスカッション【Mind Matters: Mental Health at Work(心が問題:職場のメンタルヘルス)】で、クリスティ・ホフマンUNI書記長は、アルゴリズムやAIによる監視プログラム等のいわゆる「ボスウェア」の増加によって深刻化する危機にスポットライトを当てた。

同書記長は「以前よりもはるかに多くの人々が監視やモニタリングの対象となっている」とした上で、「これはコロナ禍で加速し、多くの労働者に多大なストレスをもたらし、職場で最大の不満となっている職場が多い。絶え間ない監視によって悪化した業務の激化により、多くの労働者が限界点にまで追い込まれている」と指摘した。

とりわけ、業務上の性質から容赦ない影響を受けているのが、コンテンツ・モデレーター、データ・ラベラー、ファクトチェッカーなど、データサプライチェーンの労働者だ。1時間に120件ものコンテンツを審査しなければならないノルマに加え、これらの労働者は、想像し得る限り最も極端で悪質なコンテンツを扱うことが多々あるとし、同書記長は「彼らは何百、何千もの動画を何時間も見続け、非常に有害で暴力的、感情に強く訴えかけるさまざまなレベルのコンテンツを目にしうる状況にある」と訴えた。

心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症する人も多く、心理的な負担は計り知れない。このような不快な素材を毎日見続けることで、眠れなくなったり、家族と上手く関われなくなったりする人もいるのだ。

早急な対策が必要であることは明らかであり、特にデータ関連の業務に従事する社員にとっては、従来のメンタルヘルスサポートだけでは不十分だ。同書記長は、「心理的なサポートが必要な場合は、いつでも対応できるスタッフを用意している」と伝えるだけでは十分ではないと指摘し、そうではなく、仕事の仕組みを根本的に変える必要があると主張した。

解決策としては、有害なコンテンツへの接触を制限するために労働者をローテーションで配置したり、仕事のペースを落としたり、メンタルヘルスに関するトレーニングやサポートを義務付けたりすることが考えられる。重要なのは、こうした対策をすべての人が確実に利用できるよう、勤務時間内に組み込む必要があるということだ。

AIがこうした労働者の仕事より良く補助できるようになることが望ましいが、このような仕事がすぐに消えてなくなることはない。安全で正確なインターネットに不可欠なこうした労働者を排除するのではなく、「労働者がよりトラウマを感じないよう、仕事を変えていく必要がある」と述べた。

またホフマン同書記長は、公平性、権利の尊重、信頼できる結果を確保するため、労働者および労働組合をテクノロジーの意思決定に含めることの必要性を説いた論文を、WEFのウェブサイトで共同執筆している。

パネルディスカッションでは他に、Pinterestのビル・レディーCEO、Hologicのティーブン・P・マクミランCEO氏、Sky News Group、Sky News – BSkyBのデビッド・ローズ会長、南アフリカのパキスヘ・アーロン・モツォアレディ保健省大臣が登壇した。


2025ダボス会議:UNI書記長、不平等なAIへの緊急対応とソーシャルメディアの説明責任を求める

労働者が参加しなければ、人工知能などの新しいテクノロジーは、世界的な不平等を深刻化させ、少数のエリート層に権力をさらに集中させるリスクがある ー クリスティ・ホフマンUNI書記長は、2025年1月に開催されるダボス会議(世界経済フォーラム)で、企業リーダーや政策立案者に対して厳しい警告を発する予定だ

同書記長は、「わずか2年の間に、多くの使用者の間で交わされるAIに関する会話は、労働者の能力を向上させることから労働者を代替することへと変化してきた。その間、ほんの一握りの企業が、この変革を推進するモデルを手中に収めつつある」と指摘し、「AIの導入方法を決定する会議に労働者が参加しなければ、AIは価値あるイノベーションではなく、不平等を助長するエンジンとなってしまうだろう。我々の民主主義、コミュニティ、経済は、新しい仕事の世界において労働者が発言権を持てるようにするため、労働者へのパワーシフトのない時間をもう1年も続ける余裕はない」と語気を強める。

同書記長にとってもう一つの重要な懸念は、ソーシャルメディアのプラットフォームが、サイト全体で正確で安全なコンテンツに対する責任を負うことを拒否する傾向が強まっていることだ。UNIの加盟組織は、メタやアルファベットなどの企業に直接雇用されているテック系従業員だけでなく、コンテンツの管理や大規模な言語モデルのトレーニングを行うデータサプライチェーンの労働者も代表している。

ホフマン書記長は「デマ、暴力、グロテスクなディープフェイクといった反民主主義的な勢力はますます強大化し、今まさに目前に迫ろうとしている。 プロフェッショナルで、十分な訓練を受け、十分な報酬を支払われたモデレーターの集団が、倫理的なAIによって強化されなければ、ソーシャルメディアの優れた機能の多くが奪われてしまうだろう。テック大手企業がこうした第一線で働く労働者たちに投資して我々を守ろうとしないのであれば、彼らは事実上、この混乱を招き入れているようなものだ」と懸念を表明した。そして、米国や欧州、その他の地域で規制や権利の後退を推し進めているイーロン・マスク、ジェフ・ベゾス、マーク・ザッカーバーグのようなテック界の大物の影響力を相殺するためには、労働組合が必要だと主張した。

デジタル時代のディーセントワークに関して世界レベルで議論をリードするホフマン書記長は、日々、新たなテクノロジーがもたらす影響に直面している労働者を代表する数少ないダボス会議参加者の一人でもある。

関連記事はこちらから: Why digital trust depends on workers | World Economic Forum


韓国における民主主義の危機に関するUNI Apro声明

UNIアジア太平洋地域組織(UNI Apro)は、アジア太平洋地域全域のサービス産業の労働組合の組合員を代表し、2024年12月3日午後10時30分(現地時間)に韓国のユン・ソンニョル政権が発令した前例のない戒厳令について、深い懸念を表明する。国会の断固たる行動により、12月4日午前4時30分(韓国標準時)に戒厳令は撤回されたものの、民主的諸制度に対するこの攻撃の重大性を軽視することはできない。

戒厳令の宣言は、韓国の権威主義的な過去、特に韓国が今日誇らしく体現している民主主義のために人々が闘い、犠牲を払った1980年代の悲劇的な出来事を想起させる悪夢のような記憶を呼び起こした。夜のソウル上空を飛び交う軍用ヘリコプターの不気味で鋭い音が、暗黒時代の不穏な響きを強く呼び起こした。

国会議員たちが慌ただしく国会に向かうという劇的な場面が繰り広げられ、国会職員や補佐官等が、議会開催を阻止しようとする警察や軍人らに対して人間のバリケードを張った。韓国の民主主義を守るべく、早朝からおよそ3万人の人々が国会議事堂に押し寄せたが、武装した部隊が国会議事堂に侵入しようとしている憂慮すべき映像も流れた。

この宣言は、憲法上のいかなる正当な根拠も欠いており、アジアおよび国際社会全体に衝撃を与えた。この危機は国内外で、経済的不確実性と市場の不安定化を招いた。

アジア太平洋地域が民主的統治に対する数々の課題に直面する中、韓国の堅固な民主主義は、世界中の国々にとってインスピレーションの源であった。アジアで最も堅固な民主主義国家の一つにおけるこの前例のない行動は、地域の安定と民主主義制度に対する深刻な懸念を引き起こしている。

韓国のUNI加盟組織は、ユン政権に対して、反組合政策を放棄し、国会で可決された法案の拒否など、民主的手続きを無視するやり方を断つよう、一貫して求めてきた。戒厳令の宣言は、大統領権限が民主的決定を覆し、労働者や一般市民の声を封じこめるために行使されたことを示す明白な証拠である。

イ・ジェジン議長が率いる、韓国のUNI加盟組織の連合体であるUNI韓国加盟組織連絡協議会(UNI KLC)の組合は、戒厳令の宣布にあたり、迅速かつ断固とした対応を示した。組合は、この違憲行為を民主的機関と労働者の権利に対する重大な脅威として非難し、憲法秩序を回復し民主的自由を守るための即時措置を共同で求めた。

11月20日から22日にタイ・バンコクで開催された第6回UNI Apro地域大会では、代表団が、基本的権利の保護と労働条件の改善を求める韓国のUNI加盟組織の闘いを支援する声明を採択した。この地域的な連帯の表明は、特に最近の出来事を鑑みて、より重要性を増している。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、次のように表明している。「戒厳令の宣言は、労働者の権利と自由に対する直接的な攻撃である。この布告は、あらゆるストライキと集会を明確に禁止しており、合法的な組合活動を一夜にして事実上犯罪化するものだ。民主的制度を守るために韓国の労働運動が市民社会とともに迅速に対応したことは、民主主義を守る上で組織化された労働者が果たす重要な役割を示している。UNI Aproと地域の加盟組織は、韓国の仲間と連帯して動員する用意を整えている」

多大な犠牲を払って勝ち取ったこの民主主義が、無責任な政治的駆け引きによって損なわれてはならない。我々は、結社の自由や表現の自由の保証を含む真の民主的統治の回復を求める韓国の加盟組織を断固として支持する。

我々は韓国政府に対し、独裁的な道から離れ、平和的かつ民主的な手段によって社会を正常化するよう迅速に動くことを強く求める。韓国の民主的機関を維持する余地はまだ残されているが、早急な対応が不可欠である。


UNI Apro地域大会最終日、変革の原動力を生み出す

第6回UNI Apro地域大会において、UNI加盟組織は、次の4年間で変革を起こすべく、団結し、共に立ち上がった。2024 年11月20~22日にかけてタイ・バンコクで開催された第6回UNI Apro地域大会には、22カ国の組合からおよそ600名が参加した。

デジタル時代のディーセント・ワークのために、共に変革しよう(動議4)
地域大会の最終日は、デジタル時代におけるディーセントワークの実現に向けた、公正な移行に関する議論から始まった。

パネル討議に参加した鈴木克彦代議員(日本、情報労連)は、「日本では労働人口が減少する中、自動化やAIはプロセスを効率化し、労働力不足に直面する産業をサポートするツールとして期待されている」としつつ、倫理性の欠如によって労働者の権利を蔑ろにするリスクをはらんでいることを指摘した。そして、AIが労働者を支え、労働者の権利を守り、労働環境を改善するためのツールとなるよう、労働組合が積極的に関与し、会社と協議していかなければならない、とまとめた。

デニス・マガ代議員(ニュージーランド、FIRST Union)は、労働者がスキルアップや再技能教育プログラムを受けたり、つながらない権利を行使できるようにするための団体交渉の必要性を強調した。さらに、AI関連の移行を管理する上での労働組合と使用者間の強固な対話の重要性を強調し、AI主導の変化の影響を受ける労働者を保護するための社会所得保険や積極的労働市場プログラムなどの制度的な措置の必要性を訴えた。

フロアから発言した橋本大樹代議員(日本、損保労連)は、緊急性が高くない場合であっても、評価を気にして上司からの連絡に対応してしまう等、「つながらない」ことを選択しづらい状況が存在している実態を指摘し、勤務時間外のおけるコミュニケーションツールの使用等に関するルール策定の整備を進め、つながらないことを選択しやすい環境整備の重要性を訴えた。

暴力やハラスメントのない健康で安全な職場のために、共に変革しよう(動議5)
並木泰宗UNI Apro副会長(日本、自動車総連)がセッション司会を務め、「安全で衛生的な職場で働くことは基本的権利であり、UNIと加盟組織は、世界中でこの権利の実現に向けて立ち上がり続けなければならない」と挨拶した。

ILOバンコク事務所の氏田由可 労働安全衛生上席専門家が、2022年にILOが基本的人権として定めた労働安全衛生について、基調講演を行った。「労働安全衛生は、組合が職場における基本的人権の意識を高めるための非常に良い出発点となる」と述べた上で「毎年、過重労働が原因で、25万人が心臓病や脳卒中で命を落としている。アジア太平洋地域では、世界でも最も深刻な過重労働の問題に直面しており、この地域にとって喫緊の課題だ」と指摘した。

パネリストの永島智子代議員(日本、UAゼンセン)は、「サービスを受ける側も提供する側も共に尊重される社会を創る!」をコンセプトにしたカスタマーハラスメントの取組みについて報告した。アンケートによる実態調査を基に、厚労省や地方自治体行政への要請や、同組織出身の議員による国会での課題提起などを行った結果、2022年には厚労省のカスタマーハラスメント対策が予算化され、政府による広報ツール等が作成され、社会的にも認知されるようになったこと、東京都が日本初の「カスタマーハラスメント防止条例」を成立させ、2025年4月から施行されること等を共有した。

プレムカラ・サンバハンペ代議員(ネパール、NTEAN)は、労働組合が交渉によって、負傷した技術者の医療費負担を含む労働者の福祉の大幅な改善を実現した経緯を説明し、「安全な職場は、業績、評判、コンプライアンスを向上させ、労働安全衛生への投資を不可欠なものとする」と述べた。

また、熊谷芙美子代議員(日本、自動車総連)は、同組織による労働災害撲滅の取組みについて報告した。類似災害発生防止のために事例を共有し、加盟組織の安全衛生担当者と必要な対策を協議していると述べ、今後は重大災害の発生原因をさらに深く分析し、職場での再発防止意識を徹底するなど、より一層の取組みが必要だと発言した。

社会対話やパートナーシップ労使関係を通じて、持続可能な未来のために共に変革しよう(動議6)
最終セッションでは、技術革新と世界的な不確実性の時代における社会対話の重要性が強調された。

ゲストスピーカーとして参加したロドラ・ババランASEAN人材開発局長は、AI、自動化、リモートワークがもたらす変化は、使用者や政策立案者だけでなく、労働組合も適応する必要があり、そうすることで労働者が団体交渉権やディーセントワークを享受できると述べた。

スブラマニアム代議員(シンガポール、UTES)は、シンガポールの強固な三者構成の枠組みを紹介し、政労使が協力し、2025年の目標である2,500社を上回る2,700社以上の企業研修委員会を設立、労働者の研修プログラムを共同で策定していると報告した。また、「労働者にスキルアップや再教育を奨励することで、彼らの雇用可能性が将来の仕事にも対応できることを保証している」と付言した。

パネリストの市川勝也代議員(日本、生保労連)は、労使が連携して諸課題に対応していくことが重要との認識から、金融産業では初となる「働き方改革に向けた生保産業労使共同宣言」が採択され、また2024年には「社会的使命達成に向けた生保産業労使共同宣言」の採択が実現したことを報告した。そして地域社会の諸課題の解決に向けた「地域社会共創フォーラム」を開催し、労使共同宣言を共に交わした経営者団体である生命保険協会もパネラーとして参加、労使一体となって課題解決策を話し合ったことなどを共有した。

同じくパネルに登壇した深見正弘代議員(日本、全労金)は、同組織が参加する協同組織産別・単組連絡会の活動について説明するとともに、雇用創出や持続可能な開発に貢献し、UNI やUNI Aproの運動とも合致する協同組合の意義について語った。そして国連の定める2025年の国際協同組合年に向けて、協同組合の貢献について認知度を高め、持続可能な開発に向けて協同組合が発展するよう、政府や関係機関に働きかけていくことについて、ともに取組むことを提起した。

また、労済労連の上杉雄太代議員も、「協同組合は生活をより良くしたいと願う人びとが自主的に集まって事業を行い、その事業の利用を中心にしながら、みんなで活動を進めていく、営利を目的としない組織」であると説明した。また連絡会による今年のシンポジウムでは、協同組合の社会的責任と可能性をテーマに学んだことを報告し、最後に「2025国際協同組合年」を盛り上げていくことを大会に要請した。

磯山直樹代議員(日本、UAZ)は、職場の課題については、企業別労組がパートナーシップ労使関係に基づき、経営側と労使協議や団体交渉を行い、解決に取組んでいるとした上で、税金や社会保障、労働法制、カスタマーハラスメント等の社会課題については、政治活動に積極的に取組む必要があると発言した。ただし若い組合員の政治への関心の低さが課題であるとし、所属する企業別労組では、若手組合員を対象に、国会見学などの政治研修会を実施していることを紹介した。

全ての動議について採択が行われ、満場一致で承認された。最後に、UNI Aproの新たな執行部について選挙が行われ、過去5年にわたってこの地域におけるUNIの取組みを主導してきた成果と実績が認められ、UAゼンセンの松浦明彦UNI Apro会長と、ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長が再選された。また、UNI Apro執行委員会の新メンバーも大会で承認された。

安藤京一UNI副会長は、閉会挨拶の中で、気候変動や民主主義への脅威、一部の巨大多国籍企業による不当行為といったリスクにさらされ続ける中、すべての労働者が安心・安全に働けるようにするためには、グローバルな連帯が必要であり、UNI Aproに集う加盟組織がこれまで以上に一致団結しなければならないと訴えた。そして、新たに選出されたUNI Apro執行部を祝福し、UNI Aproの運動を牽引し、より良い将来の構築に向けてイニシアチブを発揮して頂きたいと述べ、締めくくった。


uni logo
最近のコメント
    アーカイブ