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ウクライナの医療従事者労組Be Like Ninaに、UNI『恐怖からの解放賞』

UNIは、戦時下で労働者の権利を求めて闘い続けるウクライナの医療従事者の労働組合、Be Like Ninaに『恐怖からの解放賞』を授与した。

米国・フィラデルフィアで開催されているUNI第6回世界大会で、医療従事者で同組織の共同設立者であるオクサナ・スロボディアナ氏が賞を受け取った。

看護師のニーナ・コズロフスカ氏がフェイスブックでウクライナにおける厳しい労働条件について懸念を表明した後、2019年に設立された同組織は、その後82,000人以上の組合員を抱えるまでに成長した。2020年にはウクライナの社会運動団体として、2021年には労働組合として登録された。

ウクライナで戦闘が勃発して以来、労働者は戦地で医療・看護を提供するために奮闘してきただけではない。戒厳令が敷かれ、身の安全が脅かされる事態が頻発する中、ゼロ時間労働制が導入されたことで、すでに押しつぶされそうであった状況に、さらなる重荷がのしかかった。

このような状況にもかかわらず、Be Like Ninaは、ますます高まる危険にさらされている医療従事者を支援するため、活動を続けてきた。リヴィウ地方とポルタヴァ地方では、不法解雇された看護師の復職を勝ち取る手助けをし、また多くの医療機関で未払賃金を取り戻した。さらに、研修や、国内避難民のための住宅、医療従事者のための医薬品やその他の必需品、危機的状況に陥った医療労働者のための心理的サポートといった人道的支援を強化してきた。

オクサナ・スロボディアナ代表は、「ウクライナのすべての労働者を代表して、この賞を受けたい。世界中のUNIの仲間が、私たちの日々の闘いを支援してくれていることに励まされる思いだ。私たち労働組合活動は、労働者の基本的権利と人権を擁護しており、非常に重要なもの。そして、失った権利を回復し、人々の公正な労働条件を確保することは、戦争が終わってからも同じく重要になってくる。私たちの取組みに共感いただき、感謝します」と語った。

UNIは毎年、組織化と労働者権利の促進、そして 「恐怖のない世界」の実現に向けて尽力した個人や団体に『恐怖からの解放賞』を授与している。過去には、米国・アラバマ州で組織化したアマゾンの労働者や、不当に投獄された人権活動者でバーレーンのサッカー選手ハキーム・アル・アライビなどが受賞している。今年は、組合活動のために脅迫・銃撃されたコロンビアの労働組合指導者、ルイス・フェルナンド氏も受賞する。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「圧倒的な困難に直面しながらも、労働者の正義をあくなき姿勢で追求するBe Like Ninaの姿は、連帯の力と人間の回復力の証しだ」と称え、「オクサナ代表とウクライナの何万人もの医療従事者の経験を分かち合うため、オクサナ代表をここにお招きできて、嬉しく思う。この賞は、暴力や抑圧に直面しながらも、患者や利用者、そして自らの権利を守るために立ち上がった看護師、介護士、医師、医療従事者一人ひとりの勇気を称えるものであり、我々全員を奮起させてくれている」と語った。


ネパール医療労組UNIPHIN、UNIブレイキング・スルー賞を受賞!

UNIは、ネパールの民間医療労組UNIPHINによる組織化の成功を評価し、UNIブレイキング・スルー賞を授与した。この賞は、医療労働者の権利、労働条件の改善、ネパールの医療部門全体の改善を提唱してきた同労組のたゆまぬ取組みを称えるものだ。

2015年に小さな労働者団体として発足したUNIPHINは、現在、医療介護部門の30以上の企業で働く9,000人以上の組合員数を誇る、全国的な連合体へと変貌を遂げた。同労組のビジョンと、こうした短期間での成長は、医療従事者の権利を求める世界的な運動において、見事な手本となっている。UNIPHINの指導者であるプリシヴィ・ラマン・タパリヤ氏は、受賞スピーチの中で「我々の組合は、医療従事者を組織化し、その発言力を強化するという明確な使命を持って結成さた。力を合わせ、連帯し、使用者や経営者団体と建設的な話し合いをすることに重点を置いている。医療従事者一人ひとりのために、安全な職場とより良い労働条件を作り出すことが目標」と語り、「全国に強力なネットワークを構築し、使用者や政府との社会対話における重要なパートナーとなり、組合員を増やして医療部門の政策決定において、強い影響力を持てるようになりたい」と抱負を語った。

UNIPHINは、ネパールの民間病院部門を変革してきた。ポカラのマニパル教育病院で500人を超える労働者が28日間にわたるストを行い、病院勤務者の待遇改善と賃上げを獲得したことは、最近の成果の一つだ。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「UNIPHINの素晴らしい活動は、ネパールだけでなく、アジア太平洋地域全体で輝く希望の星だ」と称賛し、「UNIPHINは、医療介護部門において組合の力が増大していることを示している。今後、何年にもわたってUNIPHINの組織化を見守り、支援することを楽しみにしている」と期待した。UNIPHINのプラティマ・バッタ氏は、受賞スピーチの中で、UNIとFESの支援に感謝の意を表した。

UNIは毎年、組織化において革新性と卓越性を示した組合や労働者団体に、UNIブレイキング・スルー賞を授与している。今年は他に、ジョブズ・ウィズ・ジャスティス(米国)、HTS(ウガンダ)、フィンランドの組合が受賞している。


OECD報告書、介護部門の変革を求める

2023年6月下旬にOECDが発表した新しい報告書は、介護労働者の低賃金と劣悪な労働条件を浮き彫りにし、介護部門における人員不足と離職率の高さを改善するため、多くの提言が示されている。

『拍手喝采のその先へ』と題された報告書によれば、OECD加盟国において、

  • 介護労働者の賃金は、全国平均時給の70%に過ぎない。介護労働者の4分の1は、平均賃金の54%以下しか得ていない。エストニア、ラトビア、リトアニア、ポーランド、ポルトガル、英国では、2018年の介護労働者の賃金は平均賃金の60%以下であった。
  • 低賃金につながる可能性のある背景要素(学歴、勤続年数、労働時間、性別など)を考慮すると、介護労働者の賃金は同様の要素を持つ他の労働者より12~16%低い。
  • 介護部門の女性労働者の賃金は、同様の要素を持つ男性介護労働者よりも7〜8%低い。
  • 介護労働者の4分の3が、身体的リスク(重い負荷、疲労、疲れや苦痛を生じる姿勢)を訴えているが、労働者全体ではこの値は59%である。介護労働者の3分の2が、精神的リスク(業務量、時間的プレッシャー、困難な利用者)を訴えているのに対し、全労働者では、この値は43%である。
  • 日本、ポーランド、スペイン、スウェーデンでは、介護労働者の4分の1以上が、有期雇用契約の労働者である。

報告書では、以下のような有益な提言が示されている:

  • 最低賃金の引上げ(最賃制度がある場合)及び/又は、部門別最低賃金の引上げを含む、賃金の引上げ(OECDは最近、オーストラリア、ドイツ、ラトビアが最低賃金を引き上げたとしている)。
  • 業務量の削減(例えば、フィンランドが今年行ったように、利用者:職員の比率を、利用者1人当たり職員0.5人から0.7人に引き上げるなど)。
  • 職員が団体交渉の適用対象となることを条件に、介護部門に公的資金を提供する(OECDはこの例としてドイツを挙げている)。
  • 問題を議論し共通の解決策を見出すために、政府が国レベルで社会対話フォーラムを設置する。
  • 税制を通じて組合加入を奨励し(OECD はフィンランド、ノルウェー、スウェーデンをこの例として挙げている)、団体交渉をすべての介護労働者に拡大することによって(OECD はオーストラリア、ベルギー、フランス、ドイツ、イタリアの例を挙げている)、 団体交渉と社会対話を支援する。

エイドリアン・ドゥルチUNI世界ケア部会担当局長は、この報告書について、「労働組合として、我々は介護部門が深刻な労働力不足と高水準の離職率に悩まされていることを知っている。これらの問題は、介護労働者に悪循環をもたらし、組織化、団体交渉、社会対話を弱体化させている。OECDの報告書は、単に重要な統計を提供しているだけでなく、前進する道を提示している。すべての OECD 加盟国の労働組合は、介護労働者を尊重するよう主張する上で、この報告書を参照できるようになった。そして OECD 加盟国自身も、社会パートナーと連携し、これらの提言を現実のものとしていく必要がある」と述べた。

ベロニカ・ニールソンOECD-TUAC書記長代行は、「OECDは介護部門の問題点を浮き彫りにし、この部門で働く魅力を向上させるための提言を行うことで、すべての人々に貢献している。OECDの報告書は、ほぼすべてのOECD加盟国において、労働者の交渉力を均衡させるため、注目を受け、対策を講ずるに値するものだ。大切な人のケアは、決して安上がりに行われてはならない。COVIDパンデミックの際に拍手喝采を受けたにもかかわらず、介護部門は低賃金、劣悪な労働条件、高い離職率とスタッフ不足という危機的状況にある」と訴えた。


UNIフィリピン加盟協、地域医療従事者の地位と労働条件の向上に向けて取組む

2023年5月27日、フィリピンのバランガイ・ヘルスワーカー(BHW※)の労働条件の改善に向けた継続的な取組みにおける連携を強化するため、1万人の地域医療従事者を代表するマニラ首都圏の労働組合など17団体の代表が集まった。この種の会合としては初めて、UNIフィリピン加盟組織連絡協議会(UNI-PLC)が開催した。

会合では、地域の医療システムにおけるBHWの重要な役割を高め、UNI-PLCのネットワーク内で支援を拡充することについて、議論が交わされた。こうした取組みは、労働者が患者へのケアの質を高め、自らの仕事の質を向上させる上で鍵となるものだ。BHWは、基本的な健康教育や、母子保健、予防接種、応急処置、環境衛生などの特定一次医療サービスを提供し、患者を医療施設に繋いでいる。

ローランド・デラクルスUNI-PLC議長は、BHWを支援すること、そして労働条件、トレーニング、リソースへのアクセスを改善するために協力していくことを約束し、「今日の会議は、医療へのアクセスが限られている地方や遠隔地で重要なサービスを提供しているBHWの労働条件を改善するという、UNI-PLCのコミットメントを反映したものだ」と述べた。

続いて、レイニア・クルスUNI-PLC事務局長は、すべてのフィリピン人に対する質の高い医療の提供を実現する上で不可欠な、医療システムの強化および現場で業務に従事する労働者への投資の重要性を強調した。

エイドリアン・ドゥルチUNIケア部会担当局長は、オンラインで会議に参加し、「BHWがフィリピンの医療システムの柱であるように、労働組合や労働者団体の強力なネットワークは、彼らにふさわしい賃金や評価を獲得するとともに、フィリピン国民が必要とする良質な医療を確保する上で、極めて重要だ」と訴えた。

※バランガイ:最小行政単位を意味するフィリピノ語で、フィリピン全土に4万2千あまりに及ぶバランガイが存在する。


コロンビアで社会改革に取組む医療労連が結成

コロンビア議会で進められている社会改革に連携して取組むため、同国の医療従事者5,300人を代表する労働組合6団体が、「コロンビア医療労連」を結成した。

2023年5月10日、コロンビア共和国議会で結成が発表された医療労連は、UNI米州と連携し、ケア部門に関する労働者の懸念を議会に伝えるとともに、労働者と患者のために責任ある公平で質の高い医療制度を求めて闘うことを目的としている。

同労連は共同声明の中で、「この歴史的な好機を捉え、我々は今、最高レベルでの決定に対する責任を受け入れなければならない。大企業、製薬業界、EPS(医療サービスの提供を行う組織)が自らの利益のためにロビー活動を展開しているように、我々も労働・年金・医療制度改革の過程で、自らの権利に向き合う参画のダイナミズムを確立することが我々の義務である」と述べている。

マルシオ・モンザネUNI米州地域書記長は、「労連は、コロンビアに変革の大きなチャンスが到来したタイミングで発足した。医療労連による改革プロセスへの貢献は、間違いなく非常に貴重なものとなる。医療部門に関する経験と生きた知識があり、また、この地域の団結の模範を示すものでもあるからだ」と語った。

労連結成に際し、同国のエドウィン・パルマ・エゲア労働関係副大臣は、労働組合の団結を称賛し、「改革のために前進するためには、間違いなく、労働者の団結、動員、議会でのアドボカシーが必要だ。国内の社会的格差の是正を進め、1500万人の労働者の生活を改善し、コロンビアが過去30年間求めてきたように、憲法上の義務、裁判所の命令、国際法の適用を遵守することによって労働組合運動に大きな行動力を与えるためには、団結が必要なのだ」と強調した。

労連は、同国で進められている改革を踏まえ、社会対話を引き続き推進することについての提案を発表している。


UNIフィリピン加盟協、上院議会に地域医療従事者を保護する法案の承認を要請

UNIフィリピン加盟協(UNI-PLC)は、同国の上院議会に対し、バランガイ医療従事者のマグナカルタ(上院版)の承認を早めるよう、要請した。この法案は、数十万人のバランガイ医療従事者(BHW)の福祉と利益を守ることを目的とする画期的な法案であり、2022年12月12日に、下院の第3読会と最終読会で承認されている。

BHWは、応急処置、母子・新生児保健、小児保健、予防接種を含む地域ベースのケアなど、国内の数百万人に地域医療を提供しており、COVID-19パンデミックにおいては、草の根で活動した医療界の名もなき英雄である。現在、246,333人のBHWがおり、そのうち242,966人が女性である。

増加するフィリピンの人口はこの記事を書いている時点で1億1700万人を超えている。人口20人に対して1人のBHWという割合が理想とされているため、フィリピン人の医療ニーズに十分に対応するには、現在のBHWはあまりにも少なすぎると言える。

BHWのマグナカルタ法案(HB6557)は、BHWに包括的でより良い手当を提供することを目的としており、従来の法律に記載された条件から大幅に改善されたものだ。提供される手当の中には、危険手当、交通手当、生活手当、退職一時金、健康手当、保険適用、休暇・産休手当、現金賞与、障害者手当、5年以上継続勤務したBHWSへの公務員資格の付与などがある。

さらにこの法案は、内務・地方政府省および地方政府単位に、差別行為やBHWの不当解雇に関する苦情処理機構を設置することを義務づけている。また、保健省を通じて、BHWの継続教育や研修プログラムも提供される。

ローランド・デラクルスUNI-PLC議長は、この動きを歓迎し、「経済面その他の社会保護給付の拡大や、法案の下でのBHWの雇用、結社の自由、公務員資格へのアクセスを保護する苦情処理機関の設立は、BHWの非正規雇用から正規雇用への公正な移行に向けた歓迎すべき進展だ」と語り、「パンデミックのさなかに、マスクや手袋、防護服などの適切な個人防護具を持たないBHWは、COVID-19の患者を自宅から地方や都市の保健センターや病院に連れて行っただけでなく、政府による大規模なCOVID-19ワクチンキャンペーンにおいても、主要な推進力だった」と付け加えた。

レイニア・クルスUNI-PLC事務局長は、 UNIやUNI Aproの支援を受けたこのプロジェクトは、UNI-PLCの優先プロジェクトの1つであり、BHWのマグナカルタ法制化を積極的に推進していくと述べ、「時間が肝心であり、強く働きかけていく。我々の英雄であるBHWに 多くの感謝を返すべく、正当な社会的保護、社会対話、雇用保障、結社の自由が与えられなければならない」と決意を語った。

UNIは、UNI Aproを通じて、アジア太平洋地域、特にネパール、インド、パキスタンの労働条件、社会対話、福利厚生の改善を求めるキャンペーンを展開している。COVID-19パンデミックにより、これらの労働者は、適切な個人保護具を持たずに都市部や農村部でCOVID-19の患者をケアすることが多かったため、より大きなリスクに晒されてきた。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、「UNIは、UNI-PLCや地域医療従事者に連帯する。この法案が成立することで、世界中のケアワーカーに勝利と刺激をもたらす。フィリピン上院に対し、法案への『賛成』を投じる呼びかけに、我々も賛同する」と力を込めた。


チェコの労働組合、国内最大の介護施設事業者と団体協約を締結

UNIの支援を受けたチェコの介護施設労働者が、アルツハイマー患者の入居ホームを運営する同国最大の民間看護施設事業者との間で、初の全社的団体協約を締結した。

チェコのUNI加盟組織UZO傘下で福祉関係の労働者を組織する組合ALICEが、2022年3月21日、プラハで2年間の団体協約を締結した。

チェコの民間介護労働者のための協約として、史上最も強力な今回の協約は、チェコ国内32か所の同社介護施設で働く約1,500人の従業員に適用される。

平均6~8%の大幅な賃上げを実現し、最も低い賃金水準の労働者に最大の賃上げをもたらすだけでなく、安全衛生政策において労働者に強い発言力を与え、まだ組織化されていない介護施設では経営側に干渉されることなく組合が労働者と関われるようになった。

イフラヴァにある介護施設の労働者でもあるダナ・ブリコヴァALICE委員長は、「チェコの民間介護部門における画期的な協約であり、大きな成果だと認識している。今回の協約は、何百人もの介護士、看護師、洗濯係、受付係、その他スタッフの勇気と団結した取組みなしには不可能だった」と感慨深く語る。

3月21日、団体協約に署名するダナ・ブリコヴァALICE委員長(左)とペンタ病院グループのバルボラ・ヴァキュリコヴァCEO

協約の実現に向けたキャンペーンには、何百人もの労働者が参加し、動員や請願活動が行われ、一般市民からも幅広い支持を得た。

アルツハイマー患者の入居ホームを所有するペンタ病院グループのアリス・シュヴェロヴァ人事部長は、「交渉は複雑だったが、公正なものとなった。エネルギー価格その他の高騰の影響によって、施設が大きな打撃を受けた時期に交渉が開始したが、我々は相互合意に達することができた」と振り返り、「交渉に参加した方々の建設的な取組みに感謝したい」と語った。

今回の組合の勝利は、UNIの中欧組織化センター(COZZ)が支援する、迅速な組織化キャンペーンによる成果でもある。ALICEは約1年前の2022年4月に、アルツハイマー患者の入居ホームで締結した最初の団体協約に署名した。10月には、組織化の取組みが功を奏し、さらに4つのアルツハイマー患者の入居施設の労働者が組合に加入し、現在では10施設に拡大し ている。

新しい団体協約はすべての労働者に利益をもたらすが、今後、さらに残りの約20のアルツハイマー患者の入居施設で働く労働者を組織化する道も開かれている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「より良い労働条件と賃金を求めて組織化し、キャンペーンを展開し、そして立ち上がる決意を持って取組んできた施設労働者とALICEに協力できることを、誇りに思う。この成果はチェコ全土の民間介護施設で働いている人たちを勇気づけている。この地域の組織化に対するUNIの支援が実を結び、労働者の生活に真の変化をもたらしていることは、素晴らしい」と称えた。


戦火の中で組織化するウクライナの医療従事者を支援

ウクライナの医療従事者が、戒厳令の制約、砲撃の絶え間ない脅威、戦中に医療専門職として働くことの重圧に負けず、自らの権利を求めて立ち上がり、不正と闘い、労働組合を結成している。

2023年2月下旬、ポーランドにあるUNIの組織化センターCOZZが設立した「ユニオン・ヘルプ・レフュジーズ(UHR)」が、 Be Like Nina のリーダーやメンバー20人を対象に、会議を開催した。 Be Like Ninaは、戦争が始まる前に草の根の動員を開始し、その後、医療従事者の労働運動/労働組合へと成長した。

3日間にわたる会議では、労働組合の戦略に関するトレーニングが行わ、また心理学を専門とする2名のUHRスタッフによるワークショップでは、戦時下での生活や仕事による精神的負担に対処するための方策が共有された。

UHRにとっては、戦争によって看護師や医師が日々経験している苦難を直接聞く機会となった。多くの参加者が、2022年2月にロシアが侵攻して以来、今回ポーランドで開催された会議で初めてぐっすり眠れたと語った。ウクライナでは、今も毎日空襲警報が発令される地域があり、いつロケット攻撃があるかも分からない厳しい状況だ。

医療従事者からは、戦争や過重労働による緊張からくる不安、疲労、集中力の低下といった共通の症状が報告された。戦争のトラウマで感情が「凍りついている」と語った参加者もいた。ある看護師は、ストレスレベルが高すぎて手が震え、集中力が低下し、30年来行ってきたレントゲン撮影を正確に行うことが難しくなってしまったと言う。さらに、使用者から叱責されるのではないかという恐怖も、彼女の不安を増幅させている。

雇用の安定は、医療部門の労働者にとって大きな不安となっている。なぜなら、離職して仕事を失った他の医療従事者に、簡単に取って代わられる可能性があるからだ。労働者は、陰湿な賃金政策や看護師と医師の間の不平等な地位を報告し、看護師は医療ミスのスケープゴートとして濡れ衣を着せられたりする等の状況を語った。さらに、この部門の賃金はもともと非常に低かったが、戦争による物価の上昇で、生活が一層困難になった。

医療従事者が直面する困難にさらに拍車をかけるように、昨年7月には、ゼロ時間契約の合法化が議決され、国の労働法による保護から労働者の7割を除外する法案が可決された。また戒厳令によって、一週間の労働時間が40時間から最長60時間に引き上げられ、最低休息時間は24時間に短縮された。

しかし、Be Like Ninaの活動家たちは、恐れることなく反撃している。この運動は、2019年11月にUNIの会合に出席していたニナ・コズロフスカ氏が、医療部門の劣悪な労働条件と低賃金を是正するという政府の空約束に対する不満をFaceBookに綴り、他の医師や看護師たちにも自らの困難な経験を共有するよう、促したことから始まった。

Be Like Ninaの共同設立者であるオクサナ・スロボディアナ氏は、「以前は、医療従事者には何の影響力もなく、使用者と政府だけが政策を議論し、我々に多くの心理的圧力をかけてきていた。しかし、この状況が変わりつつある。使用者や政府は、我々が医療従事者の大きな運動であることを認識し、我々の要求に耳を傾け始めている」と振り返る。

戦争によって、多くの医療従事者が国内外に避難し、ウクライナからの脱出を余儀なくされた人もいれば、国内で数ヶ月間働いた後に再び海外で働く人もいる。ポーランドに難民として逃れてきた医療従事者だけでなく、UHRはトレーニングを通じて、国境の両側で働く人々の支援も始めている。

ラファル・トマシャクCOZZ事務局長は、「このトレーニングが、勇気ある(主に)女性たちにとって、どれほど価値のあるものであったかを、見聞きすることができ、感慨深く、やりがいのあるまたとない経験となった。逆境にもかかわらず、組合を結成しようという強い意欲を持って、会議を終えてくれたことを知り、とても嬉しい。現在ポーランドや欧州の他の国々で活動しているBe Like Nina運動のメンバーがおり、今回のトレーニングは、この12ヶ月間、UHRのプログラムがポーランドで行ってきた支援との間に明確なつながりがある。UHRがこうした素晴らしい労働者と組合を支援する新たな方法を構築したことは、誇らしい」と述べた。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「UNIは、戦争の試練やトラウマにもかかわらず、自らの権利を求めて闘い続けているウクライナの勇気ある医療従事者を支援することができ、誇りに思う。UNIの加盟組織による難民支援プログラムが、国外脱出を余儀なくされた労働者や、ウクライナで組織化する医療従事者を支援することができて、喜ばしい」と語った。


ブラジルのUNI加盟組織、看護師最低賃金を求めて動員

2023年2月14日、ブラジル全土で数千人の医療労働者が動員され、2022年に政府が法律で承認・認可したものの、連邦最高裁長官の措置により停止された看護師の全国最低賃金の実施を要求した。ブラジルのUNI加盟組織は、ミナスジェライス、バイーア、サンパウロ、パラナ、リオデジャネイロなど、いくつかの州で行動を起こした。

看護師の全国最低賃金を求める闘いは30年以上続いており、今回の勝利は全州の医療看護労働者の連盟・総連合の働きのおかげである。この成果により、労働者は看護師に4,750レアル、看護技師に3,325レアル、看護助手・助産師に2,375レアルの最低賃金が設定されることとなった。

サンパウロ州医療労連とブラジル一般労組(UGT)に加盟するカンピーナス医療労組のソフィア・ロドリゲス・ド・ナシメント委員長は、「これ以上、労働者は待てない。この法律は施行されなければならない。病院や民間医療施設は、昨年からすでに新しい最低賃金を支払えたはずだ」と訴えた。

CSPコンルータス(労働組合と民衆運動の連合体)に加盟するベロ・ホリゾンテ及び地域医療サービス施設従業員労組(SINDEESS)のホセ・マリア・ペレイラ委員長は、 「命がけで患者のケアに尽力している何千人もの看護師の福利のために、すでに承認されているこの法律の施行は、不可欠だ」と説明し、「最低賃金を守るために闘うだけでなく、看護師のみならず、すべての医療従事者の賃金を引き上げることが非常に重要だ」と述べた。

一方、アレッサンドラ・ガデルハ・デメーロ・バイーア看護師労組(SEEB)委員長と、サラ・ノヴェス・マスカレンハスSEEB広報部長は、2023年2月14日にサルバドールで行われたデモとストライキは、バイーア看護フォーラムが全国看護フォーラムと連携して企画したと表明し、「この集会の目的は、ルーラ大統領が一刻も早く暫定措置に署名するようにすることだ。その草案は、すでに厚生省のメンバーや国会議員によって作成されている。 それによって、暫定措置は法的効力、つまり『賃金フロア』をもつことになる」と説明した。

看護師の全国最低賃金は、2022年8月に議会で承認された。使用者団体が推進した違憲訴訟は、連邦最高裁判所で支持された。

ルイス・ロベルト・バローゾ最高裁判事は、公的医療従事者の最低賃金を賄う計画を提示できるよう、この法律の効力を60日間停止する差し止め命令を出し、それから150日以上が経過した。ニシア・トリンダーデ保健大臣は最近、事態の打開と全国看護師最低賃金の実施を約束した。

昨日の行動に参加した労働組合やその他の組織は、最低賃金が現場の全労働者にとって実現するまで、闘争を維持すべく、今後も尽力する。マルシオ・モンザネUNI米州地域書記長は、「加盟組織の団結と、全国の看護師最低賃金の実施という目標を必ず実現するであろうこの闘争を称賛する」と述べた。


ポーランドのオルペア労組、交渉の準備が整う

ポーランドのUNI加盟組織OPZZ KPは、長年の闘争を経て、大手介護施設事業者オルペアの施設14か所すべてを対象とする、同社では初となる団体協約を締結する準備を進めている。この進展は、2022年4月にUNIとオルペアが締結したグローバル枠組み協定に結実した、長い闘いによって可能になった。

1989年に設立されたオルペアグループは、本社をフランスに置く世界有数の高齢者向け総合介護(高齢者施設、介護付有料老人ホーム、精神科クリニック、在宅ケア)の事業者である。

生活費危機の状況下における適正賃金、安全な人員配置、社会連帯基金の透明性と説明責任、不安定就労の削減など、 労働者が自ら決定した課題について、交渉が開始する予定だ。OPZZ KPの組合員数は、グローバル協定の締結以来3倍に増え、ポーランドの全社的代表権の基準値を満たす唯一の組合となっている。

「2018年に組織化を始めたのは、入居者に最高のケアを提供しながら、尊厳をもって自分の身を立て、家族を支えられるようにしたかったから」と語るのは、オルペアの労働者アンナ・バシアOPZZ KP委員長だ。「反対や報復的な措置に直面してきたが、我々の闘争とグローバル協定を経て、会社は組合に対する姿勢を変え始めている。今でも意見の相違はあるが、数年前のように争うのではなく、今では社会パートナーシップの精神に基づいた関係を築いている」と、前向きな変化を喜んだ。

同委員長は、2019年に組合を主導したことを理由に解雇されたが、UNIケア部会によるデモ行進や請願活動、グローバルな連帯行動など、2年間のキャンペーンを経て、復職した。

以来、同社は、ポーランドでも世界レベルでも新しい経営陣を据え、労働組合の基本的自由を含む従業員の権利を守るため、確固たる取組みをしてきた。バシア委員長は今、ピケットラインに立つに代わりに、交渉のテーブルに着こうとしている。

エイドリアン・ドゥルチUNIケア部会担当局長は、「OPZZ KPは、ポーランドのオルペアを変えるだけでなく、同国の介護部門全体を変えようとしている」と述べ、「オルペア労働者の献身と勇気は心を動かすものであり、UNIは最初の団体協約の交渉において、引き続き組合とともに歩んでいく」と力強く結んだ。


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