
国連が定めた「国際ケア・サポート・デー」の第一回目となる2023年10月29日に、世界中でケアに関わる労働者の果たす重要な役割にスポットライトが当てられる中、世界の労働組合が、この分野における団体交渉の拡大とケアの質の向上を目指して行動を起こしている。
国連が10月29日を正式に「国際ケア・サポート・デ―」に定めるのに先立ち、この日を機にUNIやITUCを含むケアに関わる労働者の権利を擁護する広範な連合体は、世界中でケア部門への投資拡大を訴えた。
介護・ケア労働者は、緊急にさらなる支援を必要としている。UNIが3,000人の労働者を対象に実施した2021年の世界的な調査では、広範な人員不足、貧困レベルの賃金、ハラスメント被害、危険な労働条件が明らかになった。調査対象となった介護・ケア労働者の半数以上が、日々の基本的なニーズを賄えないほどの賃金水準について報告し、30%以上が個人用保護具を十分に利用できなかったと訴えている。
2年経った今も、十分な変化は見られない。しかし、「ケア・サポート・デー」は、ケアに関わる労働組合がいかに闘い、成果を勝ち取ってきたかを示す機会となる。
アラン・サブレUNI世界ケア部会担当局長は、「圧倒的に女性が多く、そのほとんどが過重労働と低賃金の世界中の介護労働者は、もっと多くを受け取るべきだ。国際ケア・サポート・デーを祝うとともに、このような名もなき英雄たちが日々立ち向かっている闘いを認識し、彼らが職場で声を上げるために組織化する支援をさらに強化していく」と決意を語り、「#TogetherWeCareというハッシュタグを使っている。この部門を変革するには、介護労働者が団結して集団の力を発揮し、より良い労働条件とケアの質の向上を求めて闘うことが必要だからだ」と説明した。
COVID-19パンデミックの際、介護・ケア部門において組合が不可欠であることが証明され、感染症制御と安全衛生の強化につながった。英国を含む数カ国で、介護労組の主要な要求である人員配置比率の改善が実現した介護施設では、COVID-19感染が少なかったという証拠がある。米国では、組織化されている介護施設ではCOVID-19による死亡と症例が大幅に少なかった。未組織の施設よりも職員配置比率が改善され、個人防護具(PPE)を多く使用できたためである。
さらに、労働組合に加入している介護労働者は、一般的に収入が高く、離職率が低く、燃え尽き症候群になりにくい。
クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「ケアに関わる労働者は、変化を待っているのではなく、求めているのだ。まさに今、安全な仕事、適正な人員比率、安定した労働時間、家族を支えられる賃金を必要としている。パンデミック後のケア部門における組織化の急増は、労働者がいかにケア部門を再建し、家族、利用者、入居者の利益につなげているかを示している」と語った。
UNI加盟組織は、前進している。例えば、ドミニカ共和国では、組合が労働者向け研修の強化、労働条件の改善、高齢者介護職の正規雇用化を勝ち取った。チリでは、組合が民間部門の介護労働者の「休息権」を確保し、介護労働者のメンタルヘルスへの配慮の重要性が認識された。
米国では最近、ケアに関わる労働者が国内最大規模のストライキを実施し、賃金とケアの改善をもたらした。一方、フィリピンでは、フレゼニウス社の労働者が問題のある雇用慣行と闘っている。スロベニアでは今年、障がい者の介助者が、資金強化と雇用改善を勝ち取るために歴史的なストライキを決行した。
こうした世界中で行われている数百のキャンペーンは、人々の雇用と生活を変えていくだろう。だが、もっと多くのことをしなければならない。公正で良質、公共性の高い、ジェンダー役割を変革していくような医療・介護制度への投資が急務であることは、強調してもしすぎることはない。介護を必要とする人の数は、 2030年までに23億人に達すると予想されており、この急増する需要に対応するためには、介護部門において4億7500万の良質な雇用を創出する必要がある。
UNIが国際ケア・サポート・デーだけでなく、日々、世界中の労働組合とともに介護労働者の支援に取り組んでいるのは、そうした理由からだ。共に力を合わせれば、成果を獲得できる。