労働者の権利に焦点を当てた資産家のグローバル・ネットワークが発足

2兆2,000億米ドルを超える運用・助言資産を持つ投資家が、投資先企業に対し、結社の自由および団体交渉に関する労働者の基本的権利を尊重するよう求めるため、結集した。

労働者の権利投資家ネットワーク(LRIN)は、スチュワードシップ(財産を管理することを任された者の責務)の実践に労働者の権利を組み込むことにコミットする、資産運用会社、資産家、投資サービス・プロバイダーを集めた世界的なイニシアティブである。LRINの参加組織には、ニューヨーク市職員退職金制度および教員退職金制度、スウェーデンのフォルクスサム、英国を拠点とする地方自治体年金基金フォーラム(LAPFF)等が含まれる。

LRINは、労働者資本の責任ある投資を提唱するグローバル・ユニオン労働者資本委員会(CWC)に置かれている。

同ネットワークの指針となる投資家声明において、労働者の権利は、国連や経済協力開発機構(OECD)によって認められているように、「人間の自由の基本的な柱」であると指摘されている。同声明は、「労働者の権利を尊重する企業は、生産性の向上、職場の安全性強化、従業員エンゲージメントの向上など、多くの利益を得ることができる」としている。

クリストファー・ヨンソン労働者資本委員会(CWC)委員長は、 「我々はこのネットワークによって、基本的権利を侵害されている労働者の声が、労働者の権利がポートフォリオの中で確実に守られるよう尽力している投資家の耳に届くようにしていく。これにより、投資家は人権デュー・ディリジェンスを改善し、リスクを軽減し、国際的な規範と枠組みの下で責任を果たすことができるようになる」と述べた。

投資家声明では、投資先企業の取締役会や上級管理職が労働者の権利について監督責任を負い、結社の自由や団体交渉に対する労働者の権利が尊重されるようにし、労働関連の指標に関する情報開示を行うよう、求めている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「このネットワークは、世界中の労働者の権利を守る上で重要な役割を果たしている。介護やその他の部門において、投資家の効果的なスチュワードシップが、基本的権利の行使を望む労働者に変化をもたらすことを、我々は目の当たりにしてきた。また、投資家が投資先企業のリスクを理解し、軽減するためには、現場の組合からの情報が必要であることも分かっている」とその意義を強調した。LRINは、投資家メンバーがスチュワードシップの実践にこれを組み入れる上で必要な情報とツールを提供する。

以下は労働者の権利投資家ネットワークに参加した投資家のコメントである。
「何千人もの労働者の退職貯蓄を預かる金融資産管理者として、我々は投資先企業が確実に労働者に投資するようにしたい。基本的な労働者の権利を無視することは、長期的な株主価値を損なうリスクがある。労働者の権利が尊重されるよう求める歴史的な運動は、何十万人もの労働者に目に見える利益をもたらしてきた。我々はCWCと共に力強く立ち上がり、この重要な取組みを発表できることを誇りに思う」 — ニューヨーク市会計監査官 ブラッド・ランダー氏

「LRINは、我々のスチュワードシップ強化に真価を発揮するものであり、早期に参加できたことを嬉しく思う。投資先企業が結社の自由や団体交渉を尊重することを期待しているが、現実にはあまりに多くの場合、そうはなっていないことも知っている。情報を得たり、労働組合から直接見識を聞いたりすることで、LRINがこの問題に取組む一助になると信じている」 ―フォルクサム責任投資・コーポレートガバナンス部門責任者 エミリー・ウェストホルム氏

「LRINの発足を支援できることを大変嬉しく思う。長年にわたり、我々は労働力の管理をめぐって多くの企業や労働組合と関わってきており、こうしたテーマが提起される頻度も高まっている。また、気候変動のような問題については、協力的なネットワーキング・イニシアチブが投資家のスチュワードシップ活動の効果を高めることも分かっている。ゆえに、労働者の権利に焦点を当てたネットワークの設立については、これ以上良いタイミングはないだろう」 ―ダグ・マクマートLAPFF議長