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欧州の保険部門、人口減少の課題に取組む

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UNI欧州地域組織は、社会パートナーである欧州保険協会、BIPAR(国際保険募集人連盟)、AMICE(ヨーロッパ協同組合・相互保険者協会)と共に、ルーマニア・ブカレストで「人口動態の課題を再検討する:欧州の保険部門における画期的な対策」をテーマとした会議を開催した。

この会議のために、急速に変化する保険部門が直面する課題への画期的な解決策と、労働者の福祉を促進する優良事例を新たに集めた報告書が発表された。これは、2012年に欧州委員会の資金援助を受けて完了した欧州プロジェクト「保険部門の人口動態の課題に取組む:優良事例の収集と普及」のフォローアップであり、とりわけ中・東欧に焦点を当てている。

「今日、高齢化が進み、人口は減少している。これはEUの人口の将来にとってかつてない課題となるだろう」と、UNI欧州金融部会で保険部門の社会対話を担当するエルケ・マースは述べた。「ベビーブーム世代が引退し始める中、退職者がますます増え、国の福祉制度を十分に支えるには労働者が少な過ぎるという事態に直面している。低出生率によって、労働市場に参入する若年労働者数が明らかに減少しているからだ。」

こうした人口動態の変化は、欧州の保険部門にとって、例えば、生命保険、年金、健康保険、長期の介護保険等の商品提供能力と、使用者としての能力の双方に影響を与えている。

しかし欧州の保険部門は、報告書が示すように、多くの画期的対策も提示している。前回2012年度版と同様、欧州全域から集められた最良事例の3つの主要テーマは、「ワークライフバランス」、「資格と生涯学習」、「職場の労働安全衛生」である。さらに今回は、保険労働者にとって近年ますます重要になってきた「テレワーク」と「長時間労働」も扱い、あらゆる世代の労働者に公平なキャリアモデルの開発に焦点を当てている。

エルケ・マースは、「人口動態の課題にともに取組んでいく上で、保険部門の社会パートナーは、この報告書にある優良事例を参考にし、企業あるいは国レベルでの取組みに役立てることを期待している」とまとめた。

 


ユニバーサル・ベーシックインカムは、貧困撲滅に役立つのか?

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ユニバーサル・ベーシックインカム(UBI)-個人が就労中か否かに関わらず、世帯所得を保障するという考え方が、最近チューリヒで開催された「仕事の未来」会議の中心的テーマであった。

UBIは何十年も経済界で議論されてきた考え方だが、人間の仕事がますます機械化され、オックスフォード大学等が10~20年以内に雇用の半数が機械化によって失われると予測する時代にあって、再び注目されている。

UBIは様々な政治分野で、熱い議論の的となっている。中でもスイスはUBIの導入を議論しており、今年国民投票を実施する予定だ。オランダでは既に実験的に実施されており、フィンランドでも間もなく開始される。

技術革新と、特に今後数年で急増が予測されている「プラットフォーム・エコノミー」や「シェアリング・エコノミー」における新しい雇用形態の圧力にさらされて、UBIを福祉制度の万能薬と見る向きもある。労働者が短期の不安定な仕事をいくつも抱えているような経済に、いかに福祉制度を適合させるのかという問題は、雇用形態に関わらず毎月の基本所得を保障する議論の中心となっている。

「プラットフォームになり得るものは何でもプラットフォームになる」と、世界最大のカーシェアリング会社ZipCar共同創立者のロビン・チェイス氏は述べる。「父は生涯1つの仕事に従事した。私は一生のうちで6つの仕事をするだろう。娘は同時に6つの仕事をこなすかもしれない。」

チェイス氏は、全ての人がこの状況を好むわけではないことを認識しつつ、プラットフォーム・エコノミーへの移行において、多くの労働者が職を失いそうな状況を受け、UBIの考え方を支持している。

他にも、ギリシャの元財務大臣であり著名なエコノミストであるヤニス・バルファキス氏らは、経済格差が歴史的レベルに達した今日の状況は、UBIを導入するに十分な根拠であると述べる。「UBIは必要だ。」「好むか好まざるかの問題ではない。ベーシックインカムは、富の創出に対して集団で責任を負う国民への配当金だからだ。」

米国のロバート・ライシュ元労働長官は、労働力参加率がここ数年で最低水準を記録し、技術のせいでますます多くの人が低賃金労働に追いやられている事実を指摘する。「格差が生じ、総需要が落ち、不安定になる」とライシュ氏は述べる。「UBIは真剣に考える価値がある。」

UBIで想定される恩恵について、これまでのところ労働組合の中では意見が分かれている。アンドリュー・スターンSEIU前会長は、避けられないほど差し迫った失業の高まりに備えられない危険性を警告している。「10~20年以内に津波のような破壊的状況が押し寄せてきた時、従来の小さな防波堤では持ちこたえられないだろう。」「UBIはこの問題へのまったく異なるアプローチだ。これまで聞いた政策で、UBIがなし得ることを実現できる政策は1つもない。失業保険は必要なくなるだろう。これは選択と自由と機会の問題だ。」

バルファキス氏も、「機械がチューリングテスト*に合格したら、人類史上初めて、雇用破壊が雇用創出を上回る瞬間を目にするだろう」と言っている。(*英国の数学者チューリングが考案した、コンピュータが考えることができるか判定するテスト。)「社会的セーフティネットは人々を支えるのはよいが、貧困から抜け出るには難しい」とつけ加えた。「ベーシックインカムを土台とし、そこから空高く伸びていくと考えればよい。」

スイス最大の労組UNIaのバニア・アレバ委員長は、ベーシックインカムについて懐疑的だ。「議論する価値のあるビジョンだ」としながらも、「しかし、スイスにはきちんと機能している社会保障制度があり、UBIによってこれが脅かされている」と述べる。

英国の労組ユナイト・ザ・ユニオンのアンドリュー・ブレイディ氏は、UBIの考え方に共感しつつも、UBIを特効薬と見るべきではなく、我々を取り巻くニューエコノミーに対する解決策の1つと考えるべきだと述べている。「UBIの計画と運営に労働組合を関与させること、UBIを訓練や再訓練と関連付けること、そしてより高い最低賃金および強力な労働法制と併せてUBIを構築していくことによって、より良い基準を確保し、経済的混乱を緩和することができるだろう」とブレイディ氏は述べた。

スイスは、2016年6月にUBIの国民投票を行う。

UBI


第49回アジア開発銀行(ADB)年次総会

Bro. Tahara

UNI Apro金融部会は、第45回総会(2012年、フィリピン・マニラ)から初めて参加し、第46回(2013年、インド・デリー)、第47回(2014年、カザフスタン・アスタナ)、第48回(2015年、アゼルバイジャン、バクー)と継続的に取組んでいる。ADBのビジョンはアジア太平洋地域の貧困撲滅であり、労働組合がADB総会に参加する目的はADBの民主的な運営の実現に向けた要求を行うことである。ADBのような多国間開発銀行から融資を受けて途上国で実施されるインフラ整備のプロジェクトは当初、労働者や地域住民の要求を無視して行われ、それに対する抗議から始まった。主な要求内容はADBが投資を行う際、人権・労働権、環境に配慮し、社会的セーフガードを守った投資を行うこと、その実効性を担保するために労働組合と継続的に話し合うことである。

第49回アジア開発銀行(ADB)年次総会は2016年5月2~5日、ドイツ・フランクフルトで開催され、40か国の政府代表(財務大臣、開発大臣、中央銀行総裁)、民間部門、労働組合・NGO等の市民社会組織(CSO)等3000人が出席した。クリーンエネルギー、気候変動、都市開発、公正なサプライチェーンの実現等、アジアにおける持続可能な開発とそのためのアジアと欧州の協力に焦点を当てて議論が行われた。

UNI及びPSI(国際公務労連)のアジア太平洋組織は今年も代表団を派遣し、UNI Aproからプリヤラル金融部会担当部長、ラジェンドラ地域書記次長、UNI-LCJからは以下6人が出席した。

田原將一UNI Apro金融部会議長(損害保険労働組合連合会中央執行委員長)

斉藤隆之全信連副議長(三井住友信託銀行従業員組合中央執行委員長)

向浦章裕全信連書記長(三井住友信託銀行従業員組合中央執行副委員長)

渡邊和孝全信連中央委員(三菱UFJ信託銀行従業員組合中央執行委員長)

中井雅彦全信連会計監査(三菱UFJ信託銀行従業員組合中央執行副委員長)

小川陽子UNI-LCJ事務局長

田原UNI Apro金融部会議長を団長とするUNI-LCJ代表団は、CSO企画プログラムを中心に、ADBセミナー、ホスト国セミナー、スポンサー企業セミナー等に積極的に出席した。

中尾ADB総裁との対話で、UNI Aproを代表して田原金融部会議長は、「税収と公共支出、貯蓄、投資のミスマッチの結果として起こる持続不可能な債務と大幅な財政赤字は、アジア太平洋地域の多くの国々で持続可能な開発を実現する上で、深刻な障害となっている。こうした問題を解決するためにADBはどのような政策指導をしているか」と質問した。ラクシュミPSIアジア太平洋地域書記長も中核的労働基準(CLS)及び官民協調融資(PPP)について質問した。ADBは2001年に初めて国際的労働基準の遵守を公約した多国間開発銀行として評価されているものの、15年を経過した今もその公約がきちんと守られているとは言えず、出席したNGOは途上国におけるADB出資の開発プロジェクトで人権、労働権が侵害され、環境に配慮されていない事例を挙げ、透明性と地域住民への十分な説明や意見反映を訴えた。

中尾ADB総裁は、「2010年頃アフリカの多くの国々で債務削減が実施されたが、幸いアジアではアフガニスタンを除き、融資を受けた国からきちんと返済は行われている。インフラを構築し、経済を成長させることができれば、ADBへの返済も可能になる。公共部門は重要だが、民間の効率性と資金を、適切に透明性をもって活用することも資金調達のひとつの方法として有効であると考えている。プロジェクトの恩恵を受ける現場の意見を汲み上げる上で労働組合やNGOの関与を歓迎し、今後も良い対話を続けていきたい」と答えた。

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UNIネパールの仲間より、熊本地震の被災者に連帯

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UNIネパール加盟協(UNI-NLC)のシャンカール議長より、UNI日本加盟協(UNI-LCJ)の小俣議長宛て、熊本地震被災者に対するお悔み状が届いた。

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親愛なる小俣議長、

先日日本を強い地震が襲ったと聞き、とても心配しています。UNIネパール加盟協(UNI NLC)を代表し、私は、今回の大地震とその余震により物的な被害に遭われた方々と亡くなられた方々に対し、心からのお見舞いとお悔やみを申し上げます。
今回の大地震によって、去年、8,000人の命を奪い、未だに余震が続く我が国の大地震を思い出しました。私たちは世界中で日本は最も地震が多い国だと思いますが、今回の大地震は過去5年に発生した中でももっとも破壊的なものかと思います。今回の悲劇で愛する家族、友人や親戚を失った悲しみ、将来への不安はいかばかりかお察し申し上げます。

貴国で今回発生した災害による尊い人命の損失、負傷者、被災者に対し、心からお見舞いを申し上げます。

私たちは今回の災害の影響から早く復興できるよう、日本と日本の人々のためにお祈りしています。皆さんはこの困難を切り抜けることができる国民であります。私たちは日本人の精神と団結によって皆さんがこの大災害から復興できるということを信じて疑いません。
UNI NLCと全ネパール国民はいつも日本の皆さんがこの困難な時期にいることを一時も忘れることはありません。

連帯とともに

UNI NLC議長

シャンカール・ラミチャーニ

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フィリピン銀行労組、UNI-LCJ金融部会と交流

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2016年3月14~16日、ウマリ委員長を団長とするフィリピン銀行労組(NUBE)代表団が来日し、UNI-LCJ金融部会の仲間と交流した。NUBE側からは、日本の金融労組の経験から学びたいとの強い要望があり、今回の受入れが実現した。メンバーは、ジーザス・ニデア副委員長(貯蓄銀行従組委員長)、ボールドウィン・セキムテ監査(預金保険機構従組委員長)、レイナー・クルス部長(スタンダードチャータード銀行従組委員長)、フェデリコ・ロハス顧問弁護士の5人。

14日の到着後、直ちに全労金本部を訪問し、桜井副委員長、深見書記長、奥井書記次長と意見交換を行った。NUBEからは協同組合銀行としての労金の役割に関して特に熱心な質問が出された。ウマリ団長は、日本の銀行で働く労働組合として初めてUNI加盟を果たした全労金の功績を称えると共に、NUBEが(UNIの前身である)国際産業別組織FIETへ加盟したことにより、銀行業界に押し寄せた技術革新の波にいかに対応すべきかを他国の例から学ぶことができた経験を述べ、海外事業を行っていなくても、同じ産業で働く者どうしの情報交換は非常に有益であると強調した。深見書記長からも、韓国の金融労組との交流で得られた情報を今年の要求に反映したこと等、国際労働運動の意義が報告された。

15日には新生銀行従業員組合、全銀連合と意見交換を行った。ウマリ団長からは「全銀連合との情報交換は、NUBEが今後取り組もうとしている農村銀行の組織化に大変参考となった。是非、フィリピンに来て、農村銀行協会と会ってほしい」との要望が出された。また、加藤元UNI Apro地域会長を表敬訪問し、ウマリ団長は、「加藤氏の退任後に、また会えるとは思ってもいなかった。今は日本再共済連理事長として、我々と同じ金融部門で活躍されていると聞き大変嬉しい」と再会を喜んだ。

16日には、UNI-LCJ金融部会主催「フィリピン金融産業と労働運動について聴く会」が損保労連会議室で開催され、損保労連、生保労連、労済労連、全信連、新生銀行従組が参加した。ウマリ団長は、NUBE及びフィリピンの金融産業概要を報告し、現在のNUBEの基礎は国際労働運動への参加を通じて確立されたと言っても過言でないと断言した。NUBEは1980年代、マレーシアやシンガポールの金融労組から支援を受けてFIET加盟を果たして以来、パートナーシップ労使関係作りに努力してきた。そして銀行業政労使協議会(BITC)設立はNUBEが主導し実現させたこと、BITCを通じた社会対話を通じて、金融産業で起こる変化や政策変更に労働組合も関与し、意見反映していく機会の重要性を強調した。フィリピンの他の産業でこのような三者対話のメカニズムを持ち定期的に対話を行っている組合は殆どない。NUBEはUNI Aproが推奨するパートナーシップ労使関係を推進し、銀行使用者とも良い関係を構築しており、ASEANの他の国にとっても先進的なモデルとなっている。

宮本生保労連副書記長から、フィリピンにおける青年組合員の活動について質問が出され、UNI Apro青年委員会の前議長も務めたレイナー部長が次のように説明した。フィリピンでは一般的に労働組合はトラブルメーカーだという悪評が先行しており、特に入社したばかりの若い世代は加入したがらない。「組合は良いことをしている」、「企業内の従業員の利益のためだけに活動しているわけではない」という正しいメッセージを伝えるために、フィリピンのUNI加盟組織の青年組合員で構成される青年委員会メンバーは、大学で学生に労働者の権利についてレクチャーする取組みを続けている。また、ゴミ集積場付近に暮らす貧困家庭の栄養失調の子供達に給食を与えると共に、子供達に日銭稼ぎの労働をさせるのではなく、貧困の連鎖を断ち切るためにも親に子供への教育の重要性を説く取組みを、UNI Apro青年委員会及び日本の加盟組織の支援も得て、10年以上継続している。レイナー部長は最後に、日本の金融部門の若い組合役員もUNI Apro青年委員会の取組みに積極的に参加してほしいと呼びかけた。

田原UNI-LCJ金融部会議長は、UNI Apro金融部会の仲間としてNUBEと今後も様々な場を通じて情報交換を続けていきたいとまとめた。

 

写真はFlickr参照


Making It Happen:変わりゆく世界 、人々と地球を救うために

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地球温暖化を2度以下に抑えることを誓うパリ協定が世界195ヶ国によって採択され、温暖化対策で初めて先進国・途上国を含めた合意を実現するなど、2015年は吉報で締めくくることができそうです。紛争やテロなどの暗いニュースが影を落とす中、COP21は多国間主義、団体行動、国境を超えた連帯強化を体現する素晴らしい結果となりました。

COP21が成功した一つの要因として、市民社会を大規模に動員したことが挙げられます。UNIやITUCなどの労働団体が、COP21をめぐり精力的に政策活動や広報活動を行い、これらの国際連帯活動がCOP21を成功に導いた政治的モメンタムを作り出しました。私たちは成し遂げたのです。この新たな国際環境協定は、私たちが健全な環境の中で生活する権利を勝ち取るために、地方、国、グローバル規模で何万もの職場で大きく前進することを可能としました。新たな時代の幕開けなのです。世界が変わりゆく中で、誰一人として取り残されない公正なプロセスを保障し、ディーセントな雇用をすべての労働者のために創出する重要性は徐々に注目を増しています。脱炭素社会を実現し、気候変動による破壊的な影響から最も貧しい人々を保護するための確かな計画が着々と進行している、と言えるでしょう。

COP21での合意が、国連総会において「持続可能な開発目標(SDGs)」が採択されて僅か3ヶ月後にもたらされたという事実も、私たちが正しい方向へ前進していることを示しています。貧困削減、ジェンダー平等、ディーセントワークなど、SDGsの掲げる課題はUNIが何年にも渡り提唱してきたものです。SDGsは、2030年までの持続可能な発展を可能とする基盤を成し、その領域はグローバルからローカルまで幅広く、17の目標と169のアクションポイントが盛り込まれています。デジタル革命がますます加速し、デジタル資本主義者がディーセントワークの世界をひっくり返そうとする中、人々の生活の質を向上させることがその目標です。SDGsはまた、責任ある企業行動の重要な基盤でもあります。

私たちは今、気候変動、デジタル化、不平等などからくる混乱の時代に生きています。COP21及びSDGsは、世界が刻々と変わりゆく中でも人の温もりが失われず、また、2014年のUNI世界大会で採択された決議が反映される希望を私たちに与えてくれます。労働組合運動は、より持続可能で平和で豊かな社会を構築するため、世界を変えていく上で重要な役割を担っています。チュニジアのUNI加盟組織及びナショナルセンターUGTTがノーベル平和賞を受賞した素晴らしいニュースは、労働組合が平和と民主主義を求めて人々を団結させ集団行動を起こせば、変化をもたらすことができると気づかせてくれました。組合、使用者、市民社会が一丸となって行動を起こせば、一国だけでなく世界をも変えることができるのです。また、フランス国民が今月行われた地方議会選において極右政党を拒否したことも、多くの人々がまだ民主主義と包摂性を信じていることを証明するものです。

私たちには解決策を示す義務があり、それが今後の課題であります。私たちは、2年後のUNIリバプール世界大会のテーマである「Make it Happen」(成し遂げる)を続けていかなければならないのです。

UNIを代表し、皆さまに素晴らしい2016年が訪れるよう心よりお祈り申し上げます。

UNI書記長 フィリップ・ジェニングス

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第4回UNI Apro地域大会開催

第4回UNI Apro地域大会(クアラルンプール)の大会文書は下記をご参照ください。

大会速報1号

大会速報2号

大会速報3号

決議1

決議2

決議3

決議4

声明1

声明2


UNI Apro金融部会委員会

UNI Apro金融部会委員会が、2015年12月5日、マレーシア・クアラルンプールで開催された。

田原UNI Apro金融部会議長は、UNI世界金融部会大会を振り返り、大手銀行の実体経済への投資額が資本の20%に満たないことを「投機的投資業務が中心となっている」と批判、実体経済への投資を行っている割合によって銀行を分類し、その上で実体経済へ投資している商業銀行に対し、投機が中心の投資銀行よりも税制面において優遇すべきではないかとのUNIの提言を支持した。続いて日本の現状についても触れ、地域密着型経営が特徴で、地域経済の活性化が本来の役割である地銀が、規模や拠点を拡大することに奔走している現状に疑問を呈した。AECの発足にあたり、今後、労使関係をどのように構築していくかが非常に重要になってきていると述べた。また、ブラジル・コントラフのリタ氏のUNI世界金融部会議長への就任を祝福し、参加を歓迎した。

活動報告

プリヤラル部長は次のように述べた。「一番大きな課題は組織化であるが、アクシス銀行労組のUNI加盟に成功する等、特にインドの民間銀行の組織化で良い成果をあげることができた。ABUC(ASEAN銀行労組協議会)も昨年マニラでの会議に続き行動を開始している。インドの成功を踏まえて、SAFSUC(南アジア金融労組協議会)会議を早急に開催したい。アジア開発銀行年次総会でも良い仕事をした。ADB総裁は我々のスタンス支持している。AIBBにも対話の申し入れを行った。」

ソーシャル・コンパクト

リタUNI世界金融部会議長がソーシャル・コンパクトの意義を述べた。「金融部門の規制とモニタリングの強化を軸に、投資銀行業務の転換を図る。例えば、取締役会議に労働者代表を入れること等が考えられる。持続可能な金融システムの促進、金融システムの多様性の促進、販売とアドバイス、顧客のセキュリティー強化等を実現し、金融産業の内外でディーセントな雇用を創出することができる。ソーシャル・コンパクトを実現するためには何が必要かを今後考えていくが、できるところから始めたい。」これを受けてプリヤラル部長は、「UNI Apro金融部会にとっても重要な提起である。地域大会に提出する動議No.3の中に文言を追加したい」と提案し、UNI Apro執行委員会の中で提起することとなった。

ASEAN地域社会対話

ジャカルタで8月に開催されたILOアジア太平洋地域金融部門三者構成会議について、討論が行われた。田原議長は次のように報告した。「ILOはASEANの、特に金融部門に注目している。ILOのセンダニョエ氏は、ディーセントワークの実現のためには社会対話が不可欠だと述べ、政労使三者対話の促進を強調した。その中で、モデルとしてフィリピンの銀行産業三者対話の好事例が紹介された。資本主義は本質的に不安定であり、金融危機を阻止することは実際には不可能だとしても、社会対話を推進していくことは重要であることが認識された。」

ウマリ委員(フィリピン)からは、ABUC(ASEAN銀行労組協議会)を拡大していきたいという希望が表明された。

キャサリン委員(マレーシア)は、「HSBCのグローバル労組アライアンスを作ることで合意した。ABUCの下で様々な行動を検討していく必要がある。来年、我が労組(サバ銀行労組)も、サラワク銀行労組も50周年を迎える。その記念行事と合わせてABUC会議を開催してはどうか。サラワク銀行労組は9月17日、サバ銀行労組は9月22日を予定している」とABUC会議の受入れを申し出た。

オブ参加した渡邊全信連中央委員は、「社会対話を行う上で重要なことは、社会対話の目的を全員が意識すること、そして政府、企業、労働者が単に自分たちの利益だけを主張、追求するのではなく、目指すべき方向性を広い視野で見定め、健全な発展に寄与するための対話を考える必要がある」と意見を述べた。

活動計画と優先課題

プリヤラル部長からは、「パキスタンで青年と女性の組織化を目的とした会議を開催したい。パキスタンではテロ活動等のため、組合員を失いつつある。この問題を克服していかなければならない。生命保険業界労組は一つの委員会を作る決定を行い、組織のマッピングを行った。20社以上あるが、統一に向けて努力したい」と、主に南アジアの金融部門組織化に向けての提起があった。バングラデシュからも、「銀行が労働基本権侵害を行っていると申し立てを行った」と報告があった。その他インド、フィージー、スリランカからも報告があった。最後にルーク委員から、「保険部門の組織化が進んでいることを嬉しく思う。ぜひこの動きを広げて欲しい」と感謝の言葉が述べられた。


第18回UNI世界執行委員会

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第18回UNI世界執行委員会が2015年11月11~12日、ニヨンのUNI本部で開催され、36か国116人の委員及びオブ、UNI本部・地域スタッフ29人が出席した。

開会挨拶でアン・セリンUNI会長は、「社会モデルを標榜する北欧で起こるとは思っていなかった組合に対する攻撃が自分の国フィンランドで起きている」と強い危機感を示し、闘う決意を表明した。一方、ミャンマーの民主的選挙におけるNLDの勝利やチュニジアの労働組合の仲間のノーベル平和賞受賞を喜んだ。続いてフィリップ・ジェニングスUNI書記長は、UNI結成から15年、ケープタウン世界大会の決議を受けた今次執行委員会では、労働の将来を構想し、デジタル資本主義における労働者自らのマニフェストを作り実施するための議論ができることを期待した。

第5回UNI世界大会及び女性大会(英国・リバプール)の準備状況については、英国加盟組合や自治体、コミュニティとも協力して進めていること、2018年はリバプールが欧州文化都市に指定され10周年を記念する年であること、リバプールの移民・奴隷貿易の歴史やコスモポリタンを表現する大会にしたい等の計画が説明された。現在、英国は保守政権下で労働運動は危機にあるが、2018年に大会をホストするあたり、パンチの利いたエネルギーを感じる大会スローガンにしたいとの提案があり、執行委員会は「Making It Happen」を確認した。しかし他言語への翻訳に工夫が必要だとの意見が出た。保守政権によるスト権縮小と闘う英国労働組合への連帯声明が採択されると共に、多くの委員から、他の国の政策や労働者にも波及する恐れがあり、欧州で見られる保守政権の動きは決して他人事ではないとの強い危機感が繰り返された。アグネス委員(英国)は、長崎で女性代表40%決議が満場一致で採択されて5年が経過するが、未だに大会に複数男性を派遣するにもかかわらず女性を1人も派遣しない組織がある点を指摘し、ペナルティを課すべきではないかと意見を述べた。ダニエルUNI世界青年委員会議長は、ケープタウン大会では35歳以下の参加が5%であったと報告し、リバプール大会には少なくとも青年の参加を20%に増やすよう、「インクルーディング・ユー!」の意図をあらためて強調し、加盟組合に青年参加への更なる支持を呼びかけた。

組織化及びグローバル協定の取組みについては、ホフマンUNI副書記長からまず、加盟組合からの組織化基金への拠出に対し感謝が述べられ、部会及び地域で多国籍企業毎に展開されている70もの組織化キャンペーンの主な成果や、グローバル協定の交渉・実施状況等が報告された。例えば、カルフールとフランチャイズやサプライヤーも対象とする新たなグローバル協定を締結したこと、モロッコのコンタクトセンター11社における職場投票で勝利し約2万人の労働者の団体交渉権を勝ち取ったこと、他方、ドイツテレコムの米国及び他の国における組織化の権利を勝ち取るためグローバル協定交渉を継続していること、ITUと連携した各国におけるDHL等ロジスティクス企業の組織化について共有した。小俣JP労組委員長は、日本郵政グループに関する最新情報として、3社の株式上場とトール買収について説明し、オーストラリアの運輸労連はじめ関係労組との関係を構築しつつ、連携を模索していく考えを示し、UNIの協力を求めた。ウンUNI Apro地域書記長は、インドにおけるIT労働者の組織化の成果(5州における組合登録と20を超える団体協約締結)と、香港の加盟組合の仲介でマカオのカジノ労働者の組織化を始めたことを報告した。アチャリャUNI Apro労組強化部長は、バングラデシュのIT企業の組織化により、団体協約が締結され12%賃上げ獲得等の成果が出たことを報告した。ユー韓国医療労組委員長は、MERS発生時の教訓として、政府の初期の対応がまずく医療従事者が感染したと批判し、医療労組自体が情報収集に努め、医療機器整備や予算措置を政府に強く働きかける等した経緯を報告した。この他、イケアの米国における労組承認を求める闘いに連帯を示し、執行委員会でメッセージを掲げた写真を撮影、キャンペーンサイトに掲載した。

国際政策課題として、気候変動、TPP等貿易協定、グローバルサプライチェーン、デジタル革命、責任ある持続可能な金融サービス等のテーマを取り上げ議論した。

ガネシャUNIネパール加盟協(UNI-NLC)事務局長から、大地震の被災者に対する、日本をはじめとする世界中のUNI加盟組合からの支援に対し感謝の言葉が述べられ、現在までの復興に向けた取組みが報告された。復興によって雇用が創出されることが重要だと強調し、UNI-NLCは復興の財源を提供する代わりに被災者に労働を提供してもらっている。ジェニングス書記長は、繁雑な手続きを排除して迅速に支援を過疎地に届けられた点を評価すると共に、単発的にバラバラ支援するのではなく、最大限効果的に活かされるようUNIが支援を調整し、継続的に支援していくことが大事だと述べた。

続いて各地域書記長が地域大会の計画について報告した。ウンUNI Apro地域書記長は、UNI Apro地域大会開催地の変更、討論テーマについて紹介すると共に、地域の最新情報として、マレーシアUNI加盟協のシャフィー議長から職場投票16回連続勝利のニュースを得たこと、ミャンマーの総選挙における民主主義の大勝利等を追加報告した。

2014年度会計報告承認、2016年度予算の留意に続いて、インゲボルグ加盟費検討作業部会座長は、11月10日に開催された第1回会合について次の通り報告した。(UNI Aproからは、東アジアを代表して野田UNI副会長、南アジアを代表してガネシャUNI-NLC事務局長、オセアニアを代表してドワイヤーSDA書記長が出席。東南アジアを代表するシャフィーUNIマレーシア加盟協議長は欠席)作業部会の権限は、加盟費額を決定することではなく、設定プロセスについて現在のやり方を変更する必要があるか、他のGUF等とも比較しながら検討し、世界執行委員会への勧告をまとめることである。①4年毎のUNI世界大会が加盟費を決定する権限を持つが、特別な状況が発生した場合、世界執行委員会にもう少し権限を与えるべきか、②統一レートを100%支払えない組合も多く、スライド制を導入するべきか、③特別な状況が発生した場合、国家の所得ベースに基づく減額基準を明確化するか、④為替変動にどのように対応するか、2016年5月の次の作業部会までに事務局は調査を行う。世界執行委員会は座長の報告に留意した。


第4回UNI Apro東アジア労組フォーラム

第4回UNI Apro東アジア労組フォーラムが、2015年10月28~29日、京都で開催された。日本、韓国、台湾、香港より約120人が参集し、「新たな頂点を極める:東アジアにおける労働組合の戦略と連帯」というメインスローガンの下、「賃金の公正な分配」、「母性の保護」、「労働安全衛生」の3つのテーマで議論した。

小俣UNI-LCJ議長は、今回の海外参加者数は過去最大数となり、東アジア地域の参加組合の連帯が回を重ねるごとに深まっているとした。賃金の公正な分配により、労働者の取り分を多くし、同時に労働安全衛生、広い意味でワークライフバランスを実現することによって、子供を安心して産み育てることができる社会につながるという点で、今回の3つのテーマの関連性を指摘し、有意義な議論を期待した。

逢見UNI Apro会長は、「東アジア経済危機の再来」と題する基調講演を行った。中国経済の実態、米国の利上げ、新興国の政治的経済的問題などが複雑に絡み合う不安定な時代にあって、金融危機は繰り返し出現する可能性は否定できない。労働組合を含めた社会パートナーが、それを阻止することはできないとしても、転換するメカニズムとルール作りが重要ではないか。労働組合はステークホルダーとして、企業行動をチェックする機能を今こそ果たすべきであり、グローバル枠組み協定や、国連の責任投資原則などをベースに対話を進めることの重要性を強調した。

第1セッション「賃金の公正な分配」

同志社大学の石田教授から、欧米の仕事基準の賃金と、日本等の人基準の賃金の比較という興味深い導入報告があった。その中で、人基準の賃金の負の側面として、働きすぎと、人基準賃金の正社員・仕事基準賃金の非正規社員の格差が指摘された。

これを受けて、各国・各組織からの事例報告では、男女間、大企業と中小企業、正規・非正規などの要素を含む賃金格差についての現状、課題、格差解消の取り組みの報告があった。情報労連・柴原氏は、KDDIが直接雇用している有期契約社員の一時金や、正社員を上回るベースアップの獲得、正社員登用制度の導入といった取組み成果を報告した。UAゼンセン・桂氏は、日本の流通産業はパートタイマー組合員に支えられていること、正社員とパートタイマーの職務内容の違いに比べ賃金格差が大きすぎることなどから、人材不足が懸念される中、モチベーションをもって働ける魅力的な産業とするためにも格差是正の必要性を強調した。自動車総連・山田氏は、業種間・企業規模間で見た賃金改善の獲得状況は、むしろ格差拡大の傾向にある点を注視し、自動車産業の持続的成長に向け、中小企業の格差是正と非正規労働者の処遇改善による、業界全体の底上げに取組む方針を示した。韓国KFCLUのイ氏は、政府による賃金ピーク制、成果主義賃金体系の導入奨励といった賃金体系改悪の動きや、労働者契約期間延長、派遣業務範囲の拡大をはじめとする非正規職拡大政策の阻止に向けた、韓国労働運動の反対闘争を紹介した。KFIUのチュン氏は、銀行における男女賃金差別是正の長年の取組みの成果と、1997年のIMF管理体制以降、急増した非正規職を組合の交渉によって減少させた点を、産別だからこそできることだと強調した。台湾CTWUのツェン氏は、賃金関連法規や民間企業の賃金構造等を説明した上で、賃金構造の低層化や、賃金上昇が物価上昇や経済成長に追いつかず、台湾の貧富の差が加速的に拡大している現況を報告した。司会を務めた八野UAゼンセン副会長は、韓国の労働市場改悪に対する反対闘争に、東アジアの仲間として支援を表明すると共に、賃金格差、貧富の格差、非正規の処遇等の問題に対する認識を持ち、取組みを進めることが重要であるとした。そのためには、組織化の推進と、労働の尊厳を守ることを、原点に戻って考えなければならないとまとめた。

第2セッション「母性の保護」

韓国KFSU・カン氏の司会でパネル討論を行った。まずは、日本・全労金の深見氏から日本の育児・介護休業法、次世代育成支援対策推進法、韓国・KFIUのイ氏から金融労組が現行法を先導した育児休業制度、台湾・TFFUのリン氏から「労働基準法」、「男女職業平等法」、「職業安全衛生法」に含まれる母性保護関連法制と、女性の就業権と母性保護両者の重視について、香港のライハ氏から民間及び公的部門の母親・父親の休暇制度等、各国の母性保護関連法制について報告を受けた。

続いて、日本・生保労連・宮本氏から生保労連及び加盟組合の取組みと成果、特に男性育休100%を目指す取組みの紹介があった。韓国・KFIUのイ氏は金融労組の模範事例を挙げ、台湾PTSFEU・ワン氏は育児休職中の成績査定の扱いと女性の夜間業務における安全保護協定について、香港RCCIGUのライハ氏から職場における妊婦への差別の存在など、職場の現状や労使協約について聞いた。

最後に、日本・全信連の斉藤氏、韓国KHMUのカン氏、台湾のワン氏、香港のライハ氏が、今後の課題についてそれぞれ述べた。斉藤氏は、出産・育児関連制度の利用者は増加するも、問題点も出され、利用者本人及び周囲の意識が重要であり、制度の周知徹底と不安解消策の提言が必要だと述べた。カン氏は、看護士不足の病院で暗黙の了解となっている妊娠順番制の存在を指摘し、女性組合員が多い医療保険労組の様々な母性保護関連の取組みを紹介した。ワン氏は母性保護に関する広義の考え方や、男女平等教育の強化が課題であるとした。ライハ氏はILOの母性保護条約の批准や、違反した使用者への罰則強化が課題だと述べた。

司会のカン氏は、「良い法律や協約があっても、当事者及び労働組合の実践の意思がなければ何もならないことを再認識した。各国の状況を比較しながら、至らない点は今後補っていくのに良い教訓を得られた。それぞれが先進的に実践する模範的組織となるよう願っている」とまとめた。

第3セッション「サービス産業における労働安全衛生」

UNI Aproのラジェンドラ労組強化部長と玉井組織化部長は、UNI Aproが東南アジアの小売業を中心に活用を普及させている、小売業における労働安全衛生に関するUNI Aproガイドラインの内容について、また特にインドネシアにおける活用事例を紹介した。労働大臣によって承認され、企業からも評価を受けて、政労使パートナーシップで安全衛生文化を根付かせようとしていることが強調された。更にインドネシアは最近、労働安全衛生に関するILO条約を批准するに至り、これはUNI Aproが働きかけた成果だと述べた。

台湾CPWU・チェン氏は、ハイテク及びサービス産業におけるストレス、長時間労働、ハラスメントといった問題、中高年労働者、一般女性労働者・母性保護、少年労働者の保護強化などについて報告した。韓国KFS・のカン氏は、感情労働は精神健康被害をひきおこす人権侵害だと強調し、グローバル企業で感情労働手当てや休暇を導入させた経緯や、労災認定を拡大する取組みを報告した。韓国KPWUのキム氏は、郵便配達中の事故防止や作業場環境改善、安全文化周知徹底の取組みの結果、労災が70%減少したと述べた。損保労連・辻田氏は、損保労連結成当時からの課題である長時間労働に関し、2011年頃に時短の取組み効果が表れるも、最近は業務領域の拡大に伴う業務量増加や業務の高度化により、特に女性の役割が大きく変化した上、長時間労働につながっているとし、ワークライフバランス、ダイバーシティの理解浸透、育児・介護と仕事の両立の支援、男性の働き方改革等の取組み強化が必要だと述べた。日放労・岡﨑氏は放送局における長時間労働が健康と番組の質に及ぼす深刻な影響を指摘し、意識改革と「よく休む」状況作りに取組んでいると報告した。JP労組・八木氏は、労働安全衛生の取組みは企業の責任だけでなく現場の労働者の参画が不可欠であるとし、日本郵便における交通安全管理、危険予防等の取組みにより事故率が減少したと報告した。会場からは多くの質問が出され、この問題に対する関心の高さがうかがえた。

最後に野田UNI-LCJ副議長が共同宣言(次頁)を読み上げ、満場一致で採択された。第5回フォーラムは来年10月下旬、韓国で開催する予定。

All in Kyoto

共同宣言

新たな頂点を極める : 東アジアにおける労働組合の戦略と連帯

UNI Apro東アジア労組フォーラムは、香港、日本、韓国、台湾の未加盟労組を含めたUNIに集うサービス産業労働組合間の協力の枠組みを確立する試みである。

労働組合の連帯が東アジア地域の様々な課題を打開する鍵となるように、率直な意見交換と議論を通じて、連帯、友情、相互理解を更に深めていくことは大変重要である。

2012 年、東京で第1 回フォーラムを成功裏に開催し、2013 年、ソウルでの第2 回フォーラム、2014 年、台北での第3 回フォーラムを経て、我々の結束は確実に高まり、フォーラムの継続が確認された。

今回のフォーラムは、メインスローガン「新たな頂点を極める:東アジアにおける労働組合の戦略と連帯」の下、「賃金の公正な分配」、「母性の保護」、「サービス産業における労働安全衛生」という3つのテーマを取り上げた。各国の好事例や教訓を共有することによって、非正規労働者の増大や格差の拡大、労働条件・職場環境・安全衛生面の改善、ワークライフバランス、特に女性労働者の労働環境の改善等、課題を再認識し、克服するための参考とすることができた。

また、フォーラム参加者は、経済のグローバル化によって、欧米に端を発する危機だけでなく、東アジアや新興国の経済状況によっても、我々の経済・雇用が大きなインパクトを受けるようになってきたことを認識した。現在結集する東アジア労組フォーラム参加労組の経験を活用し、対話の輪を更に広げることは、今後の東アジア地域の更なる発展に貢献するものである。

東アジアのサービス産業の労働組合は、新たな頂点を極めるために、労働組合間の戦略的パートナーシップを更に強化し、互いを尊重し、率直な意見交換をすることによって、各国の労働者とその家族の幸せのために今後も連携を深めていくことをあらためて宣誓する。

2015年10月29日

第4回UNI Apro東アジア労組フォーラム参加者一同


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