Making It Happen:変わりゆく世界 、人々と地球を救うために

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地球温暖化を2度以下に抑えることを誓うパリ協定が世界195ヶ国によって採択され、温暖化対策で初めて先進国・途上国を含めた合意を実現するなど、2015年は吉報で締めくくることができそうです。紛争やテロなどの暗いニュースが影を落とす中、COP21は多国間主義、団体行動、国境を超えた連帯強化を体現する素晴らしい結果となりました。

COP21が成功した一つの要因として、市民社会を大規模に動員したことが挙げられます。UNIやITUCなどの労働団体が、COP21をめぐり精力的に政策活動や広報活動を行い、これらの国際連帯活動がCOP21を成功に導いた政治的モメンタムを作り出しました。私たちは成し遂げたのです。この新たな国際環境協定は、私たちが健全な環境の中で生活する権利を勝ち取るために、地方、国、グローバル規模で何万もの職場で大きく前進することを可能としました。新たな時代の幕開けなのです。世界が変わりゆく中で、誰一人として取り残されない公正なプロセスを保障し、ディーセントな雇用をすべての労働者のために創出する重要性は徐々に注目を増しています。脱炭素社会を実現し、気候変動による破壊的な影響から最も貧しい人々を保護するための確かな計画が着々と進行している、と言えるでしょう。

COP21での合意が、国連総会において「持続可能な開発目標(SDGs)」が採択されて僅か3ヶ月後にもたらされたという事実も、私たちが正しい方向へ前進していることを示しています。貧困削減、ジェンダー平等、ディーセントワークなど、SDGsの掲げる課題はUNIが何年にも渡り提唱してきたものです。SDGsは、2030年までの持続可能な発展を可能とする基盤を成し、その領域はグローバルからローカルまで幅広く、17の目標と169のアクションポイントが盛り込まれています。デジタル革命がますます加速し、デジタル資本主義者がディーセントワークの世界をひっくり返そうとする中、人々の生活の質を向上させることがその目標です。SDGsはまた、責任ある企業行動の重要な基盤でもあります。

私たちは今、気候変動、デジタル化、不平等などからくる混乱の時代に生きています。COP21及びSDGsは、世界が刻々と変わりゆく中でも人の温もりが失われず、また、2014年のUNI世界大会で採択された決議が反映される希望を私たちに与えてくれます。労働組合運動は、より持続可能で平和で豊かな社会を構築するため、世界を変えていく上で重要な役割を担っています。チュニジアのUNI加盟組織及びナショナルセンターUGTTがノーベル平和賞を受賞した素晴らしいニュースは、労働組合が平和と民主主義を求めて人々を団結させ集団行動を起こせば、変化をもたらすことができると気づかせてくれました。組合、使用者、市民社会が一丸となって行動を起こせば、一国だけでなく世界をも変えることができるのです。また、フランス国民が今月行われた地方議会選において極右政党を拒否したことも、多くの人々がまだ民主主義と包摂性を信じていることを証明するものです。

私たちには解決策を示す義務があり、それが今後の課題であります。私たちは、2年後のUNIリバプール世界大会のテーマである「Make it Happen」(成し遂げる)を続けていかなければならないのです。

UNIを代表し、皆さまに素晴らしい2016年が訪れるよう心よりお祈り申し上げます。

UNI書記長 フィリップ・ジェニングス

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