ブログアーカイブ

国連は、パレスチナ被占領地と関わりを持つ企業のデータベース更新を!

UNIは、占領下パレスチナのイスラエル入植地で事業を行う企業を掲載したデータベースを早急に更新するよう、国連に求めている。データベースは、国連人権高等弁務官事務所が管理している。またUNIは、この問題に関して2月上旬にITUCが開始したオンライン請願を支持する。

4年の遅れを経て2020年に初めて公開されたこのデータベースは、「直接・間接的に、入植地の建設と拡大を可能にし、促進し、そこから利益を得ている 」企業を特定する上で、非常に貴重な資料である。これら入植地は国際法上違法であり、このデータベースは、市民社会、人権擁護活動家、社会的責任ある投資家など、幅広い層によって活用されている。

現在、このデータベースは大幅に古くなっており、違法な占領に対する企業の加担を暴露し、これを終わらせるため、早急に更新する必要がある。このデータベースに新たな企業を加えたり、削除したりすることで、撤退に向けた動機付けと、イスラエル違法入植地の産業と関わることに対する抑止力が生み出される。

UNIは以前、このデータベースの情報を活用し、ノルウェー最大の年金基金KLPと対話を行い、KLPがヨルダン川西岸地区のイスラエル入植地と関係を持つ16社を投資先から除外することにつなげた。またUNIは、ノルウェー銀行が運用する政府系ファンドにも働きかけ、同ファンドはパレスチナ被占領地における建設・不動産会社から手を引いた。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は「このデータベースの中で、入植を促進していると国連が判断・特定した企業は、容認しがたいレベルで人権侵害と絡み合っている。データベースは、入植地で活動する企業を白日の下に晒す重要なツールであり、企業に撤退を促す圧力を加えるものだ。だが、データベースは、含まれている情報が状況を反映してこそ有用だ。だからこそ、データベースを早急に更新し、今後も維持していくことが絶対に必要」と指摘した。

2014年および2018年のUNI世界大会で採択された決議には、平和の阻害要因であり、2国家共存構想を手の届かないものにしている違法入植地への経済支援を終わらせるための行動を、明確に呼びかける内容が含まれている。

UNIはすべての加盟組織に対し、ITUCによる国連人権高等弁務官への請願に名を連ねるよう、呼びかける。


アマゾン、世界中で少なくとも47億ドルの補助金を得ていたことが明らかに

1兆4千億ドルの超巨大テック企業であり、税金逃れで悪名高いアマゾンは、消費者のお金を巡って競り合うばかりか、納税者のお金も積極的に獲得している―UNIおよび市民社会組織であるグッドジョブズ・ファーストが作成した新しい報告書によると、アマゾンは過去10年間に世界中で少なくとも総額47億ドルにのぼる経済開発補助金を組織的に獲得してきた。

報告書はこちら(英文)

ブエノスアイレスからハイデラバードまで、公的記録、投資家向け報告書、決算報告書より得られた証拠からは、公的補助金の獲得に向けたアマゾンの飽くなき意欲がうかがえる。市場シェアで優位に立つため、データセンター、倉庫、オフィス複合施設を開設する際にアマゾンが受けた減税措置は、恐らくこうした補助金の額をさらに上回る大規模なものだ。報告書の著者は、「ほとんどの国では情報開示が不十分なため、こうした金額は非公開であり、総額は間違いなく、かなりの高額になるはずだ」と指摘している。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「アマゾンは世界で最も富裕かつ急成長している企業の一つだ。同社は2020年に欧州で440億ドルの売上を記録したが、法人税は一切支払わなかった。その一方で、アマゾンは労働者を監視し、労働条件を引き下げている」と非難し、「アマゾンは納税者から1円たりとも受け取るべきではない」と強調した。

グッドジョブズ・ファーストの研究員で、北米や欧州のインセンティブ制度の専門家であるケネス・トーマス氏は、 「アマゾンの迅速な配送ビジネスモデルには、主要な輸送ルートや空港、その他のビジネス拠点に近い、あらゆる地域のコミュニティに倉庫を設置する必要がある。国や地域、州、地方の自治体が、アマゾン戦略の中核となる事業の費用を補う理由はない」と指摘し、「アマゾンに補助金を出すのをやめ、代わりに中小企業や公共サービスへの投資に充てるべきだ」と語った。

報告書は、各国政府や地方政府は、補助金を交付した企業名を開示すべきであるとしている。だが最終的には、世界最大手の一つであるアマゾンへの補助金交付をやめるよう勧告し、理由を次のように指摘した。「国庫補助の目的は、補助がなければ事業成長の見込めない地域において企業が事業拡大するのを支援し、投資を受けていない地域が経済的に活性化するよう支援することである。アマゾンの事業はそのいずれでもない。実際、政府はアマゾンに補助金を出すことで、労働者に低い賃金を支払い、賃金を引き下げ、中小企業の衰退の一因となり、反競争的な行動をとっている多国籍企業に、手を貸す状況に陥っている」

ここ数年、巨大テック企業の非難されるべき行為に対して、市民社会が幅広く結集し非難している。UNIは2021年10月に、プログレッシブ・インターナショナル、オックスファム、グリーンピース、350.org、タックス・ジャスティス・ネットワークを含む70以上の労働組合、NGOや環境保護団体、税金監視団体からなる「メイク・アマゾン・ペイ連合」(略称MAP、アマゾンに支払わせる)を支援した。ブラックフライデーには20か国以上でストライキと抗議を実施、アマゾンが労働者に公正な報酬を支払い、労働組合に加入する権利を尊重し、公正な税金を支払い、真の環境持続性に取組むことを要求した。

◆UNI:150か国で2,000万人以上の労働者を代表し、サービス産業におけるディーセントワークを確保し、組合が代表する権利や団体交渉権等、労働者の権利を擁護することをミッションとしている。
◆グッドジョブズ・ファースト: ワシントン DC に拠点を置く国家政策リソースセンターであり、経済開発における企業と政府の説明責任を促進する取組みを行っている。


パンデミックで小売店舗内の暴力が世界的に増加

UNIの新しい報告書で、コロナ禍で小売店の従業員に対する暴力のパンデミックが、世界中で生じていることが明らかになった。

20か国以上の労働組合の調査から証言を集めた報告書 『不都合な真実:商業における暴力とハラスメントのパンデミック』 では、小売労働者に対する顧客からの暴力は、パンデミック以前から決して珍しいことではなかったものの、パンデミック以降、憂慮すべきレベルにまで急増していることが示されている。

Union to Unionの支援を受け、今回UNI 世界商業部会が作成した広範な報告書では、小売業における虐待、暴力、ハラスメントの増加に対応するため、労働組合が新法の制定、保護措置の交渉、顧客の行動改善を求めるキャンペーンを展開している様子が詳細に記述されている。

調査によると、小売業の労働者が最も危険にさらされるのは、マスク着用や社会的距離の確保など、COVID-19に関わる規則を守るよう顧客に求めた場合である。米国では、小売店員が客にマスクの着用を求めたために射殺された事例まである。

オーストラリアの組合SDAによる調査では、パンデミックの期間中、5人に1人の労働者が故意の咳払いや唾を吐きかけるなどの行為を顧客から受けたと回答し、回答者の88%が顧客からの暴言を経験したと答えている。

英国では、パンデミック以降、顧客からの暴力が倍増しており、小売店労働者の10人に9人が暴力や暴言の被害を受けたと答えた。

日本では、悪質クレームやハラスメントが急増し、調査した従業員の36%が、パンデミックの影響による迷惑行為があったと回答した。

多くの場合、女性の小売店労働者が顧客からの嫌がらせの影響を最も多く受けており、また、セクシャルハラスメントの矢面に立たされていることが調査で示されている。フィンランドでは、調査対象となった小売店従業員の約56%が顧客からのセクハラを経験したと報告し、ナイジェリアでは、58%の女性が職場でジェンダーに基づく暴力を経験したと報告している。しかし、3分の1以上が、こうした行為を報告したとしても、正義が守られることはほとんどないと回答している。

マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長は、「この報告書が示すのは、どこの国、地域、大陸においても、商業労働者に対する暴力が日常的に蔓延しているということだ」と述べ、「だが同時に、キャンペーンや法律の制定、団体協約を通じて、組合が労働者を守るために取組みを強化していることも示されている。UNI世界商業部会は、小売労働者が暴力を仕事の一部として受け入れる必要がなくなるよう、暴力の蔓延をこの部門からなくすため、できる限りのことをしていく」と力を込めた。

UNIは各国政府に対し、仕事の世界における暴力とハラスメントの根絶に関するILO第190号条約を批准し、労働者を保護する法律を導入・施行するよう呼びかけている。また、UNIは小売業者に対し、以下の点を要求している。
• 暴力に対するゼロ容認ポリシーを採用すること
• ジェンダーに基づく暴力の蔓延に取組むこと
• 労働組合と協議・交渉すること
• 従業員を保護するために必要な措置を講じるよう、直ちに行動を起こすこと

◆Union to Union:労働組合運動を支援するスウェーデンの市民社会組織


トルコのEコマース配達員、業界最大のストライキを実施

トルコ最大のEコマース企業トレンディオルの荷物を扱う配達員が、公正な賃上げ、傷病手当、有給休暇、労働条件の改善、意思決定機関への労働者の参加を要求し、ストライキを決行している。

ネットワークやソーシャルメディアを通じて組織された何千人もの配達員が「エンジンを切った」ことで、配達件数は70%減少した。

寒波と雪に見舞われているにもかかわらず、イスタンブールのトレンディオル本社前での抗議行動を含め、配達員はトルコ全土で行動を起こしている。

トルコではインフレが悪循環に陥り、物価上昇率は公式に36%に上っている。配達員は、同社が提示したわずか11%の賃上げを拒否している。

ある配達員は「労災事故で負傷する者、中には死亡する同僚までいる。我々はあらゆるリスクを背負い、家族のために生計を立てるべく、命すらかけている。我々が休むことなく仕事をしてきたおかげで会社は記録的な利益を上げているというのに、会社が提示してきたのはインフレ率をはるかに下回る賃上げ率だ。我々が要求するのは、公正な賃金政策と、インフレと業務コストの増加による損失を補う賃上げだ」と力説した。

1日に約100万個の荷物を配達するトレンディオルは、1万2000人の労働者を雇用し、約73万人の「ビジネスパートナー」に配達を委託している。配達員は自身の車やバイクを使用し、全ての関連費用や医療費、保険料を自己負担し、小包を1件配達するごとに報酬を受け取っている。生活できる賃金を稼ぐためには、理不尽な配達ノルマを達成しなければならず、1日12~15時間の長時間労働と高い労災リスクを招いている。

トルコの組合法の下では、トレンディオルの配達員は労働者と見なされないため、組合に加入することも団体交渉を行うこともできない。報道によると、同社は脅迫によってストを抑えこもうとしており、他社の労働者を一時的に雇用して欠員を補っている。

配達員の要求は以下の通り。
• インフレ率の上昇とさらに高い業務コストの上昇を考慮した、少なくとも50%の賃上げを実施すること。
• 病気で働けなかったり、休暇を取ったりすると支払いがないため、傷病手当金および有給休暇を支給すること。
• 合理的なノルマと全うな仕事量。
• 恣意的な減給と、配達員の業務に対して圧力をかけるのをやめること。
• ストライキに参加した配達員を解雇しないこと。
トルコのEコマースは、パンデミック以降、2020年に66%と大幅な成長率を記録し、商業部門に占めるシェアも過去2年間で10%から17.6%に増加した。

マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長は、「我々は、トルコでストライキ中のトレンディオルの配達員に連帯する」と述べ、「トルコではEコマースが急成長しており、彼らは利益の公正な分配と適切な労働条件、団結権および団体交渉を行う権利を得てしかるべきだ」と訴えた。

トレンディオルは約3,000万人の顧客を有している。中国の小売大手アリババは2018年に同社の過半数株式を取得し、中東、アフリカ、欧州での事業拡大に向けてさらなる投資を行った。トレンディオルはすでに、オンライン取引で世界18位のEコマース業者となっている。


UFCW、米国の書店員を組織化

パンデミック中の米国では、印刷された書籍の売り上げが伸び続けており、書店の組織化も進んでいる。昨年、米国のUNI加盟組織である北米食品商業労組(UFCW)は、これまで組織化されていなかった部門である書店を、全国で組織化した。

書店ポリティクス・アンド・プローズの労働者は、ワシントンDC全域で、UFCWローカル400に加入し、また国会議事堂内の書店としては初の組合結成を果たし、歴史にその名を刻んだ。労働者代表は、より良い賃金、標準化された賃金体系、賃金の透明性を確保すべく、会社と団体協約を交渉している。

その他、ミネソタ州ツインシティのハーフプライス・ブックスの店舗で働く労働者は、全米労働関係委員会の選挙を経て組合承認を獲得し、2021年12月と2022年1月、UFCWロカール663および1189に加入した。労働者は、生活できる賃金、より良い労働条件、職場での発言権を求めて交渉を行えるようにするため、UFCWに加入を決めた。

セントポールのハーフプライス・ブックスの書店員ハンナ・アンダーソン氏は、「組合が結成されて本当にワクワクしている。仕事に対する適切な報酬を受け、日常業務に影響を及ぼす方針について発言権を得たり、獲得した利益を守ることができるようになると思う」と喜んだ。

さらに2021年夏には、ニューヨーク州ブルックリンにあるグリーンライト・ブックストアと、文具店ユアーズ・トゥルーリーの労働者が、小売・卸売・百貨店労組(RWDSU)とUFCWにそれぞれ加入した。新しい組合員は、店舗において販売、在庫管理、情報提供サービスなどを担当している。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「UFCWは新しい分野を開拓し、米国の書店労働者を組織化している。こうした成果もまた、パンデミック中に最前線で働く労働者が、自らの労働に対する再評価を求めていることを示すものだ。世界各国で印刷された書籍の販売が好調な中、書店は商業部門の組合員を増やし、現場で働く熟練の熱心な労働者の賃金・労働条件を改善する絶好の機会となっている」と述べた。


韓国シャネル労組、新たな団体協約で賃上げ等を獲得

UNIに加盟するKFSU参加の韓国シャネル労組は、2021年12月21日、賃上げを勝ち取り、韓国シャネル経営陣との間で新たな団体協約を締結したと発表した。12月17日にストライキに踏み切ってから5日後にもたらされた朗報である。

従業員480人のうち390人の組合員がストに加わり、シャネルが運営する85店舗のうち60店舗が営業停止に追い込まれた。

今回の争議行動は、組合員の90%以上の賛意を得て行われた。背景には、過去2年間にわたって真摯な対応を取ってこなかった韓国シャネル経営陣に対する組合の失望がある。

新しい協約の主な条項は以下の通り。
• 会社は実店舗の事業を中核的ビジネスモデルとし、このモデルを支えるため、組合と四半期ごとに会議を行う。
• 組合は2022年より、新プロジェクト「女性にとって良い会社をつくる」に参加する。
• 労使は、免税店従業員の雇用保障を優先し、COVID-19パンデミックの脅威を克服する方法について、議論していく。
• 基本給の4.2%引き上げと、ホテルおよび百貨店の割引券という追加インセンティブ(それぞれ約20万ウォン≒168米ドル相当)を支給する。
• 会社は、法的に保証された休日労働を遵守するよう、社内規定を改訂する。
• 会社は、過去2年間の未払いの手当と、10月の3日間分の休日労働手当を遡及して支払う。
• 専任組合役員を2人から3人に増員し、組合活動を拡大する。
• 会社は、職場におけるセクシャル・ハラスメントの防止策を強化する。

新しい協約は、組合が会社側に提起していた未解決の苦情の多くに対処するものとなっている。

キム・ソヒョン韓国シャネル労組委員長は、「この勝利は、組合員の献身的な取組みによるものだ。今回、仮協定を締結し、組合員は職場に戻ることになった。後日、仮協定承認のための組合投票を実施する予定だ。 我々の闘いを全面的に支援してくれたKFSUやUNIをはじめとする多くの団体に感謝したい」と報告した。

これまで韓国シャネル労組は、団体交渉を通じて、パンデミック時の労働条件、職場における深刻なセクハラ事件の疑惑に対する不十分な対応、賃金や報奨制度の公正化・改善などについて、闘ってきた。

組合が提起してきたこれらの事案は、同社がOECD多国籍企業行動指針の基本的人権および労働に関する規定を尊重していないことを示すものだ。

組合は、世界人権デーにあたる2021年12月10日、OECD多国籍企業行動指針に関する苦情処理制度の韓国連絡窓口に、正式に同社の問題について提訴した。

組合は、新しい協約が締結しても、問題となっているセクハラ事件が満足に解決されない限り、OECDへの提訴を取り下げないと発表している。

ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長は、「2021年末を前に重要な勝利を収めた韓国シャネル労組に、心からの祝意を表したい。組合の成果は、全ての組合員にとって非常に喜ばしいプレゼントになった」と同労組を祝福した。また、「シャネルは、何百万人もの人々が憧れる国際的な高級ファッションブランドであり、会社は、従業員の協力と福利を促進する安全で包摂的な職場環境を作るという約束が果たされるよう、努めなければならない。そうした取組みのみが、社会における最良のものを代表するという、会社のビジョンを反映することができる」と指摘するとともに、「新しい団体協約はシャネルの取組みをよく反映したものになっている。韓国シャネル労組は、同社経営陣と協力してこれらのビジョンを実現していく最良のパートナーだと確信している」と期待を寄せた。


Eコマースの租税回避が浮き彫りに―UNI報告書

UNIの新たな研究で、Eコマース企業は、実店舗を持つ大手小売チェーンの3分の1の法人所得税しか払っていない可能性があることがわかった。

UNI商業部会が委託し、FESが助成して作成されたこの報告書は、Eコマースへの課税が、国家、労働者、労働組合に与える影響について考察している。報告書によると、COVID-19パンデミックによりオンライン小売業の売上が大幅に増加しているにもかかわらず、アマゾン等のEコマース企業は、世界中の様々なタックスヘイブンに利益を移し、公正な納税の大部分を逃れていることがわかる。

2020年代の中頃までにオンライン販売が小売全体の4分の1に達すると予想される中、調査ではEコマース拡大の一部は租税回避によるものであることが明るみになった。また各国政府は、COVID-19危機によって公共支出が大幅に増加すると同時に、Eコマース企業の肥大化した利益に課税することができていない。ビッグテックを中心とした多国籍企業による所得税回避の影響は、世界的に税収全体の約10分の1にのぼると推定されている。その割合が5分の1にまで達する国もある。

報告書によると、Eコマース企業による租税回避はさまざまな形態で行われているが、例えば、給与に基づく税金を支払わないこともその一つだ。Eコマース企業は、従業員を直接雇用する代わりに「独立した」請負業者を利用することで、給与支出を30%も節約することができるが、これにより、社会保障や医療・教育などの公共サービスの財源、そして労働者の生活がおびやかされているのである。

また報告書は、Eコマースが環境に与える影響にもさらなる注意を払う必要があると指摘している。配送に要する時間がかつてなく短縮されたことや、個々の商品の梱包資材は、環境に大きなダメージを与えかねず、Eコマースの実質的な社会的費用を議論する際には、この点も考慮されねばならない。

さらに報告書では、Eコマース企業に対し、収益や利益に応じた税金を支払わせようとする取組みが紹介されている。例えば、法人税の最低税率を15%とする国際的な合意がなされたが、これは労働組合が要求する25%よりも低い税率である。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「この包括的な報告書が示すのは、貪欲なEコマース企業が法的な抜け穴を利用して公正な税負担を逃れるのを防ぐため、労働組合がグローバルな税制度の抜本的な見直しを推進していかなければならないということだ。COVID-19パンデミックと気候変動という2つの危機に直面する中、Eコマースの好況で大きな利益を得ている企業が、労働者や環境、社会全体に対して責任逃れをしている状況が、正しいはずはない」と力説した。


世界の労働組合運動、「世界人権デー」にフィリピンと連帯

12月10日の世界人権デーに、グローバルユニオン評議会(CGU)のメンバー組織として、UNIは世界中の労働組合と共に、フィリピンの組合活動家に対する暴力の終結を要求する。世界の労働組合運動は3年連続して、人権デーの取組みをアジアの国における虐待に焦点を当てることとなった。

CGU副議長を務めるクリスティ・ホフマンUNI書記長は、「我々はフィリピンの人々に連帯し、労働者の権利侵害、労働組合員に対する暴力、人権擁護者に対する攻撃と闘っていく」と語り、「現地の労働組合運動は、脅迫、暗殺、抑圧に直面しながらも、正義のために闘っている。我々は彼らと共に、ドゥテルテ政権がこうした暴力行為に対する免責をやめ、ILOなどの国際機関に協力することを要求する。これは世界中が注目している問題だ」と語気を強めた。

2016年のロドリゴ・ドゥテルテ大統領の就任以来、労働組合員に対する少なくとも50件の超法規的殺人が発生している。今年9月にILOが行った調査は、フィリピン政府は組合指導者への攻撃を止めるための具体的な措置を何ら取っていないと指摘している。

2020年に発効した「反テロ法」の下、フィリピンにおける結社の自由の権利に対する弾圧は悪化した。ドゥテルテ大統領が主導する「地方共産党の武力紛争を終わらせるための全国タスクフォース(NTF-ELCAC)」は、しばしば合法的な労働者組織を摘発している。

特に悪質なのは、平和的に労働者の権利を主張する活動家を、国家の敵である共産主義者と決めつけてレッドタギングを行う過激派組織の行為だ。反テロ法に基づいてレッドタギングされると、市民社会の指導者たちは、根拠も罪状もなく拘束され、監視され、銀行口座やその他の資産が凍結される危険がある。

CGUフィリピンの報告では、少なくとも17人の労働組合指導者が、労働組合活動を主導したという理由で治安維持部隊や警察からレッドタギングを受け、16人が捏造された罪で犯罪者となり、12人の労働組合員が隔離拘禁されたままになっている。

12月10日、CGUフィリピンはマニラで抗議集会を開催し、政府に以下の項目を要求する。

―フィリピンに関するILOバーチャル意見交換報告書の結論を実施するための期限付きロードマップについて、労働組合と直ちに協議すること。

―フィリピンへのILOハイレベル三者構成ミッションを遅滞なく受け入れること。

―労働組合員に対する超法規的殺人についての調査を迅速化し、免責をなくすこと。

―労働組合員とその合法的な活動に対するレッドタギングの廃止について、具体的な政策と実践をもって取組むこと。

シャラン・バローITUC書記長は、「フィリピン政府は、市民を守ることなく、基本的人権や労働組合の権利を侵害し、組合活動家を殺害しても処罰することなくこれを容認してきた」と厳しく非難するとともに、「まず第一歩として、期限付きの行動計画について組合と協議し、2019年のILO基準適用委員会の結論を実施するために、ILOハイレベル三者ミッションを遅滞なく受け入れなければならない。しかし最終的には、我々が望むのは、この政権が変わることであり、民主的な権利と自由のために立ち上がる政府だ」と語った。

ITUCとCGUは、フィリピンの人権を守るため、世界中の労働者を動員している。


ブラックフライデーに、世界25か国のアマゾンのサプライチェーンで抗議

2021年11月26日は、1年で最もショッピングの活気づくブラックフライデーだが、アマゾンは今年、「メイク・アマゾン・ペイ」連合(アマゾンに支払わせる、略称MAP)が調整したドイツ、イタリア、フランスでの倉庫労働者と配達員のストライキ、更にそれらを支援する世界22か国での抗議活動に直面することとなった。

MAP行動のハイライトは以下の通り。

  • ドイツ:労働組合ver.diが倉庫労働者のストライキを組織。ベルリンでは、アマゾンの倉庫労働者とテック労働者の連合体「監視に反対するアマゾン労働者」が発足。
  • イタリア:金曜日にストを予定していた数千人の運転手を代表してCGILが提出した要求を、アマゾンが受け入れた。
  • フランス:労働組合Sud Solidaires及びCGTが、倉庫労働者のストを組織。ナントでは環境保護団体Amis de La Terre(地球の友)が、アマゾン倉庫の建設を阻止した活動家の勝利を祝福。
  • カナダ:倉庫労働者センターとニキ・アシュトン議員によって組織された活動家らが、オンタリオ州ブランプトンにあるアマゾン倉庫前で抗議活動。
  • カンボジア:アマゾンのサプライチェーンで働く衣料品労働者が、プノンペンの閉鎖された工場の外で、360万ドルの退職金を要求して抗議活動。
  • 英国:労働者と活動家がアマゾンのロンドン本社の外で抗議活動。
  • ベルギー:労働者と活動家がブリュッセルの欧州議会の外で抗議活動。
  • オランダ:労働組合FNVが、ジェフ・ベゾスのメガヨットを建設中のアルブラゼルダム造船所で抗議活動。
  • バングラデシュ:衣料品労組が、チッタゴンとダッカにある2つの工場の外で抗議活動。
  • オーストリア:グラーツの活動家が、アマゾンの大規模施設の建設に抗議。
  • 米国:労働者と活動家がニューヨークの倉庫で抗議活動。倉庫労働者情報センターとAthenaによって組織された労働者と活動家は、カリフォルニア州オンタリオで労働裁判を開催。
  • ポーランド:アマゾン・ワーカーズ・インターナショナルによって組織された倉庫労働者がポズナン倉庫の外で抗議活動。ワルシャワではOzzipが職場代表の解雇に抗議。
  • アルゼンチン:環境保護活動家や市民活動家が、アマゾンウェブサービスが化石燃料企業にサービスを提供していることを批判し、Axion製油所で抗議活動。
  • 南アフリカ:リーズビーク行動キャンペーンの活動家が、この地域の先住民であるコイサン族の聖地にアマゾンの地域本社が建設されることに抗議。
  • オーストラリア:労働者と活動家がシドニーで抗議活動。
  • インド:中小企業や商人を代表する行商人行動委員会が、ニューデリー、ガジアバード、ラクナウ、バンガロール、テーンで抗議活動。
  • スロバキア:労働者や活動家が倉庫の労働条件をめぐり抗議。
  • スペイン:環境保護団体がバルセロナで、気候災害へと向かうアマゾンの動きに抗議。
  • ブラジル:アマゾンの国際物流支配に欠かせない港湾労働者が、世界中の港湾労働者と連帯して抗議活動。
  • トルコ:DISK労組によって組織された労働者と活動家が、イスタンブールの地域本社前で抗議活動。
  • コロンビア:アマゾンが最近開設したコールセンターで、労働者と活動家が抗議活動。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「世界中の労働者が、アマゾンでの尊厳と尊重を求めて行動を起こしている。労働者が結集すれば、誰も止めることはできない。今週、イタリアの運転手や配達員が成し遂げた大きな成果は、最新の一例にすぎない。我々はアマゾンに支払わせるために世界中の仲間と共に立ち上がる。共に闘えば、アマゾンの力を抑制し、民主主義を強化することができる」と力を込めた。

プログレッシブ・インターナショナルのキャスパー・ゲルダーブロムMAPコーディネーターは、次のように述べた。「今日の世界的な行動は、アマゾンの不正の連鎖の、至る所で起きている搾取に対する抵抗の大きさを示した。サプライチェーン全体で、労働者がまっとうな権利を要求している。ジェフ・ベゾスでさえ、こうした労働者の働きによって、最近の宇宙旅行の費用をまかなえたと認めている。アマゾンのフルフィルメントセンターからハイテク・ハブまで、衣料品工場からコールセンターに至るまで、労働者は活動家の仲間と力を合わせ、巨万の富を手にしながら労働者に微々たる賃金しか払おうとしない企業に対し、正義を求めている。」

「昨年、メイク・アマゾン・ペイ連合は、アマゾンの衝撃的な税金逃れ、急拡大する環境への悪影響、企業に富をもたらす労働者に対する恥知らずで不当な扱いに対して、闘いを開始した。今年、ストライキと抗議活動は、6大陸全てで展開されるまでに広がった。だが、闘いはまだ始まったばかりだ。『アマゾンに支払わせる』ため、もっと大きく声を上げ続けていく。」


「メイク・アマゾン・ペイ」連合、ブラックフライデーに20か国以上でストと抗議活動

UNI、プログレッシブ・インターナショナル、オックスファム、グリーンピース、350.org、タックス・ジャスティス・ネットワーク、アマゾン・ワーカーズ・インターナショナル等、70以上の労働組合、市民社会組織、環境保護団体、税金監視団体等で構成される「メイク・アマゾン・ペイ」連合(略称MAP、アマゾンに支払わせる)は、2021年11月26日のブラックフライデーに、少なくとも20か国でストライキ及び抗議活動を行うという、世界レベルの計画を発表した。MAPは、アマゾンが労働者に公正な報酬を支払い、労働組合に加入する権利を尊重し、公正な税金を支払い、真の環境持続性に取組むことを要求していく。

MAPは、50以上の団体が集まって1年前に結成され、時価総額2兆ドルのアマゾンに対する一連の「共通の要求」を提示し、2020年11月27日に世界16か国でストライキや抗議活動を行った。今年の行動は、全ての大陸の少なくとも20か国の複数都市で、ストライキや抗議行動が計画されており、より大規模なものになる見込みだ。

世界中で行動を起こすこの日、労働、環境、税金、データ、プライバシー、独占禁止等、様々な分野の活動家が一堂に会し、組合員、市民社会活動家、環境保護団体活動家等が共同行動を実施する。一般の参加者は、MakeAmazonPay.comサイトから、「共通の要求」に署名したり、寄付したり、ブラックフライデーに身近で参加できる行動を探したりすることができる。

今年の取組みは、世界経済におけるアマゾンの影響の規模に注意を喚起するものだ。世界中で行われているストライキや抗議活動に加えて、アマゾンの不正行為の根深さと、それに対する抵抗の大きさと団結力を表すために、MAPは8つの場所を選んだ。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は次のように述べた。「#MakeAmazonPayに集う労働者、支持者、組合役員らは、世界中の想像力に訴え、世間のアマゾンに対する認識を変えてきた。ブラックフライデーのような世界行動デーには、経済のルールを変え、企業権力に挑もうとする動きが、いかに大胆かつ強力になっているかが示される。ますます多くの人々が、アマゾンのあからさまな反組合的行為、反社会的な税金逃れ、執拗な統制について、多くの疑問を投げかけている。世界中で見られるように、コーダー、ピッカー、ドライバー、UXデザイナー等の労働者は、組合があれば得られる尊厳と尊重を要求するため、共にデモ行進し、ストライキを行い、声をあげている。」そして、「連帯すれば、簡単には屈しない。連帯すれば、アマゾンは労働者の連携を打ち破ることはできない」と語気を強めた。

プログレッシブ・インターナショナルのキャスパー・ゲルダーブロムMAPコーディネーターは、「世界中の天然資源採掘から製造、製品の出荷・保管から消費者への配送、そして膨大な量のデータ管理・統制によって各国政府に影響を与える等、アマゾンは、労働者、人々、そして地球を欺いている」と指摘した上で、「アマゾンは世界の至るところにいるが、我々もそこにいる。アマゾンの不正行為の連鎖を追求し、我々はアマゾンに支払わせるため反撃していく。2021年11月26日のブラックフライデーには、世界中で労働者と活動家がストライキや抗議を行い、アマゾンに支払わせるための行動に立ち上がる」と強い決意を語った。

◆UNI:150か国で2,000万人以上の労働者を代表する。サービス産業においてディーセントワークを確保し、組合が代表する権利や団体交渉権等、労働者の権利を擁護することをミッションとしている。

◆ プログレッシブ・インターナショナル(PI):世界中の進歩的勢力を団結させ、組織化し、動員することを使命として、2020年5月に発足した。諮問委員会には、ノーム・チョムスキー、アルナ・ロイ、ビジェイ・プラシャド、アンドレス・アラウズ、ナオミ・クライン、ヤニス・バルーファキス、フェルナンド・ハダド、グスタボ・ペトロ、その他多くの有識者が参加する。PIには、世界中で何百万もの人々を代表する社会運動団体、政党、労働組合等が参加している。


uni logo
最近のコメント
    アーカイブ