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H&Mの各国労組、グローバル労組アライアンスの集会で連携強化

2026年 5月5~6日に、13カ国のH&M労働者を代表するUNI加盟組織の指導者がスウェーデン・ストックホルムに結集した。そして国際的な連携を活性化させ、より良い労働条件を確保し、同社が事業を展開するすべての国において労使関係を強化することを決議した。

スウェーデンのUNI加盟組織であるHandelsとUnionenが主催したこの会議は、2018年以来初めて開催されたUNI H&Mグローバル労組アライアンスの対面会議であり、その間、ブラジル、ペルー、トルコからの新たな加盟組織を迎え、グループは拡大を遂げてきた。

UNI加盟19組織からの代表を含む約60名の参加者が、H&Mとの団体交渉に関する経験を共有し、労働者が直面する主要な課題について議論し、このスウェーデンのファッション大手とのUNIグローバル協定を更新するための手続きを開始することで合意した。

2日目の会議にはH&Mのグローバル経営陣の代表が参加し、2026年に向けた同社の計画に関する見解を共有するとともに、社会政策および最低雇用基準の概要を説明した。経営側の報告を受け、参加者との質疑応答セッションが行われた。

マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長は、Handelsのヨセフィン・ルンドマーク国際書記、およびUnionenのアスゲイル・ルンドブラッド国際政策担当と共に、この多国籍小売企業とのグローバルな関係について最新情報を共有した。

ボルトン担当局長は、「加盟組織が新たな意欲と連帯感を持って一堂に会する姿は、大変心強いものであった。H&Mの店舗や倉庫において団体交渉を前進させようとする強い意志があり、H&Mとのグローバル協定を強化するという共通の決意が示された。我々は、明確な目標とそれを達成するための勢いを持ってストックホルムでの会議を終えることができた」と会議を振り返った。


ドイツのアマゾン施設で、ver.diが過半数を獲得

アマゾンの組織化を目指す世界的なキャンペーンが重要な局面を迎えた。ドイツのUNI加盟組織であるver.diが、フランクエンタールにあるアマゾンのFRA7施設で行われた労使協議会選挙で決定的な勝利を収め、新たな委員会の19議席のうち12議席を獲得したのである。

これにより、労働者は明確な過半数を確保し、ドイツにおけるアマゾンの主要物流拠点の一つで労働条件を形作するための強力な権限を手にした。この成果は、国内のアマゾン施設において公正な賃金、安全な労働環境、団体交渉権を確保するため、ver.diが継続的に取り組んできたキャンペーンの一環だ。

今回の結果を受け、クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「FRA7のver.diが示したアマゾン労働者の勇気と粘り強さは、世界中にメッセージを送っている。アマゾン労働者は自らの力を築き上げ、尊重を求めている。この結果は、アマゾンに責任を問う世界的な運動を強化し、すべてのアマゾン労働者のために公正な労働条件を確保することに向け、我々を一歩近づけてくれた」と語り、労働者の決意を称賛した。

10年以上にわたり、ver.diは国内のフルフィルメントセンターでストライキを組織し、労働者を動員して、ドイツの小売業基準に沿った産別協約をアマゾンに認めさせるよう働きかけてきた。アマゾンは一貫して交渉を拒否してきたが、労働者は職場の組織化と労使協議会の選挙を通じて力を築き続けてきた。これらはドイツの共同決定制度の礎となるものである。

FRA7での勝利が特に重要なのは、労働者による明確な過半数が確立されたことで、シフト制度、業績評価、労働安全衛生に関する決定に影響を与える労使協議会の力が強化されたためだ。

このver.diの勝利は、アマゾンに責任を追及する世界的な運動における新たな成果であり、世界で最も強力な企業の一つであっても、持続的な組織化が具体的な成果をもたらし得ることを示している。

労使協議会での過半数を獲得し、労働者代表は以下の事項を主張する上で、より強力な基盤を得たことになる:

  • 労働条件の改善
  • 経営判断の透明性向上
  • 過重な業務負荷や監視に対するより強力な保護
  • 団体交渉基準の確立に向けた継続的な圧力

ver.diのシルケ・ツィマー小売部門執行委員は、 「選挙で勝利したことで、アマゾン労働者はより良い労働条件を求めて闘うという強い決意を示し、アマゾンに対して明確なメッセージを送った。つまり、労使協議会であれ団体交渉であれ、ver.diのような強力な労働組合を味方につけ、対等な立場で意思決定や交渉に参加したいという意思だ」と述べた。


ラナ・プラザ工場の崩壊事故から13年―安全な職場を求める闘いは終わらない

2026年4月24日、バングラデシュ・ダッカで発生し、1,100人以上の縫製労働者が死亡、さらに数千人が負傷したラナ・プラザの惨事から13年を迎える。2013年4月24日の朝、前日に壁に大きな亀裂が生じていることを懸念していたにもかかわらず、労働者たちは8階建ての建物に入るよう強制された。午前9時、建物全体が崩壊した。

死者数が増え続ける中、世界は恐怖の念を抱いてその様子を見守った。グローバルブランド企業向けの衣服を製造していた労働者たちが、決して起きてはならないはずの災害で命を落としたその日のことを、我々は決して忘れない。

13年が経過し、多くの成果が挙げられた。ラナ・プラザ事故への直接的な対応としてUNIとインダストオールが設立した「バングラデシュ・アコード」は、バングラデシュ国内の2,000を超える縫製・繊維工場において、200万人以上の労働者を対象とする安全対策の改善を推進してきた。これは、ブランド企業と労働組合の間で結ばれた法的拘束力のある合意が、人命を救うことができることを証明してきた。このモデルは国際アコードの基礎となり、その後に適用範囲はパキスタンにまで拡大しており、我々は他の国々への拡大も断固として推進していく。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「我々は今日、衣料産業史上最悪の災害で命を落としたすべての人々、そして人生が一変してしまった何千人もの人々を偲ぶ。 UNIとインダストリオールがバングラデシュ・アコードを設立したのは、工場の安全に対する自主的な取組みだけでは不十分だと知っていたからだ。労働組合が交渉の席に着くことで結ばれる法的拘束力のある合意こそが、職場を安全にする。13年が経過した今も、その事実は変わっていない。新たな『バングラデシュ安全協定』の交渉に臨み、国際アコードを他国へ拡大するよう働きかけるにあたり、我々はラナ・プラザの記憶と、それが我々全員に課す責任を胸に刻んでいる」と述べた。

過去1年間に起きた致命的な事故は、リスクが依然として存在していることを痛烈に我々に思い知らしめる。ミールプールの縫製工場と化学薬品倉庫での火災(出口が施錠されていたため労働者が死亡した)や、チッタゴン輸出加工区での事故は、継続的な警戒がなければ労働者が依然として危険にさらされていることを示している。これらの悲劇は、アコードの対象外となる工場で発生している。

大きな進展があったにもかかわらず、アコードの対象となっているバングラデシュの数百の縫製工場では、特定された安全上の危険が依然として完全に是正されておらず、取組みは完了していない。

現行の「バングラデシュ安全協定」が2026年12月31日に期限を迎えるにあたり、UNIとインダストリオールは、これまでの進展を基盤とし、残る課題を解消する新たな協定をブランド企業側と交渉する準備を進めている。

またUNIは、バングラデシュにおける新たな労働法の施行を歓迎する。同法は、安全な職場環境の基盤となる、恐怖や報復を恐れずに団結する労働者の権利を強化するものである。


バングラデシュの新たな労働法、労働者の権利に画期的な変化をもたらす

2026年のバングラデシュ労働法改正は、労働者の権利を強化するための大幅な改革を導入した。反組合的差別、労働者のブラックリスト化、強制労働、セクシャルハラスメントに対する新たな規定が設けられ、ILO第190号条約に沿った保護が強化されるとともに、より安全な職場の促進が図られることになる。

同法は「労働災害補償基金」および「代替的紛争解決機関」を創設し、バングラデシュにおける労働者の権利と集団的保護に向けた重要な前進となる。UNIは、広範な改革をもたらし、国際基準に沿って労働者の権利を強化するバングラデシュの労働法改正を歓迎する。

2026年4月9日、 バングラデシュ議会は 「2026年バングラデシュ労働法改正案」を可決した。最も重要な変更点の一つは、労働組合規則の抜本的な改革である。企業の総従業員数の20%が組合結成を支持しなければならないという従来の要件は撤廃された。従業員300人以下の中小企業では、わずか20人の組合員で労働組合を結成できるようになり、中堅企業では少なくとも40人、従業員3,000人以上の大企業では400人の組合員が必要となる。

団結権の保護
同法には、不当労働行為や反労働組合的差別から労働者および労働組合員を保護するための新たな規定が含まれている。使用者は、労働者や労働組合員をブラックリスト化すること、自らの支配下にある労働組合を設立すること、あるいは組合活動に影響を与えるための資金援助を行うことが禁止される。苦情の申し立て、法的手続きへの参加、または不当労働行為の通報を行った労働者に対する報復行為は、反労働組合的差別として明確に定義されている。

また、この改正法は、ILO第190号条約に沿って、強制労働、暴力、セクシャルハラスメントに対する厳格な法的禁止規定を導入している。セクシャルハラスメントは初めて明確に定義され、各機関は、女性の代表性を重視した苦情処理委員会を設置することが義務付けられている。

さらに、同法は労働災害補償基金の創設を義務付け、紛争解決を円滑にするための代替的紛争解決機関を導入している。

UNI とバングラデシュの関わり
UNIは、インダストリオールと共に「バングラデシュ・アコード」(国際アコードの前身)の創設団体として、バングラデシュと長年にわたる関係を築いてきた。同アコードは、グローバルなブランド企業の衣料品を製造していた1,000人以上の労働者が死亡したラナ・プラザ工場崩壊事故を受け、衣料品労働者の安全環境を根本的に変革させたものである。

この法改正は、UNIが共同で設立した「人権デューディリジェンス・コンピテンスセンター」がベルリンで発足した直後に施行される。同センターは、グローバル・バリューチェーン全体で労働者の権利を確保するため、労働組合や企業と連携していく。バングラデシュの衣料品産業では、すでにパイロットプログラムが承認されている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「バングラデシュは労働者のために大きな前進を遂げた。労働者が恐怖を感じたり報復を恐れることなく団結する権利は、安全な職場環境の基盤であり、これらの改革は労働者が集団的な力を築くために必要な保護を強化する。我々はこの進展を歓迎するとともに、新たな労働法が実践において全面的に実施され、遵守されることを期待している。」とコメントした。


コートジボワールで小売労働者が勝利、カルフールとオーシャンで初の協約を締結

コートジボワールのUNI商業部会の加盟組織が、オーシャンとカルフールの従業員約2,000名を対象とした初の団体協約を締結した。新たな協約により、賞与、金銭的給付、医療保障の拡充、および職場内医療サービスの提供など、大幅な改善が実現する。

コートジボワールの首都アビジャンにあるUNIアフリカ事務所の支援を受けた組織化キャンペーンの結果、労働組合UNACFAORETAILは選挙実施に必要な組合員数を確保し、両社での選挙で勝利を収めた。これにより、9店舗のカルフール従業員約1,200人と、13店舗のオーシャン従業員700人を対象とする団体協約の交渉と締結が可能となった。

UNACFAORETAILは、CFAOがフランチャイズ契約を結ぶカルフール店舗の労働者を組織化するために設立され、最近ではオーシャンの労働組合と合併し、両社を代表するより強力で統一された組織を形成した。

キース・ジェイコブズUNIアフリカ地域書記長は、「コートジボワールにおけるオーシャンおよびカルフールとの史上初の団体協約の締結を果たしたUNACFAORETAILを祝福したい。同労組は、我々の地域大会のスローガンを行動に移し、これらの大手多国籍小売企業における小売労働者の労働条件を改善するために、労働者階級の力を結集させた」と称賛した。

カルフールとの協約では、食事手当や昇進・業績連動賞与などの権利が確保された。同組合は現在も、住宅手当や職務分類制度の改善に向けた交渉を継続している。オーシャンの団体協約には、制服手当、民間健康保険、社内診療所の設置、および従業員代表や安全衛生委員会の選挙が含まれている。両協約の有効期間は1年間だ。

UNIはオーシャンおよびカルフール双方とグローバル協定を結んでおり、これらはフランスの多国籍小売企業のサプライチェーン全体において、結社の自由と団体交渉権を擁護するものである。

マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長は、「これはコートジボワールの加盟組織にとって大きな勝利であり、ウガンダとケニアのカルフール加盟店との画期的な合意に続くものだ。我々はUNIアフリカと協力し、この勢いを活かし、アフリカの小売業界全体で組合の力を強化するため、グローバル協定を引き続き活用していく」と述べた。


豪SDA、『成人年齢に成人賃金を』キャンペーンで勝利

オーストラリアのUNI加盟組織である店舗流通関連労組(SDA))が、公正労働委員会による画期的な決定を受け、長年にわたり展開してきたキャンペーン『成人年齢に成人賃金を』において大きな勝利を収めた。

2026年3月31日付の裁定において、公正労働委員会は、小売、ファストフード、薬局業界で働く18歳から20歳の労働者が、段階的に成人と同額の賃金を受け取ることを確認し、長年にわたる「ジュニア賃金」という減額賃金制度に終止符を打った。

この決定により、オーストラリア全土で推定50万人の若年労働者が恩恵を受けると見込まれており、その多くは年上の同僚と同じ仕事をしているにもかかわらず、成人賃金の一定割合しか支払われていなかった若年労働者である。

UNI会長を務めるジェラルド・ドワイヤーSDA書記長は、公正労働委員会の決定を歓迎し、「18歳は成人だ。彼らは他の成人と同様に、生活費の高騰苦しんでいるのに、18歳という理由だけで、家賃や通勤用のガソリン代が割引されるわけではない。これからは、他の成人と同じ賃金が支払われることになる」と述べた。

この成果は、成人労働者に対するジュニア賃金の廃止を求めて2024年に委員会に申請した取り組みを含め、SDAが数年にわたり推進してきたキャンペーンの重要な節目となった。

同労組は一貫して、労働者が法定成人年齢に達した時点で、特に職務内容や責任が同一である場合には、年齢に基づく賃金格差を正当化することは困難であると主張してきた。数十年にわたり、オーストラリアの賃金制度では、21歳未満の労働者に対し、年齢のみを理由として成人賃金の一定割合を減額した賃金が支払われてきた。

公正労働委員会の決定はSDAの主張を反映したものであり、若年労働者にとって実質的な賃金上昇と所得保障の向上につながるものと期待される。

小売、ファストフード、薬局業界では150万人以上のオーストラリア人が雇用されており、その非常に多くが21歳未満である。

18歳から20歳の対象労働者は、使用者のもとで6ヶ月間の試用期間を経た後、成人賃金の100%を受け取ることになる。この措置は4年かけて段階的に導入される予定である。ただし、18歳未満の労働者については、引き続きジュニア賃金が適用される。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長、「これはオーストラリアの若年労働者にとって重要な勝利だ。この決定が実施され、多くの労働者の賃金が上昇することになるだろう。若い組合員が推進してきた強力なキャンペーンが、公正労働委員会において説得力のある主張と重要な勝利をもたらし得ることを、SDAは再び示した。SDAと組合員の皆様に祝意を表したい」と語った。


日本でカスハラ対策の新法を支援する措置

日本政府は、2026年10月に施行予定の新法を支援するため、使用者が顧客によるハラスメント(カスハラ)を防止・対応するための指針を発表した。この法律は、UNI加盟組織であり、日本で最大の小売・サービス業の労働組合であるUAゼンセンが主導し、10年近くにわたる粘り強い運動の末に成立したものである。

法律を実践へ

2026年2月に発表されたこの指針は、法的義務を具体的な対策へと落とし込んだものである。これに基づき、使用者には以下が求められる:

  • カスハラ防止方針の従業員や顧客への明確な周知
  • 苦情や問い合わせ窓口の設置、適切に対応できる体制の整備
  • 事案について迅速かつ適切な対応
  • 社会的に許容される規範を超えた行動の特定と対処

重要な点として、この措置では「許容できない顧客の行動」とは具体的にどのようなものかを例示しており、使用者と労働者の双方に明確な指針を提供している。

マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長は、「UAゼンセンは、不断の取組みと継続的な提言活動を通じて達成できることを示してきた。長年にわたり根拠を積み上げ、労働者の実体験を可視化し、政府が行動せざるを得なくなるまで圧力をかけ続けた」と称賛し、「現場の第一線で働く小売業の労働者にとって、この成果は確かなもの。ハラスメントは決して仕事の一部ではないということ、そして使用者と政府には労働者を保護する責任があるという明確なメッセージを発している」と述べた。

「お客様は神様」から労働者保護へ

この新しい指針は、日本の職場文化における大きな転換の末に策定された。何十年もの間、「お客様は神様」という深く根付いた考え方が、労働者を理不尽な苦情、虐待、さらには暴力(一般にカスハラと呼ばれるもの)―にさらし続けてきた。

UAゼンセンは2017年に悪質クレーム対策運動を通じて、こうした職場文化への異議申し立てを開始し、小売業の労働者が直面するあらゆる形態の暴力やハラスメントに対処するよう、その活動を着実に拡大させてきた。労働組合の取組みとして始まったこの活動は、まもなく全国的な運動へと発展した。

初期の政治的機運

このキャンペーンは、政界でもすぐに支持を集めた。2018年、UAゼンセン政治顧問を務める田村まみ参議院議員は、カスタマーハラスメントに対する保護を強化するよう国会に働きかけた。この提言は重要な成果をもたらした。すなわち、「カスタマーハラスメントに対する企業の対策の推進」が、「70年ぶりの労働改革」とも称される「働き方改革関連法案」の付帯決議に盛り込まれたのである。

パンデミックによる圧力が行動を加速

新型コロナウイルスのパンデミックは、この問題を浮き彫りにし、さらに深刻化させた。顧客からの圧力が高まる中、現場の労働者に対する暴力やハラスメントの報告が急増した。

これを受けてUAゼンセンは2020年12月、80名以上の国会議員を含む200名以上の参加者を集める集会を開催した。このイベントは決定的な転機となり、厚生労働省はカスタマーハラスメント対策への資金拠出を約束し、2021年に1,700万円の予算を計上したほか、ガイドライン策定、研修、啓発活動のためにさらに3,000万円を割り当てた。

枠組みの構築:指針と地方条例

2022年までに厚生労働省は、カスタマーハラスメントを定義し、その実態を概説するとともに、企業に向けた8つの主要な対策を推奨する初の全国的な指針を発表した。これらは地方自治体の取り組みによって補完された。

秋田県は、多様性に満ちた社会づくり基本条例において顧客によるハラスメントを差別の一形態として認定することで、いち早く主導的な役割を果たした。だが新たな基準を打ち立てたのは東京都である。2025年4月、「カスタマーハラスメント防止条例」が施行された。これは同種の法令としては初の試みである。同条例は、行政、使用者、労働者、顧客それぞれの責任を明確に定義し、企業に対して具体的な予防措置を講じることを義務付けた。この東京都条例は波及効果をもたらし、北海道や群馬県など他の地域でも同様の規則が導入された。

そしてついに法律が制定

2025年4月に国民民主党は、立憲民主党と連携し、カスタマーハラスメント対策法案を参議院に提出した。この動きは2025年6月、国会が労働施策総合推進法の改正案を可決したことで頂点に達し、同法は2026年10月に施行されることとなった。カスタマーハラスメントは、初めて「社会的に許容される限度を超える」行為として、国の法律で正式に定義されたのである。同法は、以下の通りそれぞれに明確な責任を定めた:

  • 政府は啓発活動を主導し、実施にむけた指針を策定しなければならない
  • 使用者はハラスメントを防止し、研修を実施し、苦情処理体制を整備することが求められる
  • 労働者は職場全体で敬意ある行動を促進しなければならない
  • 顧客は責任ある行動をとり、労働者の就業環境を損なわないよう、必要な配慮をすることが期待される

UAゼンセン:キャンペーンから変革へ

継続的な提言活動による意識啓発や世論形成から、立法や政策設計への影響力行使に至るまで、この変革のあらゆる段階において中心的な役割を果たしてきたUAゼンセンは、新法とガイドラインを歓迎しつつも、その実施が鍵となると強調しており、以下を求めている:

  • 企業別労組と使用者間の対話の強化
  • 指針の継続的な改善
  • 労働当局による監督の強化
  • 警察などの機関との連携
  • 顧客を対象とした啓発キャンペーンの拡大

小売業労働者にとっての新時代

日本における「カスハラ」への取り組みは、今や新たな段階に入っている。国レベルの法整備、詳細な指針、そして地方レベルでの執行体制の強化により、日本は顧客による暴力やハラスメントに対処するための、世界でも最も包括的な枠組みの一つを構築しつつある。


UNI欧州商業部会の報告書―ジェンダー不平等の構造が浮き彫りに

欧州全域において、女性は小売・卸売業の労働力の3分の2近くを占め、その中核を担っている。だがこの数字の裏には、女性の働きが正当に評価されていないという現実がある。根強い不平等、限られたキャリアアップの機会、そして急速に変化する業界におけるリスクの増大である。

同時に、この業界は大きな変革の真っ只中にある。デジタル化、Eコマース、環境に配慮した移行が、雇用と労働条件の両方を再構築しているが、多くの場合、保護措置は十分に講じられていない。

こうした変化をより深く理解するため、UNI欧州商業部会は、「商業部門におけるジェンダー不平等を理解する」と題する新たな報告書の作成を委託した。本報告書は、低賃金・パートタイム職から、管理職や技術職における女性の過小代表に至るまで、商業部門におけるジェンダー不平等の構造的要因を深く掘り下げている。

またこの報告書は、見過ごされがちな問題、すなわち小売現場の労働者がジェンダーに基づく暴力やハラスメントに広くさらされている実態にも光を当てている。報告書は、ジェンダーに配慮したアプローチがなければ、これらの変化が既存の不平等をさらに深刻化させるリスクがあると結論付けている。

本調査は、EUが共同出資するプロジェクト『Improving working conditions through gender perspective in commerce(ジェンダー枠組みを通じた商業部門における労働条件の改善、I’M Pinc)』の枠組みの中で実施された。同プロジェクトは、重要な研究の空白を埋め、労働組合がこれらの変化に効果的に対応するために必要なツールを提供することを目的としており、商業の未来が革新的であるだけでなく、公正なものとなるようにすることを目指している。多言語版報告書はこちらから。


イタリアのリドル従業員2万3000人、予定通りのシフトと労働時間の保証を獲得

数ヶ月にわたる交渉と全国規模のストライキを経て、イタリアのリドル従業員2万3000人以上が、新たな団体協約を勝ち取った。

イタリアのUNI加盟組織であるFilcams CGIL、Fisascat CISL、Uiltucsが交渉したこの協約は、2026年3月下旬に労働者による承認投票が行われ、投票者の98%以上が賛成票を投じた。

上記3労組は共同声明の中で組合員の承認を歓迎し、「この協約によって賃金と権利が強化され、労働の質とシフト体制が改善されることになる。これは争議を強力に支持した労働者の決意と、行動を具体的な成果へと結びつけた交渉の成果だ。今、労使関係の新たな段階が始まる。そこでは、約束された事項を確固たるものにし、全面的に実施されるようにしていかなければならない」と述べた。

780以上の店舗と12の物流センターに勤務するリドル従業員を対象とするこの新協約は、現行の流動的過ぎる勤務スケジュールによる不安定さを解消し、労働者が仕事と家庭生活をより計画的に調整できるよう、4週間単位のシフトパターンを導入する。

また、パートタイム労働者に対し週25時間の労働時間を確保し、これにより今後2年間で約2,000人のパートタイム労働者の労働時間が増加することになる。

重要な点として、業務編成については初めて、労使が各拠点で協議することになる。その他の成果としては、全従業員への年650ユーロの固定賞与(商品券と現金で構成)、父親への15日間の育児休暇、病気休暇の改善、日曜・夜間勤務の賃金引き上げなどが挙げられる。さらに倉庫作業員のレベルが格上げされ、より高い賃金体系に移行することになる。

マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長は、「この画期的な合意を実現させた、イタリアのUNI加盟組織および数千人のリドル労働者の断固たる取組みに対し、心より祝意を表したい。この成功は、より良い労働条件と賃金を求めて闘っている世界中のリドルおよびカウフランドの労働者に勇気を与え鼓舞するもの。我々は、さらなる勝利を収めるよう引き続き支援していく」と述べた。

リドル労働者と組合は、1年以上にわたり企業レベルの団体協約の更新を求めて闘争を続けてきた。その過程では、2025年5月24日と7月18日に2度の全国ストライキが行われ、労働者の約8割が参加する大規模な行動となった。彼らの行動は、UNI商業部会と欧州、米国全土のリドルおよびカウフランド労働者を代表し組織するUNI加盟組織から強力な支持を受けた。


欧州の商業部門の社会パートナー、野心的なロードマップを策定

UNI欧州商業部会とEuroCommerce、すなわち欧州の商業部門の社会パートナーが、2026年3月17日に会合を開き、2026-2027年共同作業計画への署名という重要な節目を迎えた。

両組織は、小売・卸売部門が直面する主要な課題と機会に取組むため、商業部門社会対話委員会を通じて協力していくというコミットメントを再確認した。

社会パートナーによって策定されたこの野心的ロードマップは、労働条件、社会パートナーの能力、および安全衛生基準における的を絞った取組みを通じて、部門内の主要な課題に対処することを目的としている。

商業部門は、高スキルを必要としない職や地域を横断するキャリア機会を提供する、欧州最大級の雇用創出源の一つであり、地域社会および欧州の社会・経済構造において中心的な役割を果たしている。

これまでの作業計画を踏まえ、2026–2027年のアジェンダは、デジタル化、環境に配慮した移行、スキル開発、包摂、安全衛生、競争力、および関連するEUの政策イニシアチブといった、共通の重要分野に焦点を当てている。

社会パートナーは、この部門における長年にわたる社会対話と団体交渉の伝統を基盤とし、使用者団体と労働者団体の間の建設的な協力の価値を認識している。

技術革新、持続可能性の目標、そして変化する消費者および労働市場の動向によって急速な変革が引き起こされている状況下において、社会パートナーは、競争力があり、革新的で、社会的に持続可能な商業部門の構築を目指している。

両者は、建設的な対話、共同の取組み、および優良事例の交換を通じてこれを実現し、企業、労働者、消費者のすべてに利益をもたらすバランスの取れた経済的・社会的進歩に貢献する。

共同作業計画は、商業部門における競争力、イノベーション、回復力は、質の高い雇用、強固な社会対話、労働者の権利の尊重、および公正な労働条件と密接に結びついていなければならないという明確なメッセージを発している。


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