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EUで自営業者の団体交渉に道筋

UNI欧州は、公正な賃金と労働条件を求めて団体交渉を行う自営業者の権利保護に向けた欧州委員会の動きを歓迎する。同委員会は2022年9月29日、EU競争法の適用に関するガイドラインを発表し、自営業者の団体交渉に関する法的障壁を取り払った。

これまでEU競争法の解釈が争われてきたが、EU域内の約2400万人の自営業者の多くが、団体交渉の対象から除外されてきた。その結果、労働力の二重構造が生じ、使用者がより低い条件で自営業者に外注するという状況が誘発されてきた。これによって使用者は、各産業における雇用基準を回避しうるためだ。

今回、ガイドラインで明確化されたことで、真の自営業者が団体交渉を行う基本的権利が保護されることになる。UNI欧州は、各国の加盟組織および欧州労働組合連合(ETUC)とともに、今回の重要な改正を主張してきた。

ドイツのフランク・ヴェネルケver.di委員長は、「欧州委員会のガイドラインによる明確化は、団体交渉の道を開くものだ。労働組合として我々の権限も強化される。EU競争法を根拠に、使用者が交渉を回避できる時代は終わった」と歓迎した。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「これは、人々の尊厳を競争の領域から解放する上で欠かせない一歩だ。働く者の賃金や条件が、競争上の優位性を得るための経費としか見なされなければ、底辺への競争が助長されることになる。強力な団体交渉が解決策となる。働く人々は共に、あらゆる人々のための尊厳ある共通の基準を確保するため、交渉することができる」と述べた。

欧州委員会はこのガイドラインにより、企業の従業員と共に同じ職場で働く自営業者が協定を交渉できること、また自営業者を既存の労働協約に組み込めることを明確に示したことになる。これは、例えば、従業員と自営業者が同じ職場で働くことが一般的となっている視聴覚部門の労働者にとっては、大きな一歩となる。さらにガイドラインは、企業に経済的に依存している自営業者を保護する必要性を認めている。

またUNI欧州は、欧州委員会が、特定の部門、あるいは文化・クリエイティブ産業の労働者など特定のカテゴリーの自営業者の団体交渉を規定する国内法およびEU法に干渉しないとした点についても、評価している。

これは、あらゆるサービス部門における真の自営業者にとって重要な前進であり、ギグエコノミーの労働者が、賃金や労働条件について団体交渉する際の法的根拠を提供するものであるが、他方でUNI欧州は、今後も欧州における偽装自営業の根絶に向けた取組みを強力に進めていく。


パキスタン洪水被害が示す、連帯と気候対策の重要性

2022年6月14日からパキスタンで未曾有の豪雨が発生し、広範囲にわたる洪水と地滑りが発生し、人命、財産、インフラに甚大な被害が発生している。

同国では、3,300万人以上が被災し、1,480人が死亡、12,800人近くが負傷している。9月中旬の1週間だけでも、パキスタンでは約1,000kmの道路、23の橋、55,300棟以上の家屋が損壊・倒壊している。合計約120万戸の家屋が被災し、約56万9000戸が倒壊した。連邦政府は、同国の地方行政160区画のうち81地区を「大規模被災」に分類している。 過去30年間の平均雨量と比較し、 8月27日時点で バロチスタン州では5.1倍、シンド州では5.7倍の雨量を記録した。

こうした被災状況にもかかわらず、パキスタン郵便は、人々にとって必要不可欠なサービスを提供し続けている。1,500人以上の郵便配達員と家族が洪水の影響を直接受け、家屋を失う等の大きな被害を受けた。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、「パキスタンの郵便労働者の多くが甚大な人的被害に遭い、国土の約3分の1が水没しているにもかかわらず、配達を続け、今も人々と地域社会をつなぎ続けている」述べ、「このことが示すのは、郵便が、特に危機的状況において不可欠なサービスであるということだ。我々はこの困難な時期にも、国が再建される時にも、重要な存在である郵便労働者に連帯する」と語った。

UNI世界郵便・ロジスティクス部会は、パキスタンの郵便5労組を含む世界90か国250万人を超える郵便労働者を代表している。コーネリア・ベルガーUNI世界郵便・ロジスティクス部会担当局長は、「パキスタンの49,900人の郵便労働者に、心よりお見舞い申し上げるとともに、連帯の意を表明したい」と述べると同時に、「今回の洪水は、同国の歴史上最も大きな被害をもたらしたものであり、郵便の価値だけでなく、気候変動対策の緊急性も示している」と指摘した。

著名な気候科学者で構成されるWorld Weather Attribution(WWA)がまとめた報告書によると、この壊滅的な洪水は気候変動と関係している。気候変動モデルによると、人類の行動によって産業革命前より2℃気温が上昇すると、激しい豪雨などの異常気象が発生する可能性が高くなるという。

パキスタンでの大規模な被害は、国内および国際的な意思決定者と各国政府が、オルタナティブな未来のために責任と行動を取らなければならない理由を明確に示している。

UNI世界郵便・ロジスティクス部会は、郵便労働者にとっての最大のリスクの1つに、気候変動を位置づけている。郵便労働者は通常のサービスを提供する中で異常気象や外気温に直面しており、一方で郵便労働者と郵便インフラは、災害時に被災者や支援団体をサポートするために利用されている。そこでUNI世界郵便・ロジスティクス部会は、カーボン・ニュートラルな未来に向けた、郵便のためのグリーンニューディール案を策定した。郵便労働者は日々の業務の中で気候変動を感じており、UNIは可能な限り迅速に、あらゆる場所で気候変動に取組むことを自らの任務としている。

さらに、この数年間でUNI世界郵便・ロジスティクス部会は、万国郵便連合(UPU)と協力し、郵便事業者の自然災害時リスク管理に関するUPUガイドラインに意見を提起してきた。UNI世界郵便・ロジスティクス部会の主な目標は、労働者を守り、安全を確保することであり、これには、自然災害時にサービスや支援を提供する必要がある場合に備え、労働者が訓練、装備、対策を受けることも含まれる。

ベルガー担当局長は、「災害の最前線にいる郵便労働者は、可能な限り安全に職務を遂行できるようにしなければならない」と指摘し、「だが我々は、政策立案者に対し、気候変動がもたらす存亡の危機に対処する早急な措置を要求していかなければならない。労働者、地域社会、そして各国は、このような洪水がニューノーマルとなることに、耐えることはできない」と語った。


英国で17万人以上のCWU組合員がストに突入

英国のUNI加盟組織である通信労組(CWU)が、「ものすごい1週間」になると宣言する2022年8月末、英国全土で17万人以上の労働者がストライキに入る。

大手通信事業者BTとその子会社オープンリーチ、そして郵便局およびロイヤルメール・グループに雇用される労働者は、争議行動への圧倒的支持を示し、高騰するインフレの中でまっとうな生活の質を維持できる賃金を求め、「英国のあらゆる町や都市」でピケットラインに立つ。

BTとオープンリーチでは、生活費の高騰を補うに足る賃上げ交渉が決裂し、CWU組合員は7月29日と8月1日に35年ぶりに最初のストに入った。会社側は組合と協議することなく、年間1,500ポンドの賃上げを示してきたが、これは国内のインフレ率11%以上(年末には18.6%に達する可能性もあるとされる)と比較すれば、実質的に大幅な賃下げである。

この実質的な賃金カットは、BTが年間13億ポンドの利益を上げ、同社のフィリップ・ヤンセンCEOが350万ポンド(32%の報酬引上)という高額報酬を得ている一方、BTの営業所では従業員を支援するためにフードバンクを設立したと伝えられる中で行われた。

BTの次のストライキは8月30日に開始する。米国、スペイン、スイス、ドイツ、ポルト ガル、イタリアなど、各国の組合が連帯と支援を表明する書簡を英国の労働者に送っている。

CWU副書記長を務めるアンディ・カーUNI世界ICTS部会議長は、「我々は今もBTが誠実な交渉の席につくことを望んでいる。だが、悲しいかな現状では、我々がさらなる行動を起こさない限り、それは実現しないということが明らかになってしまった。…ゆえに今、我々は立ち上がる」と述べた。

BTによる賃上げは、現在のインフレ率に遠く及ばず、到底容認できるものではない。

過去3回のストライキと、8月26~27日のさらなるストライキで、郵便局が提示した賃上げ率は3%から5%に引き上がったが、組合はさらなる引上げが必要であるとの考えを明確にした。アンディ・フューリーCWU書記次長は、「しかるべき方向に一歩進んだが、まだインフレ率の半分以下だ」と述べ、「この賃金提示の改善に勇気づけられた。次週の協議で、2022~2023年度分のみならず、2021~2022年度分についても、公正で妥当な賃金協定に向けてさらに前進していきたい」と意欲を見せた。

ロイヤルメール・グループでも、使用者が労働者の貢献を認めず、「以前の賃金を現在の価格で」支払い、実質的に労働条件を悪化させる賃金提示を行ったという類似の事例がある。

CWU書記長を務めるデーブ・ウォードUNI世界郵便・ロジスティクス部会議長は、「経営陣の戦略は『近代化』などではなく、水準の引下げだ。だが、労働者を最下層に置いては、事業は成り立たない。組合は決して、変化を避けてはいない。ロイヤルメール取締役会は、ロイヤルメールの未来を築きたいのであれば、労働者を支える必要があるのだと認識しなければならない」と語気を強めた。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「この生活費危機を引き起こしたのは労働者ではなく、その責任を負うのも労働者ではない。パンデミック時にもBTやオープンリーチ、ロイヤルメール、郵便局の業務運営を維持してきたのはCWU組合員であり、経営トップや株主ではない。現在は、物価上昇と実質賃金の下落という別の緊急事態を克服するために、皆が団結している。まっとうな賃金を求める彼らの闘いは、世界中の多くの労働者の闘いでもあり、我々は彼らに連帯する」と力を込めた。


UNIとITF、ドイツポストDHLとの協定強化:サプライチェーンのデューディリジェンスと人権を盛り込む

UNI と国際運輸労連(ITF)、そして ドイツポストDHL(DPDHL)グループと は、2019年に締結した経済協力開発機構(OECD)共同プロトコルを見直し、強化した。

7月25日にドイツのOECD連絡窓口によって署名された新たな協定では、UNIとITF、DPDHLは雇用や労使関係に関して継続的かつ建設的に対話を行う。DPDHLはさらに、サプライチェーンにおける労働者の権利および人権の侵害を特定、防止、緩和、救済するための手続きを強化する方法について、UNIおよびITFと有意義な関わりを継続することに合意した。

共同作業計画
対話の範囲を拡げるため、今回3者は初めて、共同作業計画に合意した。この計画では、共通の関心テーマや今後の課題に焦点が当てられている。テーマに関しては、「DPDHL人権に関するポリシーステートメント」に記載された7分野(児童労働、多様性と包摂、労働条件、データプライバシー、強制労働、結社の自由と団体交渉、環境)について、定例会議で掘り下げた議論が行われる予定だ。

UNI、ITF、DPDHLによるOECDプロトコルは、2016年に初めて締結され、2019年に改定された。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「我々は、DPDHLのデューデリジェンス・プロセスにUNIとITFが関わり、問題解決から予防へと協力を前進させていくこの新たなプロトコルを歓迎したい。結社の自由を支持するDPDHLとのこれまでの協定は、世界中で組合結成を促し、特にアフリカの国々では、多くの新しい組合員が団体協約の対象となってきた。この最新のプロトコルが、DHLのサプライチェーン全体における労働条件のさらなる改善につながることを期待する」と述べた。

また、ステファン・コットンITF書記長は、「労働者は、敬意を払われ、尊厳に満ちた生活を送るべきであり、自らが生み出した富について公正な分配を受けるのは、当然のことだ。DPDHLとITFおよびUNIとの長年にわたる関係は今、新たな段階へと歩を進めた。ともに労働者の声を支持し、労働者の仕事に意味ある影響を及ぼすよう、協力しなければならない。我々のパートナーシップの改訂は、サプライチェーンの説明責任の基準を進展させるものであり、我々は力を合わせ、世界経済の脱炭素化など、輸送業界が取組むべき問題や将来の課題の解決に向けて、協力し続けることを期待している」と語った。

DHLギニアで働く組合代表は、「グローバル・プロトコルのおかげで、我々の要求が経営トップに届き、労働者の直面する問題を正すことができるということを実感している」と述べており、その成果は確実に表れている。

3者は建設的な協議を維持し、年に3回、実務レベルの定例会議を開催することに合意した。また、ITFとUNIの書記長は、今後も少なくとも年に1回、DPDHLグループの人事担当取締役と会合を持ち、合意された主要テーマについて対話を行う予定だ。


広島・長崎への原爆投下から77年目-UNIは原爆犠牲者を追悼し、軍縮の要求を新たに

UNIは、77年前の今週、日本への核攻撃で亡くなった22万5千人の人々を追悼する。 

また、第二次世界大戦中の1945年8月6日に広島、9日に長崎で行われた原爆投下によって、長期にわたる放射線の影響を受け続けた数千人以上の犠牲者に心を寄せる。

アルケ・ベシガーUNI副書記長は、「原爆投下が引き起こした言いようのない恐怖を決して忘れてはならないし、世界で混乱と核の脅威が高まる中、このような非道な行為が二度と起こらぬよう、平和と核軍縮を訴え続けなければならない」と述べた。

UNIは、人権の基本要件である核兵器のない世界の実現を積極的に求めるとともに、核兵器廃絶のための国際キャンペーンに参加している。また、2010年に長崎で開催されたUNI世界大会以来、UNIは長崎市や国際平和運動と強い絆を築いてきた。

ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長は、「我々はこの厳かな節目の日に、失われた人命を追悼するとともに、我々の地域、そして世界中の安全で民主的な未来のために、核兵器を歴史の灰の山に追放しなければならないのだということを改めて表明する」と語った。


韓国の労働組合、外国人投資法の改正を要求

韓国の労働組合が、不均衡で外国企業に有利な投資環境を是正するため、現行の外国人投資法の改正を求めている。

韓国の主要なナショナルセンターである韓国労働組合総連盟(FKTU)と韓国全国民主労働組合総連盟(KCTU)、そしてUNI韓国加盟組織連絡協議会(UNI-KLC)が、7月12日に国会図書館セミナールームで開催された、外国企業の労使関係に関する第3回合同フォーラムで、法改正の要求を表明した。

2019年末の政府統計によると、韓国における外資系企業は14,341社、その総売上高は韓国経済の13.2%にまで上昇したが、雇用および研究開発(R&D)における貢献は、それぞれ6.0%と5.2%と停滞している。

組合によると、1999年の金融危機以降、地方自治体は外国直接投資(FDI)を誘致するため、特別待遇や特権を与えてきた。しかし、この間、無責任な事業撤退、技術盗用、大量解雇を伴う一方的なリストラ計画や、組合活動に対する弾圧など、多くの負の問題が生じてきた。これらの問題は、製造業、金融業、小売業といった部門を横断して生じている。

20年近く負担を強いられてきた外資系企業の労働者は、国内の最低労働基準が遵守されるよう、外資法の改正を一致して求めるとともに、政府が外資系企業に対して新たな立場をとることも要求している。

フォーラムでは主に、地方政府が提供する投資便益や条件を規制するために法改正すること、使用者が団体交渉の義務を意図的に回避したり遅らせたりした場合の監督と罰則を強化すること、未公開株式投資ファンドの買収に対する規制を強化すること、海外送金の自由を保証しつつ、外国投資の流出に対する規制を強化すること、などの提言がなされた。

この分野の専門家であるホン・ソクマン氏は、フォーラムの中で、現在の枠組みにおいては、外国人投資家が不当な労働慣行を行っても、法的責任を容易に逃れることができるため、労働者の権利が損なわれてしまうと指摘した。そしてこの事は、外国資本に支えられた未公開株式投資ファンドによる買収や売却が容易にできてしまう状況によって、促進されているのである。

韓国事務金融労連(KFCLU)傘下キャピタル労組のキム・サンス氏は、「我々は長年、組合弾圧、技術盗難、やみくもな資産売却、本社への高額の移転価格を見てきた。だが政府は、労働市場の規制緩和は、韓国への外国投資水準を維持するために必要であると、同じ理屈を繰り返している」と述べた。

外資系企業の労働組合を率いるファン・ボクヨンKFCLU副委員長は、「法改正には時間がかかる。すべての外資系企業労組と連帯していくため、コミュニケーションを拡大する必要がある」と付け加えた。


UNI Apro、スリランカにおける平和的デモ参加者への攻撃を非難

UNI Aproは、コロンボの大統領公邸付近の公式なデモ宣言地域で、2022年7月22日に平和的なデモ参加者が攻撃されたことを、強く非難する。

UNI Aproは、これまで100日間にわたって表現の自由という正当な権利を行使し、平和的かつ非暴力的な方法で抗議の意思を示し、市民の生きる権利のための基本的ニーズを提供しない政府を非難してきたスリランカの人々に連帯し、敬意を表する。

我々は、政府治安部隊による非武装の市民に対する圧倒的な武力の行使を全面的に非難する。

現地からの報告によると、今回の残忍な攻撃では特に、7月22日のデモを取材していたメディア関係者、ジャーナリスト、外国メディアの記者、ソーシャルメディアの活動家が標的となった。

我々は、新たに就任したラニル・ウィクラマシンハ大統領率いる政府に対し、武装治安部隊による罪のない市民に対するあらゆる暴力を直ちに停止するよう求める。

また政府に対し、スリランカで深刻な苦境にある国民の声に応えるため、あらゆる平和的な機会を早急に模索するよう、要請する。


英国の人材派遣業界の社会パートナー、スト破りに「NO」を表明

2022年7月11日、派遣労働者を使ったストライキ打開計画が、英国議会で承認された。だが、7月上旬に人材派遣数社が、この提案への明確な反対を表明している。

英国最大手の人材派遣数社のCEOは、ビジネス・ エネルギー・産業戦略相であるクワシ・クワーテン氏への書簡の中で、数十年にわたりストライキ中の労働者の替わりに派遣労働者を使用することを禁止してきた規則を後退させることになる今回の政府案に反発を示した。

この政府案に対する反対意見は、人材派遣会社だけでなく、労働組合も含めて広く受け入れられている。世界雇用連合(WEC※)のベッティーナ・シャラー会長は、「国際的な社会パートナーである2組織(WECとUNI)は、この問題に対応するため、適切なレベルで建設的な三者間社会対話の必要性を訴えている」と述べた。世界雇用連合の企業会員とUNIの間で2008年に締結された覚書は、国および企業レベルでの部門別社会対話の重要性を強調しているが、これは現在の労働市場の課題に取組む上で不可欠である。

UNIと世界雇用連合の企業会員は、「国内の法律や慣行を損なうことなく、ストライキ中の労働者を派遣労働者に置き換えることを禁止する」など、業界の適切な規制に関する指針を定めた長期的な協定を締結している。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「スト破りを容易にしようとする英国政府の試みは、英国内に広がる不満の火に油を注ぐだけだ」と指摘し、「人材派遣会社が、こうした組合潰しは、ビジネスにとっても労働者の権利にとっても間違ったことであると非難しているのは、まったくもって正しい。人材派遣会社が自らの価値観を守り続け、このようなひどい行為を認める法律の改悪に抵抗していくことを求める」と述べた。

※世界雇用連合(WEC)=世界各国の人材ビジネス業界の団体及び同業界トップ6社で構成される、人材ビジネス業界を代表するグローバル組織。2016年に国際人材派遣事業団体連合(CIETT)から改称した。


UNI-LCJ女性ネットワーク会議を開催

2022年7月15日、UNI-LCJ 加盟組織におけるジェンダー平等やダイバーシティ推進を担当する役員同士の交流・情報交換の場として、UNI-LCJ女性ネットワーク会議が開催された。2018年以来、4年ぶりの開催となった今回は、印刷労連、生保労連、UAゼンセン、損保労連、大日本印刷労組とUNI-LCJ事務局から計11人が参加した。

参加者自己紹介の後、5月にスイス・ニヨンで開催されたUNI世界女性委員会にUNI Apro女性委員会副議長として出席した須齋弥緒損保労連事務局次長が、同会議について報告した。日本のテレワークの状況や課題について各国の委員に共有したことや、会議を通じて女性の活躍やILO第190号条約の批准に向けた取組み等、日本が各国と比べ遅れをとっていると実感した点について述べるとともに、米国で女性の人工中絶の権利を認める法律が破棄されたことについて反対する声明が採択されたことについても、報告した。

続いて各組織の参加者が、ジェンダー平等や多様性推進の活動と課題について共有した。

はじめに須齋事務局次長が、損保労連におけるジェンダー平等推進計画の取組み状況について報告した。執行部に占める女性役員の比率は22%であるが、女性が事務局長を務める単組も出てきている等、男女関係なく役割を担っていくという点では着実に前進していること、一方、課題として、限られた人数で業務を行っているために長時間労働の傾向がある点を挙げた。また男性の育休取得については、法改正などの趣旨や背景を皆が理解できるよう周知することで、男性が取得しやすい職場づくりに向けて取組んでいると述べた。

続いて、印刷労連より古賀初代副書記長が報告した。印刷労連の役員における女性比率は依然として低いものの、各地域の地方協議会レベルで活躍している女性は増加傾向にあると報告した。2017年より男女平等の取組みを掲げ、取組み方針を共有し意見交換をしてきたが、2020年はオンラインで会議を開催したことで、これまで参加できなかった育児世代の女性も参加できたというメリットもあった。こうした活動を経て、2021年度は、印刷労連としての現状に基づいたジェンダー平等推進計画を策定すべく取組みを進めてきた。今後は、ジェンダー平等推進委員会設置に向け、男性メンバーも含めて意見交換の場を設け、相互理解を促進しつつ取組んでいくことが重要だと述べた。

生保労連の山本由美中央副執行委員長は、同労連が進める意思決定の場への女性の参画と、組合活動におけるワークライフバランスの推進の取組みについて報告した。2025年までに本部女性役員を30%にするとの目標の下で女性役員の積極登用を進めており、2016年に初の女性専従役員が選出され、2020年には女性役員が2名になる等、少しずつ前進している。会議が長時間に及ぶ現状などから、組合運営の効率化を進め、女性が活躍しやすい環境整備を進めていく必要があると言及した。また、女性組合員同士のネットワーク構築が図れるよう工夫をしている点についても紹介した。さらに、同労連の中島麻紀子中央副執行委員長は、ワークライフバランスの実現に向けた、男性の育休取得促進の取組みについて説明した。男性の育休取得については、2025年8月までに各組合で取得率100%の目標を掲げて促進しており、すでに100%を達成している組合については平均取得日数を増やすこと、取得日数1か月以上の組合員を増やすことなどを目標として取組んでいる状況などを共有した。

続いてUNI Apro女性委員を務める寺嶋雪乃UAゼンセン男女共同参画局副部長は、UAゼンセンの約半数が短時間勤務の女性組合員である点に触れた上で、男女共同参画推進キャンペーンの取組みについて紹介した。特に、女性の活躍や定着に関する調査を実施し、その調査結果を今後の方針に反映させ、単組が労使交渉の際にデータ活用できるようにしていきたいと述べた。また、今年4月の法改正に合わせて発行された「男性の育児休業取得促進のためのガイド」では、法改正の解説やチェックリストのみならず、自身が連続育休を取得した男性や、部下が育休を取得した場合のマネジメントの仕方などについてリアルな事例を共有していると紹介した。
さらに今回の参院選にあたり、部門や都道府県支部の男女共同参画委員を対象にウェブ意見交換会を開催して組織内議員に声を届ける取組みや、公示から投票日までの連日、全組合員を対象にウェブ意見交換会を実施したこと等を報告し、成果として、横のつながりの構築、優秀な人材の発掘、新しい形の選挙運動の展開などを挙げた。また、所謂パート労働者の「収入の壁」問題について、状況改善の必要性について認識共有できたこと、更年期障害を理由に退職する女性従業員が多い状況に対する取組みが最優先課題の一つとして浮彫りになったことなどを報告した。

UNI Apro女性委員を務める大日本印刷労組の三﨑友香里書記次長は、初めに同労組の女性役員の比率とその課題について言及した。執行部のうち女性は約13%であるが、組合の機関会議で議決権を持つ中央委員を含む組合委員では女性は27.5%を占めている。2019年に初めて三﨑書記次長を含め2名の女性が初めて専従役員に選出される等、この10年間で女性比率の状況は改善しつつある。一方で、組合活動が業務時間外に実施される点など、活動参加における高いハードルについても指摘し、多様な働き方に対応した組合活動にしていく必要性があると述べた。また、組合におけるダイバーシティ推進の取組みとして、外部講師を招いて幼児を子育て中の組合員向けのセミナーを実施したこと、また会社と協力して独身層向けに婚活支援アプリの導入が検討されていることにも言及した。

最後に、森川容子UNI LCJ事務局次長よりUNI機会均等局のジェンダー平等、ダイバーシティ実現の取組みが報告された。また、2022年8月10日にオンライン開催されるUNI Apro女性委員会、2023年8月25~26日に米国・フィラデルフィアで開催される世界女性大会等、今後の予定を共有した。UNIのネットワークを活用し、今後もジェンダー平等実現のために国内外で情報交換・交流を行くことを共有し、会議は閉会した。


UNIと万国郵便連合、多角化、気候変動、ジェンダー平等に関する連携強化に向けた協定を締結

2022年7月6日、UNI と万国郵便連合 (UPU) は、事業の多角化、気候変動、ジェンダー平等の分野における国際郵便部門の持続的発展に向けた協力の強化に向け、新たな協定を調印した。

協定は、UPU加盟国の郵便事業者がサービスを拡大し、環境を保護しながら、質の高い雇用、労働者の権利、労働条件を確保する方法の推進に向けてUNIとUPUが連携していく具体的な方法を定めている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「郵便は必要不可欠な公共財であり、本協定は、その広範囲かつグローバルなインフラを利用して、環境や労働者の権利を保護しながら新たな社会サービスを提供するためのロードマップとなる。エコロジーで、ジェンダー平等を推進し、多様なサービスを提供するグローバルな郵便制度の構築に向け、UPUとの協力関係を深めていくことを期待している。今回署名された協定は、こうした目標を達成するために労働者の参加と代表制が不可欠であることを明確にしている」と語った。

両組織は、手紙や小包の集荷・仕分け・配達にとどまらず、郵便部門のインフラやネットワークを活用し、温室効果ガスを排出しない幅広い新たなサービス・活動を、地域や社会に提供する郵便のビジョンに向けて、共同で取組みを行っていく。また、郵便事業の多角化に伴い、この協定は郵便労働者の円滑な移行を支援し、労働組合代表との社会対話を呼びかけている。

目時政彦UPU国際事務局長は、「デジタル・トランスフォーメーションやサービスの多角化という新たな時代の中で、UNIとの長年のパートナーシップにより、郵便労働者の視点とニーズが考慮に入れられるようになっている。国連の持続可能な開発目標やUPU加盟国の郵便事業者の持続可能性戦略の成功にとって、包摂、多様性、開放性に基づく、あらゆる階層・職種の職員との積極的な対話は不可欠だ」と述べた。

郵便部門におけるジェンダー平等の向上と女性のエンパワーメントに関して、UNIとUPUは協力していく予定であり、UPUは、暴力及びハラスメントに関する2019年のILO第190号条約および第206号勧告にも言及する予定だ。

UPUは、加盟192か国を代表する国連の専門機関であり、郵便部門における国際協力のための主要なフォーラムでもある。UNIは、世界100か国以上の250万人の郵便労働者を代表している。


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