EUで自営業者の団体交渉に道筋

UNI欧州は、公正な賃金と労働条件を求めて団体交渉を行う自営業者の権利保護に向けた欧州委員会の動きを歓迎する。同委員会は2022年9月29日、EU競争法の適用に関するガイドラインを発表し、自営業者の団体交渉に関する法的障壁を取り払った。

これまでEU競争法の解釈が争われてきたが、EU域内の約2400万人の自営業者の多くが、団体交渉の対象から除外されてきた。その結果、労働力の二重構造が生じ、使用者がより低い条件で自営業者に外注するという状況が誘発されてきた。これによって使用者は、各産業における雇用基準を回避しうるためだ。

今回、ガイドラインで明確化されたことで、真の自営業者が団体交渉を行う基本的権利が保護されることになる。UNI欧州は、各国の加盟組織および欧州労働組合連合(ETUC)とともに、今回の重要な改正を主張してきた。

ドイツのフランク・ヴェネルケver.di委員長は、「欧州委員会のガイドラインによる明確化は、団体交渉の道を開くものだ。労働組合として我々の権限も強化される。EU競争法を根拠に、使用者が交渉を回避できる時代は終わった」と歓迎した。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「これは、人々の尊厳を競争の領域から解放する上で欠かせない一歩だ。働く者の賃金や条件が、競争上の優位性を得るための経費としか見なされなければ、底辺への競争が助長されることになる。強力な団体交渉が解決策となる。働く人々は共に、あらゆる人々のための尊厳ある共通の基準を確保するため、交渉することができる」と述べた。

欧州委員会はこのガイドラインにより、企業の従業員と共に同じ職場で働く自営業者が協定を交渉できること、また自営業者を既存の労働協約に組み込めることを明確に示したことになる。これは、例えば、従業員と自営業者が同じ職場で働くことが一般的となっている視聴覚部門の労働者にとっては、大きな一歩となる。さらにガイドラインは、企業に経済的に依存している自営業者を保護する必要性を認めている。

またUNI欧州は、欧州委員会が、特定の部門、あるいは文化・クリエイティブ産業の労働者など特定のカテゴリーの自営業者の団体交渉を規定する国内法およびEU法に干渉しないとした点についても、評価している。

これは、あらゆるサービス部門における真の自営業者にとって重要な前進であり、ギグエコノミーの労働者が、賃金や労働条件について団体交渉する際の法的根拠を提供するものであるが、他方でUNI欧州は、今後も欧州における偽装自営業の根絶に向けた取組みを強力に進めていく。