今年のUNIブレイキングスルー賞 、インドネシアのニンジャバン配送労働者に

2022年11月9~10日にスイス・ニヨンで開催されたUNI世界執行委員会で、インドネシアのUNI加盟組合SPPD に対し、同国のフードデリバリー労働者を代表する優れた取組みについて、UNIブレイキングスルー賞が授与された。

SPPDは、ラストワンマイル配送の業務を行う労働者を組織化するインドネシア初の組合である。こうした労働者は、不当にも自営業者として分類されている。同労組は、ロジスティクスに携わる全てのプラットフォーム労働者を対象としているが、特にDPDジオポストが株式の一部を所有する配送会社、ニンジャバンで働く労働者とともに成長してきた。組合は、労働者が休日も週末もなく14時間シフトで働いている部門であるにもかかわらず、組合員数の着実な増加を牽引してきた。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、「配送労働者を孤立した状況から救い出す強力なキャンペーンを展開するSPPDは、最も厳しい状況下においても、組合は人々の生活に真の変化をもたらしうるのだということを、示してくれている」と語った。

UNIブレイキングスルー賞は、革新的な組織化キャンペーンを通じて逆境の中にあっても組合を強化してきた組合を表彰している。今年はSPPDのほかにルーマニアとコロンビアの組合が受賞した。


UNI、モンテネグロのテレコム労働者に連帯

ドイツテレコムの子会社であるモンテネグロのツルノゴルスキ・テレコム(CT)の労働者が、行動を起こしている。2022年10月31日に警告ストを実施後、モンテネグロ・テレコム労組は、同社が妥当な賃上げや公正な団体協約といった基本要求を拒否し続ける場合、さらなる争議行動を実施する構えだ。

組合は10月のストライキに際し、「団体協約を廃止し、社会対話を排除しようとする経営陣の悪質な企てを、組合は断固として容認しない。以前もそうであったし、今もそうである。平和的な抗議行動を通じて、その事実に経営側の注意を向けさせるべく、組合とツルノゴルスキ・テレコムの従業員は、本日、CT本社前に結集せざるを得なくなった」と述べている。

組合は、CTが利益を上げて成長していることを指摘した上で、組合の要求する賃上げがインフレ率を上回っていないにもかかわらず、経営陣がこれを拒否していることについて、特に憤慨している。

ドイツテレコムを代表するドイツのUNI加盟組織ver.diは、モンテネグロの仲間の闘争を支援している。フランク・ソアランド同労組ICT部門団体交渉政策担当は、「CTグループは再び利益予測を上方修正したが、労働者に公正な分け前を与えなければならない。高いインフレとグループの積極的な利益展開を背景に、物価上昇に苦しむ従業員のために納得できる解決策を講じるべきだ」と指摘し、「労働組合として我々ver.diは、連帯してモンテネグロ・テレコム労組の正当な闘いを支持し、使用者側とのさらなる交渉や争議の進展を願っている」と語った。

UNIも、同テレコム労組の闘いを支持している。ベンジャミン・パートンUNI世界ICTS部会担当局長は、「テレコム従業員の働きによって、会社は利益をあげ、成長することができた。成功した企業が従業員に報いることなく、彼らの組合を攻撃し、公正な賃金を求める合理的な要求を無視するのは、言語道断だ」と非難し、「我々はVER.DIや世界中の労働組合とともに、モンテネグロ・テレコム労組に連帯する。我々は、あるべき公正な待遇を獲得するための闘いを支援していく」と、エールを送った。


ブラックフライデーを「アマゾンに支払わせる日」に!-労働組合やNGOが呼びかけ

UNIアマゾン・グローバル労組アライアンスが、パンデミック以降、初となる対面での会議をブリュッセルで開催した。その直後となる2022年11月3日、「メイク・アマゾン・ペイ(アマゾンに支払わせる)」キャンペーンは、ブラックフライデーとして知られる11月25日に、大規模なグローバル行動デーの実施を発表した。世界約30か国でストライキや抗議行動が行われる予定だ。キャンペーンは、生活費危機、世界的な債務危機、気候変動という緊急事態に直面している「労働者、地域社会、地球」から、アマゾンが「最後の一滴まで搾り取っている」ことを非難している。

プログレッシブ・インターナショナル等のNGOやUNIが共同で結成した「メイク・アマゾン・ペイ連合」(略称=MAP)は、両組織の他、グリーンピース、350.ORG、タックス・ジャスティス・ネットワーク、アマゾン労働者インターナショナルなど80以上の組合、市民社会組織、環境活動家、税金監視団体からなる連合体である。MAPは、労働者への公正な報酬の支払い、労働組合に加入する権利の尊重、公正な税負担、環境維持に向けた真の取組みといった、アマゾンに対する一連の共通要求のもとで団結している。

2022年11月25日には、アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、バングラデシュ、ベルギー、ブラジル、カンボジア、カナダ、チェコ共和国、フランス、ドイツ、ハンガリー、インド、日本、ルクセンブルク、オランダ、パレスチナ、ポーランド、スロバキア、南アフリカ、トルコ、英国、米国で、アマゾンに対するストライキや抗議行動が計画されており、さらなる行動も予定されている。アマゾンのサプライチェーン全体の労働者、環境保護団体、市民社会組織、議員らが参加する。MAPはmakeamazonpay.comを通じ、一般市民にもアクション参加のための登録を呼びかけており、またアクションを開催する団体も募集している。

MAPがブラックフライデーにグローバル行動デーを開催するのは、今年で3回目となる。過去には、ドイツ全土の施設での数千人規模のストライキ、バングラデシュでの労働者の大規模な抗議行動、世界中のアマゾン本社での「Make Amazon Pay」ロゴ投影、ジェフ・ベゾス邸宅への「Pandemic Profiteer(パンデミックで暴利を貪る者)」の文字投影、環境保護団体『Extinction Rebellion』による英国の同社流通センターの封鎖などが実施されている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「#MakeAmazonPay デーと名付けられたブラックフライデーのこの日、労働組合、市民社会、進歩的な議員たちは、肩を並べて大規模なグローバル行動デーに参加し、労働者主導の組合活動を潰そうとする、アマゾンによる卑劣な数百万ドル規模のキャンペーンを糾弾する。この巨大ハイテク企業は、劣悪で危険な労働慣行を直ちにやめ、法を尊重し、より良い仕事を作っていきたいと願う労働者との交渉を行う時だ」と述べた。

プログレッシブ・インターナショナルのダニエル・コップMAPコーディネーターは、「我々は皆、あらゆるものの価格、そして地球の温度が上昇していることを知っている。アマゾンは、労働者に公正な報酬を与えず、税金を全納せず、環境破壊の代償を支払うこともしない代わりに、労働者、地域社会そして地球から、最後の一滴まで搾り取っている」と非難し、「世界中の労働者が生活危機に苦しむ中、アマゾンは莫大な利益を上げているにもかかわらず、労働者に実質的な賃下げを強要している。税金を逃れ、CO2排出量も急増している。アマゾンは販売した商品の1%分の排出量しかカウントしていないにもかかわらず、2021年のCO2排出量は18%も増加している」と指摘した。そして「生活費危機、世界的な債務危機、気候変動による緊急事態に直面する中、我々全員が一丸となって、アマゾンに支払わせなければならない」と意気込んだ。

プログレッシブ・インターナショナルの諮問委員を務める、バングラデシュのソミリト衣料品労連のナズマ・アクタル委員長は、「我々の組合が代表する衣料品労働者は、多くの場合、アマゾン労働者であることを認識すらされないまま働き、アマゾンの蓄えを膨らませている。アマゾンは世界で3番目に大きな使用者と言われているが、サプライチェーンで働く我々を数に含めれば、その規模はさらに大きくなる。職場では、経営側からセクハラを受けることもあれば、暴力に反対したり、賃金や労働条件の改善を求めて組合で組織化しようとすると、被害を受けることもある」と訴えた。また、「バングラデシュという、気候変動の影響の最前線にいる我々には、気候正義と社会正義は切り離すことができない」とし、「我々はアマゾンに、すべての労働者に対し、尊厳ある職場でまっとうな賃金を支払わせ、また環境破壊の代償を支払わせなければならない」と力を込めた。


ドイツ加盟組織ver.di、H&Mと初のデジタル化協約

ドイツのUNI加盟組織ver.diは、今後3年間にわたり14,300人のH&M労働者の権利を促進・保護する、小売業界で初となるデジタル化協約に調印した。

半年に及ぶ交渉の末に結ばれたこの画期的な協約によって、H&Mの労働者は、雇用保障と賞与を獲得すると同時に、ファッション業界大手における新技術の導入方法について、より大きな発言権を持つことになる。

この協約により、労使の代表者で構成されるデジタル化諮問委員会が設立され、労働者からのフィードバックを得て、委員会はH&Mにおける仕事の未来について、独自の提案を行っていく。また、デジタル化に関連する問題について、H&M中央労使評議会が関与する権利も拡大される。

コジモ・ダミアーノ・キントver.di交渉担当は、「小売業で初めてのデジタル化に関する団体協約であり、大きな成果だ。我々はデジタル技術に関する決定が、従業員の利益となるようにしていく必要がある」と語った。

オンライン販売の増加により、通常、店舗で働く従業員が得る販売報酬は、減少している。店舗での売上減少を補うため、この協約では年に2回の賞与を規定しており、2023年の賞与額は、労働時間に応じて250~450ユーロ(総額)となる予定だ。

この協約は、デジタル化の過程での解雇や降格に対する特別な保護を店舗従業員に与えるとともに、H&M正社員の代替として派遣労働者が使用されないことを保証している。また、店舗で働く従業員のスキル低下を防ぐため、接客のスキルアップ・キャンペーンを導入していく。2023年以降、一部の店舗で試験的にワークショップが開催され、従業員は新しい働き方を検証し、さらなる見直しに向けて結果をフィードバックしていく。

マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長は、「ver.diとドイツのH&M労働者が、この画期的な協約を交渉し締結したことを祝福したい。この協約が示しているのは、高度にデジタル化された小売部門への公正な移行は、団体交渉、店舗労働者の積極的な参画、スキルアップ、労働者の努力に対する適正な評価によってのみ、達成できるということだ。次の世界商業部会大会おいて、本件が成功事例として発表されることを、楽しみにしている」と語った。


アルゼンチンのケア労働者、96%の賃上げを獲得

2022年11月1日、アルゼンチンのケア部門産別組織FATSAが、同部門の使用者団体との間で、3万5千人の労働者の生活の質を向上させる賃上げについて、合意に達した。

今回の協約により、5回に分けて37%の賃上げが実施されるが、これは前回の59%の賃上げ合意に加えて行われるものであり、つまり労働者は、2022年4月から2023年3月までの間に96%の賃上げを獲得したことになる。

UNI米州地域会長を務めるヘクター・デールFATSA書記長は、「再び全国のケア部門の労組が主体的に取組み、我々が代表する労働者の権利が守られた。すべての労働者、皆さんの決意と組合の団結を信頼していることが、我々の交渉の席での我々の強みだ。まっとうな賃金なくして健康はなく、組合の団結なくして勝利はない」と力強く語った。

今回の勝利が明示しているのは、ケア部門がこれまでも、そしてこれからも必要不可欠なものであるということだ。ケア部門は、パンデミック時に最も影響を受けた部門の一つである。介護や医療の制度を支えるこれらの労働者とそのたゆまぬ努力に対する敬意は、公正な賃金と適正な労働条件に反映されなければならない。

エイドリアン・ドゥルチUNI世界ケア部会担当局長は、「FATSAは再び組織力と動員力を発揮した。そして今日、組合の力が労働者のためのこの協約に反映された」と述べ、「まっとうな賃金なくして健康はあり得ないのであり、FATSAの仲間とともに、この協約を祝福したい。FATSAに加盟する組合が全国で動員されたこと、そして賃金を守るための連盟の忍耐と決意によって、ケアに関わる従業員の労働条件を向上させることができた。FATSAは常に断固とした態度で、目的を達成するために必要な措置をとってきた」と締めくくった。


Tik Tok 投稿内容のフィルタリングを行うテレパフォーマンス従業員の精神的苦痛が明らかに

世界的な大手コンタクトセンターであるテレパフォーマンスで、Tik Tok動画のモデレーター(投稿内容をフィルタリングする業務)を務めるコロンビアの労働者たちの悲惨な経験と憂慮すべき待遇が、米国のニュース雑誌『タイム』の報道で明らかになった。

労働者が証言したのは、子どもへの性的虐待、殺人、人喰い、極度の動物虐待などの動画にさらされている実態だ。

コロンビアのテレパフォーマンス労働者を組織化するUNI加盟組織UTRACLAROは、今回の調査で判明したような同社の労働条件の改善に向けて取組んでいる。しかしテレパフォーマンスは、反組合的な戦術を繰り返し用いており、組合に対する根拠なき法的異議申し立ても行っている。

ユーリ・ヒグエラUTRACLARO委員長は、「コンテンツ・モデレーターの多くは在宅勤務で孤立した状態にあり、1日に最大で1,000本の動画をチェックしているが、不穏で生々しいコンテンツの動画にさらされることが非常に多い。こうした労働者に対する精神的なサポートは十分でなく、会社に助けを求めても応じてもらえないことがあまりにも多い。テレパフォーマンスは、労働者が必要とする精神的ケアと休息を得られるよう、一層の取組みが必要だ。組合を妨害するために時間や資金、リソースを使うのではなく、組合と対抗するのをやめ、労働者の懸念を解決するため、我々との協力を始めるべきだ」と訴えた。

今月、コロンビアを訪問した米下院歳入委員会の代表は、労働組合員が組織化に際して深刻な脅威に直面しており、「テレパフォーマンスのコールセンターの労働者は、懸念すべき労働条件と、雇用保障がない状況に苦しんでいる」と指摘した。

昨年、OECD多国籍企業行動指針に関するフランス連絡窓口(NCP)は、テレパフォーマンスに対し、グローバルな事業展開における同社の慣行についての是正を求める強い勧告を行った。NCPは、コロンビアでパンデミック時の劣悪な労働環境に抗議してストライキを行った組合指導者が解雇された事案等を指摘した。その結果、NCPは、コロンビアにおけるテレパフォーマンスの行為が「OECDガイドラインが勧告する労働者の結社の自由に反し、反組合行為に相当する」との判断を下した。

テレパフォーマンスのコンテンツ・モデレーターの状況が問題になったのは、今回が初めてではない。『ビジネスインサイダー』は、テレパフォーマンスのメタアカウント向けの担当者が直面するストレスと過酷な状況について、報じたばかりだ。また、今年初めに『フォーブス』のレポートでは、米国のテレパフォーマンスで働くTik Tokのモデレーターが、生々しい性的虐待の動画を使ってトレーニングを受けていることが判明した。2019年には、ギリシャの新聞『カティメリニ』による調査で、FACEBOOKのコンテンツをモデリングするテレパフォーマンス従業員が、暴力的で過激なコンテンツに何度も何度もさらされていることが明らかになっている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「コロンビアをはじめ世界中で、テレパフォーマンスはコンテンツ・モデレーターを精神的にも肉体的にも限界まで追い詰めている。定期的に恐ろしいコンテンツを見なければならないだけでなく、会社の監視システムによって、勤務内にできるだけ多くのコンテンツを見るという強いプレッシャーもかけられている。テレパフォーマンスはもっと努力しなければならないが、同社は従業員の待遇に関する根深い過ちを修正するために、国内およびグローバルレベルで組合と協力することを拒否している。労働者は人間であり、業務で目撃したものに対して、免疫があるわけではない」と語気を強めた。

コンサルティング企業PIRCによる今年3月のレポートによると、テレパフォーマンスは2021年には90.55%という驚異的な離職率を記録し、世界のほぼ全労働力が毎年入れ替わっていることが判明した。4分の3以上の従業員が、1年以内に退職している。


UNI、公正でディーセントな労働条件を求めるアップル・オーストラリアの労働者を支援

公正な協約の締結を求めるオーストラリアのアップル労働者の継続的な取組みを受け、UNIは以下の声明を発表した。

アップル・オーストラリアは、店舗流通関連労組(SDA)とオーストラリアサービス労組(ASU)が強く主張してきた、ディーセント・ワークの取り決めを求める労働者の要求を拒否した。オーストラリアのUNI加盟組織であるSDAとASUは、アップルが早急に締結しようとしている劣悪な協定(インフレ率を下回る賃上げを行い、ディーセントなワークライフ・バランスを認めない人員配置を内容とする)に対し、反対票を投じるよう、労働者に呼びかけている。

世界中のテックおよび商業労働者を代表するUNIは、この標準以下の協定に反対票を投じるという労働者の決断を、全面的に支持する。

投票結果にかかわらず、両労組はアップルの労働者が低賃金契約を結ばされないよう働きかけ、必要であれば公正労働委員会に提訴する構えである。

労働者のディーセントな労働条件を求めて闘うASUとSDAは、UNIの全面的な支援を受けている。

この闘争の詳細については、こちらの記事を参照。


ネパールでUNIメンタリング・プログラムのワークショップを開催

2022年10月10~11日、ネパール・カトマンズで、FESネパール財団が支援するUNIメンタリング・プログラムのワークショップが開催された。ICTS部会、金融部会、商業部会、美容理容部会、ICTS部会、ケア部会から、13組のメンターとメンティーが参加した。

このプログラムでは、組合での経験豊富な女性が、組合活動への参加を希望する若い女性に対し、自らの経験を共有しながら指導を行っている。タンデム(メンタリングを行うぺア)は、互いのコミュニケーションを取りやすくするため、同じ都市の組合から選ばれており、女性組合員の精力的で活発な組合参加を促している。プログラムでは、団体交渉の中で女性が直面する課題を盛り込んでいくため、女性のリーダーシップを高めて積極的な参加を促すことで、女性と労働組合を支援している。

ワークショップでは、(1)リソースへのアクセスが困難、(2)無償の介護労働と家事、(3)職場でのジェンダーに基づく暴力、(4)家庭、社会、職場における差別、(5)月経、出産、更年期という3つの問題、(6)女性の身体を商品として扱うメディア表象、(7)男女間の賃金格差といった、女性の直面する問題に焦点が当てられた。

またプログラムの中では、参加者から以下のような課題が挙げられた-女性の能力に対する信頼の欠如、男女間の賃金格差、時間の融通がきかない、家父長的な思考、安全が確保されていないために女性が通勤できない、労働組合に対するネガティブなイメージ、労働組合で男性の同僚を説得する難しさ、自営業の女性やインフォーマルセクターの労働者に対する尊厳の欠如、インフォーマルセクターの労働者を保護する労働法の欠如など。

カマラ・ニューパンUNIネパール加盟協女性委員会議長は、「UNIのメンタリング・プログラムは我々だけのものではなく、組合を拡大・強化し、組織化を進め、成長させていくための機会だ」 と述べた。

メンタリング・プログラムを通じて参加者は、協力に向けた新しいアイデアや、自信を得ることができ、また女性の代表性が大幅に改善し、団体交渉に参加できるようになった。さらに参加者は、ILO第190号条約の批准に向けたキャンペーンやワークショップを展開し、多くの場所で職場におけるセクハラに関する委員会が設立された。

アンジャリ・ベデカーUNI Apro機会均等担当部長は、「女性同士の連帯支援や姉妹関係の絆を築いていくことは、非常に重要だ。これは決して男性に対抗して行われるプログラムではなく、差別を助長し、差別が当然だと思わせている、制度そのものに対抗していくためのプログラムだ。プログラムの目標は、組合で精力的に活躍する力強い女性たちによって加盟組織を強化していくことだ」と、メンタリング・プログラムの意義を改めて示した。

UNIのメンタリング・プログラムは、より多くの女性が労働組合運動に参加できるようにするため、UNI機会均等局が「THAT’S WHY」キャンペーンの一環として創設した。今回ネパールでワークショップが開催されたことで、UNIメンタリング・プログラムに参加した女性の数は、世界56か国で1,200人以上に達した。


フィリピンのUNIケア部会の労組、変革に向けて団結

2022年10月13日、ケア分野の20労組が集まり、UNIフィリピン加盟協のもとにケア協議会が設立された。労働者の権利のために闘い、組合を強化し、介護部門における活動を調整し、連携して取組んでいく。

ケア協議会は、ケア部門におけるより良い労働条件を得るため、労働組合の集団としての力を活用していく。協議会の設立メンバーには、フィリピンサービス労組(UFSW)、フィリピン農工商労組(PACIWU)、独立組織会議(CIO)、全国労働組合連合(NFL)などが含まれる。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、「フィリピン全土の何千人もの病院労働者、透析クリニック看護師、医療関係者を代表し、強力な組合を通じてより良い雇用を獲得するという共通の目標に向け、一丸となって声を上げていくこの協議会は、フィリピンのケア部門に変革をもたらすものとなるだろう」と述べ、「ケア協議会の設立メンバーに連帯し、より良いケア部門を構築するために大切な一歩を踏み出したことを祝いたい」と語った。また、「今回の設立は、ケアの分野におけるUNIフィリピン加盟協の新たなマイルストーンであり、アジア太平洋地域でケアに関わる労働者を組織化し、ディーセントな雇用を求めて闘う我々の取組みを強化するものだ」とその意義を強調した。


UFSWは、同国の12の主要な民間病院ほぼ全てを組織化している。PACIWUとCIOは、バコロドの民間病院に組合員がおり、フレゼニウスの組織化プロジェクトも進行中だ。NFLは、セブおよびダバオの民間病院を組織化している。

UFSWのジーザス・S・オビエナ議長が1年の任期で 協議会を 率い、UNIフィリピン加盟協が協議会の活動を監督する。

UNIとケア部会は、フィリピンをはじめ世界各地でケアに従事する労働者の組織化に取組んでいる。


UNI Apro印刷・パッケージング部会委員会開催

2022年10月11日、ベルギー・ブリュッセルにて、UNI Apro印刷・パッケージング部会委員会がハイブリッド開催され、スタッフ・役員変更、前回委員会以降の活動報告、今後の活動計画について確認した。

委員会には、オーストラリア(オンライン)、インド、インドネシア(オンライン)、日本(オンライン)、マレーシア(オンライン)、ネパール、パキスタン、タイから、議長、副議長、委員、オブザーバー、スタッフ等約30人が出席した。日本からは、宍戸良太 印刷労連中央執行委員長(副議長)、梅原貴司 全印刷中央執行委員長(委員)、石川昌義 新聞労連中央執行委員長(オブザーバー)が参加した。

ロレイン・キャシンUNI Apro印刷・パッケージング部会議長は開会挨拶で、長く担当していたニコラ・コンスタンディノ前UNI世界印刷・パッケージング部会担当局長のこれまでの貢献に感謝した。前局長は、今後もコンサルタントとして新局長を支援していく。役員変更では、アムニュイ・イェムラクサ委員(タイ・キンバリークラーク労組)の退任とウィナイ・メーラスリ委員(タイ・アムコール労組)への交代が確認された。

2021~2022年度活動報告について、ラジェンドラ・アチャリャ地域書記長より説明を受けた。コロナ禍も収束し、組織化活動が再始動した年となった。パキスタンPCLWUが新たにUNIに加盟し、2022年5月にはインド・ムンバイで、UNI本部や連帯支援組織関係者も参加してセキュリティ・印刷労組会議や多国籍企業の組織化会議等が開催され、今後の活動方針が確認された。その他この間の各国の活動のハイライトは以下の通り。

  • インド:2022年5月、ムンバイにてセキュリティ印刷労組会議を開催し、9つ全てのセキュリティ印刷事業所の労組から代表者が出席した。テトラパックの組織化イニシアチブでは、オルグがプネの現地代表者と計画と戦略を決定し、マッピングも今年中に完了予定である。
  • インドネシア:セキュリティ印刷部門、パッケージング部門において組織化を強化している。前者は、Balai Pustaka、PNRI、PERURIの3社で、後者は、大日本印刷とソフテックス(キンバリークラーク子会社工場)の2社に焦点を当て、労組役員同士のネットワーク強化を図り、情報交換を行っている。
  • 日本:2022年4月に春闘情報交換会を開催し、全印刷、印刷労連、大日本印刷労組、UAゼンセンが参加した。UNIの活動についても確認した。
  • マレーシア:UNIPACKマレーシアの強化および拡大が焦点。現在各企業において、組織化の取組みが進行中。
  • ネパール: IMPRESSIONと UNIPressの2労組がUNI印刷・パッケージング部会の支援の下、民間印刷・パッケージング労働者の組織化、能力向上等に取り組んでいる。
  • ニュージーランド:Etuはキャンペーンを実施し、チャルタパッケージング、オパールキウィ・パッケージング、ヴィジボード(段ボール包装)をターゲットに抗議行動を開始した。8月にピケを張り、適正な賃金と労働条件の改善を求めて立ち上がった。
  • パキスタン:PCLWUが2022年よりUNIに正式加盟。他の企業別労組を全国規模のパッケージング労連に加入させる計画。
  • タイ:パッケージング部門では、キンバリークラーク、アムコール、SIGにおける3つの企業別労組がUNIに加盟している。今年、アムコールが売却した別企業の組合がPPNT(タイ印刷パッケージング労組ネットワーク)に加わり、労連結成に向けて一歩前進した。テトラパックについても、PPNTを中心に組織化を進めている。8月に労連結成に焦点を当てた全国ワークショップを開催し、全加盟組合が連盟結成に合意。

組織化及び組合強化計画について、まず本部のコンスタンディノ前局長より、アムコール労組アライアンス会議等、多国籍企業における労組ネットワークや組織化を引き続き強化していくことが強調された。次にダニエル・フェルナンデス新局長より、各国の労働条件や社会対話の状況等についてまとめた構築中のシステムについての紹介があり、今後は携帯アプリ等デジタル・ツールも活用し、情報共有を密に図りながら組織化を進めていくとの説明を受けた。

この他、参加した各国委員から各国の最新状況と課題、活動の報告を受けた。

全印刷 梅原 委員長

全印刷の梅原委員長は、日本の印刷局を取巻く状況について報告した。キャッシュレス化、ペーパレス化が進んでおり、紙媒体の製品の受注量が減少することが想定されており、今後は、海外で多くの中央銀行が検討しているデジタル通貨(CBDC)や、製品の高機能化、公的部分からの業務委託、情報資産の活用など、新たな事業が検討されていることを報告した。

印刷労連 宍戸 委員長

印刷労連の宍戸委員長は、印刷産業の新たな価値を生み出すために立ち上げられた「アフター・コロナプロジェクト」等の印刷産業の取組みを報告した。また、労働組合として、ニューノーマルに対応した組織コミュニケーションを中心に日々組合活動を展開し、変化に対応した新たな労働運動のスタイルを確立すること、印刷産業に集う仲間にとって「必ずそばにいる存在」となるべく、組合の存在価値を一層高めていきたいと報告した。

新聞労連 石川 委員長

新聞労連の石川委員長は、新聞のネット購読が普及し、1世帯1紙を紙で購読する時代が過ぎ去り、収益構造が新聞販売に依るところが大きく苦境に陥っている新聞印刷部門の現状と、2022年初頭から始めた「新聞の未来」プロジェクトについて報告した。編集などの部門と並行して印刷部門を設け、新聞産業の社会的意義や持続可能性について議論を進めている。

その他の国の報告は以下の通り。

  • オーストラリア:コロナ禍でパッケージング部門は伸びている。2022-2023年は、ラベル、軽包装、ワイドフォーマット印刷の需要が高く、印刷業界はより好調になると予測される。
  • インド:デジタル化が進んでおり、E電子パスポート導入が予定されている。
  • マレーシア:BEMISアジアパシフィック労組が2月4日に登記された。(BEMISは現在、M&Aにより、アムコール傘下の企業)
  • インドネシア:アムコールの組織化は非常に順調。大日本印刷インドネシア労組はASPEKに加盟を希望している。
  • ネパール:デジタルプラットフォームを使って組織化を進めている。今年は800人を新たに組織化予定。
  • パキスタン:UNIに2022年に加盟したので、会社概要と組合の歴史について説明。1957年にパキスタンのアリ財閥とスウェーデン等の海外資本により設立された民間合弁会社で、組合は1967年に民間印刷会社で初めての組合として結成された。2009年以降現体制となり、7つの協約を締結。2022年夏の洪水においては、義援金を集めて被災地住民に届けた。
  • タイ:アムコールは全国で19の工場があり、タイには4つある。労連を作ろうとしているが、大会で同意が得られないと結成できない法律になっており、来年になる見込み。

2022~2023年度活動計画について、アチャリャUNI Apro地域書記長より、組織化と組合強化について、キンバリークラーク、アムコール、テトラパック等の多国籍企業において、引き続き各国労組と連携して組織化を進めていく旨、説明があった。また、トレーニングや能力開発プログラム、労働安全衛生や団体交渉に特化したワークショップなども各国で予定されている。

来年の主な行事:

UNI世界印刷・パッケージング部会大会(2023年11月6~9日、フランス)

UNI Apro印刷・パッケージング部会委員会は、2023年上半期にアジア地域で開催予定。


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