UNI、マイクロソフトとアクティビジョンの合併が労働者に与える影響を考慮するよう、EUに要請

2023年2月下旬、欧州委員会は、懸案となっているマイクロソフトとアクティビジョン・ブリザード(ABK)の合併が競争に与える影響について、公聴会を開く予定だ。UNIは規制当局に対し、この合併が消費者だけでなく労働市場に与える影響についても考慮するよう、要請している。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「欧州委員会が、この合併による消費者への影響について注目していることは承知しているが、労働者にとってより公正なビデオゲーム労働市場を実現する上で、合併が及ぼしうる影響についても無視するわけにはいかない」と指摘し、「この業界では、労働者は長時間労働と低賃金によって押しつぶされ、セクハラや差別にさらされている。労働者保護の強化が必要な業界であり、労働者の権利に対するマイクロソフトのコミットメントは、労働者保護の強化を実現する上で、役立つだろう」と述べた。

マイクロソフトとABKの合併は、労働者に対する市場支配力を増大させ、労働独占を悪化させる可能性がある一方で、団体交渉を促進する画期的な合意は、合併後に労働者がより良い条件を獲得しうる、強い救済措置でもある。合併計画を発表して以来、マイクロソフトはABKの数千人の従業員を対象とする中立保持協定を、米国のUNI加盟組織である米国通信労組(CWA)と締結している。この協定は、テックおよびビデオゲーム業界では唯一のものであり、合併後の会社において、マイクロソフトが進んで組合を承認し、嫌がらせや脅迫のない結社の自由を尊重することを約束するものだ。マイクロソフトは、CWAとの合意以外にも、全従業員の組合加入の権利を尊重することを約束している。

2022年にUNIがビデオゲーム開発に携わる29か国の労働者を対象に行った調査では、同部門における深刻な問題が明らかになった。職場問題を報告した回答の中で、最も多く挙げられたのは低賃金(66%)であり、欧州の労働者に限ると、その割合はさらに高くなる(77%)。職場で問題があるとした女性回答者の半数近く(46%)とノンバイナリーの回答者の43%が、ジェンダーによる差別があると回答した。

ホフマンUNI書記長は、「団体交渉は、合併が労働市場に及ぼしうる悪影響を是正するための手段であり、業界に存在する問題を解決するためにも必要なもの」とその意義を強調し、「組合がもたらしうる変化は、より民主的な職場、より高い賃金、より高い平等性だ」と加えた。

米国など多くの国では、中立保持協定のない状況で組合を結成することは、ほぼ不可能である。ABKのような企業では、強力な反組合キャンペーンが行われており、経営陣が反組合のプロパガンダを広める会議に、労働者を強制的に参加させている。組合活動家や代表者は日常的に平然と解雇されており、労働者が組合加入の権利を正当に行使する選択は、困難になっている。欧州では労働者が組合を結成する際の法的保護が強化されているが、ビデオゲーム産業における深刻な職場問題にもかかわらず、労働者は今も組織化に苦労している。この地域で、ビデオゲームの会社が承認している組合は、ほんの一握りだ。

ABKでの組織化の取組みに対し、最近、経営陣は反組合キャンペーンを展開している。組合は、経営側の違法行為について、米国連邦政府に複数の告発をしている。

一方で今年に入ってから、マイクロソフトの子会社であるゼニマックス・スタジオで品質管理テスターとして働く労働者が組合を結成し、中立保持協定に基づき、組合は承認された。米国では他に組織化されたゲーム労働者はほとんど存在しない。

ホフマンUNI書記長は、「UNIは一貫して、労働者の犠牲の上に成り立つ独占と企業権力の強化に反対してきた。だが今回のケースでは、我々は労働者と労働市場に及ぶ、より大きな社会的影響を重視しており、委員会にも同様の考慮を求めている」と述べた。