インドの若手専門職が直面する有害な職場環境とストレスに挑む

インドの若手専門職は深刻化する危機に直面している。テック、金融、サービス業界を問わず、長時間労働と容赦ない業績要求が常態化し、燃え尽き症候群や不安を助長している。業務負荷を軽減するどころか、生成AIの急速な普及がさらにプレッシャーを増大させている。従業員は、十分な支援なしに自動化システムの監視と修正を求めらている。

こうした背景のもと、タタ社会科学研究所(TISS)、UNI Apro専門職・監督職(P&M)委員会、全インド・バローダ銀行従業員協会(AIBOBOA)は、UNI世界P&M委員会の指導のもと、国際セミナー『インドの若手専門職のために、働き方を再構築しよう:有害な職場文化とデジタルストレスへの対処』を開催した。

2025年9月12日にインド・ムンバイのTISSキャンパスで開催された本イベントは、TISSの教員・学生・卒業生、労働組合指導者、若手専門職を結集し、職場の実情と学術研究の架け橋となるよう設計され、建設的な意見交換の場を提供した。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro 地域書記長は、「UNI Aproは、インドにおける有害な職場文化に取組むため、TISSと連携できることを光栄に思う。TISSの卒業生として、この共同セミナーによって問題意識を高めることができ、誇りに思う」と述べるとともに、セミナー開催に向け多大な支援を提供した加盟組織AIBOBOAに感謝の意を表した。

ズビン・ムラTISS経営・労働学部長は、衝撃的な統計を提示した。それによると、従業員の約3分の2がバーンアウトを経験し、42%がストレスに駆られていると報告している。またデジタル機器が「注意とエネルギーを吸い取るヒル」となっていると警告し、AI導入への不安が組織を「幸福を犠牲にした超効率化」へ駆り立てていると指摘した。

ジャヤスリ・プリヤラルUNI Apro専門職・監督職委員会担当部長は、この課題を分岐点と位置付けた。そして個々の労働者が単独でこうした圧力に耐えることはできないとした上で、リスクが最も急速に高まっている高スキル分野での労働組合の強化を訴えた。そして地域的視点から、技術進歩により有期契約が深刻な影響を受けている一方、急速にインフォーマル雇用が広がっていることがアジア太平洋全域で労働組合を弱体化させていると警鐘を鳴らした。

UNI世界P&M委員会の副議長を務めるプレム・クマール・マッカルAIBOBOA書記長は、インド特有の職場課題について言及し、高まるメンタルヘルス問題に対処するため、労働組合・企業・政策立案者の連携が急務であると強調した。

本セミナーには多様な登壇者と参加者が参加したことで、議論が深まった。TISS教員は、過重労働が生産性向上をもたらさず回復力を損なうことを示す研究を発表した。卒業生と在校生は「ハッスルカルチャー(仕事は人生で最も重要であり、休日を取ることなく長時間働くことによってのみ成功を収めることができるという考え方)」について考察し、日本の過労死とインドの最近の事例を比較する意見も出た。インドの労働組合指導者は、業績が6倍向上したにもかかわらず銀行業界で過労による自殺が500件発生している件に言及し、現場の実情を強調した。

パネルディスカッションでは懸念すべき実態も明らかになった。インドの労働者のうち組合に加入しているのはわずか6%であり、新たな労働法が組合をさらに弱体化させる恐れがある。ギグエコノミーは課題をもたらしており、労働者が従業員ではなく「パートナー」として分類されることで、団体交渉が弱体化している。

サララ・ラオ博士TISS人材管理センター長は、このセミナーが「対話のための安全な場」を創出したと述べ、より広範な変革に向けた不可欠な第一歩であるとまとめた。

本セミナーの議論は、次世代の専門職がデジタル時代において尊厳とバランスを持って働けるよう、労働組合と学界が継続的に取組む基盤を築いた。UNI Aproは、この課題を推進するため、TISSおよびそのパートナー組織との今後の連携を期待している。


UNI、緊縮政策に大規模動員で反対するフランス労働者に連帯

年金改革に抗議する前例のない社会運動が生じたフランスでは、政府が再び冷酷で不公平かつ効果のない一連の緊縮措置を発表した。2025年9月18日、フランス全土の労働者を代表する労働組合の連合体が、政府と企業が現在の危機の代償を労働者に負わせようとする動きに反対して動員する。

UNI欧州は、フランスの労働者と労働組合に全面的な連帯を表明する。共に、我々はディーセントな労働条件を取り戻し、緊縮政策を退け、富裕層への累進課税を実現する。

政府が提案する削減措置には、祝日2日の廃止、公共サービスの削減、労働権の弱体化、失業保険のさらなる改悪、社会保障給付と公務員・契約労働者の賃金凍結、年金の物価連動廃止、医療自己負担額の倍増、有給休暇5週目の削減が含まれる。

政府は、労働者に責任のない財政危機の代償を払わせることを決定した。政府は誤った方向で資金を探しているのだ。

  • 企業は毎年2110億ユーロの公的補助金を、透明性や評価もなく、何よりも雇用目標や労働条件の質、社会・環境面での目標の尊重を条件とせずに受け続けている。
  • 特に人員削減や事業移転の際には、過去最高の配当金が支払われている。
  • 高所得層は依然として公的財政への貢献が不十分である。

一方で企業は、労働基準を侵食する行動を大胆に行っている。

例えばソシエテ・ジェネラルの経営陣は、労組との協議なしに2021年団体協約を修正し、テレワークを一方的に削減した。

しかしソシエテ・ジェネラルの労働者は、フランス全土の労働者と共に今、反撃を開始している。

我々は連帯する!

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「欧州各地の仲間と同様、フランスのサービス産業の労働者も家賃・食料価格の上昇や賃金凍結といった生活費高騰に苦しんでいる。その上、政府は労働者が引き起こしたわけでもない危機の代償を、労働者に支払わせようとしている。これは極めて不当だ。我々は9月18日にフランス労働者と共に立ち上がる」とフランスの労働者の共鳴した。

ウィリアム・モニエSNRT-CGT書記長は、「政府は再び、特に不安定雇用の労働者、年金生活者、病人といった弱者に負担を強いようとしている。その措置は残酷であると同時に極めて不公平だ。9月18日、我々は皆、希望と社会的公正、財政的公正をもたらす異なる予算を求めて街頭へ出る」とアピールした。

セバスチャン・ビュジリスFO-FEC書記長は、「政府に労働者の要求を考慮に入れさせる上で必要な影響力を行使するため、協力が不可欠だ」と訴える。

CFDTサービス連盟のヴェロニク・レヴェイヨ氏は、「これまで提示されてきた予算案は労働者の権利を損なうものだ。長年にわたり、社会保障、失業保険、労働時間といった社会的な成果――これらが我々の社会契約の最後の砦であるにもかかわらず――を徐々に削り取ろうとする継続的な動きを感じてきた。9月18日の大規模な動員は、政府と指導者たちに、労働者の声が組み込まれるべきであることを思い知らせるものとなる。現状の賃金と労働条件は労働者に身動きの余地を与えないものだ。我々は限界まで追い詰められている。苦しみがすでに広範に蔓延している。9月18日、多くの人が沈黙の中で感じていることを、集団的かつ大規模に示そう」と語気を強めた。


UNI、違法なイスラエル入植地との貿易禁止を求める声に賛同

2025年9月15日、UNIは80以上の市民社会組織からなる連合体とともに、「Stop Trade with Settlements=入植地との貿易を止めよ」キャンペーンを開始する。占領下のパレスチナ地域(oPt)における違法なイスラエル入植地とのあらゆる貿易を禁止するよう各国に要求する。これには入植事業を支える主要多国籍企業や金融機関による取引も含まれる。

この連合体は同時に報告書『 Trading with Illegal settlements (違法入植地との取引)』を発表。外国政府や企業が違法入植地との継続的な取引を通じて、イスラエルによる長期占領が引き起こす人道危機を直接助長している実態を明らかにしている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は「グローバル企業は、パレスチナ人の権利と未来を奪う収奪と強制労働のシステムから利益を得ている」と指摘し、「各国政府は、他の占領や併合事例で断固とした行動を取ったのと同じように、違法入植地との取引を禁止すべきだ」と強調する。

このキャンペーンが入植地貿易を特に標的とするのは、イスラエルが西岸地区(東エルサレムを含む)でパレスチナ人に対する抑圧を継続・強化し、その経済を分断し、将来のパレスチナ国家の存続可能性を損なっているためだ。入植地との取引を終わらせることが、人権を守り、パレスチナ人の生計を保護し、イスラエルの入植地拡大を止め、違法な占領を終わらせるための必要不可欠な一歩である。

UNIは長年、ヨルダン川西岸地区の違法占領を非難してきた。過去3回のUNI世界大会において、加盟組織は圧倒的多数で「違法入植地の拡大を阻害し、その成長・建設資金へのアクセスを制限する」ためのUNI行動要請を支持した。具体的には「違法入植地の建設・開発を資金援助する企業からの投資撤退」などが挙げられる。

過去4年間、イスラエルは東エルサレムを含むヨルダン川西岸地区における入植活動を大幅に加速させ、入植地建設と土地の収奪を驚異的な速さで実施した。2023年には、イスラエル政府が東エルサレムを含むヨルダン川西岸地区における30,682戸の住宅建設を承認し、わずか5年間で180%の増加となった。2024年6月にはイスラエル政府はヨルダン川流域の12.7平方キロメートルを「国有地」に指定した。そして2025年5月、イスラエルは占領下のヨルダン川西岸地区に22の新入植地を建設することを決定した。こうした動きは過去の記録を大幅に上回り、オスロ合意(1993-1995年)以降で最高水準の入植地拡大となった。承認の大半は「ヨルダン川西岸地区の奥深く」に位置する入植地に対して行われ、パレスチナ領土の断片化をさらに進めるとともに、パレスチナ人に対する新たな移動制限を課すものである。

2012年以降、国際的な反対により凍結されていた「E1計画」が復活し、東エルサレムとマアレ・アドゥミム入植地を結ぶブロックに3,400戸の新規住宅建設が承認された。これは事実上、ヨルダン川西岸北部と南部の間のパレスチナ人の移動を遮断するものだ。

国際法違反で設立されたイスラエルの入植事業は、土地収用、強制移住、パレスチナ人労働者の組織的な搾取の上に成り立っている。こうした入植地との取引は占領を永続させるだけでなく、パレスチナ人の生計を損ない、人道危機を助長し、継続的な人権侵害を可能にしている。

イスラエルは、安価な土地賃貸、技術・賃金への補助金、税制優遇、現金給付などの優遇措置を通じて、東エルサレムを含むヨルダン川西岸全域の入植地へ企業投資を誘致している。以下に挙げる国際企業・金融機関は、サービス提供や投資を含め、イスラエル入植地との取引を継続中、あるいは最近まで行っており、その維持と正当化に貢献している: 

ドイツの旅行会社大手のTUIは、違法なイスラエル入植地への複数のツアーを現在も実施している。TUIは「防弾入植者バス」で西岸地区ヘブロンの入植者と面会する「デュアル・ナラティブツアー」を提供し続けている。  

英国の建設会社JCバムフォード・エクスカベーターズ(JCB)製の重機は、パレスチナ人の建造物・住宅・農作物の破壊、および違法入植地建設にイスラエルが使用している。JCB のような建設会社は、パレスチナ人の強制移送と入植地の拡大から利益を得ている。 

ドイツの巨大多国籍企業シーメンスは、10 億ユーロ以上の鉄道契約を含む、入植地関連の交通インフラに機器とサービスを提供している。

フランスの小売業者カルフールは、イェノット・ビタン社と、イスラエルでカルフール製品を生産・販売する契約を結んでいる。占領地には、少なくとも 9 店舗のイェノット・ビタン店があり、そのうち 2 店舗はカルフールのブランドを全面的に掲げている。

融資や資金援助を通じて入植地貿易に資金を提供し続けている外国銀行のうち、英国のバークレーは、2021年1月から2024年8月にかけて、入植地関連企業に181億ドルの融資とサービスを提供しており、BNPパリバ、HSBCに次ぐ、入植地貿易に加担する企業への第3位の債権者となっている。

デンマークの海運会社Maerskは、国連が「入植地経済に加担している企業」としてデータベースに登録している 4 社、すなわち Comasco、Extal、Ofertex Industries、Twitoplast の商品を輸送している。 

世界最大の旅行会社の一つであるスペインの eDreams Odigeo とその子会社 Opodoは、ヨルダン川西岸地区全域のイスラエル入植地にあるホテルや宿泊施設を紹介している。

国際司法裁判所(ICJ)は最近、全ての国家が「占領下パレスチナ地域(OPT)におけるイスラエルの不法な存在から生じる違法な状況を、承認したり維持を支援したりしない」ことを確保する義務を再確認した。したがって、入植地との取引を継続する政府や企業は、道義的だけでなく法的にも共犯関係にある。

イスラエル最大の貿易相手である欧州連合(EU)は、アイルランドやフランスなどの加盟国や市民からの支持が高まる中、こうした禁止措置の検討を開始した。UNIや欧州労働組合連合(ETUC)などの労働組合は、政府に対し言動を行動に移すよう強く求めている。

UNIはパレスチナ労働者と地域社会に連帯し、企業と各国政府が違法入植地維持への加担を止め、国際法を守るための緊急措置を講じるよう要求する。

UNIは提言活動、連帯、集団行動を通じて、パレスチナ人の基本的権利を否定する占領構造に挑み続ける。世界中の労働者と組合を動員し、平和・正義・平等の推進に努め、パレスチナ人とイスラエル人が共に自由と尊厳、安全の中で生きられる未来を目指す。

編集者注:報告書発表に先立ち、キャンペーン担当者は報告書で言及されている企業に連絡を取った。報告書における具体的な記述内容を企業に送付後、eDreamsとMaerskは違法なイスラエル入植地における事業活動に関する方針変更を発表した。Opodoは本稿発表時点で提供サービスを撤回している。これらの変更は報告書に反映されている。


UNI Apro ケア部会結成!アジア太平洋地域のケア労働者の重要な節目

2025年8月28日~29日にネパール・カトマンズで開催されたUNI Aproケア部会設立大会は、アジア太平洋地域のケア労働者にとって重要な節目を迎えた。

UNIの強力な支援のもと、松浦昭彦UNI Apro会長が議長を務めたこの歴史的な集会には、118名が集結した。これには18カ国28加盟組織を代表する29名の代表団に加え、46名のオブザーバー、6名のゲスト、支援スタッフおよびボランティアが含まれる。

この新たな組織体制は、世界で最も活気ある地域の一つにおいて、数百万の労働者と地域社会に影響を与える政策や労働条件を形成するにあたり、ケア分野の労働組合がより強力な集団的発言力を発揮するための主要なプラットフォームを提供する。大会終了後間もなくネパールは政情不安に突入し、労働者の声と民主的機関の強化が如何に重要かを浮き彫りにした。

ケア分野の重大課題への対応
大会に参加した代議員は一連のパネルセッションにおいて、ケア分野が現在および今後直面する決定的な課題について議論した。
  
大会では、急速な高齢化(2050年までに地域人口の4人に1人が60歳以上と予測)と、持続可能なケア政策形成において組合がいかに中心的役割を担えるかという点が議論された。また、国境を越えたケア労働の基盤を担いながらも搾取や差別の危険に晒され続ける移民労働者、特に女性の重要な貢献にも焦点が当てられた。

ケア労働者の雇用の正規化を求める闘いも大会のテーマの核心となった。アジア全域で家事労働者や地域保健従事者が基本的な社会保護から排除されながらもエッセンシャルサービスを提供し続けている。最後に、代議員はケアの現場における暴力とハラスメントの根絶が急務であることを取り上げ、予防策の強化とILO第190号条約の実施を強調し、ケアの仕事を安全な職場とすることを訴えた。

大会議長を務めた松浦昭彦UNI Apro会長は、「アジア太平洋地域のケア労働組合が初めて、強固で結束した政治的枠組みに結集した今日は、我々全員にとって誇らしい瞬間。18カ国から32の組合が参加しており、これは我々の運動の多様性と強さを示している」と語った。

ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長は「この設立大会は、共に力を築くことを示すもの。つまりケア労働者の力を高め、こうした労働者が安価で代替可能な存在と見なされるのではなく、安定した雇用、公正な賃金、安全な職場、そして経緯に値するプロフェッショナルとして認識されるようにすることだ」と訴えた。

プラディプ・ポウデル・ネパール保健・人口大臣は「ネパールのケア労働者はグローバルなケア・チェーンの一部であり、彼らの貢献は不可欠であるにもかかわらず、体系的に過小評価されている。女性ケア労働者は賃金、安全、ハラスメント、搾取について懸念を表明してきた。また意思決定や団体交渉プロセスへの参加も求めている。こうした労働者の声が我々の行動指針となるべきだ」と強調した。

ヌマン・オズカンILOネパール事務所長は、「ILOとUNIは共通の信念を共有している。それは、労働者の権利こそが労働者の力の基盤であるということ。UNIが国境を越えて連帯を築き、150カ国以上でケア労働者、清掃員、その他数百万人の労働者を結束させている姿に感銘を受ける」と発言した。

ルナ・ランジット連帯センター国別ディレクターは、「家事労働者はケア労働者の中でも特に脆弱な立場にあり、移民家事労働者はなおさらだ。不安定雇用や社会保障の欠如から、ジェンダー不平等や安全でない労働環境に至るまで、彼らが直面する課題に取り組むための対話が継続することを期待している」と述べた。

大会の主な成果
大会に出席した代議員はUNI Aproケア部会のガバナンス体制を確認し、初の指導部を選出した。

カタリナ・ゴンザレス氏(オーストラリア、ユナイテッド労組)が初代UNI Aproケア部会議長に選出され、下記4人の副議長を率いる:
・染川 朗(日本、UAゼンセン)-中央・東アジア
・アンディ・リム(シンガポール、SMMWU)-東南アジア
・チャンドラ・プラカシュ・シン(インド、BRCKS)-南アジア
・アニー・ニューマン(ニュージーランド、E tū)-オセアニア

日本、韓国、台湾、シンガポール、フィリピン、マレーシア、インド、ネパール、パキスタン、スリランカ、オーストラリア、ニュージーランドの代表からなる部会委員会が設置された。グローバルレベルでは、アニー・ニューマン(ニュージーランド、E tū)、アンディ・リム(シンガポール、SMMWU)、チェ・ヒソン(韓国、KHMU)がUNI世界ケア部会委員会においてUNI Apro ケア部会を代表することとなった。また部会大会では、優先課題として正規雇用化、移民の権利、ジェンダー平等、職場の安全を定めた「戦略的行動計画2025-2029」が採択された。

もう一つの画期的な出来事として、カトマンズにおける南アジア組織化センター(SAOC)の開所式典が行われた。南アジア全域におけるUNI各部会の横断的な組織化の強化を目的に設立された同センターは、この地域全体で効果的に組合を構築するための実践的支援を提供する。センターの設立は、最近のネパールにおける混乱を含む新たな課題に直面する地域において、労働者の声を拡大し民主的レジリエンスを支援することの重要性を強調している。


マレーシアの労働組合、ギグワーカー法案の成立を祝う

マレーシアで待望のギグワーカー法案が、2025年9月9日に上院で可決され、ついに成立した。

この「9月9日」という日付は、マレーシアのEコマース・プラットフォームが実施するオンラインセールキャンペーンでよく使われるが、そのキャンペーンを支えるギグワーカーにとって、この日ははるかに大きな意味を持つことになった。

この法案は昨年12月と今年3月、議会提出が2度延期されていた。首相府傘下に設置されたギグエコノミー委員会(SEGiM)が、ギグワーカーの課題解決と業界の規制枠組み構築を目的に作成したものである。

UNI Apro副会長を務めるモハメド・シャフィーBPママルUNI-MLC議長は、UNI-MLC執行委員会の全メンバーと共にマレーシア議会に臨席し、この画期的な取り組みへの強い連帯支持を表明した。

シャフィー氏は「この法案は、マレーシア人材資源省および同大臣がギグワーカーの権利と福祉を保護し、こうした労働者による経済へ貢献に対するより良い保護と認知を確保する上で、重要な前進を示すものだ」と語った。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は「この法案の議会通過に向けたUNI-MLC及びマレーシア労働組合運動の献身、ならびに人材資源省の支援と取組みを高く評価する。UNI-MLCがパートナーと連携し、本法案が最も良い形で実施されるよう、継続して取組んでいくものと確信している」とUNI加盟組織の取り組みを称えた。

今回のギグワーカー法案の成立により、ギグワーカーを労働枠組みに組み込むための具体的な立法措置を導入した国として、マレーシアは東南アジアではシンガポールに次いで2番目の国ととなった。


アジア太平洋の労働組合、ミャンマー軍事政権の偽装選挙を糾弾

UNI Aproは、国際建設林業労働組合連盟(BWI)アジア太平洋地域組織、国際労働組合総連合アジア太平洋地域組織(ITUC-AP)、国際産業別労働組合組織アジア太平洋地域組織(GUF-APRO)と共に、2025年12月28日に予定されているミャンマー軍事政権による偽装選挙の拒否とボイコットを求める共同声明を発表した。

9月15日の国際民主主義デーに合わせて発表されたこの声明は、今後の選挙が民主主義への回帰ではなく、非合法な軍事政権による権威主義的支配を正当化しようとする巧妙な試みであると主張している。

2021年2月の軍事クーデター以降、ミャンマーの人々、特に労働者は激化する暴力と弾圧に直面している。5,000人以上の民間人が殺害され、30,000人が恣意的に拘束され、数十万人が避難を余儀なくされた。軍事政権は労働運動を標的とし、民主主義を目指す抵抗運動への関与を理由に151人の労働組合指導者を逮捕し、37人を殺害した。

BWIと共同声明のパートナー団体は、軍事政権が統治機関の名称を「国家行政評議会(SAC)」から「国家安全保障・平和委員会(SSPC)」に変更したことにも警鐘を鳴らした。これは国際制裁を回避しようとする明らかな試みである。

労働組合による行動要請

国際労働組合運動は、ミャンマーの労働者が軍事政権の偽装かつ違法な選挙をボイコットするという強固かつ大規模な意思を支持する。

我々は、各国政府、多国間機関、市民社会、国際労働組合パートナーを含む全ての民主勢力に対し、ミャンマー国民の闘争に連帯し、軍事政権に対する制裁の完全実施と強化を強く求め、人々に対する継続的な弾圧を可能にしている生命線を断つよう、呼びかける。


フィリピンのケア労働者、危険手当を求める闘いを再開

フィリピンでは、長年政府が約束してきた健康緊急手当(HEA)の支給が滞っていることに対し、ケア労働者が再び声を上げている。HEAは共和国法第11712号に基づき、COVID-19の最前線で尽力した労働者への危険手当として義務付けられている。公衆衛生上の緊急事態が解除されてから2年以上が経過した今も、数千人の民間病院職員とバランガイ・ヘルスワーカー(BHW)が、自らの働きに見合う手当を受け取れていない状況が続いている。

2025年8月20日、UNIフィリピン加盟組織連絡協議会(UNI-PLC)は、加盟組織であるUST病院労働者連合(UNM-USTH)のロナルド・イグナシオ氏と統一フィリピン人サービス労組(UFSW)のレナート・カダノ氏と共に上院を再訪した。そして議員と保健省(DOH)に対し、未払いのHEA(保健緊急手当)数十億ペソの行方を説明するよう強く求めた。これに対しテッド・エルボサ保健長官は、残りの67億ペソ(約1億1800万米ドル)を2025年9月までに支給すると約束した。

しかしわずか数週間後、予算管理省(DBM)は、この67億ペソが政府のHEAに対する「最終支払い額」であると宣言した。UNI-PLCと全国バランガイヘルスワーカー連盟(NFBHW)はこの発表を非難し、時期尚早で現実離れしていると指摘した。

そしてUNI-PLCとNFBHWの両組織は、119の自治体を代表する17,681人のBHWを対象とした全国調査の結果を指摘した。それによると、平均16か月分の未払いが16億5000万ペソ(2900万米ドル)に上ることが明らかになった。憂慮すべきことに、対象自治体の43地域(36%)では、パンデミック発生以降、1ペソも支給されていない。全国で公式登録されているBHWは25万1千人を超えるため、実際の債務額はDBMが「最終支払い額」として発表した額をはるかに上回る。

調査では広範な排除も明らかになった:マカティ市では200人のBHW全員が登録から除外され、アンティケ州シバロムでは178人全員が抹消され、ヌエバ・エシハ州スト・ドミンゴでは118人中わずか74人しか認定されなかった。異議申し立てを行った労働者らは、苦情処理委員会が機能せずBHW代表もいないため、往々にしてまさに彼らを排除した地方当局の担当者に、自身の案件をゆだねざるを得ない状況に直面した。

ジャミル・モラNFBHW副委員長は「私たちはCOVID-19の最も危険な時期に地域社会に貢献したのに、今日に至るまで多くの者が未払いで無視されたままだ。我々を守ることを約束した政府に、再び我々は見捨てられている」と語った。

8月下旬までに、UNI-PLCと加盟組織はカマンガガワ党の予算円卓会議に参加し、未払いのHEA(保健医療従事者)を財政議論の中心に据えた。さらに、安全でない労働環境、契約労働化、BHWのための基本法や民間医療従事者への危険手当の制度化といった改革の必要性も提起した。これに対し、エリ・サンフェルナンド議員は議会でこれを推し進めることを約束した。

2025年9月4日、この闘いは下院で活発化した。サンフェルナンド議員が保健省(DOH)予算説明会でエルボサ長官を直接追及したのである。同長官は、地方自治体(LGU)のBHWへの支払いは既に解決済みであり、最新の67億ペソ(約1億1800万米ドル)の支出は民間病院のみを対象とするものだと主張した。

これに対し、UNI-PLCとNFBHWは新たな声明を発表し、長官の発言を「誤解を招くもの」かつ「侮辱的」と非難し、広範な未払い実態を示す調査データを改めて提示した。

コナン・セリアルNFBHW委員長は、「ヘルボサ長官の発言は我々の犠牲に対する裏切りだ。これまで期待できるものがあると信じてきたのに、結局何も得るものないとは!エルボサ長官に、説明を要求する!」と憤った。そして未払い分についての徹底した説明、BHWの代表がメンバーに含まれる苦情処理委員会の設置、そしてHEAリストからの労働者の意図的な削除に関する調査を要求した。

ローランド・デラクルスUNI-PLC議長は、「マグナカルタからHEAに至るまで、フィリピン政府は常にBHWを軽視してきた」と指摘し、「最も必要な時にバランガイBHWは最前線で闘った。BHWに対する国の義務が既に履行済みだと大臣が主張するのは、誤解を招くだけでなく、さらなる裏切りだ。これは、受けとるべき危険手当を年々待ち続ける何千人ものBHWの実体験を消し去ろうとするものだ」と語気を荒げる。

UNI-PLC、UFSW、NFBHW、およびUNM-USTHはその後、サンフェルナンド議員を通じて保健省に直接対話を行うよう働きかけ、上院の人口保健委員会で新委員長を務めるリサ・ホンティベロス上院議員への申し立て準備を進めている。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、「最前線で尽力した医療従事者が未払い賃金を待ち続けている限り、いかなる政府も義務を完遂したと主張すべきではない。フィリピンのケア労働者はパンデミックの中で地域を支えてきた。UNIは危険手当の1センターボまでしっかり支払われるまで、彼らに連帯する」と述べた。


UNI Apro、ネパールでの死者を深く憂慮し哀悼

2025年9月上旬、ネパール情勢が展開を続ける中、UNIは当局に対し人権を尊重し自制をもって行動するよう改めて要請する。我々は、平和的手段と財産尊重を通じて達成されねばならない正義と変革を求める若者の正当な要求に連帯する。

UNI Aproは、2025年9月8日にネパールで発生した若者主導のデモにおける悲劇的な死者を深く憂慮し、哀悼の意を表する。少なくとも19名の若者が死亡し、さらに多くの負傷者が出ているとの報に、我々は深い悲しみを覚える。この事態はネパール近現代史における最も暗い動きの一つであり、自制、対話、基本的人権の尊重が緊急に必要であることを浮き彫りにしている。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、「これほど多くの若者の命が奪われるのは胸が張り裂ける思いだ。若者の声は沈黙させるのではなく、耳を傾けられるべきである。ネパール当局に対し、最大限の自制を尽くし、国際人権基準に違反する武力行使を控えるよう強く求める」と訴えた。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「政府は腐敗対策、経済的機会、市民権に取り組む改革を約束し、有意義な対話の場を早急に開くべきだ。UNIは正義と変革を求めるネパールの若者たちと連帯する」と述べた。

UNI AproとUNIは共に、平和的抗議は民主的権利であると強調する。ネパールの若者が表明する不満は、暴力による応酬ではなく建設的対話をもって対応されねばならない。

首相辞任を受け、我々はネパールの全ての政治関係者に、同国の主権を尊重しつつ、政治的安定、民主的プロセス、法の支配を最優先するよう求める。全ての関係者に建設的対話への参加、平和的かつ透明な政権移行の確保、分断や不確実性をさらに深める可能性のある行動の回避を呼びかける。同時に、国際的なパートナーや関係諸国に対し、この重大な局面においてネパールの民主的制度、社会経済開発、国民の福祉に対する継続的な支援を強化するよう強く求める。


UNI米州とサンパウロ銀行労組、ブラジルのイタウ銀行における大量解雇を非難

UNI米州は、サンパウロ・オサスコ地域銀行労組と共に、2025年9月8日に生産性低下を理由に約1000人の従業員を解雇したイタウ銀行の決定に疑念を呈する。同労組は、この措置を不当かつ不合理な大量解雇と非難し、組合代表者や影響を受ける従業員との事前協議なしに行われたと指摘している。

ネイヴァ・リベイロ・サンパウロ・オサスコ地域銀行労組委員長は、「監視メカニズムを大量解雇の正当化に用いるのは不合理だ。デジタル監視には明確な制限を設けるべきである。こうした慣行は過度なプレッシャーを生み、メンタルヘルスに影響を与え、抑圧的な職場環境を助長する可能性がある」と述べ、「テレワークに業績評価メカニズムが存在するなら、なぜ解雇前にこれらの従業員に警告しなかったのか?」と疑問を呈した。

イタウ銀行の倫理行動規範は、尊重・信頼・継続学習の原則を定めている。しかし、透明性と交渉の欠如、解雇の正当化手段としてのテレワーク利用は、銀行の公約に反するだけでなく、労働者の雇用と生計に影響する状況に対処する主要なツールとして社会対話を推進する国際労働機関(ILO)の勧告にも矛盾する。

マルシオ・モンザネUNI米州地域書記長は、「2025年上半期に226億レアルの利益を上げた銀行が、生産性の低さを理由に千人規模の解雇を正当化することはできない。こうした慣行は労働者のメンタルヘルスを危険に晒し、団体交渉権を損ない、国際的なディーセント・ワーク基準に違反する。我々はサンパウロ銀行労組およびイタウ銀行の全従業員がこうした不当な措置と闘う姿勢を支持する」と連帯を表明した。


断片的な権利から公正なフランチャイズへ 

EUが資金を提供するプロジェクト「野心的で公正なフランチャイズのための支援ツール」の一環として、UNI欧州商業部会は2025年9月2~3日に2つのワークショップを開催し、フランチャイズ慣行に関する認識向上と知識強化を図った。

議論は、フランチャイズ小売企業で働く労働者が直面する課題を浮き彫りにした調査結果に基づいて行われた。

このワークショップは協働の場を提供し、参加者はフランチャイズが労働条件に与える影響への理解を深めるだけでなく、業界の公平性を確保するための支援ツールに関する具体的な提案を示すことができた。ワークショップはまた、各国労組が優れた実践例を交換し、ネットワークを強化し、野心的かつ公正なフランチャイズに関する今後の政策提言に直接関与する貴重な機会となった。

明らかになった重要な教訓の一つは、フランチャイズ店と直営店の労働者が同じ制服を着て同じブランドロゴの下で働いているように見えても、フランチャイズ店では賃金・福利厚生・雇用保護が著しく劣る場合が多いという点だ。この権利の断片化は多くの労働者を脆弱な立場に置き、改革の緊急性が浮き彫りとなっている。

だからこそ商業労組は、全ての商業労働者を平等に保護し、フランチャイズ店舗の従業員にもブランド直営店と同等の権利を保証する強力な欧州フランチャイズ規制を求めている。公正で野心的なフランチャイズは単に可能であるだけでなく、業界全体でディーセントワークと平等な待遇を確保する上で必要不可欠なものなのである。


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