第3回UNI専門職・監督職(P&MS)世界大会(2008年3月26~28日、オーストラリア・メルボルン)

開会
ジョン・バインス議長は全員を歓迎し、有意義な議論を期待した。ジョセフ・デブリュンUNI-Apro地域会長は、昨年11月の総選挙で労働党政権を奪回したことを報告し、オーストラリアの労働運動の転換期に本大会が開催できることを喜んだ。シャラン・バロウITUC会長(ACTU会長)は、UNIの活発な活動に敬意を表すると共に、様々な取組みにおいてUNIをはじめとするグローバルユニオン(GUF)との協力を継続していきたいと述べた。

活動報告
ゲルハルド・ローデUNI P&MS担当局長がこの間の活動を報告。毎年UNIでは加盟組合の統計をとっているが、P&MSはここ数年で急成長し、370組合計130万人がP&MSメンバーだと申告されている。特筆すべき成果として、2006年、2007年に開催されたUNI-Apro P&MSフォーラム(東京)の成功が報告された。ネパールなどアジア太平洋地域におけるP&MS活動の前進に大きく貢献し、後援したNTT労組に対し感謝の意が表された。またセカンドライフにおいてイタリアIBMに対し、初のグローバルな仮想抗議活動を行った結果、CNNなどマスコミに大きく取り上げられたり、CEOが辞任したりした他、UNIは革新的なネットを活用した活動に対し贈られるNetXplorateur賞を受賞した。

「P&MSの組織化」
ハード教授(米コーネル大学)が、P&MSを組織する労働組合と職能団体の違いを説明し、専門職の組織化には職能団体の経験から学び、協力しあうことが非常に有益であろうと導入報告した。
この後、専門職を組織する加盟組合から事例報告があった。ジョン・バインス議長は、オーストラリアAPESMAの概要や、給与調査、雇用契約ビルダー(ウェブ上で自分の契約を作成したり、今ある契約と比較して問題点を検証したりすることができるソフト)、ビジネススクール運営、キャリア開発プログラムなど、専門職を惹きつける各種サービスを紹介した。
パー・クロック代議員は、デンマーク、スウェーデン、ノルウェーという北欧3カ国のエンジニア協会が、国際問題を結束して解決するために結成した、北欧エンジニア協会の事例を説明した。
クリスター・フォースランド代議員は、スウェーデンで今年1月に2労組が統合して結成されたUNIONENの活動を紹介し、伝統的な組合員(ブルーカラー)と専門職(ホワイトカラー)へのサービスのバランスをとることが今後の課題だと述べた。
セッション後の質疑応答では、NTT労組の西山代議員が、日本では男女雇用機会均等法の制定後、女性の就業率も高くなったが、専門職・技術職の成果を測ることは難しく、納得のいく評価・処遇を得られていない女性の悩みが多いことを指摘し、ワークライフバランス実現のため、処遇決定における評価指標のあり方について、新たな法整備や国際標準の制定の必要性を訴えた。

「移動する専門職労働者への支援」
ローデ局長は、IT産業における外国人労働者の急増と共に、外国人と受入国労働者との賃金格差、熟練専門職の流出といった様々な問題が出てきていると報告した。これらを解決するための手段として、加盟組合の協力を得ながら「UNIパスポート」の改善を重ねてきた。ベルギーとインドの組合間の協力協定も構築された。北欧エンジニア組織間で、外国に行ったメンバーを追跡し、赴任国でもサービスを受けられる相互協定などの事例も紹介された。

「P&MSのためのディーセントワーク」
NTT労組の渡辺代議員は、NTT研究所におけるフレックスタイム制及び裁量労働制の導入について報告した。
北欧金融労組のローン・ピーターセン代議員は、5カ国の銀行・金融・保険など8労組、16万5千人が加盟する北欧金融労組の取組みを紹介し、管理職に対する調査の結果、個人のニーズに対応していく必要性があると述べた。
シンガポールSMMWUのフローレンス・フォン代議員は、経済再構築の結果、中高年のPMET(専門職・管理職・エグゼクティブ・技術職)が直面した雇用とスキルのミスマッチ問題を解決するための政労使による取組みを紹介した。
質疑応答では、サービス・流通連合の澁谷代議員が、一般従業員と仕事は変わらない「名ばかり管理職」が社会問題化している現状を、日本マクドナルド訴訟を例に挙げながら報告し、UNI P&MSにおける管理職組織化の促進を期待した。

「P&MSのグローバルな移動-ASEANにおけるP&MSの移動」
フィリピン大学、オフレネオ教授が導入報告。ASEANの中でシンガポール、マレーシア、タイが3D職(危険、汚い、難しい)の移民労働者を受け入れ始め、続いてP&MSの移動が見られるようになった。移民労働者問題は様々あるが、法外に高い斡旋料、カルチャーショック、突然の契約変更などP&MSの問題は見えにくい。2007年にUNI-Aproは、ASEANサービス労組協議会を設置し、ソーシャルヨーロッパのようなソーシャルアジアの実現を目指して努力している。

「グローバル経済におけるP&MSの責任」
フランスCFDT-Cadresのジャンポール・ボウシェ代議員は、2000年に採択された「UNI専門職・監督職の職業上社会的倫理的責任規範」の見直しを提案した。
フィリップ・ボイヤーUNI副書記長は、プライベートエクィティ(PE)による企業買収が増えている中、PEに11の責任投資原則を認めるよう交渉するなど、UNIのPE対策を説明した。
英国コネクトのレスリー・マナセー代議員は、P&MSとのコミュニケーションとオンライン権について問題提起した。IT部門の2万人専門職の100%がパソコンとメールアドレスを所有しており、組合も若い世代が使っている新しいネットツールをもっと活用すべきだと奨励する一方、使用者の設備に頼りすぎてもいけないし、通常業務に支障をきたしてもいけないと警告した。使用者がメール、ネットの使用をモニターできるので、プライバシー問題も発生している。
ローデ局長は、海外アウトソーシングを持続可能なものとするための「オフショア管理規範」を提案し、これを本大会で議論した後、普及させていくキャンペーンを始めたいと述べた。

大会コミットメントの採択
各セッションで行われた様々な討論をもとに、大会結論をまとめた。

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グローバル経済における専門職のための組合を発展させる共同コミットメント

UNI-P&MS委員会は、UNIグローバルユニオンにおいて重要な役割を果たしている。世界及び地域レベルで、専門職及び監督職のための組合政策を支持し調整する。UNI-P&MS委員会は、実際、UNIの全ての部会において飛躍的に増加している人々を代表している。P&MSは、経済変化、技術変化、組織的変化の最先端にいる。P&MSは企業、組織及び社会において主要な役割を果たしている。労働組合にP&MSが加わることは双方に取って利益がある-P&MSはネットワークとサービスへのアクセスを得られ、組合はP&MSのプロ意識、専門知識、革新的な考え方を通して強化される。
第3回UNI世界P&MS大会において、UNI-P&MS委員会の加盟組織とUNI-P&MS委員会は、大会で確認された今後4年間の優先課題の実施に向けて、共に必要な手段を取るというコミットメントを宣言する。
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選挙
大会は、議長・副議長、運営委員会メンバーを以下の通り選出した。
議長  スウェーデンUNIONEN  クリスター・フォースランド
副議長  シンガポールSMMWU  ジョン・デペイバ
アジア太平洋  日本NTT労組  渡辺保
日本サービス・流通連合  澁谷稔
米州  調整中
アフリカ  UNIアフリカ地域書記長代行  ザカリ・コドグ
欧州  フランスCFDT-Cadres  ジャンポール・ボウシェ
ポルトガルSBSI  マリア・テレサ・シーブラ

なお、本大会で議長を退任するジョン・バインス氏の長年のUNI P&MS委員会への多大な功績に対し、フォースランド新議長はじめ多くの代議員から感謝の言葉が贈られた。


第2回UNI-Apro専門職・監督職(P&MS)大会(2008年3月29日、オーストラリア・メルボルン)

開会
ジョン・デペイバUNI-AproP&MS議長は、2日間の世界大会を総括した後、アジア太平洋地域でも、伝統的な労働組合には入りたくないと考えているP&MSを組織するために、何か革新的なことをしなければならないと訴えた。シンガポールでは、「Labor Movement 2011」というキャンペーンの中で、組合員と呼ばれたくないP&MSを「ゴールドカラー」と呼ぶこととし、2011年までにこうした人々を組織する目標を立てた。
続いて、ジョセフ・デブリュンUNI-Apro地域会長、ゲルハルド・ローデUNI P&MS担当局長、フィリップ・ボイヤーUNI副書記長が連帯挨拶を行った。クリスター・フォースランド世界P&MS新議長はまず、2006年、2007年に開催されたUNI-AproP&MSフォーラムの成功を称え、その後ネパールでP&MS協議会が設置され、活動が始められたことを高く評価した。P&MSの組織化については、ダイバーシティーマネジメント(使用者にもジェンダー平等などを理解させること)、生涯学習、ワークライフバランスの重要性を指摘した。

活動報告
ジャヤスリ・プリヤラルUNI-AproP&MS担当部長は、2001年の第1回大会以降の活動を報告。中心となった活動は、NTT労組の後援を受けた2回のUNI-AproP&MSフォーラムであり、森嶋委員長はじめNTT労組の協力と支援に感謝が述べられた。また、難しいと言われていたインドのIT専門職の組織化にも成功し、今では6つの協約を締結している。現在、インドネシア中央銀行の従業員協議会や、インドの銀行従業員協議会、インドのテレコム上級職協議会、スリランカの労組、シンガポールの金融労組などにもコンタクトをとっている。他の国にも、潜在性はあるのにP&MSの組織化ができていないところがまだ多い。今後も、P&MSの組織化という我々の取組みをもっと広く普及させていかなければならない。

「P&MSのためのディーセントワーク」
フィリピン大学オフレネオ教授は、アジアの労使関係に欠けている中間管理職のためのディーセントワークというテーマで講演した。企業のウォルマート化が蔓延し、労働集約化が図られているのに、対価が追いついていない。トップ経営者と部下との間に挟まれ、双方からプレッシャーを受ける。部下に解雇を伝える役目を追うだけでなく、自らも解雇の憂き目に遭うことがある。ほとんどの国で、こうしたP&MSの立場を明確にし保護するような法制度がない。海外に職を求めて移住する。P&MSにとってのディーセントワークを確保するためには、産業、国、地域、国際レベルで、深く戦略を練り、組織化し、意識を高める必要がある。
NTT労組の古賀代議員は、「NTTでもウォルマート化が進み、評価者との面接において、いかに公正な業績評価を得るかが問題。組合は、業績評価の苦情を減らし満足度を上げるために努力している。海外の企業・労組で良い経験があれば聞きたい」とコメントした。ジョン・バインス代議員は、「若い人は上司からきちんと評価してほしい、企業がどう対応しているかを知りたいと思っている。この要望に応えAPESMAは若い人に研修を行い、その企業が働くにふさわしいかどうか判断できるようにしている。企業も選ばれるということだ。労働者が会社についてどう思っているかを交渉の場に持ち込むことができる」と答えた。ジョン・デペイバ議長は、「シンガポールでもKPI(主要業績評価指標)を設定する企業が増えてきた、組合もこれを支持しているが、KPIを高く設定するなら高い報酬を交渉する権利がある。組合員が評価に不満を持っているなら、組合は積極的に関わるべきだ」と答えた。
サービス・流通連合(JSD)の澁谷代議員は、「ダウンサイジングで残された労働者の負担が増える。例えばスーパーの店長は、店舗売上管理の他、顧客クレーム対応などもあり、長時間労働に陥る反面、それをカバーする時間外手当も得られず、その多くは組合員ではないため、使用者に何も言えない。JSDは管理職の組織化を進め、ディーセントワークを担保していかなければならないと考える」と報告した。

パネルディスカッション「P&MSの組織化」
プリヤラル部長は、P&MSの組合に関する認識とニーズを分析することにより、組合にとってもP&MS組織化の機会はあると問題提起した。
オーストラリアAPESMAのアーリン・ウッド代議員は、「プロフェッショナリズムの役割」と題して、若い専門職への調査から、キャリア開発ができるような団体に所属したいというニーズが多いと報告した。そのためのサービスの例として、メンター制度(グループメンター、女性メンター、Eメンターなど)、キャリア指導、就職斡旋などがある」と報告した。
シンガポールSMMWUのフローレンス・フォン代議員は、就業者にはスキル開発プログラムなど継続教育を提供、失業者にはウェブサイトによる就職斡旋広告やジョブサーチのワークショップへの参加を促進するなどの、生涯学習プログラムの取組みを紹介した。
オーストラリア金融労組のレオン・カーター代議員は、「ダイバーシティーマネジメントの役割」と題して、宗教や文化、性別など様々な違いを包含するものとし、ダイバーシティ議論は使用者だけに任せていては解決できないと述べた。例えばオーストラリアの金融産業における40%という男女間賃金格差を是正するためには、組合も積極的に交渉するべきだと訴えた。
NTT労組の森嶋代議員は、“長時間労働やメンタルヘルスの悪化”に象徴される日本の情報サービス産業は、良い人材を確保し長く働いてもらうことが難しいとし、特に女性が仕事と家庭を両立できるように、NTT労組は諸制度の創設と、利用しやすい環境を作るための意識改革に取り組んでいることを報告した。
パネリストの講演後の質疑応答では、JSDの川橋代議員は、2007年12月に「ワークライフバランス憲章」及び「仕事と生活の調和のための行動指針」が策定され、ワークライフバランスを国民的な取組みとすることが確認されたと報告し、特に管理職の働き方の改善には、管理職を組織化し、労使協議の環境を作った上で働き方を見直すべきだと訴えた。

UNI-Apro P&MS委員会の優先課題
大会は以下の優先課題を採択した。

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UNI-Apro P&MSの優先課題(2008~2012年)

前進するために、
●新しい経済において、ウェブを活用した新しい組織化戦略を立てて促進し、P&MSに連絡が取れるようコミュニケーションチャンネルを確立する
●変化に遅れを取らないようP&MSのための学習のネットワークを作り、新しいスキルや能力を身につける支援を行う
●新しい経済が専門職・監督職に及ぼすインパクトを調査する(例えば、新しい福利制度、利益共有、ストックオプションなど)
●統合されつつある地域経済におけるP&MSの報酬のベンチマーク。P&MS雇用の最低基準。企業が最低遵守すべき採用、配置、労働基準。P&MS自身がそうした雇用基準に同意するかどうか、について検討する。
●ジェンダー平等を促進し、女性が専門職・監督職に就くことを支援する
●ワークライフバランスの新しいコンセプトを発展させ促進する
●P&MSの専門的、社会的、倫理的責任規範を促進する
●必要に応じ、P&MSの労働組合権を擁護し、ディーセントワークを確保できるよう支援する
●現存のUNI-Apro連絡協議会に、各国のP&MSの状況を調査させ、未組織の専門職と接触し、彼らの権益を促進するため、国毎にP&MS協議会を結成する
●ASEANサービス枠組み協定の進展をモニターし、外国人専門職・監督職のサービスを送り出す国と受け入れる国の間の相互認証協定について、加盟組織に最新情報を周知する

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選挙
大会は、役員及び委員会メンバーを以下の通り選出した。
議長        シンガポールSMMWU        ジョン・デペイバ
副議長        日本NTT労組            渡辺保

東アジア    日本NTT労組            渡辺保
日本サービス・流通連合        澁谷稔
東南アジア    シンガポールSMMWU        ジョン・デペイバ
マレーシア加盟協        調整中
南アジア    インドUNITES            カルティック・シェカール
オセアニア    オーストラリアAPESMA        調整中


第2回UNI-Apro女性大会 第2日目(2007年8月26日、クアラルンプール)

労働組合における平等
フロレンシア代議員(フィリピン)は、GEM(ジェンダー平等主流化)を実施するための段階的行動を紹介。女性の権利に関する様々な国際機関の基準を挙げて、これらを拠り所に、組合が組合員の夢や希望を実現していこうと呼びかけた。
マーガレット代議員(マレーシア)「女性の地位向上は、習慣・文化による障害が大きく、決して容易ではない。」しかし、ジェンダー主流化に向けて、教育訓練を通じた女性のエンパワーメント、女性役員議席の設置など、現実に即した措置が必要とし、「待っていては何も変わらない」と訴えた。
イナヤット代議員(パキスタン)は、同国において若い女性労働者は一時的な労働力とみなされ、契約社員、パートタイマーが増えていると現状を説明した。そして、ジェンダー平等をもたらすためには、男性にも育児・介護休暇を取る機会を与えることが重要だと指摘した。
ディパ代議員(ネパール)は、女性が組合活動に従事しにくい南アジアの文化的背景について説明。しかしながら、結婚後も仕事を続けることに抵抗を感じることがなくなるよう、女性自身の姿勢はもとより、親・配偶者・子供達の姿勢を少しずつ変えていくことで、男女平等を実現できるだろうと、将来へ期待を寄せた。
本田UNI-Apro女性委員(JSD)は、増加を続ける非正規労働者の組織化なくして、労組は生き残れないとして、JSDにおける組織化の取り組みを紹介した。加盟組合内、未組織労働者の組織化が最も大きな成果を上げ、組合員数の増加、そのうち3分の1が女性、さらにその93%がパートタイマーという結果をもたらしたと報告。さらに今後の課題として、労組役員への女性の登用に言及し、最終的に三役に選出されることを目標にしていると語った。
フロアからも活発な発言が続いた。日本からは、木村代議員(JSD)が、男女共同参画社会実現に必要不可欠なジェンダー主流化実現に向けた具体的な取り組みを紹介したのに始まり、CTWU(台湾)の代議員からは、コールセンター労働者に対する不合理な措置についての大々的なキャンペーン活動に関する報告があった。駒村代議員(UIゼンセン同盟)が、パートタイマーの組織化が、個人・会社・労組それぞれにもたらした恩恵について発表したのに続き、目加田代議員(NTT労組)が、女性の比率が3%と極めて低い同労組ファシリティーズ本部における男女平等参画の取り組みを紹介した。さらに、十二里代議員(損保労連)による、同労組40年の歴史において初の女性執行委員が誕生した経緯の報告を受けて、アリス・チャンUNI-Apro女性・青年担当部長は、非常に喜ばしいことだと述べた。

労働における尊厳
モニク・マルティUNI女性担当局長は、いまだに貧困の底辺にいる女性たちを救う鍵は、ディーセントワークであるとして、その達成要件を挙げた。また労働者保護の範囲を拡大し、多くの女性が従事する非典型労働や、家事をもカバーする必要性を訴えた。
徳木UNI-Apro女性委員(UIゼンセン同盟)は、労働における尊厳とは、自分らしく働くこと、仕事と家庭の調和を取ることであるとして、女性労働者とその配偶者の就業・子育てに関する実態調査の結果を紹介しながら、その実現に向けた同労組のキャンペーン活動を紹介した。労組とは何かをより広く知ってもらうための紙芝居や川柳コンテストなどのユニークなアイデアに対して、参加者から大きな反響があった。
オン・スーギョク代議員(シンガポール)は、SNTUC(シンガポールのナショナルセンター)女性委員会をはじめ政労使で取り組んでいる「女性の復職」イニシアチブを紹介した。
続いてフロア発言では、根本代議員(JSD)が、同代議員の勤務する家電量販店は男性が7割を占めてはいるが、増加しつつある女性非正規社員の組織化およびその人事制度・賃金制度改革に日々取り組んでいると話した。村下代議員(JSD)は、労使で議論を重ねた結果、育児短時間制度の導入に成功したのみならず、その対象を正社員以外にも拡大し、勤務時間帯のパターンを増やすなど、さらなる制度の充実を目指していると力強く発表。香川代議員(NTT労組)は、組合員からの強い要請によりテレワークが実現したものの、一人の利用者もいない現状を報告。制度のみならず、それを利用できる職場環境が大切だと述べた。
最後に、ジェイUNI韓国デスクからEland社の若い女性非正規従業員を中心とする、長期の闘い(店舗占拠)の状況が伝えられた。世界各国のUNI加盟組織からの連帯支援に感謝すると同時に、今後も労働者の権利確保のために闘っていくと決意を語った。

資格審査委員会報告:代議員(女性67、男性0)、オブザーバー(女性22、男性5)、ゲスト(女性7、男性0)合計:女性96、男性5 ※日本の資格審査委員は中島代議員(自動車総連)

この後、オーストラリアの反労組的ワークチョイス法を非難する動議、UNI-Apro各部会委員会に女性の指定議席設置を提案する動議、UNI-Apro女性委員会規則修正案について審議し、大会代議員は、全会一致でこれらを採択した。
※日本の決議委員は鈴木麻美子代議員(情報労連)
続いて、今後4年間の行動計画及び、小地域から指名された正委員・予備委員の選出が確認された。UNI-Apro女性委員会新議長には、宮本UNI-Apro女性委員(NTT労組)が満場一致で選出され、「思うようにいかないこともあるが、ユーモアをもって前進していこう」と挨拶した。
日本からは、現行通り4人(NTT労組/宮本中執、UIゼンセン/徳木男女参画・社会運動局部長、JSD/本田国際部長、JPU/大崎国際部長)が再選された。

イナヤット代議員(パキスタン)

本田UNI-Apro女性委員(JSD)

木村代議員(JSD)

駒村代議員(UIゼンセン同盟)

目加田代議員(NTT労組)

十二里代議員(損保労連)

徳木UNI-Apro女性委員(UIゼンセン同盟)

根本代議員(JSD)

村下代議員(JSD)

香川代議員(NTT労組)


第2回UNI-Apro女性大会 第1日目(2007年8月25日、クアラルンプール)

2000年以来7年ぶりに開催されたUNI-Apro女性大会の第1日目。闘病中のスー・ボラストン議長のメッセージが、宮本UNI-Apro女性委員会副議長より伝えられ、大会は開会された。

宮本UNI-Apro女性委員会副議長は、開会挨拶の冒頭、「全参加者に敬意を表するとともに、大会が女性のみならず全ての働く者に実りあるものとなるよう祈っている」という闘病中のスー・ボラストン議長のメッセージを伝えた。2000年の第1回大会以来7年ぶりの開催だが、この間のUNI-Apro女性委員会の主な成果のひとつして、「グローバル平等プロジェクト(ジェンダー教育)」を挙げ、この研修を修了した女性組合員・役員が各国で女性委員会を設立し、自らトレーナーとなって後進の育成に努めるなど、実績を上げていることを評価した。また、グローバル化がもたらした負の側面にも触れ、そうした現状を改善するために、労働組合が大きな可能性を担っていることを強調した。最後に、女性労働者の抱える課題がいかに複雑に見えても、一歩ずつ前進していくことが大切であると訴え、今大会の議論と参加者の積極的な貢献に期待した。
ホスト国を代表して、モハメド・シャフィーUNIマレーシア加盟組合協議会(UNI-MLC)議長は、クアラルンプールが開催地として選ばれ、光栄だと述べると同時に、8月31日の独立50周年記念行事を控え、観光客が押し寄せているため、ホテルの客室不足や大渋滞などの不都合に陳謝した。UNI-MLCは、これまで未組織だった若い女性の多い商業部門をターゲットとした組織化を推進していると紹介し、次世代のために努力し、将来に向けた新しい決意を期待した。
ジョセフ・デブリュンUNI-Apro会長は、オーストラリアのスポットライト社で働くパート労働者、アネット・ハリスさんの15ヶ月にわたる闘争を紹介した。定年間近の彼女が6週間の休暇を申請したところ、会社側は4週間の有給休暇と2週間の無給休暇で対応するとしたものの、「休暇後はアルバイト身分へと契約し直しだ」と言った。相談を受けた組合(SDA)は、悪名高い新労働法の酷さを訴える絶好の機会と捉え、彼女の承認を得て、その事例を国会で訴えた。その後、ハリスさんは新労働法反対キャンペーンのテレビCMにも出演、オーストラリア全土に知られることとなった。さらには、6万人もの組合員が集まる集会で演説し、結果的に会社側は彼女の要求を受け入れた。活発な活動をしたこともない、一組合員であったハリスさんは、議会で自身が取り上げられることを承諾しただけでなく、テレビCMに出て、ついには大勢の前で話をするにまで至った。何度も何度もステップアップした好例である。
フィリップ・ジェニングスUNI書記長は、今日がマレーシアの女性デーであることに祝辞を述べた。「グローバルユニオンとしてのUNIの存在感を示さなければならない。人間が引き起こしたグローバル化の最大の犠牲者は女性であり、その解決策として、教育・訓練、ワークライフバランスなどの議論の中に、ジェンダーの視点を盛り込み、社会的側面をステップアップしていかなければならない」と訴えた。女性大会が地域大会の前に開催されるのは、地域大会に女性の参加を促進するためだと述べ、アジア太平洋地域では、労働者の権利が確保されていない国も多いが、それを組合成長への最高の投資の時期だと捉えて、共に協力してほしいと訴えた。

基調講演
(バーバラ・イースタリングUNI世界女性委員会議長)
アジア太平洋地域の女性の皆さんのインスピレーションに富んだ躍進を共有することができ、大変うれしく思っている。ジェンダー平等の実現は、子供たちの将来のみならず、社会への投資とも言える。世界人口の半数が住むこの地域の女性をエンパワーメントすることにより、世界全体の幸福につながると信じている。
私はもともと電話のオペレーターだったが、通信労組(CWA)に入ったことで人生が変わった。AFL-CIO初の女性財務書記長になったり、UNI女性委員会議長に選ばれたり素晴らしい経験をした。しかし努力してもドアが閉められたこともあった。その理由は私が女性だからだということもわかっている。
CWAは将来へ備えるため、労働運動の中の多様性に対応する手段を考えてきた。執行委員会で、何時間もかけて調査し、議論した結果、多様性提案は、先月の組合大会で承認された。4役のうち、3人を有色人種、2人を女性とすることが決まった。私の話の中でこれだけは忘れないでほしい。「組合の最高レベルが多様性を持つことは正しく、賢明で、ベストな選択だ」ということを。ジェンダー、民族、宗教、国籍、年齢に関係なく権利を得ること、これが私達の生きる意義である。グローバル化がもたらした不平等の結果、はしごから蹴落とされる人がいる、その多くは女性だ。 世界の貧困の3分の2は女性であるといわれている。まさにこの闘いをステップアップする時期である。
私達は変化を求める闘いを牽引していかなければならない。米国の労働運動は、政策の流れを変えていけると信じている。ブッシュ政権を打倒し、働く家族や女性の権利を尊重する大統領を選出することができる。
連帯して共に立ち上がろう。女性は世界中で、低賃金であることが多く、嫌がらせを受けることもあれば、尊重されていないこともある。だから、女性にこそ組合代表の力が必要だ。
我々一人ひとりがステップアップしなければならない。皆さん、ステップアップの準備はできていますか?(イエス!)

開会挨拶をする宮本UNI-Apro女性委員会副議長

バーバラ・イースタリングUNI世界女性委員会議長

多くの女性役員が活躍するシンガポールDBS銀行労組のオン・スーギョク書記長(中央)と再会した、損保労連・梅本委員長と女性中執の十二里さん


第9回UNI-Apro女性委員会(2007年8月25日、クアラルンプール)

第2回UNI-Apro女性大会に先立ち、2007年8月25日午前中、第9回UNI-Apro女性委員会が開催され、50余名が出席した。

2007年8月25日午前中、マレーシア・クアラルンプールにおいて、第2回UNI-Apro女性大会に先立ち、第9回UNI-Apro女性委員会が開催され、50余名が出席した。日本からは、宮本UNI-Apro女性委員会副議長(NTT労組)、本田UNI-Apro女性委員(JSD)、徳木UNI-Apro女性委員(UIゼンセン)他、NTT労組、UIゼンセン、JPUから計8人のオブザーバーが参加した。


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