9月 2025のお知らせ

ドイツでの調査:低賃金とストレスが小売業労働者を追い詰める

UNI加盟組織ver.diがドイツの、ドイツの小売業労働者11,732人を対象に大規模調査を実施した。低賃金、業務量の多さ、デジタルツールの悪影響などによって人材確保に苦戦する業界の厳しい実態が浮き彫りになった。

主な調査結果

  • 生活水準に見合わない賃金:79%が「不十分、あるいはかなり不十分」と回答。52%が「月収はかろうじて生活できる程度」、19%が「全く足りない」と回答。
  • 将来への不安:68%が年金だけでは生活できないと懸念。
  • 業務の健康への悪影響:67%が「仕事による健康への負担が非常に大きい」と回答。
  • 離職意向:62%が転職を希望し、78%が「業務量のため定年まで働き続けるのは困難」と回答。
  • デジタル化による負担増:63%がデジタル化の影響を大きく感じ、49%は負担軽減どころか増加したと回答。管理ツールとして利用されさらなるストレスを生むケースが多い。
  • 職場での敬意が欠如:46%が見下した扱いを受けたと報告(顧客からが51%、上司からが47%)。

ver.diのシルケ・ツィマー商業部門長は、「調査結果は衝撃的で、小売業界が人材を確保・維持するには早急な改革が必要であることを示している」と延べ、「小売業におけるデジタル化は主に管理ツールとして利用されている。従業員の負担軽減ではなく、デジタルプロセスがさらなる圧迫を生んでいる」と指摘した。

労働者が求めていること

ver.diの結論は明確だ。それは、人々に日用品を供給する中核を担うドイツの小売業界は、以下のような良好な労働条件によって定義されなければならないということだ。

  • 賃金を引き上げ、健康増進を促すリーダーシップと持続可能な人員配置を確保する、より強力な団体協約。
  • 家族に優しいフルタイム契約により、労働者が今、尊厳を持って生活し、将来は安心して退職できるようにすること。
  • 真に労働負荷を軽減し、労働者の自律性を尊重し、労働者の意見を反映させ安全策を講じた上で導入される、責任あるデジタル化。
  • 虐待を一切許容しない—使用者は顧客による嫌がらせを予防・対応する方針・研修・人員配置を確保し、管理職は従業員を擁護する。

ツィマー氏は、「小売業には、従業員を擁護し支援する管理職が必要だ…良質な労働は贅沢品ではなく、従業員が長期にわたり職に留まるための権利だ。我々が闘うのはこのためだ」と述べた。

マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長は、「ver.diの調査は小売労働者の実態を痛烈に描き出し、世界中の数百万人の小売労働者の生活を反映している。組織化が進めば進むほど、労働者から搾り取れるものは最後の一滴まで搾り取ろうとする多国籍小売企業に立ち向かう力を強めることができる。我々はver.diが尊厳ある仕事を求めて闘うことを支持する」とコメントした。

調査結果はこちら:ver.di小売業調査2025


UNI世界郵便・ロジスティクス部会大会、バンコクで闘志を示す

UNI世界郵便・ロジスティクス部会大会が2025年9月23日、バンコクで開幕した。タイ伝統舞踊と圧巻のムエタイ演武による華やかな文化歓迎が行われ、力強さとバランス、そして不屈の精神で知られる「八肢の芸術」によって、郵便・ロジスティクス労働者の未来を勝ち取る決意を固める大会の幕が開けた。42カ国55組合から120人以上の組合指導者を含む150人以上の代表が集結した本会議は、組合を結束させ、戦略を練り、互いに学び合い、この分野における力を高めることが目的だ。

タイポストのタパニー・アマリンラット国際事業部シニア副社長は、開催国を代表してバンコクに集う参加者へ挨拶し、政府の郵便労働者への取組みを強調し、「我々は郵便の未来を共に築くことを約束する」と宣言した。

本会議は、郵便・ロジスティクス産業が大きな変革と課題に直面する時期に開催された。特にアウトソーシング、郵便物量の減少、デジタル化、そして民営化されていない地域においては民営化の脅威が顕著だ。しかし労働組合は黙って見ているわけではない。

英国通信労組の書記長を務めるデイブ・ウォードUNI世界郵便・ロジスティクス部会議長は開会にあたり、「一部政府や経営者は『民営化や自由化の提案は近代化のためだ』と言うだろう。だが誰が『近代化』という言葉の所有権を与えたのか? 労働組合は知っている——自由化に近代性などない、民営化に近代性などない、ギグ経済に近代性などないのだ!」
今こそ労働者・顧客・郵便事業の未来のために、我々が「近代化」という概念の定義を主導すべき時だ。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、今後の変革を形作る上で労働組合が果たす中心的な役割を強調し、「労働組合は、郵便・ロジスティクス産業で進行中の変革の一部とならなければならない。その変革の対象となるのではなく、主導者とならなければならない。我々の仕事を形作るテクノロジーを定義する必要があるのだ」と訴えた。

国連機関である万国郵便連合(UPU)のサステナビリティサービス担当プログラムマネージャーを務めるスーザン・アレクサンダー氏は、医療など郵便サービスの多様化の機会を見出すことの重要性を強調した。そして、インドでの新しいプロジェクトを例に挙げ、「ごく最近、UPU は、SPECS 2030 イニシアチブを通じて、インドポストおよび世界保健機関と提携し、遠隔地に眼鏡を届けるとともに、目の健康に関する意識向上を図るいくつかのプログラムを試験的に実施している。このプロジェクトにより、他の国々でも眼科ケアサービスの提供範囲が拡大することを期待している」と報告した。

コーネリア・ベルガーUNI世界郵便・ロジスティクス部会担当局長は、部会大会向けの詳細な報告書に基づき、過去4年間の部会活動の成果について報告を行った。

また世界中で紛争が激化する中、部会大会は郵便労働者が重要な職務を遂行する際に、その生命・権利・サービスが保護されることを求める決議を採択した。

決議を紹介したデイブ・ウォード議長は、「UNIは連帯と協力に基づく組織。我々は声を大にして宣言する。郵便労働者は標的ではない。支援を必要とする仲間を支え続ける」と語った。


UNIの郵便労働者が戦時下の保護を要求

世界各地で紛争が続く中、世界中の郵便労働者は、自らの生命、権利、サービスが、重要な職務を遂行する際に保護されることを要求している。2025年9月23日にタイ・バンコクで開催されたUNI世界郵便・ロジスティクス部会大会において、世界中の数百万人の郵便労働者を代表する約150人の労働組合指導者が、危機時の安全に関する決議を採択した。

英国通信労組書記長を務めるデイブ・ウォードUNI世界郵便・ロジスティクス部会議長は、 決議の提案にあたり 「UNIは連帯と協力に基づく組織。我々は声を大にして宣言する。郵便労働者は標的ではない。支援を必要とする仲間を支え続ける」と訴えた。

郵便平和決議文は以下の通り:

危機における郵便サービス:連帯を求める世界的な呼びかけ

郵便は重要な公共サービスであり、表現の自由と情報へのアクセス権と深く結びついている。郵便労働者は手紙、年金、医薬品、支援物資、そして生存に不可欠な人間同士のつながりを届ける。

世界中の戦争や政治危機は、郵便労働者、我々の組合、そして我々の権利を脅かしている。したがって、UNI郵便・ロジスティクス部会は、政府、政党、武装勢力に対し、以下の要求を明確に伝える:

  1. 郵便労働者の安全:郵便労働者は安全な環境で職務を遂行できなければならない。郵便労働者とそのサービスに対するあらゆる攻撃を非難する。
  2. 郵便サービス提供の主権:国家と地域は、外部からの干渉を受けずに郵便サービスを運営する主権的権利を有し、すべての人へのアクセスを確保すべきである。
  3. 郵便サービスを受ける権利:郵便サービスは、特に通信遮断やネットワーク障害時に、情報伝達と受領に不可欠である。戦争や危機時には、人々は家族との連絡、物資や年金の受領、情報へのアクセスを必要とする。
  4. 危機時の回復力:郵便ネットワークは、危機時の国の回復力にとって極めて重要である。政府は、郵便サービスを援助や情報の提供のみならず、敵対行為終了後の復興における重要な要素と認識すべきである。
  5. 労働者の権利:郵便労働者は困難な時期においても、自らの利益を守るために労働組合に加入する自由を持たねばならない。労働組合は制限なくその職務を遂行する権利を有すべきである。戒厳令や非常事態を口実とした組合権の停止を試みるいかなる行為も我々は拒否する。

我々は、地域社会をつなぎ、支援を届け、通信という人権を守るために命を懸ける世界中の郵便労働者に連帯する。


ドイツのTikTok労働者、 ストライキで抗議活動を激化

2025年9月23日、ドイツのTikTok従業員が前例のない4日間のストライキを開始する。同ソーシャルメディア企業が今年7月以降ずっと団体交渉への参加を拒否したことへの応酬として、行動を強化させるものだ。

TikTokは「信頼・安全部門」を解体し、コンテンツモデレーターの労働者を解雇する計画だ。彼らの業務は外部サービスプロバイダーに委託され、一部は人工知能(AI)に置き換えられる。さらに、TikTokコンテンツクリエイターとの関係維持を担当する非ドイツ語圏ライブ部門の従業員も解雇対象となる。

Tiktok従業員の労働組合およびUNI加盟組織であるver.diは、従業員への社会的補償を定めた団体協約を要求している。これには解雇対象者全員への3年分の給与に相当する退職金、および解雇予告期間の12ヶ月への延長が含まれる。

ver.diは、より安価なサービスプロバイダーへの業務委託が、仕事の質とプラットフォーム上の安全性の双方に対する脅威となると主張している。ver.diベルリン・ブランデンブルク支部のルーカス・クレンテル・メディア部門副部長は、「この争いの争点は根本的だ。我々は大手テック企業に対し、人工知能がもたらす社会的影響に対する責任を取るよう求めている。もし将来、低賃金労働者とアルゴリズムにTikTokの偽ニュースや暴力排除を任せるなら、技術進歩は従業員と民主的な人々を犠牲にして達成されることになる。だからこそ、TikTokが一方的に計画を押し通すことは許されない」と説明する。

9月23日、ストライキの一環として労働者はタウンホール会議を開催する。そこでは専門家や政治家と共に、デジタル革命の社会的影響と政治的行動の可能性について議論する。


インドの若手専門職が直面する有害な職場環境とストレスに挑む

インドの若手専門職は深刻化する危機に直面している。テック、金融、サービス業界を問わず、長時間労働と容赦ない業績要求が常態化し、燃え尽き症候群や不安を助長している。業務負荷を軽減するどころか、生成AIの急速な普及がさらにプレッシャーを増大させている。従業員は、十分な支援なしに自動化システムの監視と修正を求めらている。

こうした背景のもと、タタ社会科学研究所(TISS)、UNI Apro専門職・監督職(P&M)委員会、全インド・バローダ銀行従業員協会(AIBOBOA)は、UNI世界P&M委員会の指導のもと、国際セミナー『インドの若手専門職のために、働き方を再構築しよう:有害な職場文化とデジタルストレスへの対処』を開催した。

2025年9月12日にインド・ムンバイのTISSキャンパスで開催された本イベントは、TISSの教員・学生・卒業生、労働組合指導者、若手専門職を結集し、職場の実情と学術研究の架け橋となるよう設計され、建設的な意見交換の場を提供した。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro 地域書記長は、「UNI Aproは、インドにおける有害な職場文化に取組むため、TISSと連携できることを光栄に思う。TISSの卒業生として、この共同セミナーによって問題意識を高めることができ、誇りに思う」と述べるとともに、セミナー開催に向け多大な支援を提供した加盟組織AIBOBOAに感謝の意を表した。

ズビン・ムラTISS経営・労働学部長は、衝撃的な統計を提示した。それによると、従業員の約3分の2がバーンアウトを経験し、42%がストレスに駆られていると報告している。またデジタル機器が「注意とエネルギーを吸い取るヒル」となっていると警告し、AI導入への不安が組織を「幸福を犠牲にした超効率化」へ駆り立てていると指摘した。

ジャヤスリ・プリヤラルUNI Apro専門職・監督職委員会担当部長は、この課題を分岐点と位置付けた。そして個々の労働者が単独でこうした圧力に耐えることはできないとした上で、リスクが最も急速に高まっている高スキル分野での労働組合の強化を訴えた。そして地域的視点から、技術進歩により有期契約が深刻な影響を受けている一方、急速にインフォーマル雇用が広がっていることがアジア太平洋全域で労働組合を弱体化させていると警鐘を鳴らした。

UNI世界P&M委員会の副議長を務めるプレム・クマール・マッカルAIBOBOA書記長は、インド特有の職場課題について言及し、高まるメンタルヘルス問題に対処するため、労働組合・企業・政策立案者の連携が急務であると強調した。

本セミナーには多様な登壇者と参加者が参加したことで、議論が深まった。TISS教員は、過重労働が生産性向上をもたらさず回復力を損なうことを示す研究を発表した。卒業生と在校生は「ハッスルカルチャー(仕事は人生で最も重要であり、休日を取ることなく長時間働くことによってのみ成功を収めることができるという考え方)」について考察し、日本の過労死とインドの最近の事例を比較する意見も出た。インドの労働組合指導者は、業績が6倍向上したにもかかわらず銀行業界で過労による自殺が500件発生している件に言及し、現場の実情を強調した。

パネルディスカッションでは懸念すべき実態も明らかになった。インドの労働者のうち組合に加入しているのはわずか6%であり、新たな労働法が組合をさらに弱体化させる恐れがある。ギグエコノミーは課題をもたらしており、労働者が従業員ではなく「パートナー」として分類されることで、団体交渉が弱体化している。

サララ・ラオ博士TISS人材管理センター長は、このセミナーが「対話のための安全な場」を創出したと述べ、より広範な変革に向けた不可欠な第一歩であるとまとめた。

本セミナーの議論は、次世代の専門職がデジタル時代において尊厳とバランスを持って働けるよう、労働組合と学界が継続的に取組む基盤を築いた。UNI Aproは、この課題を推進するため、TISSおよびそのパートナー組織との今後の連携を期待している。


UNI、緊縮政策に大規模動員で反対するフランス労働者に連帯

年金改革に抗議する前例のない社会運動が生じたフランスでは、政府が再び冷酷で不公平かつ効果のない一連の緊縮措置を発表した。2025年9月18日、フランス全土の労働者を代表する労働組合の連合体が、政府と企業が現在の危機の代償を労働者に負わせようとする動きに反対して動員する。

UNI欧州は、フランスの労働者と労働組合に全面的な連帯を表明する。共に、我々はディーセントな労働条件を取り戻し、緊縮政策を退け、富裕層への累進課税を実現する。

政府が提案する削減措置には、祝日2日の廃止、公共サービスの削減、労働権の弱体化、失業保険のさらなる改悪、社会保障給付と公務員・契約労働者の賃金凍結、年金の物価連動廃止、医療自己負担額の倍増、有給休暇5週目の削減が含まれる。

政府は、労働者に責任のない財政危機の代償を払わせることを決定した。政府は誤った方向で資金を探しているのだ。

  • 企業は毎年2110億ユーロの公的補助金を、透明性や評価もなく、何よりも雇用目標や労働条件の質、社会・環境面での目標の尊重を条件とせずに受け続けている。
  • 特に人員削減や事業移転の際には、過去最高の配当金が支払われている。
  • 高所得層は依然として公的財政への貢献が不十分である。

一方で企業は、労働基準を侵食する行動を大胆に行っている。

例えばソシエテ・ジェネラルの経営陣は、労組との協議なしに2021年団体協約を修正し、テレワークを一方的に削減した。

しかしソシエテ・ジェネラルの労働者は、フランス全土の労働者と共に今、反撃を開始している。

我々は連帯する!

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「欧州各地の仲間と同様、フランスのサービス産業の労働者も家賃・食料価格の上昇や賃金凍結といった生活費高騰に苦しんでいる。その上、政府は労働者が引き起こしたわけでもない危機の代償を、労働者に支払わせようとしている。これは極めて不当だ。我々は9月18日にフランス労働者と共に立ち上がる」とフランスの労働者の共鳴した。

ウィリアム・モニエSNRT-CGT書記長は、「政府は再び、特に不安定雇用の労働者、年金生活者、病人といった弱者に負担を強いようとしている。その措置は残酷であると同時に極めて不公平だ。9月18日、我々は皆、希望と社会的公正、財政的公正をもたらす異なる予算を求めて街頭へ出る」とアピールした。

セバスチャン・ビュジリスFO-FEC書記長は、「政府に労働者の要求を考慮に入れさせる上で必要な影響力を行使するため、協力が不可欠だ」と訴える。

CFDTサービス連盟のヴェロニク・レヴェイヨ氏は、「これまで提示されてきた予算案は労働者の権利を損なうものだ。長年にわたり、社会保障、失業保険、労働時間といった社会的な成果――これらが我々の社会契約の最後の砦であるにもかかわらず――を徐々に削り取ろうとする継続的な動きを感じてきた。9月18日の大規模な動員は、政府と指導者たちに、労働者の声が組み込まれるべきであることを思い知らせるものとなる。現状の賃金と労働条件は労働者に身動きの余地を与えないものだ。我々は限界まで追い詰められている。苦しみがすでに広範に蔓延している。9月18日、多くの人が沈黙の中で感じていることを、集団的かつ大規模に示そう」と語気を強めた。


UNI、違法なイスラエル入植地との貿易禁止を求める声に賛同

2025年9月15日、UNIは80以上の市民社会組織からなる連合体とともに、「Stop Trade with Settlements=入植地との貿易を止めよ」キャンペーンを開始する。占領下のパレスチナ地域(oPt)における違法なイスラエル入植地とのあらゆる貿易を禁止するよう各国に要求する。これには入植事業を支える主要多国籍企業や金融機関による取引も含まれる。

この連合体は同時に報告書『 Trading with Illegal settlements (違法入植地との取引)』を発表。外国政府や企業が違法入植地との継続的な取引を通じて、イスラエルによる長期占領が引き起こす人道危機を直接助長している実態を明らかにしている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は「グローバル企業は、パレスチナ人の権利と未来を奪う収奪と強制労働のシステムから利益を得ている」と指摘し、「各国政府は、他の占領や併合事例で断固とした行動を取ったのと同じように、違法入植地との取引を禁止すべきだ」と強調する。

このキャンペーンが入植地貿易を特に標的とするのは、イスラエルが西岸地区(東エルサレムを含む)でパレスチナ人に対する抑圧を継続・強化し、その経済を分断し、将来のパレスチナ国家の存続可能性を損なっているためだ。入植地との取引を終わらせることが、人権を守り、パレスチナ人の生計を保護し、イスラエルの入植地拡大を止め、違法な占領を終わらせるための必要不可欠な一歩である。

UNIは長年、ヨルダン川西岸地区の違法占領を非難してきた。過去3回のUNI世界大会において、加盟組織は圧倒的多数で「違法入植地の拡大を阻害し、その成長・建設資金へのアクセスを制限する」ためのUNI行動要請を支持した。具体的には「違法入植地の建設・開発を資金援助する企業からの投資撤退」などが挙げられる。

過去4年間、イスラエルは東エルサレムを含むヨルダン川西岸地区における入植活動を大幅に加速させ、入植地建設と土地の収奪を驚異的な速さで実施した。2023年には、イスラエル政府が東エルサレムを含むヨルダン川西岸地区における30,682戸の住宅建設を承認し、わずか5年間で180%の増加となった。2024年6月にはイスラエル政府はヨルダン川流域の12.7平方キロメートルを「国有地」に指定した。そして2025年5月、イスラエルは占領下のヨルダン川西岸地区に22の新入植地を建設することを決定した。こうした動きは過去の記録を大幅に上回り、オスロ合意(1993-1995年)以降で最高水準の入植地拡大となった。承認の大半は「ヨルダン川西岸地区の奥深く」に位置する入植地に対して行われ、パレスチナ領土の断片化をさらに進めるとともに、パレスチナ人に対する新たな移動制限を課すものである。

2012年以降、国際的な反対により凍結されていた「E1計画」が復活し、東エルサレムとマアレ・アドゥミム入植地を結ぶブロックに3,400戸の新規住宅建設が承認された。これは事実上、ヨルダン川西岸北部と南部の間のパレスチナ人の移動を遮断するものだ。

国際法違反で設立されたイスラエルの入植事業は、土地収用、強制移住、パレスチナ人労働者の組織的な搾取の上に成り立っている。こうした入植地との取引は占領を永続させるだけでなく、パレスチナ人の生計を損ない、人道危機を助長し、継続的な人権侵害を可能にしている。

イスラエルは、安価な土地賃貸、技術・賃金への補助金、税制優遇、現金給付などの優遇措置を通じて、東エルサレムを含むヨルダン川西岸全域の入植地へ企業投資を誘致している。以下に挙げる国際企業・金融機関は、サービス提供や投資を含め、イスラエル入植地との取引を継続中、あるいは最近まで行っており、その維持と正当化に貢献している: 

ドイツの旅行会社大手のTUIは、違法なイスラエル入植地への複数のツアーを現在も実施している。TUIは「防弾入植者バス」で西岸地区ヘブロンの入植者と面会する「デュアル・ナラティブツアー」を提供し続けている。  

英国の建設会社JCバムフォード・エクスカベーターズ(JCB)製の重機は、パレスチナ人の建造物・住宅・農作物の破壊、および違法入植地建設にイスラエルが使用している。JCB のような建設会社は、パレスチナ人の強制移送と入植地の拡大から利益を得ている。 

ドイツの巨大多国籍企業シーメンスは、10 億ユーロ以上の鉄道契約を含む、入植地関連の交通インフラに機器とサービスを提供している。

フランスの小売業者カルフールは、イェノット・ビタン社と、イスラエルでカルフール製品を生産・販売する契約を結んでいる。占領地には、少なくとも 9 店舗のイェノット・ビタン店があり、そのうち 2 店舗はカルフールのブランドを全面的に掲げている。

融資や資金援助を通じて入植地貿易に資金を提供し続けている外国銀行のうち、英国のバークレーは、2021年1月から2024年8月にかけて、入植地関連企業に181億ドルの融資とサービスを提供しており、BNPパリバ、HSBCに次ぐ、入植地貿易に加担する企業への第3位の債権者となっている。

デンマークの海運会社Maerskは、国連が「入植地経済に加担している企業」としてデータベースに登録している 4 社、すなわち Comasco、Extal、Ofertex Industries、Twitoplast の商品を輸送している。 

世界最大の旅行会社の一つであるスペインの eDreams Odigeo とその子会社 Opodoは、ヨルダン川西岸地区全域のイスラエル入植地にあるホテルや宿泊施設を紹介している。

国際司法裁判所(ICJ)は最近、全ての国家が「占領下パレスチナ地域(OPT)におけるイスラエルの不法な存在から生じる違法な状況を、承認したり維持を支援したりしない」ことを確保する義務を再確認した。したがって、入植地との取引を継続する政府や企業は、道義的だけでなく法的にも共犯関係にある。

イスラエル最大の貿易相手である欧州連合(EU)は、アイルランドやフランスなどの加盟国や市民からの支持が高まる中、こうした禁止措置の検討を開始した。UNIや欧州労働組合連合(ETUC)などの労働組合は、政府に対し言動を行動に移すよう強く求めている。

UNIはパレスチナ労働者と地域社会に連帯し、企業と各国政府が違法入植地維持への加担を止め、国際法を守るための緊急措置を講じるよう要求する。

UNIは提言活動、連帯、集団行動を通じて、パレスチナ人の基本的権利を否定する占領構造に挑み続ける。世界中の労働者と組合を動員し、平和・正義・平等の推進に努め、パレスチナ人とイスラエル人が共に自由と尊厳、安全の中で生きられる未来を目指す。

編集者注:報告書発表に先立ち、キャンペーン担当者は報告書で言及されている企業に連絡を取った。報告書における具体的な記述内容を企業に送付後、eDreamsとMaerskは違法なイスラエル入植地における事業活動に関する方針変更を発表した。Opodoは本稿発表時点で提供サービスを撤回している。これらの変更は報告書に反映されている。


UNI Apro ケア部会結成!アジア太平洋地域のケア労働者の重要な節目

2025年8月28日~29日にネパール・カトマンズで開催されたUNI Aproケア部会設立大会は、アジア太平洋地域のケア労働者にとって重要な節目を迎えた。

UNIの強力な支援のもと、松浦昭彦UNI Apro会長が議長を務めたこの歴史的な集会には、118名が集結した。これには18カ国28加盟組織を代表する29名の代表団に加え、46名のオブザーバー、6名のゲスト、支援スタッフおよびボランティアが含まれる。

この新たな組織体制は、世界で最も活気ある地域の一つにおいて、数百万の労働者と地域社会に影響を与える政策や労働条件を形成するにあたり、ケア分野の労働組合がより強力な集団的発言力を発揮するための主要なプラットフォームを提供する。大会終了後間もなくネパールは政情不安に突入し、労働者の声と民主的機関の強化が如何に重要かを浮き彫りにした。

ケア分野の重大課題への対応
大会に参加した代議員は一連のパネルセッションにおいて、ケア分野が現在および今後直面する決定的な課題について議論した。
  
大会では、急速な高齢化(2050年までに地域人口の4人に1人が60歳以上と予測)と、持続可能なケア政策形成において組合がいかに中心的役割を担えるかという点が議論された。また、国境を越えたケア労働の基盤を担いながらも搾取や差別の危険に晒され続ける移民労働者、特に女性の重要な貢献にも焦点が当てられた。

ケア労働者の雇用の正規化を求める闘いも大会のテーマの核心となった。アジア全域で家事労働者や地域保健従事者が基本的な社会保護から排除されながらもエッセンシャルサービスを提供し続けている。最後に、代議員はケアの現場における暴力とハラスメントの根絶が急務であることを取り上げ、予防策の強化とILO第190号条約の実施を強調し、ケアの仕事を安全な職場とすることを訴えた。

大会議長を務めた松浦昭彦UNI Apro会長は、「アジア太平洋地域のケア労働組合が初めて、強固で結束した政治的枠組みに結集した今日は、我々全員にとって誇らしい瞬間。18カ国から32の組合が参加しており、これは我々の運動の多様性と強さを示している」と語った。

ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長は「この設立大会は、共に力を築くことを示すもの。つまりケア労働者の力を高め、こうした労働者が安価で代替可能な存在と見なされるのではなく、安定した雇用、公正な賃金、安全な職場、そして経緯に値するプロフェッショナルとして認識されるようにすることだ」と訴えた。

プラディプ・ポウデル・ネパール保健・人口大臣は「ネパールのケア労働者はグローバルなケア・チェーンの一部であり、彼らの貢献は不可欠であるにもかかわらず、体系的に過小評価されている。女性ケア労働者は賃金、安全、ハラスメント、搾取について懸念を表明してきた。また意思決定や団体交渉プロセスへの参加も求めている。こうした労働者の声が我々の行動指針となるべきだ」と強調した。

ヌマン・オズカンILOネパール事務所長は、「ILOとUNIは共通の信念を共有している。それは、労働者の権利こそが労働者の力の基盤であるということ。UNIが国境を越えて連帯を築き、150カ国以上でケア労働者、清掃員、その他数百万人の労働者を結束させている姿に感銘を受ける」と発言した。

ルナ・ランジット連帯センター国別ディレクターは、「家事労働者はケア労働者の中でも特に脆弱な立場にあり、移民家事労働者はなおさらだ。不安定雇用や社会保障の欠如から、ジェンダー不平等や安全でない労働環境に至るまで、彼らが直面する課題に取り組むための対話が継続することを期待している」と述べた。

大会の主な成果
大会に出席した代議員はUNI Aproケア部会のガバナンス体制を確認し、初の指導部を選出した。

カタリナ・ゴンザレス氏(オーストラリア、ユナイテッド労組)が初代UNI Aproケア部会議長に選出され、下記4人の副議長を率いる:
・染川 朗(日本、UAゼンセン)-中央・東アジア
・アンディ・リム(シンガポール、SMMWU)-東南アジア
・チャンドラ・プラカシュ・シン(インド、BRCKS)-南アジア
・アニー・ニューマン(ニュージーランド、E tū)-オセアニア

日本、韓国、台湾、シンガポール、フィリピン、マレーシア、インド、ネパール、パキスタン、スリランカ、オーストラリア、ニュージーランドの代表からなる部会委員会が設置された。グローバルレベルでは、アニー・ニューマン(ニュージーランド、E tū)、アンディ・リム(シンガポール、SMMWU)、チェ・ヒソン(韓国、KHMU)がUNI世界ケア部会委員会においてUNI Apro ケア部会を代表することとなった。また部会大会では、優先課題として正規雇用化、移民の権利、ジェンダー平等、職場の安全を定めた「戦略的行動計画2025-2029」が採択された。

もう一つの画期的な出来事として、カトマンズにおける南アジア組織化センター(SAOC)の開所式典が行われた。南アジア全域におけるUNI各部会の横断的な組織化の強化を目的に設立された同センターは、この地域全体で効果的に組合を構築するための実践的支援を提供する。センターの設立は、最近のネパールにおける混乱を含む新たな課題に直面する地域において、労働者の声を拡大し民主的レジリエンスを支援することの重要性を強調している。


マレーシアの労働組合、ギグワーカー法案の成立を祝う

マレーシアで待望のギグワーカー法案が、2025年9月9日に上院で可決され、ついに成立した。

この「9月9日」という日付は、マレーシアのEコマース・プラットフォームが実施するオンラインセールキャンペーンでよく使われるが、そのキャンペーンを支えるギグワーカーにとって、この日ははるかに大きな意味を持つことになった。

この法案は昨年12月と今年3月、議会提出が2度延期されていた。首相府傘下に設置されたギグエコノミー委員会(SEGiM)が、ギグワーカーの課題解決と業界の規制枠組み構築を目的に作成したものである。

UNI Apro副会長を務めるモハメド・シャフィーBPママルUNI-MLC議長は、UNI-MLC執行委員会の全メンバーと共にマレーシア議会に臨席し、この画期的な取り組みへの強い連帯支持を表明した。

シャフィー氏は「この法案は、マレーシア人材資源省および同大臣がギグワーカーの権利と福祉を保護し、こうした労働者による経済へ貢献に対するより良い保護と認知を確保する上で、重要な前進を示すものだ」と語った。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は「この法案の議会通過に向けたUNI-MLC及びマレーシア労働組合運動の献身、ならびに人材資源省の支援と取組みを高く評価する。UNI-MLCがパートナーと連携し、本法案が最も良い形で実施されるよう、継続して取組んでいくものと確信している」とUNI加盟組織の取り組みを称えた。

今回のギグワーカー法案の成立により、ギグワーカーを労働枠組みに組み込むための具体的な立法措置を導入した国として、マレーシアは東南アジアではシンガポールに次いで2番目の国ととなった。


アジア太平洋の労働組合、ミャンマー軍事政権の偽装選挙を糾弾

UNI Aproは、国際建設林業労働組合連盟(BWI)アジア太平洋地域組織、国際労働組合総連合アジア太平洋地域組織(ITUC-AP)、国際産業別労働組合組織アジア太平洋地域組織(GUF-APRO)と共に、2025年12月28日に予定されているミャンマー軍事政権による偽装選挙の拒否とボイコットを求める共同声明を発表した。

9月15日の国際民主主義デーに合わせて発表されたこの声明は、今後の選挙が民主主義への回帰ではなく、非合法な軍事政権による権威主義的支配を正当化しようとする巧妙な試みであると主張している。

2021年2月の軍事クーデター以降、ミャンマーの人々、特に労働者は激化する暴力と弾圧に直面している。5,000人以上の民間人が殺害され、30,000人が恣意的に拘束され、数十万人が避難を余儀なくされた。軍事政権は労働運動を標的とし、民主主義を目指す抵抗運動への関与を理由に151人の労働組合指導者を逮捕し、37人を殺害した。

BWIと共同声明のパートナー団体は、軍事政権が統治機関の名称を「国家行政評議会(SAC)」から「国家安全保障・平和委員会(SSPC)」に変更したことにも警鐘を鳴らした。これは国際制裁を回避しようとする明らかな試みである。

労働組合による行動要請

国際労働組合運動は、ミャンマーの労働者が軍事政権の偽装かつ違法な選挙をボイコットするという強固かつ大規模な意思を支持する。

我々は、各国政府、多国間機関、市民社会、国際労働組合パートナーを含む全ての民主勢力に対し、ミャンマー国民の闘争に連帯し、軍事政権に対する制裁の完全実施と強化を強く求め、人々に対する継続的な弾圧を可能にしている生命線を断つよう、呼びかける。


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