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フランスで開催のAIアクションサミット:多くの使用者が団体交渉、研修、サプライチェーンの公正性に対する支持を示す

2025年2月中旬にフランス・パリで開催されたAI アクションサミットでは、70社以上の使用者が『Pledge for a Trustworthy AI in the World of Work(仕事の世界における信頼できるAIについての誓約)』に署名した。この誓約には、団体交渉や労働組合との協議、トレーニングやスキルアップ、さらにはAIのサプライチェーンにおける労働基準の向上といった重要なコミットメントが含まれている。

この文書は、サミットの重要な成果のひとつであり、企業によるコミットメントをOECD、国際労働機関(ILO)、G7の最新枠組みと整合させ、労働者を代替するのではなく支援するAIの推進を強化するものだ。

サミットにパネリストとして参加したクリスティ・ホフマンUNI書記長は、今回の署名を歓迎し、次のように述べている。

『今回の誓約は、労働者の権利を尊重し、公正な経済を促進する形で人工知能を活用する動きに近づくものであり、先駆的な署名者のリーダーシップを称賛したい。サミット後の数週間で、我々は協力してこれらの誓約を具体的な行動に移さなければならない。つまりAIの影響を受ける人々、およびそのデータサプライチェーンの労働者の両方に対して、社会対話と団体交渉を拡大する上で真の進歩を遂げるということだ。またAIが雇用に影響を与える中、トレーニング、専門知識、スキル構築への投資を増やすことも意味する。これは規制に取って代わるものではなく、公益のためのAIを推進する政策を補完するものだ。我々は今後、使用者、政府、国際機関と協力し、ここに定めたコミットメントを強化し、AIをディーセントワークと経済的正義の推進力とするよう努めていく。』

文書の全文はこちら(英文)から。


フランスでリドル労働者がストライキ

フランスでリドル(食品小売)の従業員が、不十分な賃上げや全店舗での日曜営業を強制とする計画に抗議し、2025年2月7日より無期限ストライキを開始した。

5つの労働組合(UNI加盟の4組織=FO、CFDT、CFTC、CGT、およびCFE)が組織したスト参加者たちは、リドルに対し、労働条件の改善、人員不足の解消、そして従業員の過剰な負担を軽減するため、リドルの業績目標の修正を求めている。

約1,600店舗で45,000人以上の従業員を擁するリドルは、競争の激しいフランス市場において、フランス以外の食品小売業者としては最大の規模を誇っている。だが成長を続けているにもかかわらず、リドルは従業員への投資を十分に行ってこなかった。2022年以降、同社は2,200人以上の従業員を削減し、残った従業員に200万労働時間相当の追加業務を強いている。

この人員削減により、サービス品質の低下を招き、特に小売業界が価格競争に直面する中、リドルの業績に直接的な影響が及んでいる。だが、こうした構造的な問題に対処するために同社は、従業員や店舗運営に投資するのではなく、従業員の給与を削減し、より高い業績目標を課すことで対応してきた。2019年から2024年の間に給与の増加はインフレにほとんど追いついておらず、さまざまな職務の従業員間で給与に大きな格差が生じている。

同社が効率性を追求するあまり、過剰な労働負荷が生じ、特にリドルの倉庫では、すでに業界最悪レベルの事故率がさらに悪化するという憂慮すべき事態が生じている。 一方でリドルが日曜営業の拡大と日曜シフトの義務化に固執していることに対しては、5つの労組すべてが強く反対している。現在、リドル店舗の半分のみが日曜日に営業しており、2016年以前に採用された従業員については、日曜日の勤務は任意となっている。

数か月にわたる交渉の後、2025年2月5日に行われたリドル経営陣と労働組合代表による最終協議は合意に達することなく終了した。要求を拒否する会社に業を煮やした労働者は、「無期限ストライキ」に踏み切った。すべての労働者が同日ストライキを行うわけではないが、今後数日~数週間にわたって、フランス全土のリドル店舗でストライキが実施される予定だ。店舗閉鎖に加え、労働者の要求を発信するためのデモや行動も計画されている。

マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長は、「UNIは適正な賃金と日曜日の休息の権利を要求するフランスのリドル労働者に連帯する。低価格が労働者の生活と福利を犠牲にするものであってはならない。我々はリドルに再考を促し、労働者を尊重し、労働組合との交渉の場に戻るよう強く求める」と述べた。


フィラデルフィアのホールフーズで労働組合が歴史的な勝利を獲得

フィラデルフィアのホールフーズの従業員が、北米食品商業労組(UFCW)の1776支部とともに労働組合を結成した。アマゾン所有の食料品チェーンでは初となるこの歴史的勝利は、高級食品小売業者における多くの勝利の第一歩となることが期待される。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「ホールフーズの労働者は、アマゾンによる攻撃的な組合潰しを乗り越え、職場での発言権を獲得した。この勝利は、米国のホールフーズ労働者だけでなく、世界中のアマゾン労働者にとっても大きな励みとなる。世界で最も強力な企業であっても、労働者が団結して公正な待遇を要求することは阻止できない。それを示す勝利だ」と述べ、労働者の断固とした姿勢を称賛した。

全米労働関係委員会(NLRB)が実施した選挙において、 ホールフーズ・フィラデルフィア店の従業員の大多数がUFCWへの加入に賛成票を投じた。アマゾンは、倉庫、配送業務、そして今回のような食料品店を含む全事業部門で労働組合に対する攻撃を仕掛けてきたが、投票は実施された。

UFCW1776支部のウェンデル・ヤング会長は、「この闘いはまだ終わっていないが、今日の勝利は重要な前進だ」と語り、「我々はホールフーズを交渉の席につかせ、従業員のニーズと優先事項を反映した初めての公正な協定を交渉する準備ができている。フィラデルフィアの従業員は、昨年早くから組合結成に向けた運動を開始した。賃上げ、利用しやすい医療保険、育児支援、ワークライフバランスと労働条件の改善などを要求事項に掲げている」と説明した。

マーク・ペローネUFCWインターナショナル会長は、「我々は今日、自らにふさわしい組合代表を得るために団結したフィラデルフィアのホールフーズ労働者の素晴らしい勝利を祝福したい。この勝利は、団結すればどんな大企業にも立ち向かい、勝利できるという力強いメッセージを、世界中の労働者に送るものだ」と称賛した。

ホールフーズが組合の取組みを理由にフィラデルフィア店の従業員の賃上げを保留にしたことについて、UFCW1776支部はすでにNRLBに申立てを行い、組合支持の従業員に報復したことを非難している。


新たなUNI調査報告書:自動車産業の変革が労働者の課題と組合成長の必要性を浮き彫りに

UNI世界商業部会が委託した新しい調査報告書は、熾烈な競争と自動車産業の大変革の中で良好な労働条件を確保する上で、自動車販売業における組合代表の重要性を強調している。

ルーマニアのシンデックス社が実施した調査報告書『世界の自動車市場の動向と自動車販売業界の変革』の主な調査結果は、以下の通り。

●小売業の従業員数が製造業の従業員数を上回る:自動車製造における新技術とオートメーション、および販売とアフターサービスの大幅な成長により、この業界の雇用構造は変化している。EU(小売業350万人、製造業240万人)や日本(小売業100万人、製造業88万3000人)などの主要市場では、自動車小売業に従事する従業員数が製造業の従業員数を上回っている。

●回復は成長市場が牽引:自動車販売はパンデミックにより大きな打撃を受け、それに続いてサプライチェーンの制約、高インフレ、金利が需給の両方に圧力をかけている。2024年の世界自動車市場は成長を続けているが、2023年よりもペースは鈍化している。欧州、米国、イタリアなどの主要市場は、依然としてパンデミック前の水準に達しておらず、完全な回復にはさらに2⁻3年を要する可能性がある。一方、中国、インド、ASEAN諸国などの成長市場は、パンデミックから回復しただけでなく、パンデミック前の水準を上回っている。

●中国の影響:中国は世界最大の市場であり、最も急速に成長している。小型自動車の販売台数は2,600万台を超え、西欧および中欧の市場を合わせたよりも大きな市場となっている。生産面では、中国の競争相手は既存の企業にとって真の脅威となりつつある。特に電気自動車に関しては、技術面でも価格面でも他に類を見ない競争優位性を持つ中国ブランドは、中国国内および海外市場の両方でシェアを拡大している。その結果、多くの企業にとって中国は収益性を支える鍵であったため、欧州および日本の自動車メーカーは深刻な困難に直面している。

●電動化が業界を変える:電動化は間違いなく、この100年で自動車業界が経験した最も重要な変革である。ハイブリッド車や電気自動車の台頭は、ほんの数年前には予想もできなかったペースで続いている。2023年には、電気自動車(バッテリー電気自動車とプラグインハイブリッド車を含む)が約1,400万台販売された。2019年には電気自動車の市場シェアは約2%であったが、2023年には18%に達した。 政府による規制やインセンティブは、依然として電動化の重要な推進役となっている。

●スマートカーと変化する顧客ニーズ:ソフトウェア・デファインド・ビークル(SDV、スマートカーとも呼ばれる)は、電気自動車と並行して徐々に標準となりつつある。特に成長著しいアジア市場では、ほとんどの顧客がデジタル機能に対してより高い金額を支払うことを惜しまない。従来の自動車メーカーは、より高度なデジタル接続性を求める需要の高まりに対応しようと苦戦しているが、電気自動車メーカーや新規参入企業は、すでにソフトウェア技術に多額の投資を行っているため、変化する顧客ニーズに迅速に対応している。

●「オムニチャネル」の自動車販売モデルが標準に:電気自動車への移行と競争の激化を背景に、従来のフランチャイズディーラーネットワークから代理店モデルや顧客への直接販売モデルへの移行が予測されていた。しかし最近の動向を見ると、新しいパラダイムは、実際には「オムニチャネル」となっており、自動車メーカーは市場の特性に応じて3つの販売組織モデルすべてを展開することになりそうだ。従来のフランチャイズディーラーは今後も残るだろうが、代理店や顧客への直販モデルからの挑戦はますます激しくなるとみられる。

自動車販売業者は、複数の課題に直面している。今回の調査では、自動車販売業者が直面する主な課題として、以下の点が明らかになった。
●自動車販売業界は、小売業界の他部門と比較して、パンデミックからの回復に非常に長い時間を要しており、その結果、自動車販売部門の労働者の権利、労働条件、給与、団体交渉力に一層大きな圧力がかかっている。
●自動車販売の公正な移行のためには、リスキリングやスキルアップがこれまで以上に重要になっている。 電動化、デジタル化、スマートカーへの需要の高まりにより、自動車販売に携わる労働者の働き方、職務、必要なスキルは変化している。
●製造業と小売業の両方で、労働者は中国との競争による悪影響を受けている。 特に欧州の自動車メーカーは、中国市場での業績低下に対応するため、大幅なコスト削減策を発表している。
●フランチャイズディーラーと直営代理店の両方で働く自動車販売の労働者は、高インフレ、高金利、中国メーカーとの価格競争により、さらに大きなプレッシャーにさらされている。自動車メーカーは、ディーラーや自動車販売に携わる労働者の犠牲を払ってでも、利益率と競争力を維持するための新しい方法を模索している。
●フランチャイズから直販または代理店モデルへの移行は、自動車小売業における雇用、業務、スキル、業務量、競争に重大な影響を及ぼす可能性がある。自動車ディーラーへの悪影響は、ディーラーから自動車メーカーへの業務の移行が主な原因となって、雇用が約7%という驚くべき減少を示していることからも、すでに明らかである。

マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長は、「この調査は、自動車販売業界の大変革がもたらす課題から労働者を守るために、この部門における組織化の強化が急務であることを示している。我々は、加盟組織と協力して業界の動向を調査し、国際的な交流と連帯を通じて自動車販売業における組合の力をさらに強化する機会を模索していきたい」とコメントした。

UNI世界商業部会自動車販売労組ネットワークは、日本のUNI加盟組織である自動車総連の提案により、5年前に結成された。2020年と2022年に2度のオンライン会議を経て、2023年にイタリアで、2024年にはトルコで、対面式の会議が開催された。次回の会議は2025年後半にマレーシアで開催される予定である。

UNI世界商業部会は、ルーマニアのシンデックス社と提携し、毎年この部門の調査を実施している。最新の報告書の日本語訳はこちらから。


人権デューディリジェンス:労働組合のための新たなツールが形に

労働者の権利を保護する労働組合の力を強化するための新たな取組みが具体化しつつある。UNIがドイツの労働組合総連合DGBおよびフリードリヒ・エーベルト財団(FES)と提携し、2025年に人権デューディリジェンス・コンピテンスセンターを設立する。センターの目的は、労働組合が新しい人権デューディリジェンス法を活用して労働者の権利を効果的に保護できるようにすることだ。

任意の企業責任から企業責任の義務化へ
OECD多国籍企業行動指針や国連ビジネスと人権に関する指導原則など、従来の任意の規範を基に、ドイツ、フランス、EUの人権デューディリジェンス法は、グローバルな事業活動やサプライチェーン全体を通じて、労働者の基本的権利を含む人権尊重を確保するため、大企業に法的拘束力のある義務を課している。多くのグローバル・サプライチェーンが存在するアジア太平洋地域の労働組合にとっては、多国籍企業との社会対話を強化する大きな機会となる。この法律は、企業に対してグローバルおよびローカルの両レベルで労働組合などのステークホルダーと関わることを義務づけており、労働者の権利問題に関するより体系的で有意義な社会対話を促進する可能性をもつ。

今後開設されるコンピテンスセンターは、次の3つの重点分野を通じて、欧州の法律とグローバルレベルでの実施との間のギャップを埋めることが期待される。
●デューディリジェンス法を効果的に活用するための労働組合の能力強化
●労働者の権利への影響に関する具体事例への支援
●企業および政策立案者に対する人権デューディリジェンス法の効果的な実施の提唱
●協議ワークショップ

2025年1月15日にはオンラインでの協議ワークショップが開催され、UNI加盟組織、姉妹GUF組織、そしてアジア太平洋・アフリカ全域のFES各国担当者ら60人以上の参加者が集まった。このワークショップは2025年初の重要なイベントであり、2024年9月に開始した一連の協議の一部を成すものだ。

ブリタ・ウッツFESサハラ以南アフリカ地域労組コーディネーター、モニカ・テッパーITUC法務担当官、そしてUNIのミリアム・ニール氏が共同で進行役を務めたワークショップでは、人権デューディリジェンスの実施における労働組合の以下のような重要な役割が強調された。
●企業のデューディリジェンス方針および管理システムに関する対話への参加
●労働者の基本的権利に影響を与える問題を企業に通知する
●適切な是正措置について労働者を協議する
●デューディリジェンスの不備を明らかにするために企業の報告書を精査する
●企業が適切なデューディリジェンスを実施しない場合の説明責任を徹底する

参加者は、グローバル枠組み協定の強化、労働者からの苦情に対する信頼性できる申し立てメカニズムの確立、実施体制の利用など、人権デューディリジェンス法の潜在的な影響を示すいくつかの具体的事例を検討した。


2025ダボス会議:UNI書記長、不平等なAIへの緊急対応とソーシャルメディアの説明責任を求める

労働者が参加しなければ、人工知能などの新しいテクノロジーは、世界的な不平等を深刻化させ、少数のエリート層に権力をさらに集中させるリスクがある ー クリスティ・ホフマンUNI書記長は、2025年1月に開催されるダボス会議(世界経済フォーラム)で、企業リーダーや政策立案者に対して厳しい警告を発する予定だ

同書記長は、「わずか2年の間に、多くの使用者の間で交わされるAIに関する会話は、労働者の能力を向上させることから労働者を代替することへと変化してきた。その間、ほんの一握りの企業が、この変革を推進するモデルを手中に収めつつある」と指摘し、「AIの導入方法を決定する会議に労働者が参加しなければ、AIは価値あるイノベーションではなく、不平等を助長するエンジンとなってしまうだろう。我々の民主主義、コミュニティ、経済は、新しい仕事の世界において労働者が発言権を持てるようにするため、労働者へのパワーシフトのない時間をもう1年も続ける余裕はない」と語気を強める。

同書記長にとってもう一つの重要な懸念は、ソーシャルメディアのプラットフォームが、サイト全体で正確で安全なコンテンツに対する責任を負うことを拒否する傾向が強まっていることだ。UNIの加盟組織は、メタやアルファベットなどの企業に直接雇用されているテック系従業員だけでなく、コンテンツの管理や大規模な言語モデルのトレーニングを行うデータサプライチェーンの労働者も代表している。

ホフマン書記長は「デマ、暴力、グロテスクなディープフェイクといった反民主主義的な勢力はますます強大化し、今まさに目前に迫ろうとしている。 プロフェッショナルで、十分な訓練を受け、十分な報酬を支払われたモデレーターの集団が、倫理的なAIによって強化されなければ、ソーシャルメディアの優れた機能の多くが奪われてしまうだろう。テック大手企業がこうした第一線で働く労働者たちに投資して我々を守ろうとしないのであれば、彼らは事実上、この混乱を招き入れているようなものだ」と懸念を表明した。そして、米国や欧州、その他の地域で規制や権利の後退を推し進めているイーロン・マスク、ジェフ・ベゾス、マーク・ザッカーバーグのようなテック界の大物の影響力を相殺するためには、労働組合が必要だと主張した。

デジタル時代のディーセントワークに関して世界レベルで議論をリードするホフマン書記長は、日々、新たなテクノロジーがもたらす影響に直面している労働者を代表する数少ないダボス会議参加者の一人でもある。

関連記事はこちらから: Why digital trust depends on workers | World Economic Forum


韓国における民主主義の危機に関するUNI Apro声明

UNIアジア太平洋地域組織(UNI Apro)は、アジア太平洋地域全域のサービス産業の労働組合の組合員を代表し、2024年12月3日午後10時30分(現地時間)に韓国のユン・ソンニョル政権が発令した前例のない戒厳令について、深い懸念を表明する。国会の断固たる行動により、12月4日午前4時30分(韓国標準時)に戒厳令は撤回されたものの、民主的諸制度に対するこの攻撃の重大性を軽視することはできない。

戒厳令の宣言は、韓国の権威主義的な過去、特に韓国が今日誇らしく体現している民主主義のために人々が闘い、犠牲を払った1980年代の悲劇的な出来事を想起させる悪夢のような記憶を呼び起こした。夜のソウル上空を飛び交う軍用ヘリコプターの不気味で鋭い音が、暗黒時代の不穏な響きを強く呼び起こした。

国会議員たちが慌ただしく国会に向かうという劇的な場面が繰り広げられ、国会職員や補佐官等が、議会開催を阻止しようとする警察や軍人らに対して人間のバリケードを張った。韓国の民主主義を守るべく、早朝からおよそ3万人の人々が国会議事堂に押し寄せたが、武装した部隊が国会議事堂に侵入しようとしている憂慮すべき映像も流れた。

この宣言は、憲法上のいかなる正当な根拠も欠いており、アジアおよび国際社会全体に衝撃を与えた。この危機は国内外で、経済的不確実性と市場の不安定化を招いた。

アジア太平洋地域が民主的統治に対する数々の課題に直面する中、韓国の堅固な民主主義は、世界中の国々にとってインスピレーションの源であった。アジアで最も堅固な民主主義国家の一つにおけるこの前例のない行動は、地域の安定と民主主義制度に対する深刻な懸念を引き起こしている。

韓国のUNI加盟組織は、ユン政権に対して、反組合政策を放棄し、国会で可決された法案の拒否など、民主的手続きを無視するやり方を断つよう、一貫して求めてきた。戒厳令の宣言は、大統領権限が民主的決定を覆し、労働者や一般市民の声を封じこめるために行使されたことを示す明白な証拠である。

イ・ジェジン議長が率いる、韓国のUNI加盟組織の連合体であるUNI韓国加盟組織連絡協議会(UNI KLC)の組合は、戒厳令の宣布にあたり、迅速かつ断固とした対応を示した。組合は、この違憲行為を民主的機関と労働者の権利に対する重大な脅威として非難し、憲法秩序を回復し民主的自由を守るための即時措置を共同で求めた。

11月20日から22日にタイ・バンコクで開催された第6回UNI Apro地域大会では、代表団が、基本的権利の保護と労働条件の改善を求める韓国のUNI加盟組織の闘いを支援する声明を採択した。この地域的な連帯の表明は、特に最近の出来事を鑑みて、より重要性を増している。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、次のように表明している。「戒厳令の宣言は、労働者の権利と自由に対する直接的な攻撃である。この布告は、あらゆるストライキと集会を明確に禁止しており、合法的な組合活動を一夜にして事実上犯罪化するものだ。民主的制度を守るために韓国の労働運動が市民社会とともに迅速に対応したことは、民主主義を守る上で組織化された労働者が果たす重要な役割を示している。UNI Aproと地域の加盟組織は、韓国の仲間と連帯して動員する用意を整えている」

多大な犠牲を払って勝ち取ったこの民主主義が、無責任な政治的駆け引きによって損なわれてはならない。我々は、結社の自由や表現の自由の保証を含む真の民主的統治の回復を求める韓国の加盟組織を断固として支持する。

我々は韓国政府に対し、独裁的な道から離れ、平和的かつ民主的な手段によって社会を正常化するよう迅速に動くことを強く求める。韓国の民主的機関を維持する余地はまだ残されているが、早急な対応が不可欠である。


アマゾンの反労働者・反民主主義的慣行に対する「Make Amazon Pay」世界的抗議行動とストライキに参加を!

1年の中で最大のショッピングウィークの一つ、ブラックフライデーからサイバーマンデーにかけての期間に、6大陸にまたがるアマゾンの労働者と仲間たちが、「Make Amazon Pay」(=アマゾンに支払わせよう)の旗印の下、ストライキと抗議行動を行う。UNIとプログレッシブ・インターナショナルの主導で、2024年11月29日から12月2日にかけて実施されるこの行動は、アマゾンの労働者への虐待、環境破壊、民主主義への脅威について、責任を追及することが目的だ。

労働組合や税の正義を求める団体、反貧困、衣料品労働者の権利を守る団体などが、米国、英国、ドイツ、日本、ブラジルの主要都市を含む20カ国以上でデモを計画している。ドイツでは今年、グラベン、ドルトムント・ヴェルネ、バート・ヘルスフェルト、ライプチヒ、コブレンツ、ラインベルクのアマゾン倉庫で数千人の労働者がストライキを行う。ニューデリーでは数百人のアマゾン労働者が集会を開き、7月の夏の大熱波の際にアマゾンが労働者を酷使したことを受けて、公正な待遇を要求する。 フランスでは、ATTAC(金融取引に課税を求める団体)がフランス全土の複数の都市で抗議行動を行う。また、バングラデシュでは、衣料品労働者が街頭で抗議行動を行う。

今年で5年目となるMake Amazon Pay世界行動デーは、ブラックフライデーから週末にかけて継続される。このキャンペーンは、世界中でアマゾンの責任を追及する運動を活発化させている。過去には、ドイツ、フランス 、スペイン、英国、イタリアの各施設で数千人の労働者がストを行い、バングラデシュでは衣料品労働者が街頭に立ち、米国では労働者がストを実施した。また、世界中のアマゾン事務所建物にMake Amazon Payのロゴ、そしてジェフ・ベゾスの邸宅には「pandemic profiteer=パンデミックで暴利を貪る者」の文字が投影され、気候変動活動家が欧州3カ国のアマゾン倉庫の封鎖を行った。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は 「アマゾンのあくなき利益追求は、労働者、環境、民主主義を犠牲にしている」と批判、「ベゾスの会社は、労働者の組織化を阻止するために何百万ドルもの資金を費やしてきたが、世界中で起きているストライキや抗議行動は、労働者の正義への願い、つまり組合によって代表されることへの願いを止めることができないということを示している。アマゾンが労働者を公平に扱い、基本的権利を尊重し、全ての労働者を保護する制度を弱体化させないよう、我々は一致して要求する。Make Amazon Pay世界行動デーは、アマゾンの権力乱用に対する世界的な抵抗行動だ」と語った。

そして、最近のいくつかの出来事によって、アマゾンの民主主義への影響力がクローズアップされている。アマゾンが欧州全域でロビー活動への支出を 数百万ドルも過少に報告していることが報告され、また同社が公聴会への参加を拒否していることから、欧州議会は同社のロビイストを追放した。米国では、アマゾンが全国労働関係委員会(NLRB)の合憲性を争う訴訟を起こしたことで、米国のすべての労働者の保護が弱まる恐れがある。

労働者や組合は、世界各地でアマゾンの組合潰しに抵抗している。米国では、アラバマ州の倉庫労働者に対するアマゾンの戦術があまりに極端だったため、連邦政府は最初の組合投票を無効とし、2回目の選挙と今回の3回目の選挙を強行した。カナダ、ドイツ、英国では、アマゾンが労働者を脅迫して組合結成を阻止したとして非難されている。例えば、ドイツの労組ver.diは、アマゾンに団体交渉基準を遵守するよう10年間求めてきた。インドでは、UNIが支援するインドアマゾン労組のメンバーが、酷暑の中での労働条件の改善を求めている。

グローバルな抵抗の日
プログレッシブ・インターナショナルのヴァーシャ・ガンディコタ・ネルトラ共同事務局長は「アマゾンはいたるところにあるが、我々もいたるところにいる。国境を越えて我々の運動が団結すれば、アマゾンにやり方を変えさせるだけでなく、ジェフ・ベゾスの銀行残高ではなく人間の尊厳を優先する世界の礎を築くことができる」と述べた。

このキャンペーンの要求は、規制当局の共感も呼んでおり、進歩的な立法の勝利を後押ししている。米国では、カリフォルニア、ミネソタ、オレゴン、ニューヨーク、ワシントンなど、複数の州がアマゾン倉庫における劣悪な労働条件に直接対処する法律を可決した。英国では、労働組合の認定手続きを簡素化する従業員権利法案が現在議会で審議中であり、EUでは、欧州におけるアマゾンの安全対策が調査されている。

UNIとプログレッシブ・インターナショナルが共同で呼びかける「Make Amazon Pay 」には、UNI、プログレッシブ・インターナショナル、グリーンピース、350.org、タックス・ジャスティス・ネットワーク、アマゾン・ワーカーズ・インターナショナルなど、80を超える労働組合、市民団体、環境保護活動家、税制監視団体が参加する。このキャンペーンは、アマゾンが労働者に公正な賃金を支払い、労働組合への加入権を尊重し、適正な税金を支払い、真の環境持続可能性に取り組むという共通の要求を掲げて団結している。

Make Amazon Pay 世界行動デーについて
Make Amazon Pay 世界行動デーは、2020年のブラックフライデーに UNIとプログレッシブ・インターナショナルによって開始された。毎年、この運動は拡大し、アマゾンに対して利益よりも人々を優先するよう求める労働組合、活動家、支援者団体の取組みを結びつけている。30以上の労働組合、環境保護団体、市民団体が参加する Make Amazon Pay世界行動デーは、体系的な変化を求める結束した呼びかけで、アマゾンの力に挑戦する日となっている。


UNI Apro地域大会最終日、変革の原動力を生み出す

第6回UNI Apro地域大会において、UNI加盟組織は、次の4年間で変革を起こすべく、団結し、共に立ち上がった。2024 年11月20~22日にかけてタイ・バンコクで開催された第6回UNI Apro地域大会には、22カ国の組合からおよそ600名が参加した。

デジタル時代のディーセント・ワークのために、共に変革しよう(動議4)
地域大会の最終日は、デジタル時代におけるディーセントワークの実現に向けた、公正な移行に関する議論から始まった。

パネル討議に参加した鈴木克彦代議員(日本、情報労連)は、「日本では労働人口が減少する中、自動化やAIはプロセスを効率化し、労働力不足に直面する産業をサポートするツールとして期待されている」としつつ、倫理性の欠如によって労働者の権利を蔑ろにするリスクをはらんでいることを指摘した。そして、AIが労働者を支え、労働者の権利を守り、労働環境を改善するためのツールとなるよう、労働組合が積極的に関与し、会社と協議していかなければならない、とまとめた。

デニス・マガ代議員(ニュージーランド、FIRST Union)は、労働者がスキルアップや再技能教育プログラムを受けたり、つながらない権利を行使できるようにするための団体交渉の必要性を強調した。さらに、AI関連の移行を管理する上での労働組合と使用者間の強固な対話の重要性を強調し、AI主導の変化の影響を受ける労働者を保護するための社会所得保険や積極的労働市場プログラムなどの制度的な措置の必要性を訴えた。

フロアから発言した橋本大樹代議員(日本、損保労連)は、緊急性が高くない場合であっても、評価を気にして上司からの連絡に対応してしまう等、「つながらない」ことを選択しづらい状況が存在している実態を指摘し、勤務時間外のおけるコミュニケーションツールの使用等に関するルール策定の整備を進め、つながらないことを選択しやすい環境整備の重要性を訴えた。

暴力やハラスメントのない健康で安全な職場のために、共に変革しよう(動議5)
並木泰宗UNI Apro副会長(日本、自動車総連)がセッション司会を務め、「安全で衛生的な職場で働くことは基本的権利であり、UNIと加盟組織は、世界中でこの権利の実現に向けて立ち上がり続けなければならない」と挨拶した。

ILOバンコク事務所の氏田由可 労働安全衛生上席専門家が、2022年にILOが基本的人権として定めた労働安全衛生について、基調講演を行った。「労働安全衛生は、組合が職場における基本的人権の意識を高めるための非常に良い出発点となる」と述べた上で「毎年、過重労働が原因で、25万人が心臓病や脳卒中で命を落としている。アジア太平洋地域では、世界でも最も深刻な過重労働の問題に直面しており、この地域にとって喫緊の課題だ」と指摘した。

パネリストの永島智子代議員(日本、UAゼンセン)は、「サービスを受ける側も提供する側も共に尊重される社会を創る!」をコンセプトにしたカスタマーハラスメントの取組みについて報告した。アンケートによる実態調査を基に、厚労省や地方自治体行政への要請や、同組織出身の議員による国会での課題提起などを行った結果、2022年には厚労省のカスタマーハラスメント対策が予算化され、政府による広報ツール等が作成され、社会的にも認知されるようになったこと、東京都が日本初の「カスタマーハラスメント防止条例」を成立させ、2025年4月から施行されること等を共有した。

プレムカラ・サンバハンペ代議員(ネパール、NTEAN)は、労働組合が交渉によって、負傷した技術者の医療費負担を含む労働者の福祉の大幅な改善を実現した経緯を説明し、「安全な職場は、業績、評判、コンプライアンスを向上させ、労働安全衛生への投資を不可欠なものとする」と述べた。

また、熊谷芙美子代議員(日本、自動車総連)は、同組織による労働災害撲滅の取組みについて報告した。類似災害発生防止のために事例を共有し、加盟組織の安全衛生担当者と必要な対策を協議していると述べ、今後は重大災害の発生原因をさらに深く分析し、職場での再発防止意識を徹底するなど、より一層の取組みが必要だと発言した。

社会対話やパートナーシップ労使関係を通じて、持続可能な未来のために共に変革しよう(動議6)
最終セッションでは、技術革新と世界的な不確実性の時代における社会対話の重要性が強調された。

ゲストスピーカーとして参加したロドラ・ババランASEAN人材開発局長は、AI、自動化、リモートワークがもたらす変化は、使用者や政策立案者だけでなく、労働組合も適応する必要があり、そうすることで労働者が団体交渉権やディーセントワークを享受できると述べた。

スブラマニアム代議員(シンガポール、UTES)は、シンガポールの強固な三者構成の枠組みを紹介し、政労使が協力し、2025年の目標である2,500社を上回る2,700社以上の企業研修委員会を設立、労働者の研修プログラムを共同で策定していると報告した。また、「労働者にスキルアップや再教育を奨励することで、彼らの雇用可能性が将来の仕事にも対応できることを保証している」と付言した。

パネリストの市川勝也代議員(日本、生保労連)は、労使が連携して諸課題に対応していくことが重要との認識から、金融産業では初となる「働き方改革に向けた生保産業労使共同宣言」が採択され、また2024年には「社会的使命達成に向けた生保産業労使共同宣言」の採択が実現したことを報告した。そして地域社会の諸課題の解決に向けた「地域社会共創フォーラム」を開催し、労使共同宣言を共に交わした経営者団体である生命保険協会もパネラーとして参加、労使一体となって課題解決策を話し合ったことなどを共有した。

同じくパネルに登壇した深見正弘代議員(日本、全労金)は、同組織が参加する協同組織産別・単組連絡会の活動について説明するとともに、雇用創出や持続可能な開発に貢献し、UNI やUNI Aproの運動とも合致する協同組合の意義について語った。そして国連の定める2025年の国際協同組合年に向けて、協同組合の貢献について認知度を高め、持続可能な開発に向けて協同組合が発展するよう、政府や関係機関に働きかけていくことについて、ともに取組むことを提起した。

また、労済労連の上杉雄太代議員も、「協同組合は生活をより良くしたいと願う人びとが自主的に集まって事業を行い、その事業の利用を中心にしながら、みんなで活動を進めていく、営利を目的としない組織」であると説明した。また連絡会による今年のシンポジウムでは、協同組合の社会的責任と可能性をテーマに学んだことを報告し、最後に「2025国際協同組合年」を盛り上げていくことを大会に要請した。

磯山直樹代議員(日本、UAZ)は、職場の課題については、企業別労組がパートナーシップ労使関係に基づき、経営側と労使協議や団体交渉を行い、解決に取組んでいるとした上で、税金や社会保障、労働法制、カスタマーハラスメント等の社会課題については、政治活動に積極的に取組む必要があると発言した。ただし若い組合員の政治への関心の低さが課題であるとし、所属する企業別労組では、若手組合員を対象に、国会見学などの政治研修会を実施していることを紹介した。

全ての動議について採択が行われ、満場一致で承認された。最後に、UNI Aproの新たな執行部について選挙が行われ、過去5年にわたってこの地域におけるUNIの取組みを主導してきた成果と実績が認められ、UAゼンセンの松浦明彦UNI Apro会長と、ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長が再選された。また、UNI Apro執行委員会の新メンバーも大会で承認された。

安藤京一UNI副会長は、閉会挨拶の中で、気候変動や民主主義への脅威、一部の巨大多国籍企業による不当行為といったリスクにさらされ続ける中、すべての労働者が安心・安全に働けるようにするためには、グローバルな連帯が必要であり、UNI Aproに集う加盟組織がこれまで以上に一致団結しなければならないと訴えた。そして、新たに選出されたUNI Apro執行部を祝福し、UNI Aproの運動を牽引し、より良い将来の構築に向けてイニシアチブを発揮して頂きたいと述べ、締めくくった。


UNI Apro地域大会2日目:アジア太平洋地域における労働者の力を高める鍵は、連帯と組織化

激動する世界における国際連帯の緊急性は、UNI Apro地域大会2日目でも繰り返し取り上げられた。クリスティ・ホフマンUNI書記長は、基調講演の中で「我々は、AI、気候変動、労働組合を消滅させようとする圧政や少数独裁政治といった課題に直面し、今も組織化と成長という困難な闘いに立ち向かっている。地政学的な緊張関係が、あらゆる方向に発展する可能性がある。だからこそ、我々は互いを必要としている。世界はこれまで以上に労働組合運動の断固たる決意を必要としており、UNIはその中心となっていこう」と呼びかけた。

ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長は、企業欲に駆られた市場主導の親企業政策の台頭、労働基準を弱体化させる多国籍企業の前例のない影響力など、この地域における多くの課題を指摘した。同時に、各国政府は団結権に対する規制を強めており、ギグエコノミーの急速な拡大により、この問題はさらに深刻化している。物流、配送、Eコマースなどの分野では、プラットフォームワーカーやギグワーカーが深刻な搾取に直面している。同書記長は「この地域が経済的に成長するにつれ、エリート層だけでなく、すべての人々がその恩恵を受けられるよう、我々は闘っていく」と力強く宣言した。

組合の力を高めるために、共に変革しよう(動議1)
Apro地域における組織化の成功例が、数多く紹介された。

ダルメンドラ・クマール代議員(インド、アマゾン労組)は、組合潰しにも負けず組合を結成し、州のデジタル決済システム入札へのアマゾンの参加阻止、アマゾンが施設を閉鎖した際に解雇された800人以上の労働者に対する5か月分の賃金獲得など、数多くの成果を挙げたことを強調した。

ニコール・マクファーソン代議員(オーストラリア、金融産業労組)は、デジタル時代における労働者保護に関する組合の取組みについて報告した。同労組は、データセキュリティ、雇用保護、AIに関する労働者を交えた協議について、業界初の権利を獲得し、これにより、組合員は職場でのAIの利用方法を確実に管理できるようになる、と述べた。

木村美咲代議員(日本、UAゼンセン)は、自身が中央副書記長を務めるスギ薬局ユニオンの組織化について報告した。従来パート社員の組織率は5%であったが、パート社員組織化の重要性について会社側に説明して協定書を締結、店長の協力を得てパート社員一人ずつに丁寧に説明した結果、昨年パートタイム社員全員の組織化が実現した。SMSで気軽に労働相談ができるよう環境を整え、パート組合員向けのイベントを新たに企画する等、組合活動参加・参画への入り口を広げる活動にも取組んでいる。

平等と包摂のために、共に変革しよう(動議2)
はじめに中田綾子女性委員会議長(日本、UAゼンセン)が、座長として前日の女性大会の成果を報告するとともに、動議2の概要を説明した。

UNI Apro女性委員会議長代行に選出されたバブニート・カウール・アラン代議員(インド、AIBOBOA)は、過去3年間で1,300人以上の女性を支援し、51人の女性リーダー誕生につながったUNIのメンタリング・プログラムの成果を強調し、「若い女性のリーダーシップに投資すれば、職場での平等を推進する有能なリーダーの強固なパイプラインを構築できる」と訴えた。

また、パネルに参加した山口由紀子代議員(日本、UAゼンセン)は、組合員の6割が女性であるにも関わらず、女性の組合リーダーが少ないという課題について、同組織が取組む『女性ネクストリーダー会議』について説明した。同会議では、ジェンダー平等の実現と、女性トップリーダーの育成に向けた課題と必要な対応について議論し、その結果を流通部門の執行委員会に提案している。また、働く女性の健康支援の取組みとして、加盟組合への啓発活動を進めており、その成果は積立有給休暇を不妊治療に適用拡大することや、生理休暇の名称を変更し、更年期症状にも使えるようにすることなど、団体交渉にも表れている、と発言した。

同じくパネリストの三﨑友香里代議員(日本、大日本印刷労組)は、「性別や働き方に関わらず、すべての人が誇りをもって働けるように」との思いから始まった同組織の「MiMoSa」プロジェクトについて共有した。女性だけに焦点を当てるのではなく、セミナーではマイノリティと言われる人たちが感じた壁や必要とするサポートに多くの人が耳を傾け、共感したり、気づきを得たりするような取組みを行っている。

また永渕達也代議員(日本、情報労連)は、若者の過労死や、いわゆるブラックバイト等の状況に触れ、学生に対する労働教育が重要であるとの観点から、同労連による「明日知恵塾」の取組みを紹介した。労働に対する想像と現実のギャップを埋めるため、社会に出ていく学生に対して労働者としての実体験を共有し、労働組合の存在や必要性について伝えている。今後も労働組合の立場から、若者に対するワークルール教育に携わっていきたいと語った。

フロアから発言した藤原達矢代議員(日本、大日本印刷労組)は、同組織における男性育休制度の理解促進と、育休取得満足度の向上にむけた活動について紹介した。男性育休取得率は大幅に増加しているとしつつ、取得期間については満足度の低い人もいることから、育休取得経験者の声をもとに、体験談のシェア、収入面や人事評価への影響、復帰後の働き方などを伝える活動をしている。

民主主義、人権、労働組合の権利のために、共に変革しよう(動議3)
石川幸德UNI Apro副会長(日本、JP労組)が司会を務めた本セッションでは、はじめにユユン・ワヒュニンラムASEAN人権政府間委員会インドネシア代表が基調講演を行った。「世界がアジア太平洋地域を世界的な成長の原動力として注目する中、この進歩が包摂的で公正なものとなるようにしていく必要がある。搾取ではなく公平性、排除ではなくエンパワーメントに根ざしてたものにしていかなければならない」と呼びかけ、議論の口火を切った。

フィル・ロバートソン・アジア人権労働擁護団体事務局長は、この地域の深刻な人権状況について説明し、国際労働組合総連合(ITUC)が2024年に発表した『グローバル・ライツ・インデックス』において、労働者の権利ワースト10の中にアジア3カ国が挙げられていることに言及した。その一つ、現在2万人以上の政治犯が収監されているミャンマーにおいては、労働組合は禁止され、何千人もの民間人が殺害され、数百万人が国外に流出しており、同氏はミャンマーの人々を支援するよう国際社会に強く求めた。

地域大会には、マウン・マウン・ミャンマー労働組合総連合(CTUM)会長からのビデオメッセージが寄せられ、ミャンマーの労働者と民主主義を支援するUNIの取組み、特に多国籍銀行に対して軍事政権に関与する企業から投資撤退を要請する取組みについて、感謝の意が表された。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、「組合の強さ、団結、正義への献身が、アジア太平洋地域のすべての労働者のより良い未来のために闘う我々を導いてくれる。皆さんのたゆまぬ努力、勇気、そして揺るぎない連帯に感謝したい。共に、すべての人にとって公平で公平な仕事の世界に向けて前進し続けよう、共に変革を!」と国際連帯の重要性を強く呼びかけた。

一方、フロアから発言した安達正美代議員(日本、JP労組)は、同労組が行っているウクライナ郵便労組へのカンパ活動や、「連合」を通じた平和4行動、平和についての次世代への継承活動、学習会などを通じた政治への関心を高め民主主義を守る取組み等を紹介し、民主主義・人権・労働組合の権利のために、引き続き尽力していきたいと語った。


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