カスタマーハラスメント(悪質クレーム)対策のさらなる強化に向けて

2020年12月3日、UAゼンセンは参議院会館にて悪質クレーム対策に関する集会を開催し、国会議員80名超を含む参加者約200名に対し、さらなる法整備や世論喚起の必要性を訴えた。

コロナ禍において、小売業・接客サービス業の従業員は感染リスクを抱えながら業務にあたってきたが、今次調査において、組合員の5人に1人が新型コロナウイルスの影響による迷惑行為を受けたと回答した。

それにもかかわらず、4割以上の企業で顧客からのハラスメントに対する対策がなされていないことも本調査で明らかとなった。厚生労働省は本集会の中で、対策として来年度予算に1,700万円を計上し、具体的なマニュアルの策定や企業に対する周知等の対策を実施することを紹介した。

つづいて、悪質クレームなどの迷惑行為を受けた対応者のストレスの実態の顕在化と悪質クレームの要件を定義する学術研究結果が報告された。過度な迷惑行為については、既存の刑法によって強要、威力業務妨害、暴行の罪で、懲役3年以下、罰金50万円以下の刑を受ける可能性がある。しかし、暴言や長時間拘束など多くの事象は立証に向けた判断が難しいことも多く、企業の対策も義務化されていないため、これまで迷惑行為を受ける従業員は充分に保護されていなかった。
今回の調査で明確化された悪質クレームの定義を踏まえ、UAゼンセンは、労働者のさらなる保護を求め、迷惑行為を未然に防止するための新たな法律制定を目指していく。

UAゼンセンはこれまでもPR動画による啓発や3省庁共同による買い物ルールのポスター作成実現などの具体的成果に結びつけてきた。UAゼンセンは今後も「企業の悪質クレーマー対策教育の徹底」「消費者への啓発活動」「迷惑行為防止のための法整備」を重点に今後も取り組みを継続する。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、「UAゼンセンの素晴らしい取組みに心から敬意を表したい。コロナ禍が収束した後も、顧客からの悪質クレームから流通労働者がきちんと守られるだろうと期待している」と述べ、日本において状況が改善しつつあることを喜んだ。
UAゼンセンの取組みは、UNI Aproの仲間にとって非常に心強いものであり、加盟組織が倣うべき模範となるだろう。