
米欧貿易関係の緊張が高まる中、UNI欧州は欧州諸機関に対し、米国企業との公共調達契約(アマゾンウェブサービス=AWSとの契約を含む)の包括的な見直しを行うよう強く求めている。トランプ米大統領が2025年4月2日にEU輸出品に対する包括的な関税を発表する予定であるという報道を受け、UNI欧州は、欧州が自国の経済主権、民主的価値、労働者の権利を保護するための断固とした措置を講じる必要があると確信している。
4月1日、欧州委員会のウルスラ・フォン・デア・ライエン委員長は「強力な報復策」を示唆する発言を行い、米国のテック企業を公共調達契約から除外するなど、米国のサービス部門における黒字を標的にする可能性がある。AWSは、2019年から2021にかけて13億ユーロ以上の公共契約を獲得し、2020~2022年の間には、さまざまなEU総局との間で結んだ契約で約3000万ユーロを獲得している。
同社は一貫して、欧州の社会モデルを支える原則そのものを軽視してきた。世界中で、アマゾンは労働組合に対して攻撃的な悪名高いキャンペーンを展開し、労働者の団結権、団体交渉権といった基本的な権利を否定してきた。このような行動は、労働の尊厳、社会対話、公正な労働条件に対する権利を掲げる欧州の価値観とは完全に矛盾したものだ。これらの原則を積極的に侵害する企業と公共契約を結ぶことは容認できない。最近の調査では、EU市民の83%が、組合潰しや低賃金企業を公共契約から排除すべきだと回答している。
さらにアマゾンは、欧州議会への出席を繰り返し拒否し、ついには同社のロビイストバッジが取り上げられるまでに至っており、欧州機関と誠意を持って関わる意思があるのかという重大な疑念が生じている。このような結果に直面したのは、モンサントという企業だけである。これは、アマゾンがEUのガバナンスと説明責任を軽視していることの深刻さを浮き彫りにしている。
アマゾンの経営陣の政治的信条も厳しく精査されるべきである。創業者ジェフ・ベゾス氏とアンディ・ジャシーCEOの下、アマゾンはトランプ政権と密接に連携している。トランプ政権は、貿易戦争から欧米の同盟関係の意図的な弱体化まで、欧州の利益に敵対する政策を公然と追求している政府である。EUは、アマゾン経営陣が再び欧州の社会モデルに対する義務よりもワシントンへの政治的忠誠を優先するリスクを無視することはできない。
とりわけ、アマゾンが米国の国家安全保障機構と深く関わっていることは、欧州のデータ保護に関して重大な懸念を提起している。AWSは、情報機関を含む米国政府の主要な請負業者であり、アマゾンのサーバーに保存されている欧州の機密情報が、米国の政治的または安全保障上の利益から保護されていると信じるに足る理由はない。大西洋を挟んだ貿易関係に敵対的な力学が現れていることを踏まえると、AWSに欧州の重要なデータを管理させることは容認できないリスクをはらんでいる。
このような背景を踏まえ、我々は欧州委員会およびその他の関連機関に対し、以下の措置を検討するよう呼びかける。
- AWSとの既存および計画中の公共契約について、徹底的な見直しを行う。
- 公契約の締結及び継続にあたっては、労働者の権利に対する同社のこれまでの経緯を重要な基準として考慮する。
- 団体協約の交渉や実施を拒否する企業が公共契約から排除されることを保証する。
- EUの中核的価値を損なう企業に公的資金が渡らないよう、既存の規制手段の利用を検討する。
欧州連合には、戦略的な自立性を維持する義務と手段がある。欧州の強みは、その経済規模のみにあるのでなく、社会的な公正さ、民主的ガバナンス、人権の尊重に対する取り組みにもある。公共調達は、これらの慣行を反映したものでなければならない。デジタル領域における主権、労働者の権利、民主的価値を、これら3つすべてに対して敵意を示してきた企業の手に委ねるわけにはいかない。