
人工知能システムの訓練とテストを支える数千人の米国のデータ作業員が、低賃金、無給待機時間、保護措置の不足といった状況に直面している。2025年9月30日にアルファベット労働組合(CWA)とTechEquityが発表した報告書によって明らかになった。
『機械の中のゴーストワーカーズ』と題された本報告書は、160人の労働者へのアンケートと15件のインタビューに基づき、こうした労働者が広範に抱える経済不安を明らかにしている。回答者の86%が生活必需品の確保を懸念し、4分の1が主に食料と医療費のために公的支援に依存している。週29時間の有給労働に対する賃金の中央値は時給15ドル——年間所得はわずか22,620ドルである。
クリスティ・ホフマンUNI書記長は「AI革命の背後に潜む不都合な真実とは、低賃金で過酷な専門業務を担う影の労働者層を犠牲に、莫大な富と権力が頂点へ集中していることだ」と指摘し、「ビッグテックは使い捨て労働力では未来を築けない。シリコンバレーの大企業にAIサプライチェーンの労働環境について責任を問う時だ。データ供給に携わる労働者は、これらのシステムを全ての人にとってより安全で公平なものにするため、自由に組織化し交渉する権利を持たねばならない」と述べた。
報告書は四つの主要課題を指摘している。つまり、低賃金と経済的不安定性、硬直的で支援が欠如した品質を損なうようなワークフロー、メンタルヘルス保護の欠如、そしてAIが引き起こす雇用喪失・偽情報・監視に対する労働者の懸念である。
こうした影の労働は世界有数の富裕テック企業を支えているにもかかわらず、多くの労働者は、テラス、グローバルロジック、スケールAI、Welocalizeといった下請け業者に雇用されており、このシステムは責任の所在を曖昧にし、基準を低下させている。3分の2が毎週数時間、タスクを待機していると回答し、その時間に対して報酬が支払われるのはわずか30%である。
CWAとTechEquityの報告書結果は、ビッグテックのAIおよびコンテンツモデレーションシステムが、低賃金で保護の欠如した労働者(多くの場合グローバルサプライチェーンの末端で不可視の存在となっている)に依存していることを示している。
今年初め、UNIが支援するコンテンツモデレーター・グローバル労組アライアンスは、TikTok、Meta、アルファベット、OpenAIなどの企業に対し、暴力や衝撃的な素材に日常的に曝されるコンテンツモデレーターへの強力なメンタルヘルス保護措置の実施を要請した。初の試みとなる報告書『The People Behind the Screens(画面の向こう側の労働者)』は、こうした労働者が十分な保護策なしにトラウマ的な状況に直面し、PTSD、うつ病、バーンアウトを高い確率で発生している実態を記録している。
UNIは『立ち上がるテック労働者』の取組みを通じ、世界中のデータ労働者と労働組合と連携し、組織化を進め、公正な賃金、メンタルヘルス保護、グローバルデータサプライチェーン全体での説明責任を求めている。









