ブログアーカイブ

新報告書:人工知能を支える米国の隠れた労働力が低賃金と搾取に直面

人工知能システムの訓練とテストを支える数千人の米国のデータ作業員が、低賃金、無給待機時間、保護措置の不足といった状況に直面している。2025年9月30日にアルファベット労働組合(CWA)とTechEquityが発表した報告書によって明らかになった。

『機械の中のゴーストワーカーズ』と題された本報告書は、160人の労働者へのアンケートと15件のインタビューに基づき、こうした労働者が広範に抱える経済不安を明らかにしている。回答者の86%が生活必需品の確保を懸念し、4分の1が主に食料と医療費のために公的支援に依存している。週29時間の有給労働に対する賃金の中央値は時給15ドル——年間所得はわずか22,620ドルである。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は「AI革命の背後に潜む不都合な真実とは、低賃金で過酷な専門業務を担う影の労働者層を犠牲に、莫大な富と権力が頂点へ集中していることだ」と指摘し、「ビッグテックは使い捨て労働力では未来を築けない。シリコンバレーの大企業にAIサプライチェーンの労働環境について責任を問う時だ。データ供給に携わる労働者は、これらのシステムを全ての人にとってより安全で公平なものにするため、自由に組織化し交渉する権利を持たねばならない」と述べた。

報告書は四つの主要課題を指摘している。つまり、低賃金と経済的不安定性、硬直的で支援が欠如した品質を損なうようなワークフロー、メンタルヘルス保護の欠如、そしてAIが引き起こす雇用喪失・偽情報・監視に対する労働者の懸念である。

こうした影の労働は世界有数の富裕テック企業を支えているにもかかわらず、多くの労働者は、テラス、グローバルロジック、スケールAI、Welocalizeといった下請け業者に雇用されており、このシステムは責任の所在を曖昧にし、基準を低下させている。3分の2が毎週数時間、タスクを待機していると回答し、その時間に対して報酬が支払われるのはわずか30%である。

CWAとTechEquityの報告書結果は、ビッグテックのAIおよびコンテンツモデレーションシステムが、低賃金で保護の欠如した労働者(多くの場合グローバルサプライチェーンの末端で不可視の存在となっている)に依存していることを示している。

今年初め、UNIが支援するコンテンツモデレーター・グローバル労組アライアンスは、TikTok、Meta、アルファベット、OpenAIなどの企業に対し、暴力や衝撃的な素材に日常的に曝されるコンテンツモデレーターへの強力なメンタルヘルス保護措置の実施を要請した。初の試みとなる報告書『The People Behind the Screens(画面の向こう側の労働者)』は、こうした労働者が十分な保護策なしにトラウマ的な状況に直面し、PTSD、うつ病、バーンアウトを高い確率で発生している実態を記録している。

UNIは『立ち上がるテック労働者』の取組みを通じ、世界中のデータ労働者と労働組合と連携し、組織化を進め、公正な賃金、メンタルヘルス保護、グローバルデータサプライチェーン全体での説明責任を求めている。


ドイツのTikTok労働者、 ストライキで抗議活動を激化

2025年9月23日、ドイツのTikTok従業員が前例のない4日間のストライキを開始する。同ソーシャルメディア企業が今年7月以降ずっと団体交渉への参加を拒否したことへの応酬として、行動を強化させるものだ。

TikTokは「信頼・安全部門」を解体し、コンテンツモデレーターの労働者を解雇する計画だ。彼らの業務は外部サービスプロバイダーに委託され、一部は人工知能(AI)に置き換えられる。さらに、TikTokコンテンツクリエイターとの関係維持を担当する非ドイツ語圏ライブ部門の従業員も解雇対象となる。

Tiktok従業員の労働組合およびUNI加盟組織であるver.diは、従業員への社会的補償を定めた団体協約を要求している。これには解雇対象者全員への3年分の給与に相当する退職金、および解雇予告期間の12ヶ月への延長が含まれる。

ver.diは、より安価なサービスプロバイダーへの業務委託が、仕事の質とプラットフォーム上の安全性の双方に対する脅威となると主張している。ver.diベルリン・ブランデンブルク支部のルーカス・クレンテル・メディア部門副部長は、「この争いの争点は根本的だ。我々は大手テック企業に対し、人工知能がもたらす社会的影響に対する責任を取るよう求めている。もし将来、低賃金労働者とアルゴリズムにTikTokの偽ニュースや暴力排除を任せるなら、技術進歩は従業員と民主的な人々を犠牲にして達成されることになる。だからこそ、TikTokが一方的に計画を押し通すことは許されない」と説明する。

9月23日、ストライキの一環として労働者はタウンホール会議を開催する。そこでは専門家や政治家と共に、デジタル革命の社会的影響と政治的行動の可能性について議論する。


インドの若手専門職が直面する有害な職場環境とストレスに挑む

インドの若手専門職は深刻化する危機に直面している。テック、金融、サービス業界を問わず、長時間労働と容赦ない業績要求が常態化し、燃え尽き症候群や不安を助長している。業務負荷を軽減するどころか、生成AIの急速な普及がさらにプレッシャーを増大させている。従業員は、十分な支援なしに自動化システムの監視と修正を求めらている。

こうした背景のもと、タタ社会科学研究所(TISS)、UNI Apro専門職・監督職(P&M)委員会、全インド・バローダ銀行従業員協会(AIBOBOA)は、UNI世界P&M委員会の指導のもと、国際セミナー『インドの若手専門職のために、働き方を再構築しよう:有害な職場文化とデジタルストレスへの対処』を開催した。

2025年9月12日にインド・ムンバイのTISSキャンパスで開催された本イベントは、TISSの教員・学生・卒業生、労働組合指導者、若手専門職を結集し、職場の実情と学術研究の架け橋となるよう設計され、建設的な意見交換の場を提供した。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro 地域書記長は、「UNI Aproは、インドにおける有害な職場文化に取組むため、TISSと連携できることを光栄に思う。TISSの卒業生として、この共同セミナーによって問題意識を高めることができ、誇りに思う」と述べるとともに、セミナー開催に向け多大な支援を提供した加盟組織AIBOBOAに感謝の意を表した。

ズビン・ムラTISS経営・労働学部長は、衝撃的な統計を提示した。それによると、従業員の約3分の2がバーンアウトを経験し、42%がストレスに駆られていると報告している。またデジタル機器が「注意とエネルギーを吸い取るヒル」となっていると警告し、AI導入への不安が組織を「幸福を犠牲にした超効率化」へ駆り立てていると指摘した。

ジャヤスリ・プリヤラルUNI Apro専門職・監督職委員会担当部長は、この課題を分岐点と位置付けた。そして個々の労働者が単独でこうした圧力に耐えることはできないとした上で、リスクが最も急速に高まっている高スキル分野での労働組合の強化を訴えた。そして地域的視点から、技術進歩により有期契約が深刻な影響を受けている一方、急速にインフォーマル雇用が広がっていることがアジア太平洋全域で労働組合を弱体化させていると警鐘を鳴らした。

UNI世界P&M委員会の副議長を務めるプレム・クマール・マッカルAIBOBOA書記長は、インド特有の職場課題について言及し、高まるメンタルヘルス問題に対処するため、労働組合・企業・政策立案者の連携が急務であると強調した。

本セミナーには多様な登壇者と参加者が参加したことで、議論が深まった。TISS教員は、過重労働が生産性向上をもたらさず回復力を損なうことを示す研究を発表した。卒業生と在校生は「ハッスルカルチャー(仕事は人生で最も重要であり、休日を取ることなく長時間働くことによってのみ成功を収めることができるという考え方)」について考察し、日本の過労死とインドの最近の事例を比較する意見も出た。インドの労働組合指導者は、業績が6倍向上したにもかかわらず銀行業界で過労による自殺が500件発生している件に言及し、現場の実情を強調した。

パネルディスカッションでは懸念すべき実態も明らかになった。インドの労働者のうち組合に加入しているのはわずか6%であり、新たな労働法が組合をさらに弱体化させる恐れがある。ギグエコノミーは課題をもたらしており、労働者が従業員ではなく「パートナー」として分類されることで、団体交渉が弱体化している。

サララ・ラオ博士TISS人材管理センター長は、このセミナーが「対話のための安全な場」を創出したと述べ、より広範な変革に向けた不可欠な第一歩であるとまとめた。

本セミナーの議論は、次世代の専門職がデジタル時代において尊厳とバランスを持って働けるよう、労働組合と学界が継続的に取組む基盤を築いた。UNI Aproは、この課題を推進するため、TISSおよびそのパートナー組織との今後の連携を期待している。


ドイツのUNI加盟組織ver.di、TikTokがベルリンのスト参加者に行った威嚇行為を非難

TikTokドイツで、コンテンツモデレーターと非ドイツ語圏のコンテンツクリエイターを担当するスタッフを対象とした解雇計画を巡る紛争において、従業員は7月に2度のストライキを実施した。これはドイツのソーシャルメディアプラットフォームで初めてのストライキとなった。

ストライキに参加したのは、影響を受けたチームに所属する従業員だけではない。リストラの影響を受けていない従業員も、連帯の意を示してストに参加した。

TikTokは現在、ストライキに参加したver.diの活動家の一人を解雇すると脅している。この従業員は、リストラ対象のチームに所属していない。彼女はチーム内で解雇対象となり、代替案も提示されていない唯一の従業員である。解雇通知は、彼女が7月のver.diストライキに参加した直後に発表された。

ストライキ直後、TikTokの経営陣は社内でドイツのストライキ法に関する誤った情報を流布し、従業員との個別面談を予告した。ver.diはこれに対し、威嚇行為の試みとして非難していた。今回発表された解雇は、組合によると、これらの威嚇戦術の継続に当たるものだ。

この状況下で、解雇通知を受けたver.diの活動家は、すべてのシステムアクセスを即座に遮断された。この措置はその後解除された。

ベルリン・ブランデンブルク地域でメディア部門を担当するver.di役員のカトレン・エッガーリングは、「30人を超えるチームから、まさにストライキに参加した同僚が解雇されるのは、到底許せないこと。この措置は明らかに不当であり、経営側の主張の正当性は全く説得力がない。我々はTikTokに対し、解雇を直ちに中止し、ver.diとの要求する社会的団体協約に関する建設的な交渉に入るよう求める」と述べている。

ベンジャミン・パートンUNI世界ICTS部会担当局長は、「労働者の声を黙らすことはできない。TikTokの威嚇的な試みは恥知らずだ。コンテンツモデレーターは、プラットフォームの安全を確保するために不可欠で困難な仕事を行っている。TikTokは労働者とその支援者を尊重すべきであり、敵対的な態度を取るべきではない。UNIは、ver.diや労働者と共に、TikTokが組合破壊戦術を中止し、真の社会対話に臨むよう求める」と述べた。

もしTikTokが解雇を実施した場合、ver.diは法的手段を尽くして仲間を支援し、これに対抗する。


「人間性を損なう」AIの影響を指摘した従業員に報復したコンセントリクスを非難

UNI加盟組織の全米通信労組(CWA)は、米国連邦政府に対し、コンセントリクス社が連邦労働法に違反して2名の従業員を解雇したとする申し立ての調査を要請している。コンセントリクスは、世界70か国以上でカスタマーケアやビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)事業を展開する。

CWAは、カリフォルニア州に本社を置く同社が、コールセンター業界の労働者に対する人工知能(AI)の劣悪な影響を含む労働条件について発言した報復として従業員を解雇したと主張している。

2025年6月27日付のブルームバーグ記事は、セス・サリバンとジェシカ・リンジーという2名のコンセントリクス社コールセンター担当者が、AI搭載ソフトウェアによる監視について発言したことを報じた。彼らはまた、AI生成エージェントに対する顧客の不満が高まっている点にも言及した。記事掲載当日、コンセントリクス経営陣は両従業員を休職処分とし、間もなく解雇した。

米国法は労働者が自身の労働条件についてメディアに発言する権利を保護している。同社元従業員のセス・サリバンは、「コールセンター従業員としての経験をニュース記事で正直に語った後、コンセントリクスに解雇された」と述べ、「会社の代弁を主張したことも、機密情報を共有したこともない。真実を語ったことに対する報復だ——そしてこれは私だけではない。我々は告訴手続きを進めており、これが舞台裏で実際に起きている実態を明らかにする一助となることを願っている」

コールセンターの労働者はAI革命の最前線に立っている。彼らはAI監視ソフトウェアによるストレスの多い非人間的な労働環境の中で働いている。ソフトウェアが作業のスピードアップと強化を強制するのだ。

同時に、顧客はAIエージェントと人間の担当者を区別できずに苛立ちを募らせている。人間の担当者はAIソフトウェアによって厳しく監視され、台本への厳格な順守を強いられているのだ。

クリスティーナ・ロンクCWA組織化コーディネータは、「コンセントリクスは自ら生み出した劣悪で非人間的な労働環境について責任を取る代わりに、声を上げた労働者を罰した。これは明白な報復行為だ」と非難し、「コンセントリクスは個人の声を封じ込めようとするかもしれないが、尊厳と敬意、職場での真の発言権を求める要求の高まりを止めることはできない。これは単なる二人の労働者の問題ではない——人間として認められ、声を届けるために闘う労働者全体の問題だ」と語気を強めた。

UNIは世界中のコールセンター労働者がより良い安全な職場を求めて組織化する支援を続けている。使用者がAI等のテクノロジーを導入する方法について発言していくことも含まれる。


TELUSは、団結権および団体交渉権を尊重しなければならない!

2025年8月1日、トルコ・イズミルにおいて、トルコ、カナダを含む複数の国からなる労働組合代表団がUNIの下で団結し、カナダの大手多国籍通信・ビジネスサービス企業であるTELUSに対して緊急のグローバルな対話を求める声明を発表した。この統一戦線は、TELUSの従業員が世界中どこにいても基本的な労働権を保障するグローバル協定を目指す共同の取組みの第一歩である。

TELUSの成長は、世界中のカスタマーサービス、技術者、アウトソーシング業務に従事する数千人の従業員が支えてきた。同社の成長は、労働者の権利、社会的正義、そしてそのビジネスを支える人々の尊厳に対する強いコミットメントと一致しなければならない。したがって、我々労働組合はTELUSに対し、以下のことを求める:

  1. 事業を展開する全ての国において、国際労働機関(ILO)の中核的労働基準に準拠し、干渉することなく組織化と団体交渉の権利を完全に認めること。TELUSは団体協定を誠実に遵守し、反組合行為を行わないこと。
  2. 労働紛争の解決のための実効的で透明な手続きを確立すること。真摯な対話を通じて誠実に解決を図り、組合活動に対する報復や抑圧のいかなる形態も回避すること。
  3. 共通の最低労働基準を保証すること。これには、身体的・精神的な健康を保護すること、心理的に合理的な労働指標、適切な賃金、公正な労働条件、雇用の安定と保障が含まれる。
  4. 差別や報復からの労働組合員の保護を保証すること。これにより、組合員が組織化し、同僚の従業員を代表し、交渉する自由が保障される。

我々は、労働者が選択した労働組合をTELUSが認めていないトルコの状況について、深刻な懸念を表明する。労働組合員と指導者は、労働組合に加入する権利を行使しただけで、嫌がらせや不当な解雇に直面していると報告している。このような行為は容認できるものではなく、国際労働基準に反している。

カナダでは、TELUSは労働者や労働条件への影響をほとんど考慮せずに、カナダ国内の事業縮小と外部委託を進めている。

しかし我々はこれらの問題は建設的な対話を通じて解決可能だと考える。対話を通じて、拘束力のあるコミットメントを確立し、同社の事業全体で労働者に同じ権利と保護を保障することができる。


イタリアのBooking.com労働者、解雇反対で初のストライキを実施

イタリアの労働組合とUNI加盟組織のFilcams-CGIL、Fisascat-CISL、Uiltucsは、イタリアのBooking.comで初のストライキ実施を発表した。

Booking.comは、数千人の人員削減が予定されているグローバルな事業再編の一環として、イタリアの事業所で従業員約150人のうち9人を解雇する意向を表明した。「最適化」や「イノベーション」といった言葉の背後には、10年以上同社で働くの労働者の人員削減が隠れている。

同社は、イタリアの労働組合(Filcams-CGIL、Fisascat-CISL、およびUiltucs)が提示したすべての代替案を拒否し、不十分な財政支援パッケージを提示するだけでなく、解雇対象者を選択する権利があると主張している。

この硬直的で受け入れがたい姿勢は、同社が従業員を軽視していることを明確に示している。労働組合は責任を持って、同社を交渉の席に戻すための試みを複数回にわたって行ってきた。しかしBooking.comは労働省に対し、労働組合との交渉段階が合意に至らずに終了したと通知し、解決策の模索や解雇の管理に必要な時間を大幅に制限した。これは、財務的に好調な同社が最も繁忙期である8月の真っただ中で生じている。

解雇の理由として「所属感の欠如」を挙げ、匿名アンケートを根拠とする行為は許されない。これはデジタルプラットフォームの真の企業価値観を露呈している。我々は、利益を私物化し、その決定の代償を従業員に転嫁するビジネスモデルを拒否する。

こうした理由から、イタリアの従業員は労働組合に対し、2025年8月4日(月)に1日間のストライキを宣言するよう団結して委任した。

この日付は、Booking.com従業員にとって歴史的な瞬間である。なぜなら、これは同社が従業員との関係を根本から変革する中で、イタリアで初めて、そしておそらく世界でも初めてとなるストライキだからだ。

我々は解雇の撤回と、真の代替案に関する真剣な議論の再開を求める。労働は尊重されなければならず、削減されてはならない!労働者はただの数字ではない!


12カ国の労働組合がアメリカ・モビルとのグローバル協定を要求

メキシコの通信大手アメリカ・モビルに対しグローバル協定の締結を要求するため、アルゼンチンやオーストリアを含む12カ国のUNI加盟組合が結集した。

同社がサービス拡大と利益急増を進める中、12カ国の14労組はそれぞれ現地の経営陣に書簡を送り、アメリカ・モビルに対しUNIとのグローバル協定の締結を求め、「グローバルおよび国内レベルでの安定的で建設的な労使関係」を確保するよう働きかけている。

労働組合は、以下の内容を盛り込んだグローバル協定を要求している:

• 同社が行うすべての事業において、労働組合を結成し、団体交渉を行う権利を認めること。
• 労使紛争を対話を通じて解決するための手続きを確立すること。
• 労働安全衛生、生活賃金、雇用安定を含む共通の最低労働条件を保障すること。
• 労働組合代表者をいかなる報復措置からも保護すること。

アメリカ・モビルは、メキシコの億万長者カルロス・スリム氏が所有する企業であり、中南米、中東欧の22カ国で事業を展開している。この書簡の送付は、2025年7月8日にコロンビアで開催されたアメリカ・モビル労組の会議で、協定の目標を表明したことに端を発している。

マルシオ・モンザネUNI米州地域書記長は、「アメリカ・モビルは成長を続け、莫大な利益を上げているが、その成長が労働者の権利を犠牲にしたものであってはならない。中南米と欧州の労働組合は、公正な待遇、安全な労働条件、組織化の根本的な権利の尊重を保証するグローバル協定を求め、団結している。これだけの規模と影響力を持つ企業は、すべての労働者に対して同じ基準を遵守する責任があり、UNIとのグローバル協定がそれを可能にする」と訴えた。

アルゼンチン、オーストリア、ブラジル、ブルガリア、コロンビア、クロアチア、グアテマラ、メキシコ、ニカラグア、北マケドニア、ペルー、スロベニアのUNI加盟組織は、7月22日に各国経営陣に対し、この要求を盛り込んだ書簡を送付した。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「アメリカ・モビルは、欧州であれ中南米であれ、労働者の権利と基準を遵守しなければならない。我々は、団結権、団体交渉権、生活賃金、雇用安定を保証するグローバル協定を求める」とコメントした。

アメリカ・モビルは、モバイル加入者数とサービス接続数において世界最大の通信企業である。UNIは多国籍企業との間で50件を超えるグローバル合意を交渉し、そのグローバルな事業展開において労働者の権利を保障し、履行させるための取り組みを進めている。


解雇に反対するTikTok労働者、ベルリンでデモを実施

2025年7月17日、TikTok労働者は同社のベルリン本社前で、解雇に反対するデモを実施した。『我々はTiktokの機械を訓練した – 我々に正当な報酬を!』というスローガンを掲げたデモ行進は、解雇対象となっている約150人の「Trust and Safety」部門(コンテンツモデレーション)の従業員と、TikTok Live部門の従業員の一部(約15人)を支援する目的で行われた。

この人員削減は、ソーシャルメディア企業がコンテンツモデレーションにおける人工知能への依存を強め、この業務を第三者の業者に外注する計画を進める中で実施されるものだ。

コンテンツモデレーター(特に第三者の業者に雇用されている従業員)の労働条件は、近年批判を受けている。暴力、ポルノグラフィー、ヘイトスピーチなど、心理的にストレスの多いコンテンツに継続的に曝露されることは、トラウマを含む深刻な健康問題を引き起こす可能性がある。そのため、最近策定された『コンテンツモデレーションのための安全衛生プロトコル』で示されたように、従業員にとって良好な労働条件と強力な心理的支援が不可欠である。

ドイツの労働組合ver.diは、アウトソーシングによるコスト削減措置が、賃金低下や健康予防への投資削減につながる可能性があると警告している。

AIをコンテンツモデレーションに活用する際、人間による十分な監視が欠如すると、不適切なコンテンツが適切に検出されないリスクがある。TikTokは最近、ルーマニアの大統領選キャンペーンで偽アカウントを使用して極右政治家を宣伝するためにプラットフォームが利用された件で批判を浴びた。これを受けて労使協議会は経営陣に対し、政治的・社会的に重要なコンテンツの監視を担当する職種の維持を提案した。この分野では、政治的・文化的文脈の理解が特に重要である。経営陣はこれまで、このような提案をすべて拒否している。

解雇の脅威にさらされている従業員にとって、解雇は単に職を失うこと以上の意味を持つ。TikTokのグローバルな労働力において、職を失うことは一部の従業員の居住資格を脅かす可能性がある。

ver.diで交渉を担当するカトレン・エッガーリング氏は、「TikTokのコスト削減計画は、利益最大化を目的としたもので、従業員と社会に対する責任を欠いたもの。これにより、不適切なコンテンツがますます増加するリスクがある」と警告する。

ver.diはTikTokの経営陣に対し、社会補償協定に関する交渉に入るよう求めている。再訓練措置の必要性と一部の従業員の在留資格への潜在的な脅威を考慮し、ver.diの交渉委員会は解雇予告期間を1年に延長し、3年分の給与に相当する退職金を支払うよう要求している。

経営陣はこれまでver.diとの交渉を拒否している。これに対しver.diはストライキの準備を進めており、経営陣が拒否を継続する場合には、最初のストが間もなく実施される可能性がある。

エッガーリング氏は、「経営陣が我々との交渉を完全に拒否していることはスキャンダルだ。だがTikTok労働者はこのような状況に備えている。最近数ヶ月間で、労働組合の組織化が著しく進展した。ver.diの組合員数が増加し、行動を起こす意欲も高まっている。必要とあらば闘争に備えている」と結論付けた。

ベンジャミン・パートンUNI世界ICTS部会担当局長は、「コンテンツモデレーターはインターネットを安全で利用可能なものにする上で不可欠な存在だが、TikTok等の企業は彼らの労働条件を悪化させ、専門業務を軽視しがちだ。今回の抗議行動は、コンテンツモデレーターが、TikTokユーザーを守るために果たしてきた役割と献身を認めさせる上で重要だ。我々はver.diおよび世界中で組織化し、声を上げ、反撃するモデレーターに連帯する」と表明した。


コンテンツモデレーターのグローバル労組アライアンス、テック企業のサプライチェーンにおけるメンタルヘルス・プロトコルの導入を要求

2025年6月18日、グローバルなコンテンツモデレーターの労組アライアンスが、大手テック企業に対し、インターネットユーザーを暴力的、衝撃的、または有害なコンテンツから保護する労働者に対し、サプライチェーン全体でメンタルヘルス保護措置を導入するよう求めている。この要求は、UNIの支援を受ける同アライアンス初の取組みであり、同時に初の報告書が発表された。

6カ国のコンテンツモデレーターを対象とした労働者アンケートと詳細なインタビュー、危機時の報道や緊急時対応に関する知見を基に作成された『画面の向こう側の労働者:テック企業が安全なコンテンツモデレーションのための新しいプロトコルを必要とする理由』は、モデレーターが直面するトラウマになるような、そしてプレッシャーの高い労働環境を明らかにし、不要な心理的被害を軽減するための具体的な措置を提示している。これには、PTSD、うつ病、バーンアウト、さらには自殺念慮を含むモデレーターへの支援策が含まれる。

持続可能なコンテンツモデレーションのための8つのプロトコル:
• 露出制限:時間制限や画像モデレーション技術を活用し、直接的な露出を削減する。
• 現実的な生産性目標:甚だしく悪質なコンテンツに対するすべてのノルマを廃止し、他の種類のコンテンツには「人間が管理する原則」に基づく合理的な目標を設定する。
• トラウマ対応トレーニングの義務化:モデレーターと監督者に対し、定期的なトラウマ対応トレーニングを実施する。
• カウンセリングを利用できるようにすること:24時間365日、従業員に支援サービスを提供し、契約終了後も継続する。
• 安定した雇用と生活賃金:正規雇用契約、生活賃金、および完全な福利厚生を整備する。
• 合同の労働安全衛生委員会:民主的に選出された委員会が定期的に監督と監査を実施する。
• 移住労働者の保護強化:搾取防止、雇用安定、労働者虐待からの保護、脆弱な労働者支援を目的とした政策を実施する。
• 団結権と団体交渉権:労働者の団結権を尊重し、承認された労働組合との団体交渉を妨げないよう尽力する。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は「モデレーション業務にはストレスを引き起こすコンテンツへの曝露が内在する場合もあるが、トラウマは避けられるはず。他の業界では長年、効果的なメンタルヘルス保護措置が実施されてきた。テック企業がサプライチェーンにおける労働者を同様の保護措置で守らない理由は存在しない」と指摘した。

コンテンツモデレーターは請負業者を通じて雇用されているが、TikTok、Meta、Alphabet、OpenAIなどのテック企業は、トレーニング手順、レビューポリシー、モデレーションツール、パフォーマンス指標など、コンテンツモデレーションの核心的な側面をコントロールしており、請負労働者の労働条件について最終的な責任を負っている。今回調査対象となった労働者の80%以上が、使用者はメンタルヘルス支援を強化する必要があると回答している。

トルコのコンテンツモデレーターは、「首切り、児童虐待、性行為——これらの映像を何回見れば、何も感じなくなるのか?……私たちは人間としての能力を失ってしまう。感情を失ってしまう。幸せになれない。悲しむこともできない。ロボットになっていく感覚だ」と深刻な訴えを伝えた。

そして、「トラウマは、アルゴリズムに基づく生産性目標のプレッシャーでさらに悪化する。ノルマによってモデレーターは、理不尽なスピードで衝撃的なコンテンツを処理するよう迫られている。モデレーターは、低賃金の半分近くが生産性ボーナスから支払われていると報告している。これにより、労働者は大量の悪質なコンテンツを迅速に処理するよう促され、燃え尽き症候群のリスクとトラウマへの曝露がともに高まっていまる」と続けた。

チュニジアのモデレーターは、 「たった1年で、毎日の動画処理の目標は2倍以上に増えた。倍速や3倍速で動画を再生し続けなければ追いつけない。考える時間はない。処理する時間もない。目標を達成する唯一の方法は、トイレ休憩や食事、休息を省略すること」と訴える。

自動化はコンテンツモデレーションの未来として頻繁に言及されているが、AIは依然として人間の労働に深く依存している。モデレーターがAIシステムを訓練し、その誤りを確認し、最も衝撃的なコンテンツを特定しなければならないのだ。そしてこれらは、アルゴリズム管理システムによる圧力が増大する中で行われている。AIは人間の監視を置き換えるのではなく、労働者の負担を悪化させている中、強固な労働保護措置がこれまで以上に不可欠となっている。

ニューヨーク市マウントサイナイ医科大学グローバルヘルス准教授のアニー・スパロウ博士は、「コンテンツモデレーターは、他の業界では受け入れられないようなレベルの心理的危害に毎日さらされている」と指摘し、「これらの新しい安全プロトコルはタイムリーに導入されただけでなく、不可欠なもの。実施され、徹底的に遵守されれば、労働者の命を救い、長期的なメンタルヘルス障害を防止し、デジタル経済の中で最も見えにくく、搾取されている部門の一つに対し、責任を問うことができるようになる」とプロトコルの意義を強調した。

2025年5月にUNIはケニア・ナイロビで、コンテンツモデレーター・グローバル労組アライアンスの設立を支援し、9カ国の労働組合がプロトコルを承認し、その策定に協力した。

UNIは長年、テック企業のサプライチェーンで働く労働者(コンテンツモデレーターを含む)の権利を擁護してきた。UNIは、テクノロジーやアウトソーシングを含むサービス業の労働者を150カ国で代表している。


uni logo
最近のコメント
    アーカイブ