UNI Apro ICTS部会大会、公正なデジタル労働と地域全体の組織強化に向けた方向性を示す

2025年10月13~14日にフィリピン・マニラで第7回UNI Apro ICTS部会大会が開催された。アジア太平洋地域のICTS労働者を代表する組合が、急速なデジタル変革が進むICTS産業における組織化の強化、労働基準の向上、労働者の力の構築に向けて結集した。大会には13カ国、22加盟組織から29名の代表者と48名のオブザーバーが参加し、技術的混乱の最前線における労働者の権利保護に向けたUNIの取組みが再確認された。

ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長は歓迎挨拶の中で、開催を支援したフィリピン加盟組織に感謝を表明すると同時に自然災害に直面するフィリピン労働者と組合の回復力を称賛し、「繰り返し発生する自然災害など多くの困難に直面しているにもかかわらず、皆様は重要な活動を継続し、我々を温かく迎えてくださった。UNIはフィリピンの全ての労働者とコミュニティに連帯する」と述べた。

ビジネスサービス部門における基準向上と安全確保
大会では、労働安全衛生リスクや高負荷労働など、ビジネスサービス・BPO部門における喫緊の課題が指摘された。フィリピン・セブでの事例が議論され、地震の揺れが続く中、労働者が顧客の電話対応を継続した実態が明らかになった。この事例は、緊急時プロトコルが実践で軽視され、労働者が職場の安全規制があるにもかかわらず、個人の安全よりサービス継続を優先せざるを得ない状況への懸念を浮き彫りにした。

こうした現状を踏まえ、代議員は『ビジネスサービス部門における組織化と労働基準の向上に関する動議』の採択を満場一致で支持した。業界全体で組織化を強化し、交渉力を高め、実効性のある労働安全衛生(OSH)保護を確保する必要性が強調された。

デジタル変革、スキル、労働者保護
人工知能(AI)とデジタルシステムの急速な普及に伴い、代表団は労働者の権利を保護する公正なデジタル移行の確保について深刻な懸念を表明した。議論では生成AIの影響、データプライバシー、監視リスク、アルゴリズム管理、新たなスキル需要が取り上げられた。加盟組織はまた、有意義なスキルアップ機会、団体交渉の適用範囲拡大、社会対話を通じてデジタル化が職業生活を改善するよう持続的な取組みを要請した。

2025-2029年の戦略的行動計画を採択
大会では、地域全体の共同行動を導く明確な優先事項を定めた4か年の「2025~2029年のUNI Apro ICTS部会戦略的行動計画」が採択された。計画は以下5つの主要な柱に焦点を当てている:

  1. 多国籍・地域のICT企業における組織化と強化
  2. ビジネスサービス部門における労働基準と労働安全衛生の向上
  3. テック、ゲーム開発、デジタルサプライチェーンにおける組織化と公正な条件の促進
  4. ICTS部門の労働者のための政治的影響力と社会対話の強化
  5. データ権利と責任あるイノベーションを含むデジタル時代におけるディーセントワークの促進

本計画はまた、ICTS部会全体におけるジェンダー平等と若者のリーダーシップへの取組みを再確認している。

リーダーシップ、連帯、地域協力
新たなUNI Apro ICTS部会委員会が選出され、北野眞一情報労連委員長が、新たにUNI Apro ICTS部会議長として承認された。同氏は地域連帯の強化と、ICT労働者が自らの仕事に誇りを持てる環境づくりに尽力することを約束した。大会は退任する安藤京一議長のリーダーシップと部会への貢献に謝意を表し、委員会の活動を推進する全加盟組織の支援を称えた。