
過重な業務負荷、絶え間ない業務編成の変更、そして人工知能(AI)の活用拡大を含む急速なデジタル変革は、ドイツのICT産業労働者の日常となっている。
UNI加盟組織ver.diが実施した最新の従業員調査によれば、こうしたプレッシャーによってストレスが増加し、将来への懸念が高まっている。2025年5~7月にかけて、ドイツ全土の通信業界、IT業界、ゲーム業界で働く13,400人以上の従業員が、調査に参加した。
本調査では、ICT産業の労働者が直面する大きな負担と強い意欲、そしてデジタル変革を乗り切る上で共同決定と集団的規制が極めて重要であることが浮き彫りになった。
ver.diのフロリアン・ハーゲンミラーICT部門担当部長は、「組織変革やAIを含むデジタル変革は懸念を引き起こし、従業員への要求が高まっている」と述べた。そして「回答者の3分の1以上が職業的な未来を懸念している。これは変革プロセスへの従業員参画と、団体協約・社内規定による保護がいかに重要かを示している。また、回答者の約3分の1が将来の要求を満たすのに十分な資格を持っていないと感じていることから、さらなる研修と資格取得に対するニーズも非常に大きい」と付言した。
主な調査結果
• 組織変革は広範に及んでいる:回答者の81.7%が社内で頻繁な再編、外部委託、または組織再編があると報告している。
• 高まる要求: 回答者の3分の2(64.6%)がデジタル変革に伴う知識・技能の要求増大を経験している。
• 将来への不安: 回答者の37.7%が職業面で将来を懸念している。
• 高い業務圧力: 回答者の過半数(53.3%)が恒常的に時間のプレッシャーに直面しており、48%が過去1年間に高い業務負荷がかかっていたと報告。
• ストレス要因:66.1%が、ストレスの主因は同時進行するプロジェクトや業務の多さであると回答。
• 昇進機会の制限:回答者の71%がキャリアアップの機会がほとんどない、あるいは全くないと認識している。
• スキルギャップ:回答者の70.3%が現在の業務を遂行する上で十分なスキルを有していると感じる一方、将来の業務に対応できると感じるのは61.8%に留まった。過去1年間に追加研修を受けなかった者は約39%に上る。
一方で調査結果は、労働者の次のような認識も明らかにした。
• 回答者の77.3%が自身の仕事に強い意識を持ち意義あるものと認識している。
• 回答者の88.4%が同僚から強力な支援を得ている。
• 回答者の95.5%が労使協議会を非常に重要であると認識し、労使協議会が設置されていない職場でも76.1%が設置を望んでいる。
本調査は団体協約と企業レベルでの共同決定がもたらす好影響も明らかにした。従業員が職場において強力に代表され集団的規制(柔軟な労働時間制度、リモートワーク選択肢など)を利用できる環境では、ストレスレベルが低く、職務満足度が高い。
本調査結果は、ver.diがICT産業のデジタル変革形成に継続的に関与する指針となる。今後これらの知見を労使協議会、従業員代表者等と共有・議論し、ICT部門を良質な職場とするための具体的な要求事項と施策を決定する。