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ウンUNI Apro地域書記長、アチャリャUNI Apro労組強化部長来日

情報労連大会出席のため、2015年7月14日から16日まで、クリストファー・ウンUNI Apro地域書記長及びラジェンドラ・アチャリャUNI Apro労組強化部長が来日し、この機会に日本の様々なUNI加盟組織・役員と意見交換を行った。

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情報労連大会で挨拶したウン地域書記長は、野田委員長の強いリーダーシップの下、情報労連が、特にアジア太平洋地域における情報通信及び関連産業の労働者の組織強化を、国際連帯を通じて支援してきたことに感謝した。その成果として、多くの国で民主的な労働組合が発展し、国際労働運動の重要な担い手となっている。野田委員長からは、UNI-NLCへのカンパと『絆』の文字を入れた黄色いポロシャツ100着が贈られた。アチャリャ部長は、「これを着たUNI-NCLボランティアに助けられる被災者は、日本からの支援に励まされ、再び立ち上がる気力が湧いてくるだろう」とあらためて感謝した。

逢見UNI Apro地域会長に、来日直前に訪問したカトマンズ視察を報告したウン地域書記長は、UNI-NCLとしては大会開催を切望しつつも、現実的には700人規模の国際会議を行うためのインフラの復旧が見込めず、参加者の安全性重視の観点から、遺憾ながら開催地変更を受け入れたと述べた。代わりに、マレーシア・クアラルンプールでの開催と、首相を招待する関係で当初の日程を2日ずらすこと(地域大会は12月7~8日)が提案され、逢見会長の了承を得た。合わせてウン地域書記長は、11月18~20日にカトマンズで、南アジアのUNI加盟組合を対象とする会議の開催を提案した。

小俣UNI-LCJ議長(JP労組委員長)を表敬し、アチャリャ部長はUNI-LCJの迅速な支援に対するシャンカールUNI-NLC議長からの感謝を伝えつつ、「この絵を見る時、地震で崩壊してしまったこれらの遺産とネパールのことを思い出してほしい」との願いを込め、ネパールの世界遺産を描いた絵を贈呈した。小俣議長は、東日本大震災の経験から、被災者を孤立させないよう心のケアが重要だとアドバイスすると共に、6月のJP労組全国大会で集められたカンパ金を渡し、復興までの道のりは長いだろうが日本としても引き続き支援していくと激励した。

UNI-LCJ印刷部会会議(7月14日、凸版印刷労組本部会議室)では、ウン地域書記長は、アジア、特にインドネシア、マレーシア、インド等における印刷・パッケージング部会の組織化に対する日本の労組の支援に感謝した。釣本全印刷委員長は、インドネシアのトッパン工場労働者に関する情報を、会社側だけでなくUNI Aproからも得られたことは有益だったと述べた。ウン地域書記長は、アジアでもパートナーシップ労使関係を現実に機能する選択肢として労働組合を説得していくとし、日本の労組の継続的な支援を要請した。続くレセプションでは、8月に退任予定の竹井全印刷委員長の、長年のUNI Apro印刷・パッケージング部会への多大な貢献に対する感謝の盾が贈られた。また、ネパール大地震への支援カンパも行われ、アチャリャ部長に渡された。

UNI-LCJ金融部会会議(7月15日、損保労連会議室)では、ウン地域書記長から、最近マニラで開催されたASEAN銀行部門三者会議の成果について報告を受けた。ASEAN経済共同体(AEC)成立を目前に、ASEAN銀行部門の完全自由化、外資の更なる参入が見込まれる中、労働組合としてこの傾向にただ反対するのではなく、労働者への影響を最小限に抑えるために何ができるかを、政府及び使用者と共に定期的に議論する場の重要性を強調し、フィリピンにおける銀行部門の三者メカニズムをASEANの他の国にも模範として普及していきたいと述べた。また、日本の金融労組には、日本の金融機関がASEAN諸国でますます活発に事業を行うにあたり、このような三者会議に出席し、情報交換や人脈作りを行うことは非常に意義があるだろうと、参加を奨励した。

自動車総連では、郡司事務局長から今春闘の結果や日本の現在の課題等について説明を受けた後、ウン地域書記長は自ら40年に渡りUNI Aproを率いてきたが、ようやくUNI及びUNI Aproの知名度や評価が高まってきたと報告した。例えば、ジョン・ラギー教授が提唱した国連ビジネスと人権に関する指導原則に対応した人権の取組み状況に関する世界初の包括的報告枠組みが今年2月にロンドンで発表されたが、その策定に関わった14人の賢人グループに、ウン地域書記長が労働運動代表として唯一関わった。ウン地域書記長はまた、世界経済フォーラムの世界規模の課題を設定する、グローバル・アジェンダ・カウンシルのメンバーでもある。昨年、タイ労働法改革委員会から招聘され、ASEAN10か国に一律適用される労働権に関する協定の策定に、ASETUC(ASEANサービス労組協議会)が労働者を代表して参画していること等に、UNI Aproの実績が高く評価されていることが示されている。

ウン地域書記長は訪問先それぞれで、カトマンズ視察を報告し、ネパールの被災者は、財政的支援だけでなくモラルサポート(世界中からネパール被災者を心配する気持ちが届けられたこと)によって大変勇気づけられ、それが希望につながっていることを強調した。一方、主な収入源である観光産業が大打撃を受けており、地域大会の開催地変更がUNIネパール加盟協(UNI-NLC)全体の大きな落胆と自信喪失につながる恐れがあると懸念した。アチャリャ部長は、UNI-NLCが取組む、政府や他のNGO支援が行き届かないコミュニティへの、初期段階の支援(緊急救援物資配給)は完了し、これから夏と雨季の到来に向け、より耐久性ある仮設住居の支給と感染症防止対策が次段階の課題だと説明した。長期的には、コミュニティセンターを建設し、靴や衣服等の製造設備を併設し、住民のために安定した収入を確保するような雇用を生み出す計画があると述べた。

 

写真はflickr参照


TOP LEADERS @ UNI 逢見UNI Apro地域会長

 

国内外でご活躍のUNIリーダーから、国際労働運動でのご経験や意義についてお伺いするコーナ。今回は、逢見直人UNI Apro地域会長(UAゼンセン会長)です。

 

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初めて国際労働運動に関わったきっかけは?

1976年にゼンセン同盟に入った翌年、米国の国際婦人服工組合(ILGWU)の幹部が来日し、会議から京都、岡山の教育センターまで随行したのが最初のふれあいでした。当時、日米繊維交渉、貿易摩擦といった問題があり、日米の労働組合の緊密な協議が必要だったのです。ILGWUの本部はニューヨークにありましたが、ニューヨークといえばファッションの発信基地。華やかな業界の裏に劣悪な労働条件で働く労働者がおり、彼女達の権利を守るため奮闘している労働組合の歴史や取組みを学びました。

また1981年、イスラエルのヒスタドルートが運営するアジア・アフリカ教育機関で、8月から12月まで研修を受ける機会がありました。世界の火薬庫といわれる中東では当時、エジプトのサダト大統領とイスラエルのベギン首相の間で和平協定が結ばれましたが、直後にサダト大統領が暗殺される(1981年10月)など、平和に向けた努力と緊張感を肌で感じました。日本から遠いだけでなく、状況が違うことも実感しました。例えば、水と安全は、日本人はタダで手に入ると思っていますが、中東ではコストをかけて手に入れるもの、守るものという認識なのです。また、イスラエルのことを学ぶだけでなく、アラブ村を訪ねアラブ人との交流を通じて、両者の立場を見聞することもできました。

様々なご経験から、国際労働運動の意義は?

ILO憲章に「世界の平和は社会正義を通じて達成できる。一部の貧困は、全体の繁栄にとって危険である」とあるように、社会正義がきちんと機能しないと戦争の原因になったり、貧困につながったりします。労働運動として社会正義を実践し、貧困問題も他人事ではなく自分達の問題としてとらえ改善していくことが、労働組合の役割なのです。米国の大学教授が『あなたのTシャツはどこから来たのか? 』という著書で、綿花の栽培、加工、染色、プリントといった製造から販売、古着市場に至るサイクルの中で、世界貿易の矛盾とそこで働く労働者、経済格差といった問題をどう理解すればよいのか問題提起をしています。UAゼンセンでは、身近な例で考え意識を持ってもらうよう「ボランタス(社会貢献活動)海外派遣」を通じて、例えばスリランカで紅茶はどのような環境で作られているかを体験してもらいます。そうした経験から意識も変わり、より組合活動に積極的に関わるようになった人もいます。

UAゼンセンは4つのグローバルユニオン(国際産業別労働組合組織)に加盟していますが、UNIの印象は?

UAゼンセンは、インダストリオール、IUF(国際食品労連)、BWI(国際建設・林産労連)とUNIに加盟しています。UNIは産業の幅が非常に広く、第3次産業はどの国でも雇用が拡大し続けている分野です。また、雇用が技術革新の影響を受ける産業でもあります。UNIは積極的に組織化を進め、時代の変化に敏感だと思います。また、地域組織においても、使用者との社会対話を促進し、組織を拡大し、協約を締結するなど目に見える成果に結びつく運動が展開されており、UNI Apro執行委員会で報告を聞くと、ブレイキングスルーが実感できます。

カトマンズは思い出の地だそうですが…

35年前、新婚旅行でネパールに行きました。4月の大地震により多くの犠牲者が出、世界遺産が倒壊したのを見て、大変悲しく思います。当時、人々は素朴で、経済的には貧しいながらも明るい感じを受けました。(5月の)UNI Apro(アジア太平洋地域)執行委員会は急遽、カトマンズからシンガポールに場所を変更して開催しましたが、ネパールからも代表が出席し、被害状況や組合の仲間が迅速に救援活動を始めたとの報告を受けました。ネパール支援の必要性を全員が確認しました。

最後にUNIに期待することは?

ケープタウンで「労働の未来」という中期的課題を討議し始めたところですが、実は既に現実に起こっている問題です。UNIはこれからも先頭に立ってブレイクスルーしてほしいし、加盟組合にも課された課題です。私達日本の加盟組合もUNI Aproを支え、積極的に役割を果たしていきたいと考えています。


TOP LEADERS @UNI マクシン・ゲイUNI Apro女性委員会議長

国内外でご活躍のUNIリーダーから、国際労働運動でのご経験や意義についてお伺いするコーナー。今回は、マクシン・ゲイUNI Apro女性委員会議長(ニュージーランド ファーストユニオン商業・金融部会書記長)です。

 

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組合活動に関わるようになったきっかけは?

きっかけとして2つの出来事が思い浮かびます。1つは、17歳という若い頃、職場でセクハラを受けた経験、2つ目は(その1年後くらいに)組合の会議に出席して、頼もしい女性の組合活動家に出会ったことです。ある同僚は彼女のことを酷い人だと言うので、なぜかと尋ねたら、「夫や子供を家に残して、国中を駆け巡り、あちこちで問題を起こしているから」と言いました。うーむ、もしそれで酷い人と言われるなら、私もそうかもしれない!と思います。

実は結婚して子供が生まれてから、家庭内暴力(DV)に遭うようになりました。そのためフェミニスト組織に関わり始めました。1981年に離婚してからは、「女性の隠れ家」という、DV被害者の自立と生活の建て直しを支援するボランティア団体の世話になっていました。それで、経済的自由の無い女性は無力であることが自らの体験からよくわかりました。

そこで私は、フェミニストの考えを労働運動に採り入れ、女性の経済的解放に取組もうと決断しました。事務職労組のオルグになり、同時に何年もシングルマザーとして子供を育ててきました。

日本についての印象は?

組合運動に関わる傍ら、日本とも深いつながりがありました。1989年に、「ピープルズ・プラン21」が日本で開催した多くの会議に参加して、素晴らしい経験をしました。そこではまた、アジアの、特にインド、パキスタン、そしてもちろん日本の多くの組合指導者に会って、感銘を受けました。その一連の会議のフィナーレは水俣で開催され、水俣病患者や犠牲者の家族のための補償や正義を求める闘いの話を聞きました。「じゃなかしゃば」という新しい言葉も覚えました。水俣地方の方言で、「今のようでない世の中」を意味するそうです。この経験は、今でも私を「今のようでない世の中」にしなければと駆り立てるのです。

長崎世界大会は感動的な素晴らしい大会で、私自身とても謙虚な気持ちで臨むことができました。被爆国日本はとてつもない悲劇に見舞われ未だに苦しむ人がいる一方、世界中から最も愛される国であることは間違いありません。私は日本が好きですし、日本人が大好きです。

グローバルな舞台で日本のUNIメンバーに期待する役割は?

UNI Aproでは、日本の労働組合は労働運動を牽引していくだけでなく、実行力ある指導者として需要な役割を果たしています。日本の労働組合のおかげで、多くの途上国で組合強化プログラムが行われています。2011年2月、ニュージーランドで大地震が起こり多くの死傷者が出ました。その際も、日本の皆さんからすぐに寛大なお心遣いが示されたことに感謝しています。そのわずか1ヵ月後に、日本でも大地震と津波により大きな被害が出ました。皆さんの復興に向けた不屈の努力を敬意をもって支援しています。

ニュージーランドでの、特に私の関わる小売業で急務の課題は、安全で安定した予測可能な労働時間を確保することです。日本でも非正規労働者の割合が増えていると聞いています。UNIを通じて互いに情報・経験を共有し、全ての労働者が人間らしい生活を送れるよう、適正な賃金及び適正な労働時間を求めて共闘していきましょう。


UNI世界商業部会運営委員会

 

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UNI世界商業部会運営委員会が2015年5月31日~6月1日、UNI欧州商業部会大会に合わせ、独立自主管理労組ソリダルノシチ「連帯」結成の地ポーランド・グダニスクで開催され、世界から委員、オブ、事務局等25人が参加した。日本からは八野委員(UAゼンセン副会長)、山口委員(自動車総連副事務局長、郡司委員の予備委員)、中野UAゼンセン国際局部長、小川UNI-LCJ事務局長が出席した。

ホスト国を代表しアルフレッド委員(ソリダルノシチ商業部会)は歓迎挨拶の中で、「ポーランドは第二次世界大戦後、ソビエトの支配下で抗議デモを行った。35年前の8月31日、この造船所でグダニスク協定(政労合意)が締結され、21の要求が認められた。例えば、自由な労働組合の承認や土日に休むこと等だ。グローバル化のために土日が営業日になりつつあるが理想的ではない。UNIに集う世界の商業労組は連帯し、商業労働者の賃金・労働条件改善のために闘おう」と述べた。オニールUNI商業部会議長(米国UFCW)は、「ケープタウンに続き、自由を求めて闘った歴史的な地で決意を再確認しよう」と開会挨拶を行った。

商業部会はUNI最大の部会で人数は増えており、ベシガー局長はこの傾向が今後も続くことを期待した。2014年の申告人数430万人のうち加盟費支払い人数は260万人(61%)と差があり、全ての組織が払うように働きかけることが課題である。また、UNI組織化基金の支出のうち37%が商業部会に使われている。

多国籍企業の組織化・グローバル協定(GFA)・労組同盟の進捗状況については、カルフール、H&M、イケア、インディテックス、メトロ、ウォルマート等企業別に2014年の活動報告が共有され、2015年の活動予定を見直した。ターゲットに新たにオーシャンとプライマークを追加した。

ILO世界対話フォーラム「小売業における雇用関係がディーセントワークと競争力に与える影響」については、2日という短時間で政労使の合意事項をまとめることができたとはいえ、特に経営側のメンバー構成や参加を促すアプローチ等に課題が残った。八野委員は、次回は厚生労働省と連携を取りながら経営側の参加を働きかけたいとコメントした。

グローバル・サプライチェーンの取組みについて、アマゾンを例に、UNI各部会及び他のグローバルユニオンの関与が図で示された。流通→UNI商業部会、倉庫(第3者物流会社)→ITF、宅配/返品回収、輸送(DHL)→UNI郵便・ロジスティクス部会/ITF、清掃・警備→UNIビル管理部会、データ管理・クラウド→UNI ICTS部会、顧客サービス/コールセンター→UNI ICTS部会、非正規労働者→UNI派遣部会、独自ブランド商品製造(キンドル等)→インダストリオール、印刷・出版→UNI印刷・パッケージング部会、音楽関連→UNIメディア部会等、分野は多岐に渡る。それに関わる労働組合、特にUNI内の様々な関係部会だけでなく他のグローバルユニオンとのより一層の連携と一貫したアプローチが不可欠である。八野委員は、AI等が将来の労働に与える影響と、文化や人々の生活スタイルをも変え得る可能性を指摘し、マイナス方向に変わらないよう各国の先進事例を共有していく意義を強調した。山口委員は、ASEAN統合に向けた企業のサプライチェーン戦略を調査するため、タイやインドネシアを訪問し関係者と意見交換したことを報告し、TPP等の地域・多国間貿易協定の動向も注視しつつ、賛否の議論ではなく変化に対する労働組合の対応を検討することが重要だと意見を述べた。他の委員からも、この取組みに関するUNIのイニシアチブに対する評価と更なる情報交換への期待が表明された。

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第27回UNI世界運営委員会

 

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第27回UNI世界運営委員会が2015年5月28~29日、UNI本部(ニヨン)で開催され、昨年UNIケープタウン世界大会で選ばれたアン・セリンUNI会長が議長を務めた。逢見UNI Apro地域会長、野田UNI副会長(UNI Apro選出)、中野UAゼンセン国際局部長、木村情報労連国際担当をはじめ、20人の委員・オブが出席した。UNI Apro事務局からは、ウン地域書記長、アチャリャ労働組合強化部長、小川東京事務所長が参加した。

第4回UNI世界大会の評価として、ハイライトをまとめたビデオが上映され、パンフレットが配布された。委員会は大会決議のフォローアップ報告に留意し、意見交換を行った。

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続いて、ガネシュUNIネパール加盟協(UNI-NLC)事務局長が大地震について報告し、世界各国のUNIの仲間からの連帯支援に感謝した。寄付金が透明性をもって管理され適切に被災者支援と復興のため使われるよう、政府とドナーがカトマンズで対策を話し合うことになっている。UNI-NLCにはエンジニアや病院スタッフ、金融労組のメンバーもおり、復旧作業に関わっている。組合員を助けるだけではなく、地域社会全体を支援したいと考えている、と述べた。逢見UNI Apro地域会長は、カトマンズで開催予定だったUNI Apro地域運営・執行委員会が大地震のため急遽シンガポールに変更して開催されたこと、年末のUNI Apro地域大会開催地については6月に現地を訪問しUNI-NLC等と協議してから決めること、日本も連帯支援を決めたこと等を報告した。

2018年6月、英国・リバプールで開催予定の第5回UNI世界大会準備状況について報告したジェニングス書記長は、保守政権下で労働組合が攻撃されているが、リバプールは労働運動のルーツであり、英国労働組合会議(TUC)結成150周年と、女性の参政権獲得100周年を祝う大会にしたいと述べた。 

ブレイキングスルー進捗状況については、部会別、地域別、国別、多国籍企業別にホフマンUNI副書記長が報告した。昨年11月日本のイオンと、そして今年5月メキシコのゲーム会社カリエンテとの間でグローバル協定が締結されたこと、UNI世界ケア部会創設大会がブエノスアイレスで開催されたこと等に加え、チリ等南米におけるプロセグールの暴力的組合潰しに対する抗議行動・グローバルキャンペーンを報告した。野田UNI副会長は、コールセンター組織化の取組みを評価しつつ、最近のフィリピンへのUNI派遣団の問題点を指摘し、UNI本部と地域組織のさらなる連携を求めた。ウンUNI Apro地域書記長は、イオンとのグローバル協定締結に至った経緯について、過去の失敗例を教訓に、UNIが労働組合と共に企業の発展に貢献したいという意思を明確にし、経営側との間に信頼関係を醸成することの重要性を強調すると共に、各国で柔軟なアプローチを重ねながらイオン労組協議会の結成を目指したいと述べた。

グローバル・サプライチェーンにおけるより良い労働条件の確保は、ラナプラザ事故をきっかけに労働運動だけでなく政府、国際機関、研究者、NGO、メディア等の関心が高まり、UNIはITUC及びインダストリオールと連携し、バングラデシュ安全協定の締結と確実な履行を監視している。2016年のILO総会ではグローバル・サプライチェーンがテーマとなるため、UNIはITUC及び他のグローバルユニオンと協力し、将来のILO条約化を目指し積極的に貢献していく。またドイツが議長国となる次期G7でも論点となる予定である。

ストライキ権の解釈に関するILOでの論争と膠着状態が、国際労働運動の強力なキャンペーンの成果もあり、一応の解決をみた経過について報告があり、セリン会長は「三者構成主義に対する重大な攻撃と認識し、将来の再燃を常に警戒すべき」とまとめた。

この他、2014年度財政報告・2015年度予算、スタッフ人事、加盟問題についてはそれぞれ留意、承認された。


UNIファミリー、ネパールの仲間に連帯支援を

 

第28回UNI Apro運営委員会・第19回UNI Apro執行委員会は5月9~10日、カトマンズで開催の予定だったが、大地震のため急遽シンガポールで開催され、ネパールからも3人出席した。

UNIネパール加盟協(UNI-NLC)のシャンカール議長、ガネシャ事務局長、ラジェンドラUNI Apro労組強化部長より、大地震直後から寄せられた国際連帯・支援が大きな励ましと希望になったと、感謝の言葉が述べられた。

歴史ある世界遺産の数々が倒壊し、人口の集中する首都カトマンズ及び周辺の村落が被災、観光業をはじめ経済のあらゆる分野が大打撃を受けたが、幸いにも通信インフラは速やかに復旧した。UNI-NLCは4月28日に緊急会議を招集、救援委員会を設置し、直ちにNLCメンバーの安否確認・被災状況等の情報収集を始めた。同時にカンパを募り、「地域に寄り添う労働運動」として、5月2日にラリトプール地区の60世帯に、4日にはカブレ地区の250世帯に食料・薬品等の救援物資を届けた。今後の復興・再建に向けたネパール労働組合の取組みとして、雇用創出及び再建の大義の下での低賃金労働や搾取を防止すること、憲法起草プロセスを中断させないことがあげられ、そのための国際支援が要請された。

小俣UNI-LCJ議長からは、緊急カンパの送金と更なる協力が表明され、4年前の東日本大震災の経験から被災者の心のケアも大切だとアドバイスした。他の委員からも激励と連帯支援表明がなされた。

 

左から、ガネシャUNI-NLC事務局長、小俣UNI-LCJ議長、シャンカールUNI-NLC議長、ラジェンドラUNI Apro労組強化部長

左から、ガネシャUNI-NLC事務局長、小俣UNI-LCJ議長、シャンカールUNI-NLC議長、ラジェンドラUNI Apro労組強化部長

 

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写真はFlickr参照


第19回UNI Apro執行委員会

 

UNI Apro執行委員会集合写真

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今次運営・執行委員会は年末に開催予定の第4回UNI Apro地域大会・女性大会の構想・準備を兼ねてカトマンズで開催する予定だったが、4月25日にネパール中部で発生した大地震の影響で、急遽シンガポールでの開催となった。冒頭、全員で大地震の被災者に黙祷を捧げ冥福を祈った。 

逢見UNI Apro地域会長は、UNIとしてもネパール支援のために可能な限りの支援をしたいと述べ、早期復旧を祈ると共に、ネパールの仲間が希望を失わないよう激励した。UNI Apro会長は、「新たな頂点を極める」と提案された地域大会スローガンを受け、4年間の総括と指導部を含めた将来構想に関する積極的な議論を期待した。

ジェニングスUNI書記長は世界及び地域情勢を俯瞰し、ロボットやコンピュータが価値観を判断するのではなく、希望のメッセージを広げるのは我々労働組合の責任だと鼓舞した。鈴木ITUC-AP書記長は、ネパール過去20年の、国王独裁から民主化、停戦、憲法制定まで、労働運動が毛沢東主義派とも対話をしながら果たした大きな役割を振り返り、カトマンズで開催予定の第3回ITUC-AP大会も大地震のため延期となったが、復興再建に向け、国際労働運動も全力で支援していくと述べた。

UNI Apro運営・執行委員会構成の変更の議題では、副会長職について相原自動車総連会長から郡司自動車総連事務局長への変更、UNI Apro女性委員会副議長職について安田損保労連前中央執行委員から和田UAゼンセン教育・男女共同参画・社会運動局副部長への変更等が確認された。

地域大会・女性大会については、6月に地域書記長がカトマンズを訪問し、ネパール加盟協及び政府関係者らと協議し、参加者の安全性確保の観点から開催可能性を判断することとした。地域大会・女性大会のスローガン/サブテーマ及び内容は提案通りとし、プログラムは更に調整していく。執行委員会における各地区の委員数は現状を維持することとし、運営委員会構成を確認した。

地域書記長は、2015年末ASEAN経済共同体の発足を目前に、かねてから、そのプロセスにおける社会的側面の欠如と労働組合の参画の不十分さを繰り返し懸念し警鐘を鳴らしてきた。昨年11月、タイ法改正委員会がASEAN政府に、労働者の権利及び保護に関する統一協定の採択を働きかける提案をしたこと、またASETUCが同委員会に諮問のために招かれたことは驚くべき、かつサポートするに値する動きであると述べ、委員会に支持を求めた。各国政府もプレッシャーから逃れられないとわかっており、ASEAN流にコンセンサスベースでまとめたいのであろうと分析している。労働運動としてUNI Aproも他のGUFと協力し、協定の内容改善と各国政府への批准促進に努力するという方向性が確認された。

 2014年度活動成果の報告では、ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro労働組合強化部長から概要報告を受けた後、委員から最新状況の報告を受けた。田原UNI Apro金融部会議長(損保労連委員長)は、5月2~5日、アゼルバイジャンで開催されたアジア開発銀行(ADB)年次総会への参加について報告した。田原議長は市民社会フォーラムで発言し、「ADBの活動目的はアジアの貧困削減であり、達成の手段が経済成長であるべきだが、実際には経済成長のみが重視され、貧困削減には至っていないという現実を認識すべきだ」とし、経済成長には環境配慮と持続性観点、人権尊重も重要だと訴えた。ADBにUNIの存在をインプットできたこと、ADB副総裁からUNIの発言に対し全面的賛同を得られたことは大きな成果である。

この他、ホフマンUNI副書記長からバングラデシュ安全協定の最新状況、UNIマレーシア加盟協によるDHL組織化・協約締結、フィリピン銀行部門の三者社会対話、インドIT専門職労組の全国組織結成に至る経緯と課題、インドネシア小売部門の労働安全衛生改善の政労使連携した取組み等について共有した。

最後に逢見会長は、大地震直後にもかかわらずシャンカールNLC議長らの出席に感謝し、復興支援と連帯を全体で確認し、閉会した。

 

写真はFlickr参照


UNI Apro内部監査

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2015年4月28日、UNI Apro地域事務所(シンガポール)で、日本の監査委員(春木情報労連書記長及び田名田損保労連事務局長)とシンガポールの監査委員(タン郵電労組委員長及びタン保険労組顧問)が、2014年1月から12月末日までの年度監査を実施した。ウン地域書記長から説明を受け、為替等の影響に留意すると共に、UNI Apro事務局の赤字削減努力を評価し、日本、オーストラリアをはじめとする加盟組合やドナー団体からの支援に感謝する監査報告をまとめた。


ILO世界対話フォーラム 「小売業における雇用関係がディーセントワークと競争力に与える影響」

 

2015年4月22~23日、ジュネーブのILO本部において、「小売業における雇用関係がディーセントワークと競争力に与える影響」世界対話フォーラムが開催された。

労働側グループはUNI商業部会委員会メンバーを中心に、チリ、ネパール、アルゼンチン、マラウィ、ニュージーランド、ルーマニア、南アフリカ、イタリア、オーストラリア、フランス、米国、スペイン、ベルギー、日本から構成され、UAゼンセンの八野副会長、藤吉副会長、檀上国際局部長が参加した。

政府グループは、アンゴラ、オーストラリア、ベラルーシ、ベルギー、ボリビア、カメルーン、中央アフリカ共和国、コートジボアール、フランス、ギニア、韓国、ラトビア、リビア、マダガスカル、マレーシア、ニジェール、ナイジェリア、サウジアラビア、南アフリカ、スペイン、チュニジア、米国、ベネズエラ、ザンビア、日本から代表が参加し、厚生労働省大臣官房国際課海外情報室の原田室長、職業安定局雇用政策課の高崎企画係長が出席した。

使用者側グループは、ポルトガル、南アフリカ、ナイジェリア、モンテネグロ、コスタリカ、ドイツ、米国、カナダ、ギニア、ベルギーから参加があった。日本の商業経営者団体へも参加を働きかけたが叶わなかった。

労働側グループは、使用者の都合による、ゼロ時間(または短時間)契約、オンコール労働といった、予測不能な雇用形態を認めない等、強く主張した。2日間の議論を経て、政労使で、雇用形態に関わらず全ての労働者に公平な待遇を確保するため、社会対話を行っていく等の合意に達した。

合意項目は下記の添付ファイル参照:

GDFERRC-2015-6-Points of consensus(日本語版)

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TOP LEADERS @UNI アン・セリンUNI会長

国内外でご活躍のUNIリーダーから、国際労働運動でのご経験や意義についてお伺いするコーナー。今回は、アン・セリンUNI会長(フィンランドPAM委員長)です。

 

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組合活動にはまるようになったきっかけは?

私は労働者階級の出身なので、就職したら組合に入るのは当たり前のことでした。15歳で学校を卒業して、腰掛け程度の仕事を探していました。将来、何を学ぶべきか、或いは大人になって何をしたいのか、考えるのにしばらく時間が必要だったのです。ちょうど、商業労組でメッセンジャーを募集していて応募しました。おわかりのように、ちっとも腰掛けにはなりませんでした。今もその仕事の延長線上にいるわけです!

初めて国際労働運動に関わったきっかけは?

組合で青年委員会の書記をしていた1987年に、パリでEURO-FIET(UNI統合前のパートナー組織FIETの欧州組織)青年大会が開催され参加しました。その時の印象がとても深く、国際労働運動に携わる長い道のりの始まりとなりました。

特に若い世代に向けて、国際労働運動の役割と意義を伝えるとしたら?

国際労働運動の役割は大きく変化してきました。私は1960年に生まれ、欧州、或いはグローバルな運動に初めて関わったのは20代後半の頃でした。当時、国際労働運動の役割は、相互理解を深めることだと考えていました。意見交換を通じて、ある政治的・社会的目標、経営者の目標が、世界中で一つの方向に向かって動いていると認識することなのだと。しかし、労働者のニーズや要求とは相反する方向でした。国際労働運動に関わって、世界がより小さくなっていくのを実感しましたが、目標に照準が定まっていなかったような気がします。

その後、欧州、そしてグローバルな運動は、より具体的な課題に取組むようになってきました。課題認識だけでなく、実際に行動を起こすようになりました。グローバルな共通の目標を設定し、世界中の経営者や政策決定者に交渉を挑んでいくための国境を越えた協力が、今では当たり前になっています。

私がこの20年間実感しているのは、「企業がローカルだった時代は、組合もローカルでよかった。企業が全国規模になると、組合も全国規模で活動をするようになった。企業がグローバル化した今、組合も当然グローバルに活動する必要がある」ということです。

グローバルな舞台で日本のUNIメンバーに期待する役割は?

日本のUNI加盟組合は、グローバルなUNIファミリーにとって大変重要な存在です。UNIの中では、日本の加盟組合は自分たちの組織のことだけでなく、支援を必要とする他の国のUNIメンバーのため、いつも最善を尽くしてくれるという信頼があります。私たちは日本の経験から学び、同時に私たちの経験も皆さんと共有していきたいです。皆さんには是非、国際連帯の重要性や、労働者が建設的かつ効果的に力を合わせた時に生まれる大きな可能性について、日本のメンバーに広く伝えていただきたいと思います。

日本についての印象は?

日本を訪れたのは、長崎世界大会の時だけですが、とても素晴らしい経験でした。日本の皆さんは準備を万全に整え、私たちを温かく迎えてくださいました。大会そのものが、文字通りブレイキングスルーでした。個人的に残念だったのは、決議委員会の議長を務めていたため、自由時間が少なく、長崎の街や歴史について見聞きする機会が限られていたことです。いずれにしても、長崎からの平和メッセージは、敬意をもってケープタウンに引き継がれました。

ケープタウンを振り返って

UNIの素晴らしい伝統は、ケープタウン世界大会でも明確でした。長崎の「ブレイキングスルー」戦略は、ケープタウンでは「インクルーディング・ユー」、現地の言葉で「ウブントゥ」の決議へと歩を進めました。「インクルーディング・ユー」は、労働組合にとって非常に中核的な決意を示しています。組合は、できる限り多くの人々を包摂することで、労働者の発言力を高めていく組織です。組合の取組みに、労働の世界における課題を取込み、労働者が組合に何を求めているか耳を傾けていく必要があります。組合への参加を可能にするだけでなく、もっと身近なものとしていかなければなりません。そこで必要なのは、組織化、組織化、組織化です。包摂の理念は、職場から地方組織へ、全国組織からグローバルユニオンへとボトムアップで進めていかなければなりません。小さな力をまとめて大きな力にしてこそ、成果を挙げることができると思います。


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