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UNI世界金融部会議長・副議長会議

2017年6月30日、イタリア・トリノのILO研修センターにおいて、第2回UNI世界金融部会議長・副議長会議が開催され、ベルロファ議長、各地域選出副議長、デクリスト局長をはじめ担当スタッフが出席した。UNI Apro金融部会からは宮井世界金融部会副議長(UNI Apro金融部会議長)が出席した。

世界金融部会の議長・副議長は、同部会の方針に沿った活動を着実に実行に移すため、定期的かつ密接に進捗を報告・共有・見直すことが重要であるとの理由から、四半期毎の電話会議に加え、年に1度、各地域で議長・副議長会議を開催することが、ベルロファ議長就任時に彼女の発案で確認された。昨年6月には米国・ワシントンで開催し、合わせて米国の銀行労働者の組合結成を支援する諸活動を行なった。2回目となる今回は、UNI金融部会が展開する途上国における金融労組強化活動を能力開発面から支援しているILOの研修センターで行われ、労働者活動局(ACTRAV)の担当者から歓迎を受けると共に、ACTRAVの活動概要並びにUNI金融部会と協力して進めている活動について説明を受けた。

各地域報告として、宮井世界金融部会副議長はUNI Apro金融部会の直近の活動概要を報告した。日本の金融部門労組はFINTECHの動向に関心を示しており、UNIの最新情報は非常に参考になると述べた。また、5月にアジア開発銀行(ADB)と共催で開催した初のシンポジウムの重要性と今後の協力強化計画について共有した。

幹部会では、FINTECH調査報告第1稿の概要が説明された他、今年のUNI世界金融部会委員会の議題や2019年に開催予定のUNI世界金融部会大会のテーマや開催地について意見交換を行なった。


第29回UNI世界運営委員会(2017年5月11~12日、スイス・ニヨン)

第29回UNI世界運営委員会が2017年5月11~12日、スイス・ニヨンのUNI本部で開催された。闘病から復帰したアン・セリンUNI会長が議事進行を行い、ルーベン・コルティナUNI米州地域会長が補佐した。開会挨拶でセリン会長は、フランス大統領選、オーストリア、オランダの総選挙で、反移民を唱える極右政党の台頭を抑えることができたこと、フィンランドの右翼連立政権の支持率が8%に落ちたことを挙げ、建設的な状況に変わることに期待を寄せた。主な議題は以下の通り。

UNI新書記長候補

既に退任を表明しているジェニングス書記長の後任については、公募と書類審査を経て、クリスティ・ホフマンUNI副書記長が5月10日の最終面接に臨んだ。UNI Aproからは野田地域会長が出席した。面接委員会はホフマンUNI副書記長を推薦し、世界運営委員会は面接委員会の推薦を確認した。10月の世界執行委員会で確認し、世界大会に世界執行委員会から勧告し、世界大会で選出される予定である。

空席になる副書記長ポストについても同様の選考プロセスで進めることが確認された。

第5回UNI世界大会(2018年6月、英国・リバプール)準備

書記長、会長候補等について確認した他、2019~2022年度のUNI加盟費について本部提案が出され、10月の世界執行委員会まで各地域・各国で検討することとした。行動計画及び動議案が出され、世界大会で採択するまでのスケジュールを確認した。女性代表40%ルールを徹底するため、資格審査委員会は、支払い状況だけでなく、ジェンダーバランスもチェックし、40%ルールを満たさない組織名は大会で公表される。青年代表は10%を目指すことが確認された。

労働の未来

昨年、現状把握をした「労働の未来」組合幹部サミットの第2弾として、今年10月に組合としての解決策を検討する組合幹部サミットを、世界執行委員会に合わせて開催する。従業員データの管理・運用、データ保護やAIの倫理的応用の分野でUNIは主導的役割を果たしたいと思っている。「労働の未来」を専門とする担当を配置した。「労働の未来」専門のウェブサイトを立ち上げ、情報共有のための専門家グループを作った。

ビジネスと人権

世界的に、企業に人権への明確なコミットメントを呼びかける動きがあり、更に単なるCSR宣言ではなく、人権尊重の義務化や人権デューデリジェンスの実行を求める動きがある。2011年に採択された国連ビジネスと人権に関する指導原則(UNGP、いわゆるラギー原則)がOECD多国籍企業ガイドラインに盛り込まれ、2017年にOECDは衣料・履物産業におけるデューデリジェンスのガイドライン及び責任ある投資家に関するガイドラインを発行した。ILOの多国籍企業に関する原則の三者宣言にもUNGPは盛り込まれた。こうした好機を捉え、UNIと加盟組合は、UNIとのグローバル協定交渉及び実施のプロセスにおいて、UNIや組合の役割を明確化するよう交渉すべきであることが確認された。

バングラデシュ・アコード(安全衛生協定)

アコードの最新情報が報告され、世界運営委員会は、以下を確認した。

  • UNIは、インダストリオールと共に、中核的なアコードの条項を維持し、かつ団結権を認める条項を含める、協定(アコード)IIを再交渉する取組みを継続する。
  • 加盟組合には、サプライチェーン労働者支援基金への直接の拠出または他の非営利財団との連携を通じて支えることを奨励する。
  • グローバルユニオンが拘束力のある協定への調印者としての役割を継続しながら、この協定モデルを新たな国へ拡大することを検討する。
  • 引き続き、バングラデシュ政府に対し、未だに「労働組合はふさわしくない」というサービス部門を含め、結社の自由及び交渉を尊重するよう主張していく。
  • バングラデシュで操業する多国籍企業(特に、テレノール、バングラリンク、アクセンチュア)にも、事業所内で結社の自由の尊重に対し責任を負うよう圧力をかける。

TiSA(新サービス貿易協定)

TiSA(新サービス貿易協定)は2013年からジュネーブで秘密裏に交渉されてきた。環太平洋パートナーシップ協定(TPP)と環大西洋貿易投資パートナーシップ協定(TTIP)という2つの大規模協定の頓挫により、唯一残っているのがTiSAである。TiSAは2017年9月まで非公式に中止されているが、ほとんど通告なしに交渉再開すると想定される。金融、電気通信、Eコマース、郵便・ロジスティクスというUNIの各部会に関わる。23のTiSAの交渉参加国には日本も含まれる。「チームTiSA」と呼ばれる6社(シティグループ(金融)、IBM(テクノロジー)、UPS(物流)、ウォルマート(小売、Eコマース)、メットライフ(保険)、リバティミューチュアル(保険))は、政府とTiSAの交渉担当者に特権的に連絡を取ることができ、「公平な競争の場」を作るという名目で、交渉参加23カ国に対し、企業がやりたいことは基本的にさせるという大胆なルールと約束を受け入れるよう望んでいる。これは、世界中で円滑に事業を行う権利、そして政府が気候変動に対する自国の社会、経済、開発、雇用、環境への影響あるいは貢献には関係なく、未知のサービスとテクノロジーを決して規制しないと約束する権利を保障することを意味している。リスクは非常に高い。従って、全ての加盟組合に今行動を起こすよう呼びかけられた。


UNI Apro/UNI-LCJ金融部会/ADB共催シンポジウム

第50回アジア開発銀行(ADB)年次総会が、2017年5月4~7日、横浜で開催された。

UNI Aproは2012年以来、PSIと共同でCSOセミナーに参加してきたが、今回初めて、UNI Apro/UNI-LCJ金融部会とADBが共催で、「アジアで金融包摂を高めるため、FINTECHのエコシステムを強化する」と題するシンポジウムを5月6日に開催し、ADBから赤松範隆シニアアドバイザー及び山寺智金融部門専門家が出席した。UNI Apro金融部会はADBとの具体的協力関係の第一歩として、金融産業における技術革新が、アジアのこれまで金融サービスを受けられなかった人々にも遍く利便性向上につながり、かつ持続可能であるように活用されることを期待し、共同でシンポジウムを開催した。

今日、FINTECHという言葉が、潜在的な利便性への期待をもってよく語られる。しかしFINTECHと一口に言っても、定義や理解が様々である。クラウドファンディングからモバイルバンキング、デジタル通貨まで幅広い。経済における金融包摂を高めるために、FINTECHは新たな手段とアプリケーションを提供する可能性がある。

宮井UNI Apro金融部会議長は開会の挨拶で、「世界でデジタル革命が急速に進展する中、金融産業が一部の富裕層や大企業のためだけでなく、全ての人々にとって利用しやすいものとなり、持続可能で魅力ある産業とするために、共同で取組むことが重要だ」と述べ、ADBとUNI Apro金融部会の協力を歓迎した。「デジタル革命が及ぼし得る金融産業への大きなインパクトを想定し、アジア太平洋地域の金融産業の労使が積極的に“労働の未来”について対話を行う必要がある。そのため、我々労働組合もグローバルな視点を持って幅広いネットワークを構築し、デジタル化をはじめとした様々な情報や知見を互いに共有すると共に、包摂的な社会や持続的成長の実現につながる提言をしていきたい」とシンポジウムの議論に期待した。ウンUNI Apro地域書記長は、シンポジウムの企画段階から、赤松氏、山寺氏の出席まで、ADBの協力と貢献に感謝した。

ジョン・ウェスト「アジアの世紀」研究所所長が司会を務めた「デジタル化をナビゲートする」と題するセッションでは、ラーマン博士(バングラデシュ中央銀行元総裁)が、バングラデシュにおける金融包摂を高めるモバイルバンキングの活用という経験を共有した。アンジェロ・デクリストUNI世界金融部会担当局長は、金融産業における将来の雇用や課題についてのUNIの見解を述べた。

宮井議長が司会を務めた知識共有セッションでは、モーテン・クラウセンUNI欧州金融部会政策担当が、欧州におけるデジタル化の社会的影響と欧州社会パートナーの取組みについて報告した。大嶋全信連副議長は、日本の金融機関におけるデジタル化の動向について報告した。宮井議長は、「デジタル時代に様々な課題はあるが、この技術の進歩を課題解消のチャンスに変えていかなければならない。また万能な規制はなく、一律の規制はうまくいかない。だからこそ、国内でも、地域的にも、国際的にも、労働組合が関与した全てのステークホルダーによる社会対話を通じて進めることが、多様な金融機関の共存と、金融産業の健全な発展に不可欠だ」とまとめた。

最後に、ジャヤスリ・プリヤラルUNI Apro金融部会担当部長は、シンポジウムの議論の成果は、ADBとの更なる共同研究を始める上での指針となるだろうと強調し、アジアの金融産業のあらゆるステークホルダーに共有していきたい、とまとめた。急速に進化するグローバル経済において、金融産業を適切に規制する指針を与える上で、ADBには、UNI Apro金融部会として支持と協力を約束すると共に、その蓄積された広範な経験を最大限活かして主導することを期待した。

シンポジウムには、UNI-LCJ金融部会加盟組織及び野田UNI Apro地域会長、青葉PSI東京事務所長、バングラデシュ、ネパール、インド、スリランカ、マレーシア、ネパールのUNI Apro金融部会加盟組織のメンバーら総勢60人余が出席した。


第50回アジア開発銀行(ADB)年次総会

第50回アジア開発銀行(ADB)年次総会が、2017年5月4~7日、横浜で開催された。UNI Apro金融部会は、第45回総会(2012年、フィリピン・マニラ)から初めて参加し、第46回(2013年、インド・デリー)、第47回(2014年、カザフスタン・アスタナ)、第48回(2015年、アゼルバイジャン、バクー)、第49回総会(2016年、ドイツ・フランクフルト)と、PSI(国際公務労連)等のグローバルユニオンと協力し、継続的に参加してきた。

ADBのビジョンはアジア太平洋地域の貧困撲滅とそのための開発支援であり、労働組合がADB総会に参加する目的はADBの民主的な運営の実現に向けた要求を行うことである。ADBのような多国間開発銀行から融資を受けて途上国で実施されるインフラ整備のプロジェクトは当初、労働者や地域住民の要求を無視して行われ、それに対する抗議から始まった。主な要求内容はADBが投資を行う際、人権・労働権、環境に配慮し、社会的セーフガードを守った投資を行うこと、その実効性を担保するために労働組合や市民団体と継続的に話し合うことである。

今回は日本開催であったため、UNI-LCJ金融部会加盟組織から多くのメンバーが積極的に参加した。ADB総会期間中の4日間、早朝から、ADB主催セミナー、CSO(ADBの中でCSOと称されるUNIのような労働団体、非営利組織、いわゆる市民団体グループ)主催セミナー、日本政府主催行事、スポンサー企業主催セミナー、夜のレセプションまで、同時並行で幾つもの行事が開催された。「CSOと中尾ADB総裁との対話」では、労働組合とPSI(国際公務労連)を代表し、川本自治労委員長が、公共サービスへの官民連携(PPP)導入に慎重であるべきと訴えた。「アジアにおける収入格差の拡大に対する取組み:市民社会からの2030戦略に対する考え」と題するオックスファム(世界90カ国以上で貧困を克服しようとする人々を支援し、貧困を生み出す状況を変えるために活動する国際協力団体)主催セミナーには、ウンUNI Apro地域書記長がパネリストとして参加した。

また、今回初めて、UNI Apro/UNI-LCJ金融部会とADBが共催で、「アジアで金融包摂を高めるため、FINTECHのエコシステムを強化する」と題するシンポジウムを5月6日に開催した。シンポジウムには、UNI-LCJ金融部会加盟組織及び野田UNI Apro地域会長、青葉PSI東京事務所長、バングラデシュ、ネパール、インド、スリランカ、マレーシア、ネパールのUNI Apro金融部会加盟組織のメンバーら総勢60人余が出席した。


メーデーに寄せて、UNIメッセージ 「希望そして攻撃からの復活」

マーティン・ルーサー・キングはかつて、我々は「現在の非常事態」に直面している、と言ったが、今日の国際労働運動も全く同じ思いである。

世界各地の路上で、多くの誇りを持った組合員が、結社の自由と団体交渉があってこそ成し遂げられるディーセントワークを要求する。我々のDNAに組み込まれている、これら公平性の基本原則は、ウーバー、アマゾン、デリバルー、テスラといったギグ経済(インターネットを介して単発の仕事を受発注する非正規労働によって成り立つ経済形態)を代表する企業にも等しく当てはまる。彼らは使用者としての責任を逃れ、従業員を騙し、最後は納税者に責任を負わせようとしている。デジタル時代の弱い者いじめは、我々を見くびってはならない。ガンジーは言った。「始めに彼等は無視し、次に笑い、そして挑みかかるだろう。そうして我々は勝つのだ。」我々は自身に誇りを持ち、我々の価値を疑わない。そうして働く人々のために勝つのだ。

UNIファミリーは勝利のメンタリティ、やればできる、の精神を誇りに思っている。

ジョージ・バーナード・ショーの言葉を言い換えれば、我々は「なぜこんなに難しいのだ」とは言わず、夢見て言う。「やってみよう!」と。

UNIは「やってみよう」のグローバルユニオンだ。2013年のラナプラザの悲劇から先週4年が経過したが、我々は見て見ぬふりはしなかった。バングラデシュ衣料産業のサプライチェーンを変えることは不可能だとは言わなかった。やってみよう!気合いを入れ、インダストリオールやNGOのグループと連携して、バングラデシュ安全協定に署名するようブランド企業を説得した。4年で、補償が支払われ、1500以上の工場が検査を受ける-我々はグローバルサプライチェーンをいかに変えるかの青写真を描いた。

今では200以上のブランドが法的拘束力のある協定にコミットしており、協定の安全衛生検査官によってカバーされた工場では1人の命も失われていないことを誇りに思っている。それでもこれで満足しているどころか、協定をもとの5年の寿命以上に延ばそうと交渉している。

先週、8000人を越える犠牲者を出したネパール大地震から2年を迎えた。UNIネパール加盟組合は結集し、海外からの支援を得て、家を失った生存者に何百もの仮設住宅を建てた。ここでも我々は諦めず、「やってみよう」と頑張った。

UNIには前向きな精神があるからこそ、世界中で何百もの組織化研修を行い、オーションやジオポストといった巨大企業とグローバル協定を結び、DHL等の企業を交渉テーブルに着かせ、我々の運命を左右するビジネスエリートに闘いを仕掛けていく。

2014年ケープタウンで立ち上げられた「労働の未来」プログラムを通じて、我々はこの分野をリードする専門家となってきた。我々は、国際組織、政府、ビジネス界から意見を求められている。彼らも勇敢な新しいデジタルの世界を航行しようとしているからだ。

我々は働く人々のために強い態度を取っていく。加盟組合が「実現」していることに感謝したい。皆さんはUNIのエンジンを動かす燃料だ。トランプ、英国EU離脱、過激思想のフランス…こうした困難の時代に我々の前に立ちはだかる任務の大きさは過小評価できない。労働運動はかつてないほどに既得権者から攻撃を受け、除外され、我々のスペースが奪われている。我々は労働者のためだけでなく、民主主義のためにも立ち上がる。オスロのノーベル平和センターには、コロンビアの和平プロセスが展示されていた。その和平に貢献したことで、サントス大統領にノーベル平和賞が贈られたが、コロンビアの組合指導者がまた攻撃されたと聞き心配している。恐怖の無い世界を求める日々の闘いは、コロンビアから韓国、パレスチナに至るまで、まだ続く。

我々は、「やってみよう」精神があるからだけでなく、勝ち取らなければならないから、勝つのである。労働の未来が、トランプと億万長者クラブの遊び場ではなく、包摂的な世界となるように。地球の人口の半分に相当する富を8人が所有するような世界、3分の1が1日2ドルも稼げない世界、1億6800万人の子供が強制労働に従事するような世界は受け入れられない。世界には十分な富がある。しかし不平等が人間の重荷になっている。我々は絶えずブレイクスルー(突破)し、全ての人々のために前進する道を探し続けなければならない。

最後に嬉しい記念日を。2017年はビートルズのアルバム、サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド発売50周年である。UNIが来年世界大会を開催するリバプールが生んだジョン・レノンは、「計画的に生きようとしても、いろいろあるのが人生」と言っている。だがUNIは、ガンジーが述べたように、「世界の中で自分が見たいと思う変化に、自分がなる」よう計画し、行動していく。

UNI書記長 フィリップ・ジェニングス


ネパール大地震から2年、UNIの仲間から感謝

UNI日本加盟組織連絡協議会

松浦議長

 

本日、4月25日、8,000人を超える犠牲者を出し、多くの人が住む場所を失ったネパール大地震から2年が経ちました。数多くの歴史的、象徴的建築物が一瞬にして瓦礫と化しました。地震のような自然災害は予測不可能で壊滅的な被害をもたらします。私たちは常に、自然の前では無力であります。

この危機によって私たちは精神的にダメージを受けましたが、同時に、連帯と集団の力の重要性を教えられました。支えてくださる人々がいれば、究極の絶望と恐怖の中にあっても、それは時に、力に変わることがあります。社会運動の活動家である私たちは、常に自らの社会的責任を心掛けていなければなりません。

苦境にある人々の顔に微笑みを取り戻すために、私たちは頑張ってきました。労働組合として、私たちは限界もわきまえながら、同時に、恵まれないコミュニティに対して、私たちの義務と責任を全力で果たそうとしています。更に、ありとあらゆる方法で彼らの生活水準を高める計画に取組んでいます。

私は、UNIネパール加盟協(UNI–NLC)と加盟組合を代表して、皆様からの寛大なご支援があったからこそ、こうした活動が実現できたと、謹んで申し上げます。皆様の、被災者へ寄り添う温かいお気持ちと復興に向けた惜しみないご支援のおかげで、私たちは悲しみの中にも希望と力を見出すことができました。

皆様からの大きなご支援によって、私たちは瓦礫の中から新しいエネルギーと復興への誓いをもって、再び立ち上がることができました。心より御礼を申し上げます。

 

UNI–NLC議長

シャンカール・ラミッチャン

 

■UNI–NLC震災救援・再建支援活動報告

2015年4月25日は、ネパール史上、最大の悪夢と言える。この大地震によって、8,000人を超える犠牲者が出、無数の人々が家族や家屋を失った。そのインパクトはあまりに甚大で、生活はほぼ元に戻ったとはいえ、未だに精神的苦痛を感じている人が多い。

政府、NGO、個人等による直後の救援物資配給の取組みは、賞賛に値する。しかし、不安定な政治状況に加え、地理的、気候的問題のために、再建プロセスは順調にはいかなかった。

労働組合は社会の重要な構成員であり、労働運動は重要な社会運動である。労働組合は社会的責任を果たさなければならない。それを踏まえて、UNI–NLCは、その力量の範囲で、またUNIをはじめとする様々な友誼団体の寛大なご支援を受けて、被災者の苦しみと悲しみを和らげるために努力している。UNI–NLCの支援活動第1段階の概要は次の通り。

第2段階として、UNI–NLCは、被災した靴製造者のグループのために、2つのコミュニティハウスの建設に取組んでいる。彼らは暮らしが貧しく、衛生面の認識が全くない。そこで、UNI–NLCは以下の目的で彼らの生計支援プログラムを実施している。

  • 再建:コミュニティハウス
  • 健康、衛生面の改善
  • 女性のリプロダクティブヘルスの認識の改善
  • 基礎教育
  • 収入を得るための技能訓練
  • 協同組合を通じたコミュニティの人々の組織化

貧困は決して誰も望んでいるわけではない。貧困撲滅には全ての人々の努力を結集することが必要だ。従って、人々が貧困を克服することができるよう、技能開発、収入を得るための訓練が行われている。

最後に、UNI–NLCは長期的利益のために協同組合に従事することを決めた。UNI–NLCは常々、被災者の涙を拭うための取組に対する、組織や個人からの寛大なご支援に感謝している。

 


UNI-LCJ金融部会、DBS銀行労使と情報交換

シンガポールのUNI金融部会加盟組織の1つ、DBS銀行労組のノラ・カーン委員長率いる執行委員会メンバーら25人とDBS銀行役員4人が、労使で戦略計画協議を行うため来日した。シンガポール屈指の同銀行は、多くの女性が活躍することでも知られている。2017年4月20日、UNI-LCJ金融部会メンバーは、少子高齢化社会という共通の課題に直面する両国における、再雇用制度とワークライフバランスをテーマに情報交換を行った。

DBS銀行労使代表団を歓迎し、宮井UNI-LCJ金融部会議長は、日本の状況について簡単に紹介した。政府の「一億層活躍プラン」の中で、労働供給力引き上げのため、子育て支援・介護支援の充実に加え、高齢者雇用促進が挙げられている。また政労使が参画する「働き方改革実現会議」において、同一労働同一賃金、非正規雇用の処遇改善の他、長時間労働是正、子育て・介護と仕事の両立等が議論されており、これらはワークライフバランスの実現に大きく関連する。多様な国籍・文化背景を持つ人材が活躍するシンガポールの、特に先進的取組みで知られるDBS銀行労使の経験を参考にしたい、と述べた。

日本における高齢者と女性の再雇用制度について、岩瀬損保労連事務局長が損保産業の、中井全信連書記長が銀行産業の現状と課題を説明した。両産業とも女性が結婚、出産、育児等を理由に退職した後、復職できる制度があり、高齢労働者は定年後、嘱託・契約社員として雇用され、希望者は公的年金が支給される65歳まで働くことができる。

DBS銀行人事担当役員サマンサ・チュア氏は、シンガポールの定年・再雇用制度の変遷について説明した。現在定年は62歳で、65歳まで再雇用としているが、今年7月1日から法改定が施行され、再雇用年齢が67歳に引き上げられ、60歳で賃金カットの条項が削除される。使用者が何らかの理由で従業員を継続雇用できない場合は雇用補助手当(EAP)を支払わなければならない。最後に、シンガポールでは高齢者の雇用可能性を高め、就業を支援するため、政労使で将来に備えた技能訓練に力を入れていると紹介した。

続いて、藤畠労済労連副委員長が日本におけるワークライフバランス実現に向けての現状と課題について、高橋生保労連副委員長が生保産業における取組み事例を報告した。日本の年間総実労働時間2000時間、年次有給休暇取得率は50%を下回る水準、そして男性の育児休業取得率が2%と説明した際、シンガポール側参加者から驚きの声があがった。生保労連では労使双方が参加するフォーラムを定期的に開催している。

DBS銀行のジョアン・ホー氏は、両立支援に予算を投じた企業には、生産性向上、従業員の満足度向上、医療関連コスト削減、優秀な人材を維持できる等の効果があったという経営者団体の調査結果を示した。シンガポールではこの10年で労働時間が減少傾向にあり、政労使委員会がワークライフバランス推進のため、労働者に柔軟な働き方を提案している。DBS銀行は両立支援の面で優良企業として表彰されており、フレックス勤務、パート、時短、在宅勤務、無給休暇等の働き方ができると述べた。

ノラ・カーンDBS銀行労組委員長は、「DBS銀行労使は過去にも日本を訪問し、UNIの金融部会の仲間と、女性の活躍推進やワークライフバランスをテーマに情報交換を行ってきた。シンガポールは日本の再雇用制度に関心を持っており、今回も非常に参考になった。ぜひ皆さんもシンガポールに来て、金融産業の最先端技術を見てほしい」と述べた。

最後に小川全国農団労書記長が、「両国には共通の課題が多いが、日本は法制度、企業の制度、労働者の意識がシンガポールより大きく立ち遅れていることを痛感した。これらの問題解決のために労働組合には大きな役割を果たさなければならない。社会で働く主人公が、家族の一員として、地域の一員としても働き続けられるようにしなければならない。短時間だったが有意義な交流をすることができた」とまとめた。


UNI Apro執行委員会、「労働の未来」を議論

2017年4月4~5日、シンガポールにおいて、第30回UNI Apro運営委員会、第23回UNI Apro執行委員会が開催された。昨年11月のUNI世界執行委員会における「労働の未来」議論を踏まえ、UNI Aproにおいても「労働の未来」フォーラムが開催された。

ジェニングスUNI書記長による基調講演

ビッグ6(グーグル、アマゾン、アップル、マイクロソフト、フェイスブック、IBM)があらゆるデータを独占している。彼らは責任あるビジネス行動とはいかなるものか、わかっていないようだ。競争だけでなく税制面でも規制をみていかなければならない。4人に1人しか正式な社会的保護を受けておらず、大儲けをしている企業が税逃れをし、更に仕事が機械に置き換わったら、人間はどうやって生きていけばよいのか。最低所得保障の議論があるが、組合の中でも懐疑的な人もいる。このような状況の中、ディーセントワークを確保するためには、組合を成長させるしかない。組織化基金を活用し、下請け労働者や専門職・監督職等も組織していかねばならない。他人に任せてはいけない。

UNIのアクション

ケープタウン世界大会で、労働の未来を取り上げることを決定した。世界経済フォーラムでも訴えた。そのため、14の産業で500万人が失職するという報告が出された。UNI欧州地域組織も調査をしている。ILOも100周年記念イニシアチブとして「仕事の未来」プロジェクトを推進しており、今後、世界委員会が立ち上げられる。我々はこのような国際機関に絶えず強力なメッセージを出し続けていかなければならない。

我々は、組合がデジタル革命の中でいかに戦略を変えようとしているか、現状に適用させようとしているか、調査している。労働者の権利、社会契約のあり方、我々のデータへのアクセス、シンギュラリティ、AIの倫理等、デジタル・マニフェストを作りたい。そのための取組みとして、①新たに「労働の未来」専用ウェブサイトを立ち上げ、②「デジタル化専門家グループ」への参加を加盟組合から募っている。これらはUNIの専門知識のハブとして、リバプール世界大会までに解決策をまとめていく。

「アクションを起こすのは我々だ。解決策を提示するのは我々だ!」

パトリック・テイ氏によるシンガポールの状況報告

シンガポール加盟協(UNI-SLC)からは27人が傍聴した。代表して、パトリック・テイ商業労組書記長(シンガポール全国労働組合会議SNTUC副書記長)が、SNTUCの取組みについて報告した。シンガポールは貿易やグローバル化に依存しており、不確実性の時代に、欧米、中国、東南アジアの動向から大きな影響を受ける。3D(①Demand、②Destruction、③Demographic)という言葉があり、大きく襲い掛かっている。①グローバルなDemand(需要)が下がった。②デジタル化の影響で、以前はトップ企業といえば石油会社だったが今はハイテク企業にその座を譲り、弱肉強食ではなく、等しく食べられてしまう。シェアリング・エコノミーが増え、大手多国籍企業ばかりでなく小規模スタートアップ企業も増えている。技術革新によりシンガポールでは43%の雇用が代替可能と言われており、破壊的状況(Destruction)だ。③急速な高齢化、出生率低下(Demographic)。

これらを克服するための対応として、将来のスキル訓練と、産業別政労使三者委員会による取組みを紹介した。

将来のスキル訓練は、失業者保護だけでなく、将来の失業者防止のためである。組合だけでなく、政労使、学者、コンサルタント、専門家、フリーランス、中小企業等と共に、弾力性をもって新たな雇用に備え準備していく試みを今年1月から開始した。

23の産業別政労使三者委員会を設置した。例えば金融委員会であれば、財務省、金融機関、中央銀行、組合が委員会に入り、政策提言に関与する。それぞれの産業の変革マップをつくっている。生産性について考え、労働者がデジタル化を受け入れるにあたり、マルチスキルにする。6部門で既にマップができあがり、来年3月には17部会もできる。

パトリック氏は、三者主義で取組む重要性を強調し、ILOやUNIの取組みと足並みを揃えていると述べた。

これらの報告を受け、松浦UNI-LCJ議長からは日本の状況について簡単に報告すると共に、UNI-LCJとして8月頃「労働の未来」シンポジウムを開催し、リバプールUNI世界大会までにUNI-LCJとしての見解をまとめる予定であると述べた。

ジェニングスUNI書記長は、デジタル資本主義に関する調査を行い、リバプールまでに結果をまとめると述べた。UNI Aproでは今年の部会大会で「労働の未来」を議論することになっており、各国でUNI Aproのリーダーが取組みの中心となることに期待を寄せた。

夕食会には、退任した鈴木ITUC-AP前書記長を招き、野田UNI Apro地域会長から感謝の盾が贈られた。

 


損保労連、結成50周年!

損保労連は1967年に結成され、今年で50周年を迎えた。3月8日、歴代役員、UNI-LCJ役員、労働組合関係者、業界団体、行政等、250余人が参集して、祝賀行事が開かれた。50年前、12,000人でスタートした損保労連は今日、21加盟単組92,000人を超えるまでの組織となった。

損保労連は、1981年に当時のApro FIETに加盟し、2002年からは歴代委員長がUNI Apro金融部会議長を務める等、アジア太平洋地域の金融部会の取組みに積極的に参加してきた。

宮井委員長は、挨拶の中で、「超少子高齢化に伴う人口減少やグローバル化、デジタル化の急速な進展、或いは気候変動の影響による自然災害リスクの増加等、社会・産業を取り巻く情勢は大きく変化しつつある。このような中で、労働組合には“グローバルな視点”と“ローカルの視点”が必要だ」と述べた。また、「組合活動は組合員やその家族の笑顔を守る仕事である」とし、社会や顧客の「安心・安全」を支える損保産業において、たとえAI等の技術が進化しても、顧客に安心感を届けることができるのは、笑顔で働く「人」であると強調した。

石川元委員長も、OBを代表して挨拶した。


フェミニストでよかった! 組合員でよかった!

2017年1月21日、ワシントンで100万もの女性が、更には世界中で500万を超える女性が立ち上がり、女性の権利に関する法規制から、移民政策、医療、環境、人種差別、宗教の自由、労働者の権利まで啓発する世界規模のデモが行われた。

抗議の発端は、トランプ米大統領の女性に関する発言と見解に対するもので、1日のデモとしては米国史上、最大規模のものとなった。

このデモの前日にダボスで開催されていた世界経済フォーラムで、フィリップ・ジェニングスUNI書記長は同様な力強いメッセージを打ち出した。「みんなフェミニストになるべきだ。男女共に平等を勝ち取るために闘おう。」

職場で女性は50%を占めるが、未だに女性の管理職は少なく、また女性であるがために差別や暴力を受け、賃金格差も存在する。しかし、組合員として社会正義と平等を求めて共に闘うことで、世界中の何百万人もの女性労働者の立場を良くするよう、変えていくことができる。

そこで、UNIは今年3月8日の国際女性デーに、女性が社会において平等な立場を勝ち取るための闘いを記念し、UNI機会均等局のキャンペーン「フェミニストでよかった!組合員でよかった!」を立ち上げるので、是非参加してほしい。

何百万人もの男女が、公園で記念行事を開催したり、カラフルに着飾ったり、デモ行進をしたり、世界各地で様々なイベントに参加する。人間は皆平等であると信じるなら、あなたもフェミニスト。一緒に国際女性デーのUNIキャンペーンを盛り上げよう。

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「みんなでいっしょにやればできる!」

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