UNI Apro/UNI-LCJ金融部会/ADB共催シンポジウム

第50回アジア開発銀行(ADB)年次総会が、2017年5月4~7日、横浜で開催された。

UNI Aproは2012年以来、PSIと共同でCSOセミナーに参加してきたが、今回初めて、UNI Apro/UNI-LCJ金融部会とADBが共催で、「アジアで金融包摂を高めるため、FINTECHのエコシステムを強化する」と題するシンポジウムを5月6日に開催し、ADBから赤松範隆シニアアドバイザー及び山寺智金融部門専門家が出席した。UNI Apro金融部会はADBとの具体的協力関係の第一歩として、金融産業における技術革新が、アジアのこれまで金融サービスを受けられなかった人々にも遍く利便性向上につながり、かつ持続可能であるように活用されることを期待し、共同でシンポジウムを開催した。

今日、FINTECHという言葉が、潜在的な利便性への期待をもってよく語られる。しかしFINTECHと一口に言っても、定義や理解が様々である。クラウドファンディングからモバイルバンキング、デジタル通貨まで幅広い。経済における金融包摂を高めるために、FINTECHは新たな手段とアプリケーションを提供する可能性がある。

宮井UNI Apro金融部会議長は開会の挨拶で、「世界でデジタル革命が急速に進展する中、金融産業が一部の富裕層や大企業のためだけでなく、全ての人々にとって利用しやすいものとなり、持続可能で魅力ある産業とするために、共同で取組むことが重要だ」と述べ、ADBとUNI Apro金融部会の協力を歓迎した。「デジタル革命が及ぼし得る金融産業への大きなインパクトを想定し、アジア太平洋地域の金融産業の労使が積極的に“労働の未来”について対話を行う必要がある。そのため、我々労働組合もグローバルな視点を持って幅広いネットワークを構築し、デジタル化をはじめとした様々な情報や知見を互いに共有すると共に、包摂的な社会や持続的成長の実現につながる提言をしていきたい」とシンポジウムの議論に期待した。ウンUNI Apro地域書記長は、シンポジウムの企画段階から、赤松氏、山寺氏の出席まで、ADBの協力と貢献に感謝した。

ジョン・ウェスト「アジアの世紀」研究所所長が司会を務めた「デジタル化をナビゲートする」と題するセッションでは、ラーマン博士(バングラデシュ中央銀行元総裁)が、バングラデシュにおける金融包摂を高めるモバイルバンキングの活用という経験を共有した。アンジェロ・デクリストUNI世界金融部会担当局長は、金融産業における将来の雇用や課題についてのUNIの見解を述べた。

宮井議長が司会を務めた知識共有セッションでは、モーテン・クラウセンUNI欧州金融部会政策担当が、欧州におけるデジタル化の社会的影響と欧州社会パートナーの取組みについて報告した。大嶋全信連副議長は、日本の金融機関におけるデジタル化の動向について報告した。宮井議長は、「デジタル時代に様々な課題はあるが、この技術の進歩を課題解消のチャンスに変えていかなければならない。また万能な規制はなく、一律の規制はうまくいかない。だからこそ、国内でも、地域的にも、国際的にも、労働組合が関与した全てのステークホルダーによる社会対話を通じて進めることが、多様な金融機関の共存と、金融産業の健全な発展に不可欠だ」とまとめた。

最後に、ジャヤスリ・プリヤラルUNI Apro金融部会担当部長は、シンポジウムの議論の成果は、ADBとの更なる共同研究を始める上での指針となるだろうと強調し、アジアの金融産業のあらゆるステークホルダーに共有していきたい、とまとめた。急速に進化するグローバル経済において、金融産業を適切に規制する指針を与える上で、ADBには、UNI Apro金融部会として支持と協力を約束すると共に、その蓄積された広範な経験を最大限活かして主導することを期待した。

シンポジウムには、UNI-LCJ金融部会加盟組織及び野田UNI Apro地域会長、青葉PSI東京事務所長、バングラデシュ、ネパール、インド、スリランカ、マレーシア、ネパールのUNI Apro金融部会加盟組織のメンバーら総勢60人余が出席した。


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