第29回UNI世界運営委員会(2017年5月11~12日、スイス・ニヨン)

第29回UNI世界運営委員会が2017年5月11~12日、スイス・ニヨンのUNI本部で開催された。闘病から復帰したアン・セリンUNI会長が議事進行を行い、ルーベン・コルティナUNI米州地域会長が補佐した。開会挨拶でセリン会長は、フランス大統領選、オーストリア、オランダの総選挙で、反移民を唱える極右政党の台頭を抑えることができたこと、フィンランドの右翼連立政権の支持率が8%に落ちたことを挙げ、建設的な状況に変わることに期待を寄せた。主な議題は以下の通り。

UNI新書記長候補

既に退任を表明しているジェニングス書記長の後任については、公募と書類審査を経て、クリスティ・ホフマンUNI副書記長が5月10日の最終面接に臨んだ。UNI Aproからは野田地域会長が出席した。面接委員会はホフマンUNI副書記長を推薦し、世界運営委員会は面接委員会の推薦を確認した。10月の世界執行委員会で確認し、世界大会に世界執行委員会から勧告し、世界大会で選出される予定である。

空席になる副書記長ポストについても同様の選考プロセスで進めることが確認された。

5UNI世界大会(20186月、英国・リバプール)準備

書記長、会長候補等について確認した他、2019~2022年度のUNI加盟費について本部提案が出され、10月の世界執行委員会まで各地域・各国で検討することとした。行動計画及び動議案が出され、世界大会で採択するまでのスケジュールを確認した。女性代表40%ルールを徹底するため、資格審査委員会は、支払い状況だけでなく、ジェンダーバランスもチェックし、40%ルールを満たさない組織名は大会で公表される。青年代表は10%を目指すことが確認された。

労働の未来

昨年、現状把握をした「労働の未来」組合幹部サミットの第2弾として、今年10月に組合としての解決策を検討する組合幹部サミットを、世界執行委員会に合わせて開催する。従業員データの管理・運用、データ保護やAIの倫理的応用の分野でUNIは主導的役割を果たしたいと思っている。「労働の未来」を専門とする担当を配置した。「労働の未来」専門のウェブサイトを立ち上げ、情報共有のための専門家グループを作った。

ビジネスと人権

世界的に、企業に人権への明確なコミットメントを呼びかける動きがあり、更に単なるCSR宣言ではなく、人権尊重の義務化や人権デューデリジェンスの実行を求める動きがある。2011年に採択された国連ビジネスと人権に関する指導原則(UNGP、いわゆるラギー原則)がOECD多国籍企業ガイドラインに盛り込まれ、2017年にOECDは衣料・履物産業におけるデューデリジェンスのガイドライン及び責任ある投資家に関するガイドラインを発行した。ILOの多国籍企業に関する原則の三者宣言にもUNGPは盛り込まれた。こうした好機を捉え、UNIと加盟組合は、UNIとのグローバル協定交渉及び実施のプロセスにおいて、UNIや組合の役割を明確化するよう交渉すべきであることが確認された。

バングラデシュ・アコード(安全衛生協定)

アコードの最新情報が報告され、世界運営委員会は、以下を確認した。

  • UNIは、インダストリオールと共に、中核的なアコードの条項を維持し、かつ団結権を認める条項を含める、協定(アコード)IIを再交渉する取組みを継続する。
  • 加盟組合には、サプライチェーン労働者支援基金への直接の拠出または他の非営利財団との連携を通じて支えることを奨励する。
  • グローバルユニオンが拘束力のある協定への調印者としての役割を継続しながら、この協定モデルを新たな国へ拡大することを検討する。
  • 引き続き、バングラデシュ政府に対し、未だに「労働組合はふさわしくない」というサービス部門を含め、結社の自由及び交渉を尊重するよう主張していく。
  • バングラデシュで操業する多国籍企業(特に、テレノール、バングラリンク、アクセンチュア)にも、事業所内で結社の自由の尊重に対し責任を負うよう圧力をかける。

TiSA(新サービス貿易協定)

TiSA(新サービス貿易協定)は2013年からジュネーブで秘密裏に交渉されてきた。環太平洋パートナーシップ協定(TPP)と環大西洋貿易投資パートナーシップ協定(TTIP)という2つの大規模協定の頓挫により、唯一残っているのがTiSAである。TiSAは2017年9月まで非公式に中止されているが、ほとんど通告なしに交渉再開すると想定される。金融、電気通信、Eコマース、郵便・ロジスティクスというUNIの各部会に関わる。23のTiSAの交渉参加国には日本も含まれる。「チームTiSA」と呼ばれる6社(シティグループ(金融)、IBM(テクノロジー)、UPS(物流)、ウォルマート(小売、Eコマース)、メットライフ(保険)、リバティミューチュアル(保険))は、政府とTiSAの交渉担当者に特権的に連絡を取ることができ、「公平な競争の場」を作るという名目で、交渉参加23カ国に対し、企業がやりたいことは基本的にさせるという大胆なルールと約束を受け入れるよう望んでいる。これは、世界中で円滑に事業を行う権利、そして政府が気候変動に対する自国の社会、経済、開発、雇用、環境への影響あるいは貢献には関係なく、未知のサービスとテクノロジーを決して規制しないと約束する権利を保障することを意味している。リスクは非常に高い。従って、全ての加盟組合に今行動を起こすよう呼びかけられた。


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