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UNI/ITF世界デリバリー会議

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UNI/ITF世界デリバリー会議が2015年11月4~6日、スイス・ニヨンで開催され、UNIとITFから100人以上が出席し、過去最大規模の会議となった。日本のUNIとITFが合同代表団を送ったのも、今回が初めてである。UNIからは、増田JP労組副委員長、福島同中執、伊藤UNI Apro郵便・ロジスティクス部会担当部長が参加し、ITFからは小畑運輸労連書記長、豊田トールジャパン労組委員長、赤塚FedEx労組委員長、鈴木同執行委員、瀧ITF東京事務所長の5人が参加した。

UNIを代表してスティーブ、ITFを代表してインゴから挨拶が有り、共に「急速な変化に直面する郵便事業にあって、郵便物流事業の戦略を練る必要がある」、「FedExとTNTの合併、JP/トールの合併によって、我々すべてが影響を受ける」と表明した。フィリップUNI書記長は、郵便・ロジスティクス部会の現状を分析し、「公社化、民営化の中、Eコマースの主流化とともに、新しいデリバリーの形態が出現している。影響力を持つ国際機関で労組の影響力を増さねばならない。GUFが団結して、挑戦していこう」と述べた。インゴは、「ITFが昨年の大会で新しい指導部を選出し、2014~2018年の方針(7つのてこ)を決定した」ことを紹介し、「カウンターバランスを産業の中に作っていかねばならない」と述べた。

外注化のセッションでは、まずパネル討論、言語別グループ討論があり、アウトソーシングについて意見交換した。

ドイツポスト/DHLのセッションでは、49の企業を作るという施策に対し、46日間のストで戦ったヴェルディの経験を振り返り、最終的に雇用の保護、小包の労働者の労働条件維持につき2018年までの合意を取り付けることに成功した例を学んだ。今後見習い者の採用、小包の配達の改善、地域の49企業の完全組織化、労使協議会の形成などを行っていく。

JP/トールについては、浦田ITF路面部会担当部長のコーディネートで、このパネル討論は行われた。増田氏は、パワーポイントを使ってJPの仕組み、IPO、トール買収、そしてJP労組とトールを組織しているTWUなどの労組との交流を報告し、良い労使関係を全世界のトールの中で作りたいと述べた。続いてシェルダンTWU書記長は、トールの買収の歴史と労働組合の対応について説明し、この間の成果、さらに社内・社外で組織化することの重要性を語った。チム氏は米国の経験として、東海岸では労働組合活動家が解雇されるなど問題があることを語った。豊田氏は、2009年トールによる買収に至るまでの苦難の歴史を語った。伊藤氏は「今やアジア太平洋でトール組織化を成し遂げることが緊急の課題となっている」と述べた。

日本代表団としては、ほとんどがJP/トールグループに参加、ロジスティクス産業の状況の認識、課題の整理、次回ミーティングの持ち方などを討論した。日本の運輸産業について小畑氏から説明があり、続いてトニー氏からオーストラリアの状況について説明があった。「TWUは豪州のドライバーの26%を組織しており、組織化された労働者によって全輸送量の45%が担われている。事故死の割合は他の業界に比べ15%高い、労災の比率で見ると、他の業界に比べ22倍となる。世界金融危機以後賃金に対する圧力は高まった。需要が高まっているが、トラックに対して投資された資金は低い。その結果、現場では長時間労働が多く見られる。対価を支払っていないことに対し、支払わせる、ロビー活動を行って、立法案を求めていくなどの活動を行っている。この中で、Woolworthなど商業の顧客企業もサプライチェーンの中でフェアな賃金を払うという合意を取り付けた。また、5スターレイティングシステム、安全レート、サプライチェーンについても合意している。平等なマーケット環境を作ることに、組合は努力している。」「トールは小包市場で8~16%のシェアを持ち、Eコマースについては、アプリの会社と提携し、2年後に小包市場の30%を得るとしている。Uber、Shelpaなどの企業もEコマースに参入しており、今後彼らとの戦いが予想される。」続いて、組織化課題の討論に移り、ITF側は、トルコ、韓国、イギリスなどの国々をターゲットとしたいとの方向性が、UNI側としては、マッピングしたうえで、2~3カ国を選び、SCOREへのプロジェクト支援を得て進めたいとの意見が出された。さらにTWUは、今後の課題として、トールとTWUが2017年から結ぶ次期労働協約の交渉が2016年6月から行われ、その中で事業計画を協約に書き入れる際に、海外事業展開等に対する取り決めをMOUとして会社に求めたいという提案を行った。ITF、さらにトールと関係する労組と文言を調整したいと言う訳である。JP労組は、MOUに日本郵便を加えることは、未だに約9割の株式を国が保持する特殊会社であることもあり、相当困難性が高いだろうとの見解を示した。

3日目は、各グループから発表があり、JP/トールグループは増田氏とトニー氏が発表した。

意見の相違はありつつも、JP/トールの労組が集まって討論する貴重な機会であり、大変有意義な会議であった。


第4回UNI Apro東アジア労組フォーラム

第4回UNI Apro東アジア労組フォーラムが、2015年10月28~29日、京都で開催された。日本、韓国、台湾、香港より約120人が参集し、「新たな頂点を極める:東アジアにおける労働組合の戦略と連帯」というメインスローガンの下、「賃金の公正な分配」、「母性の保護」、「労働安全衛生」の3つのテーマで議論した。

小俣UNI-LCJ議長は、今回の海外参加者数は過去最大数となり、東アジア地域の参加組合の連帯が回を重ねるごとに深まっているとした。賃金の公正な分配により、労働者の取り分を多くし、同時に労働安全衛生、広い意味でワークライフバランスを実現することによって、子供を安心して産み育てることができる社会につながるという点で、今回の3つのテーマの関連性を指摘し、有意義な議論を期待した。

逢見UNI Apro会長は、「東アジア経済危機の再来」と題する基調講演を行った。中国経済の実態、米国の利上げ、新興国の政治的経済的問題などが複雑に絡み合う不安定な時代にあって、金融危機は繰り返し出現する可能性は否定できない。労働組合を含めた社会パートナーが、それを阻止することはできないとしても、転換するメカニズムとルール作りが重要ではないか。労働組合はステークホルダーとして、企業行動をチェックする機能を今こそ果たすべきであり、グローバル枠組み協定や、国連の責任投資原則などをベースに対話を進めることの重要性を強調した。

第1セッション「賃金の公正な分配」

同志社大学の石田教授から、欧米の仕事基準の賃金と、日本等の人基準の賃金の比較という興味深い導入報告があった。その中で、人基準の賃金の負の側面として、働きすぎと、人基準賃金の正社員・仕事基準賃金の非正規社員の格差が指摘された。

これを受けて、各国・各組織からの事例報告では、男女間、大企業と中小企業、正規・非正規などの要素を含む賃金格差についての現状、課題、格差解消の取り組みの報告があった。情報労連・柴原氏は、KDDIが直接雇用している有期契約社員の一時金や、正社員を上回るベースアップの獲得、正社員登用制度の導入といった取組み成果を報告した。UAゼンセン・桂氏は、日本の流通産業はパートタイマー組合員に支えられていること、正社員とパートタイマーの職務内容の違いに比べ賃金格差が大きすぎることなどから、人材不足が懸念される中、モチベーションをもって働ける魅力的な産業とするためにも格差是正の必要性を強調した。自動車総連・山田氏は、業種間・企業規模間で見た賃金改善の獲得状況は、むしろ格差拡大の傾向にある点を注視し、自動車産業の持続的成長に向け、中小企業の格差是正と非正規労働者の処遇改善による、業界全体の底上げに取組む方針を示した。韓国KFCLUのイ氏は、政府による賃金ピーク制、成果主義賃金体系の導入奨励といった賃金体系改悪の動きや、労働者契約期間延長、派遣業務範囲の拡大をはじめとする非正規職拡大政策の阻止に向けた、韓国労働運動の反対闘争を紹介した。KFIUのチュン氏は、銀行における男女賃金差別是正の長年の取組みの成果と、1997年のIMF管理体制以降、急増した非正規職を組合の交渉によって減少させた点を、産別だからこそできることだと強調した。台湾CTWUのツェン氏は、賃金関連法規や民間企業の賃金構造等を説明した上で、賃金構造の低層化や、賃金上昇が物価上昇や経済成長に追いつかず、台湾の貧富の差が加速的に拡大している現況を報告した。司会を務めた八野UAゼンセン副会長は、韓国の労働市場改悪に対する反対闘争に、東アジアの仲間として支援を表明すると共に、賃金格差、貧富の格差、非正規の処遇等の問題に対する認識を持ち、取組みを進めることが重要であるとした。そのためには、組織化の推進と、労働の尊厳を守ることを、原点に戻って考えなければならないとまとめた。

第2セッション「母性の保護」

韓国KFSU・カン氏の司会でパネル討論を行った。まずは、日本・全労金の深見氏から日本の育児・介護休業法、次世代育成支援対策推進法、韓国・KFIUのイ氏から金融労組が現行法を先導した育児休業制度、台湾・TFFUのリン氏から「労働基準法」、「男女職業平等法」、「職業安全衛生法」に含まれる母性保護関連法制と、女性の就業権と母性保護両者の重視について、香港のライハ氏から民間及び公的部門の母親・父親の休暇制度等、各国の母性保護関連法制について報告を受けた。

続いて、日本・生保労連・宮本氏から生保労連及び加盟組合の取組みと成果、特に男性育休100%を目指す取組みの紹介があった。韓国・KFIUのイ氏は金融労組の模範事例を挙げ、台湾PTSFEU・ワン氏は育児休職中の成績査定の扱いと女性の夜間業務における安全保護協定について、香港RCCIGUのライハ氏から職場における妊婦への差別の存在など、職場の現状や労使協約について聞いた。

最後に、日本・全信連の斉藤氏、韓国KHMUのカン氏、台湾のワン氏、香港のライハ氏が、今後の課題についてそれぞれ述べた。斉藤氏は、出産・育児関連制度の利用者は増加するも、問題点も出され、利用者本人及び周囲の意識が重要であり、制度の周知徹底と不安解消策の提言が必要だと述べた。カン氏は、看護士不足の病院で暗黙の了解となっている妊娠順番制の存在を指摘し、女性組合員が多い医療保険労組の様々な母性保護関連の取組みを紹介した。ワン氏は母性保護に関する広義の考え方や、男女平等教育の強化が課題であるとした。ライハ氏はILOの母性保護条約の批准や、違反した使用者への罰則強化が課題だと述べた。

司会のカン氏は、「良い法律や協約があっても、当事者及び労働組合の実践の意思がなければ何もならないことを再認識した。各国の状況を比較しながら、至らない点は今後補っていくのに良い教訓を得られた。それぞれが先進的に実践する模範的組織となるよう願っている」とまとめた。

第3セッション「サービス産業における労働安全衛生」

UNI Aproのラジェンドラ労組強化部長と玉井組織化部長は、UNI Aproが東南アジアの小売業を中心に活用を普及させている、小売業における労働安全衛生に関するUNI Aproガイドラインの内容について、また特にインドネシアにおける活用事例を紹介した。労働大臣によって承認され、企業からも評価を受けて、政労使パートナーシップで安全衛生文化を根付かせようとしていることが強調された。更にインドネシアは最近、労働安全衛生に関するILO条約を批准するに至り、これはUNI Aproが働きかけた成果だと述べた。

台湾CPWU・チェン氏は、ハイテク及びサービス産業におけるストレス、長時間労働、ハラスメントといった問題、中高年労働者、一般女性労働者・母性保護、少年労働者の保護強化などについて報告した。韓国KFS・のカン氏は、感情労働は精神健康被害をひきおこす人権侵害だと強調し、グローバル企業で感情労働手当てや休暇を導入させた経緯や、労災認定を拡大する取組みを報告した。韓国KPWUのキム氏は、郵便配達中の事故防止や作業場環境改善、安全文化周知徹底の取組みの結果、労災が70%減少したと述べた。損保労連・辻田氏は、損保労連結成当時からの課題である長時間労働に関し、2011年頃に時短の取組み効果が表れるも、最近は業務領域の拡大に伴う業務量増加や業務の高度化により、特に女性の役割が大きく変化した上、長時間労働につながっているとし、ワークライフバランス、ダイバーシティの理解浸透、育児・介護と仕事の両立の支援、男性の働き方改革等の取組み強化が必要だと述べた。日放労・岡﨑氏は放送局における長時間労働が健康と番組の質に及ぼす深刻な影響を指摘し、意識改革と「よく休む」状況作りに取組んでいると報告した。JP労組・八木氏は、労働安全衛生の取組みは企業の責任だけでなく現場の労働者の参画が不可欠であるとし、日本郵便における交通安全管理、危険予防等の取組みにより事故率が減少したと報告した。会場からは多くの質問が出され、この問題に対する関心の高さがうかがえた。

最後に野田UNI-LCJ副議長が共同宣言(次頁)を読み上げ、満場一致で採択された。第5回フォーラムは来年10月下旬、韓国で開催する予定。

All in Kyoto

共同宣言

新たな頂点を極める : 東アジアにおける労働組合の戦略と連帯

UNI Apro東アジア労組フォーラムは、香港、日本、韓国、台湾の未加盟労組を含めたUNIに集うサービス産業労働組合間の協力の枠組みを確立する試みである。

労働組合の連帯が東アジア地域の様々な課題を打開する鍵となるように、率直な意見交換と議論を通じて、連帯、友情、相互理解を更に深めていくことは大変重要である。

2012 年、東京で第1 回フォーラムを成功裏に開催し、2013 年、ソウルでの第2 回フォーラム、2014 年、台北での第3 回フォーラムを経て、我々の結束は確実に高まり、フォーラムの継続が確認された。

今回のフォーラムは、メインスローガン「新たな頂点を極める:東アジアにおける労働組合の戦略と連帯」の下、「賃金の公正な分配」、「母性の保護」、「サービス産業における労働安全衛生」という3つのテーマを取り上げた。各国の好事例や教訓を共有することによって、非正規労働者の増大や格差の拡大、労働条件・職場環境・安全衛生面の改善、ワークライフバランス、特に女性労働者の労働環境の改善等、課題を再認識し、克服するための参考とすることができた。

また、フォーラム参加者は、経済のグローバル化によって、欧米に端を発する危機だけでなく、東アジアや新興国の経済状況によっても、我々の経済・雇用が大きなインパクトを受けるようになってきたことを認識した。現在結集する東アジア労組フォーラム参加労組の経験を活用し、対話の輪を更に広げることは、今後の東アジア地域の更なる発展に貢献するものである。

東アジアのサービス産業の労働組合は、新たな頂点を極めるために、労働組合間の戦略的パートナーシップを更に強化し、互いを尊重し、率直な意見交換をすることによって、各国の労働者とその家族の幸せのために今後も連携を深めていくことをあらためて宣誓する。

2015年10月29日

第4回UNI Apro東アジア労組フォーラム参加者一同


第13回UNI Apro東アジア郵便労組フォーラム

group第13回UNI Apro東アジア郵便労組フォーラムは、2015年10月27日、京都で開催された。東アジア地域にける郵便労組の友好・信頼関係の醸成と、事業を取り巻く情勢の共有のため、日本・韓国・台湾の郵便労組から70人が出席した。KPWU(韓国)からはキム委員長以下9人、CPWU(台湾)からは鄭委員長以下7人。今回は日本開催でJP労組がホスト組合であることから、各地本の国際担当者やユースネットワークも含めた約40人が参加した。テーマは、「非正規職員の労働条件改善」、「アジア太平洋の郵便事業と東アジア3 カ国の郵便労組の戦略構想」であった。

小俣委員長は開会式で、「かんぽ生命保険は、2016年にも米IBMの学習するコンピューター「ワトソン」を保険金の支払業務に導入する。人口知能の発達は労働の概念を大きく転換させることに繋がるとことを意味する。労働組合は、このことを可能性と受け止めるべきなのか、それとも憂慮すべき事態として受け止めるべきなのか。労働運動は、人を見つめ、働くことを見つめ、そして社会全体を見つめながら組み立てることが重要で、どのような技術の進歩や環境の変化があろうとも、働くことの価値、生きていくことの尊厳を高め貫くことが基本だ」と挨拶した。

IPOとJP労組の今後

柴企画局長からは「IPOとJP労組の今後」として、海外からの注目度の高い株式公開による売却利益のその使途や日本郵政によるトールの買収理由が報告された。一方、JP労組もこのトールの買収を通じて、これまでの労働組合の枠組みに収まらない国際連携の強化を進め、トールの親会社「日本郵便」に対するJP労組の労使交渉等を通じて、日本的労使関係の浸透による組織化促進や、グローバル化時代として、海外の買収先の企業やその子会社の労働者の労働条件の向上を常に意識していると報告した。

日本郵便の海外戦略

日本郵便の目時執行役員から、世界最大のeコマース市場となるアジア市場の獲得のためのeBayや楽天との連携、海外通販セミナーの実施、新たな需要の掘り起こしとして国際郵便商品のラインナップ拡充(UGX、クールEMS、トール社買収)戦略等のプレゼンがあった。

非正規を巡る各労組の取組と進展状況

キムKPWU副委員長から、労働条件改善についての考察として、韓国郵政における非正規雇用の導入背景、その運用実態と問題点、非正規雇用の保護システム、KPWUの非正規職員の労働条件改善努力等について報告があった。その中では、長期間勤続手当・給食費・家族手当の支給や内務職員の制服の支給対象の拡大等の成果が明らかにされた。今後のKPWUの方向性として、身分の保証と雇用の安定、正規職員、祭日賞与などの各種手当の格差解消へ取組みが報告された。

台湾では、2003年の公社化に際して企業の競争力の強化と人件費の削減のために「雙軌制人事制(二重の人事制度)」を導入した。中華郵政には国家公務員身分の職員と公務員身分ではない職員が併存している。特に給与について非公務員給与は公務員の約75~80%に抑えられており、職員間の軋轢があることからCPWUとしても非公務員身分の職員待遇改善のために、特別休暇の手当支給、人事評価による賞与の支給、昇格なしとして給与の最高額に達している職員への賞与支給等を中華郵政から獲得したことが報告された。

JP労組が進めている非正規社員への取組みについて福島中央執行委員から、地域最低賃金を上回る郵政最低賃金や日本郵政グループ各社の期間雇用社員から正規社員登用のスキームや実際の登用者数や登用予定者数が示された。また、時給制期間雇用社員の休暇制度(特別休暇・女性社員の分娩・育児休暇・介護休暇等)について報告した。

UNI Apro郵便・ロジスティクス部会と共に15年

来年に退職を控えている伊藤UNI Apro郵便・ロジスティクス部会担当部長から、自らのたどった過去15年に及ぶ国際労働運動、特に民主化直後のインドネシアポストの労働者の組織化、フィリピン等における複数ある郵便労組統一への思いが語られた。まだまだアジアの郵便労働者や郵便労組は支援を必要としており、今後もUNI Aproと連携して支援をしてほしいと要請があった。また、後継者への課題として、オーストラリアの郵便労組や中国郵電工会との関係を再構築してほしいとの期待が託された。

パネルディスカッション

小俣委員長、キム委員長、鄭理事長の3人に、伊藤UNI Apro郵便・ロジスティクス部会担当部長がモデレータとして加わった。各国の供する課題として、郵便事業は確かに大きく郵便物数を減らしており、事業は小包の増加によって救われているが、小包部門の競争も激化している。しかし、3カ国は、郵便、貯金、保険の三事業を持っており、事業の多角化をすでに実現している。この点は、他の地域にはない独自性であり、三事業一体ということは東アジア郵便事業の守るべき価値である。また、日本郵便のオーストラリア・トール買収に見られるように、今後海外戦略にどう対処していくかという問題がある。UNIのネットワークを活かし、当該企業の良し悪しを調査し失敗に至らないように判断することも可能であるという点で各労組の今後の方向性の一致をみた。


UNI Apro/JP労組共同英語セミナー

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第5回UNI Apro/JP労組共同英語セミナーが東京・青梅のかんぽの宿で、2015年10月10~11日に開催され、JP労組のユースメンバーを中心に32人が参加した。本セミナーは英語のみによるセミナーであり、2011年から毎年実施している。今年のセミナーでは労働組合の地域貢献活動に焦点が当てられた。

今回のセミナーには海外の郵便労組からリソースパーソンとして、台湾CPWUのアミア・タン氏、インドネシアSPPIのデディ・ハルヤント氏、米国NALC(外勤労組)のクリス・ヘンウッド氏の3人を招聘した。更にUNIから、伊藤UNI Apro郵便・ロジスティクス部会担当部長、小川UNI Apro機会均等部長、UNI-LCJスタッフのベイカーも参加した。

八木国際部長の司会でセミナーは始まり、増田喜三郎副委員長は海外からのリソースパーソンを歓迎すると共に、参加者に対しては、このような機会を活用して、台湾、インドネシア、米国の郵政事情や労働組合活動を学び、学んだことを職場や地域で発信し、JP労組運動の活性化と豊富化につなげてほしい、と期待した。

伊藤UNI Apro郵便・ロジスティクス部会担当部長は、「UNIと共に歩んだ15年を振り返って」と題する講演を行い、自らの経験から、JP労組の若手組合員・役員にもっと積極的に国際労働運動に関わってほしいと激励した。台湾のアミア講師は、中華郵政の現状、CPWUのユース活動、ワークライフバランスについて発表した。インドネシアのデディ講師は、SPPIを紹介した後、規制緩和、新たなサービス、労働条件について報告した。米国のクリス講師は、USPSについて、NALCのコミュニティサービス、USPSの直面する課題等についてプレゼンした。モデレーターの小川部長は、簡単な英語で繰り返し説明し、時には日本語の解説を交えて、参加者が理解しやすいように進めた。

リソースパーソンも加わったグループ討論では、4グループに分かれ、「①私たちの地域の魅力自慢」、「②地域における郵便局としてのボランティア」の2つのテーマで、リソースパーソンに英語で、時には身振り手振りで説明を試みた。グループ討論の後には、各グループ代表が英語で討論のポイントを発表した。

全ての参加者は、台湾、インドネシア、米国の郵便労組の概要だけでなく、日本全国各地の仲間の日々の活動や郵便局の地域貢献活動について学ぶことができた。また、初日の懇親会ではグループ別にダンスや歌を披露して友好を深めた。英語はコミュニケーション手段のひとつに過ぎず、身振り手振り、伝える意思、度胸、チームワークがあれば、何とか伝わることを実感した。2日という短期ではあったが、国は違えどもUNI郵便部会のファミリーとして繋がっている=連帯感をあらためて認識した。


TOP LEADERS @UNI デニス・マクガイアUNI世界女性委員会議長

国内外でご活躍のUNIリーダーから、国際労働運動でのご経験や意義についてお伺いするコーナー。今回は、デニス・マクガイアUNI世界女性委員会議長(英国 プロスペクト委員長)です。

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組合活動、そして国際活動に関わるようになったきっかけは?

組合に入って数か月後、支部で全国大会の話をしていた時、先輩役員が出席できなくなったというので、私は代役として行くことになりました。そこで、職場を良くしようという同じ志を持った人たちに会い、笑いあり、楽しいことありで、すぐに組合の魅力に憑りつかれてしまいました!

初めての国際労働運動への関わりは、多国籍委員会への参加でした。ある会社が世界のどこで事業を行おうとも、組合をつくって労働者を組織しようという試みでした。米国の通信労組の役員だった、モートン・バー氏やラリー・コーエン氏と知り合い、様々なことを学べたのは光栄でした。

その後、2010年に長崎で第3回UNI世界女性大会が開かれる2年ほど前に、私はUNI世界女性委員会の議長に選ばれましたが、そこから試練が始まりました。重責を担うと同時に、大会の準備に関わるようになったからです。大会でどのような課題を議論するかはもとより、大会の1年も前から休憩時間を特定せよと言われ、日本のきっちりした事前計画、時間厳守のスタイルを学びました。

日本についての印象は?

長崎大会が初めての来日でした。どこへ行っても、エネルギーを感じ、創造的で、人々は大変親切で他人を思いやる…私は日本が大好きになりました。駅でも、電車の中でも、東京の地下鉄でも、店でも、どこでも助けてもらいました。長崎では、UNI10周年記念と平和公園での式典が印象深く、また被爆者の話に心を打たれました。長崎の路面電車に乗っていた子供達は、きちんとした身なりで行儀良く、今まで見た子供達の中で一番でした。

ケープタウン世界女性大会はいかがでしたか?

2014年、ケープタウンで第4回UNI世界大会が開かれましたが、格別の経験となりました。長崎大会より良い大会にすることはできないのではないかと思っていましたが、アパルトヘイトの歴史や、それを廃止しようと闘ったリーダー達の言葉を聞いて、たとえ私のしたこと(例えばTシャツを着てデモに参加するとか、南アフリカの製品をボイコットするなど)は非常に小さな貢献でも、私もその歴史の一部だったのだと感じることができました。ケープタウン大会に日本からこれほど多くの若い女性代議員が参加してくれたのは嬉しいことでしたし、素晴らしい英語でスピーチしたのも印象的でした。

次の世界女性大会は2018年、私の国リバプールで開かれますが、レベルが日本で、そして南アフリカで上げられてしまい、大変なプレッシャーを感じています。UNIの仲間は皆、2つの大会を絶賛しており、特に長崎の「赤ジャケット」ボランティアは素晴らしかったと今でも覚えています。リバプールでも、若手組合活動家が長崎方式を再現して世界の皆さんをご案内できればと願っています。

UNIグローバルユニオンはどのような活動をしているのでしょう?

グローバルユニオンを通じて国際機関や多国籍企業に挑めば、最良の結果が得られるだろうと私は確信しています。大手多国籍企業の中には、世界の国々より経済力や影響力の大きい企業もあります。UNIグローバルユニオンは、ゲームのルールを変えたい、働く人々が安定した良い労働条件の仕事に就けるようにしたい、労働者が生み出した利益を(例えば良い賃金という形で)公平に分配してほしいと願っています。

その運動の一翼を担えるのはとても光栄なことで、私達ひとりひとりがその中で果たすべき役割があります。UNIの活動を支える、組織化・組合員勧誘を積極的に推進する、グローバル協定の締結交渉をする、ロビー活動を行う、闘争する…国を超えて一緒に行動することで、世界中の人々のために正義と平等を勝ち取ることができると思います。

グローバルな舞台で日本のUNIメンバーに期待する役割は?

日本はアジア太平洋地域だけでなく、世界でも重要な国です。日本の組合員の皆さんからの連帯によって、世界中の兄弟姉妹が助けられています。誰もが平和な世界、恐怖の無い世界、尊厳のある職場をつくるために奮闘しています。特にこれから職業人生の長い若い労働者・組合員の皆さんへ。どのような未来になってほしいかを考える絶好の機会に、是非UNI運動に参加してください。UNIを通じて皆さんの望む世界を実現していくチャンスを掴んでください。

長年、UNI運動に関わって来られた日本の役員の皆さんには、大きな感謝を申し上げます。皆さんこそ、UNIをこのように素晴らしいグローバルユニオンにしてくださったのですから!


UNI-LCJ幹部、オーストラリアの組合との関係強化

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2015~2018年度UNI-LCJ海外活動の方向性において、新たな試みとして、オセアニアの労働組合との関係強化を掲げた。これまで途上国労組の支援が中心であったが、UNI Aproの労働運動を牽引する両国の組合リーダー間の友好・協力関係の構築・強化をもって、更なるUNI運動の発展を進めていくことが目的である。

オーストラリアには現在9つの組合がUNIに加盟している。UNIが各国に結成を推奨するUNI加盟組合協議会は存在しないが、2000年のUNI結成以来、オーストラリア最大労組の1つ商業労組(SDA)のデブリュン氏が同国の加盟組合をまとめてきた。同氏は長年に渡りSDA書記長を務め、2000~2014年にはUNI会長も務めたが、昨年SDA書記長並びにUNI会長職を退任し、現在はSDA会長を務めている。後任のドワイヤーSDA書記長は、デブリュン氏が担っていた要職を引き継いでおり、UNI Aproでは会長代行を務めている。

UNI-LCJ代表団メンバー

団長:小俣利通UNI-LCJ議長(UNI Apro郵便・ロジスティクス部会議長)

逢見直人UNI-LCJ副議長(UNI Apro地域会長)

田原將一UNI-LCJ副議長(UNI Apro金融部会議長)

郡司典好UNI-LCJ副議長(UNI Apro商業部会副議長)

山中恵子情報労連中央執行委員(UNI Apro女性委員・予定)

事務局:小川陽子UNI-LCJ事務局長

事務局(通訳):ベイカー剛志

2015年8月18~20日、メルボルンで下記の組織を訪問した。

  • UNI加盟組合である金融労組(FSU)、ME銀行、NAB
  • UNI加盟組合である商業労組(SDA)
  • 過去加盟しており現在再加盟を働きかけているCEPU(通信・電気・配管工労組)通信部門の新書記長
  • ナショナルセンターACTU会長、副書記長

両国の当該産業の抱える課題から政治、経済状況に至るまで幅広く情報交換を行った。日本では企業別労組が産別を構成するのに対し、オーストラリアは産業別組織であり、機構上の相違はあれど、抱える課題に多くの共通点がある。また、FSUを通じて、ME銀行及びNAB(ナショナルオーストラリア銀行)を訪問し、使用者の立場から労働組合との協力について聞くことができた。NAG(ナショナルオーストラリア銀行グループ)は2006年、アジア太平洋地域で最初にUNIとグローバル協定を結んだ。締結当時かかわっていた人事部長にも会うことができた。「GFAを締結した理由は?」、「日本の経営者から国連グローバルコンパクトとの違いは何かとよく聞かれる」との問いに、「協定の内容や原則が正しいことだったので、締結に反対する理由がなかったから」と答えたのは印象的である。グローバルコンパクトは企業が一方的に宣言するものだが、UNIとのグローバル協定は締結までにUNI及び当該労組と対話のプロセスがある点が大きな違いであると述べた。

特にFSUやSDAは主要企業と建設的労使関係を構築しており、その意味ではUNI Aproが普及に努めているパートナーシップに基づく労使関係を日本と共に推進していくことができるだろう。また、UNI Aproにおける女性委員会の役員どうしの交流もできた。

更に今回の重要な任務である、CEPU新体制との面談とUNI活動への誘いかけについては、小俣団長から、オーストラリアポスト出身の通信部門新書記長に、UNIを通じた情報交換、特にUNI Apro郵便・ロジスティクス部会並びにICTS部会への参加の意義を説明、年末の地域大会や日本における様々な活動への参加を奨励した。今後のフォローが重要となるだろう。

 

写真はFlickrを参照


UNI-LCJ/モンゴル加盟協(UNI-LCM)セミナー

2015年7月27~30日、モンゴル・ウランバートルで、UNI-LCJ/モンゴル加盟協(UNI-LCM)セミナー及び関連プログラムが開催され、UNI-LCJ加盟組合より北條情報労連・NTT労組中執を団長に以下4人の講師、UNI Aproより玉井組織化キャンペーン担当部長、UNI-LCJより森川事務局次長が参加した。

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日本側参加者(団長以下は組織正式名称の50音順):

団長 情報労連 NTT労働組合中央執行委員 北條 郁子
団員 UAゼンセン 流通部門執行委員 久保田 龍輔
団員 自動車総連 組織局部長 永島 理絵
団員 JP労組 中央執行委員 清水 雅弘
事務局 UNI Apro 組織化キャンペーン担当部長 玉井 諭
事務局 UNI-LCJ 事務局次長 森川 容子

モンゴルへの支援セミナーはUNI-LCJ結成以来、継続的に開催されている唯一の海外支援活動であり、2003年のUNIモンゴル加盟協(UNI-LCM)結成、組織再編等を経て、現在では加盟組合7組織、約2100人の加盟人員数となっている。民主化・市場経済化が進み、今後は既存の加盟組合内の組織拡大だけでなく、未組織の民間企業での新規組織化が期待される。2015年1月の第16回UNI-LCJ年次総会で採択された「2015~2018年UNI-LCJ海外活動の方向性」では、現地セミナー3回(2015年、2016年、2018年)と日本への代表団招聘(2017年)が予定されており、今回のセミナーは、その初回となることから、セミナー翌日にUNI-LCM加盟組合と今後の活動について確認・共有する機会を持った。

まず、初日のセミナーには、モンゴル側は、商業、郵便、ICTS部門の6加盟組織から若手組合員、組合役員を中心に33人が参加し(女性26人、男性7人)、組織化、団体交渉、労働安全衛生のテーマで日本側、モンゴル側からの報告があり、活発な意見交換が行われた。

冒頭のオユンバヤールUNI-LCM議長、北條UNI-LCJ団長挨拶に続き、玉井UNI Apro組織化キャンペーン担当部長からUNI、UNI Apro、UNI-LCJ組織機構・活動の概要、組織化における心構え等について講演が行われた。

「組織化」のテーマでは、まず久保田UAゼンセン流通部門執行委員が具体的な組合作りの方法について説明した。ターゲットは出来る限り具体的に設定し、間接的に得た情報に頼らず実際に働いている人の声を聞いて組合結成のニーズを汲み取ることなど、豊富な経験に基づいた具体的な方法論に参加者は聞き入っていた。次に、永島自動車総連組織局部長が、組織拡大の必要性について理解を求めるなど経営側へのアプローチをベースにした取組みや定年後再雇用された非正規労働者の組織化、男女共同参画に向け女性役員の研修・教育に積極的に取り組んでいる様子を紹介した。モンゴル側からは、UNI-LCM加盟組合のモンゴルテレコム労組やペトロスター労組が加盟する産別組織である運輸・通信・石油労連のラクチャー議長がモンゴルにおける組織化の現状と課題について多くの事例を取り上げながら詳細に報告した。特に組織化を困難にしている課題は、労使双方の法的知識の不足、労働者の団結力の弱さ、組合潰しなど使用者側の圧力、有能なオルガナイザーの不足、財政基盤の弱さ等であり、現場のニーズに合った教育訓練、労働組合の声を正しく社会に伝えるメディアの確立、法的環境の整備、オルガナイザーの育成などが必要だと訴えた。

「団体交渉」のテーマでは、北條情報労連・NTT労組中執が、団体交渉と労使協議等の仕組みについて法的側面と実施の両面から紹介し、日ごろのやり取りの積み重ねによって労使の信頼関係を築くことが最終的に両者の利益につながると強調した。モンゴル側からはUNI-LCM加盟組合の統一労組出身で現在はモンゴルのナショナルセンター・CMTUで運輸部門オルガナイザーを務めるボールドサイカン氏が、モンゴルにおける団体交渉に関する法的枠組みと企業別労組、産別組織、ナショナルセンターCMTUの役割について解説した。

「労働安全衛生」のテーマでは、清水JP労組中執が、労働安全衛生法の下で安全衛生委員会を設置し労使が協力して取り組む枠組みと日本郵政における具体的な取組み事例を紹介した。モンゴル側は、統一労組出身で現在はCMTU労働社会政策局に派遣されているニャンダバー氏が報告し、モンゴルにおける労働安全衛生の取組みはまだ不十分であるが、企業への労働安全・衛生管理体制の導入は、三者協議、産業別・地域別協議、企業別協約によって解決できるとして、労組が関わって実施した具体的な事例が写真で紹介された。

質疑応答では多くの質問がモンゴル側から出された。主なものは以下の通り。

  • 国から労働組合への支援はあるのか?
  • 今回のLCJ代表団は青年が団長を務めているが、組合における青年リーダーの育成はどのようにやっているのか?
  • モンゴルで現在審議が行われている労働法改正案では、組合のない企業で労使協力をサポートする組織を作るとしており、組合は反対している。政府は日本の例を参考にしているというが、そのような組織が存在するのか?
  • UAゼンセンが組織しているような中小零細企業の場合、どうやって労働条件を向上のための交渉をしているのか。5割が非正規と聞いたが、2,3社掛け持ちで仕事している人の組合加入はどうなっているか。
  • UNI Aproとしてモンゴルでの組織拡大のプロジェクトを考えているのか?
  • 郵便事業の民営化による組織率への影響は?
  • 民営化によって労働条件が悪化した例が多く、労組は反対している。民営化が行われる際のどのように労働条件を維持し、保障しているのか。モンゴルでは従業員株主制度があるが、日本では同様の経験があるのか?

セミナー終了後は参加者との夕食懇親会が行われ、更に深い交流が図られた。

翌日は冒頭に述べた通り、UNI-LCM加盟組織幹部、玉井UNI Apro組織化キャンペーン担当部長、UNI-LCJ講師陣、森川事務局次長が同席の下、オユンバヤール議長より①組織拡大、②UNI-LCJとの協力、③UNI-LCM加盟組織間の協力について、課題と今後の計画の説明を受けた。加盟組織間の調整に関して課題も見られたが、全体として組織拡大と次世代リーダー候補となる青年役員育成について強い意欲が感じられた意見交換となった。来年度のUNI-LCJとのセミナーは、青年のリーダーシップ育成につながるような実践的なものにしたいとの要望があり、2017年派遣予定の訪日代表団についても40歳以下の若手を中心にしたいとのことであった。

午後はグループに分かれて商業労組、通信労組、郵便労組との意見交換及び職場視察後、郊外の草原に移動し、遊牧民の生活体験等を通じてUNI-LCMメンバーとの交流を深めた。

最終日には在ウランバートル日本大使館を訪問し、最新のモンゴルの政治・経済事情について見識を深めるとともに、10年以上本セミナー通訳をしているナランバヤル氏が校長を務める小中高一貫教育の私立学校「新モンゴル高等学校」を訪問し、日本の大学留学試験を控えて勉強に励む高校生達を激励するとともに労働組合についても説明して交流した。

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写真はFlickrを参照


UNI Apro郵便・ロジスティクス部会/APPU共同セミナー

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JP労組の後援とアジア太平洋郵便連合(APPU)の研修機関APPCの協力を得て、2015年7月28~29日、UNI Apro郵便・ロジスティクス部会/APPU共同セミナーがバンコクのAPPCで開催された。UNI Apro郵便・ロジスティクス部会が各国郵便労組の若手役員向け研修として毎年開催している本セミナーには今回、日本、モンゴル、台湾、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム、バングラデシュ、インド、ネパール、パキスタン、スリランカから19人(うち女性8人)が参加した。日本からはJP 労組の佐々木さおりさん、萩原美華さんが参加した。

開会式では、リン・ホンリャンAPPU事務局長が参加者を歓迎し、「過去30年間で郵便事業を取り巻く環境は劇的に変化した。このような変化に適切に対応するためにAPPCという学びの場が存在する」と述べ、国や文化の違いに関わらず、同期の研修生どうし協力し、貴重な学びの機会を有益に活用するよう激励した。伊藤UNI Apro郵便・ロジスティクス部会担当部長は、10年以上続く本セミナーからこれまで多くの卒業生が輩出され、彼らが組合リーダーとして第一線で活躍していることを強調し、長年に渡るAPPUの協力に感謝した。

1日目は、アヌチャ講師より「UPU及びAPPUについて:郵便の国際事業」、「郵便事業の将来」、「変化する郵便・ロジスティクス・ビジネスの現状と発展」について講義を受けた。参加者は、郵便事業の収益性をあげるための新たなサービスについて、小地域別にグループディスカッションを行い、発表した。また、ラクシ・メールセンターを訪問し、ロジスティクス・サービスの現場を見学した。

2日目は、アミチャ講師より、90年代に民営化され2003年に上場されたシンガポール・ポストの成功事例が紹介され他、アヌチャ講師から「人材育成及び労働安全衛生」について講義を受けた。

修了式では、リンAPPU事務局長から全員に修了証書を授与され、萩原美華さんが研修生を代表して謝辞を述べた。また、リン事務局長は、年内に退任予定の伊藤UNI Apro郵便・ロジスティクス部会担当部長を労い、APPUとUNI Apro郵便・ロジスティクス部会の協力関係強化への貢献を称えた。伊藤部長は、日々進化する郵便事業やそれを取り巻く環境と同様、自身の引退も変化の1つに過ぎないと述べ、今後もAPPUとの協力関係と本セミナーの実施を継続していくことを期待し、次世代へとバトンを渡した。

 

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UNI Apro郵便・ロジスティクス部会/タイ郵便労組共同セミナー

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JP労組の後援を受け、UNI Apro郵便・ロジスティクス部会とタイ郵便労組(SEWU-THP)との共同セミナーが、2015年7月27日、バンコクで開催された。これは、UNI Apro郵便・ロジスティクス部会が各国郵便労組の若手役員向け研修として開催しているAPPUとの共同セミナーがバンコクで開催されるのに合わせて、毎年開催されている。日本、モンゴル、台湾、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、ベトナム、バングラデシュ、インド、ネパール、パキスタン、スリランカから参加した19人(うち女性8人)に加え、SEWU-THPから本部及び地方役員33人が出席した。日本からはJP 労組の佐々木さおりさん、萩原美華さんが参加した。

開会式では、ウィラート・タイ郵便労組委員長が全参加者を歓迎すると共に、郵便事業を取り巻く環境が刻々と変化する今日において、いかにして赤字から黒字体質に変えていくか、良き状況を持続するためには高品質なサービスを提供し続けることが重要だと強調した。続いて伊藤栄一UNI Apro郵便・ロジスティクス部会担当部長は、2006年の赤字転落から近年再び黒字化した米国USPSの事例を挙げ、成功の要因は何か、また今後アジア太平洋地域における郵便事業はどのような戦略を取るべきか参加者に問いかけ、海外の郵便労組との情報交換の重要性を指摘した。

まず、タイの郵便事情について、労働組合及び会社代表から報告を受けた。パシー・タイ郵便労組副委員長は、130余年続く歴史の中で、タイポストの品質向上に努めつつ、組合は労働条件の改善に常に努力してきたと述べた。タイポスト金融サービス局のウライワン氏もサービスの充実と質の向上は今後生き延びる上で欠かせないと加えた。

後半は、海外からの参加者が各国の郵便事情について報告した。佐々木さおりさんは日本郵便の現状、国際ロジスティクスを含めた今後の事業戦略とJP労組の概要、活動について発表した。萩原美華さんは、労働安全衛生の取組みについて発表し、事故の無い安全な職場作りには労働組合の関与が欠かせないことを強調した。資料として、参加国の郵便事業及びロジスティクス事業に関する最新情報が配布された。

海外参加者は翌28日夕方、SEWU-THPメンバーの案内で、ラクシ・メールセンターを視察した。

 

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ウンUNI Apro地域書記長、アチャリャUNI Apro労組強化部長来日

情報労連大会出席のため、2015年7月14日から16日まで、クリストファー・ウンUNI Apro地域書記長及びラジェンドラ・アチャリャUNI Apro労組強化部長が来日し、この機会に日本の様々なUNI加盟組織・役員と意見交換を行った。

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情報労連大会で挨拶したウン地域書記長は、野田委員長の強いリーダーシップの下、情報労連が、特にアジア太平洋地域における情報通信及び関連産業の労働者の組織強化を、国際連帯を通じて支援してきたことに感謝した。その成果として、多くの国で民主的な労働組合が発展し、国際労働運動の重要な担い手となっている。野田委員長からは、UNI-NLCへのカンパと『絆』の文字を入れた黄色いポロシャツ100着が贈られた。アチャリャ部長は、「これを着たUNI-NCLボランティアに助けられる被災者は、日本からの支援に励まされ、再び立ち上がる気力が湧いてくるだろう」とあらためて感謝した。

逢見UNI Apro地域会長に、来日直前に訪問したカトマンズ視察を報告したウン地域書記長は、UNI-NCLとしては大会開催を切望しつつも、現実的には700人規模の国際会議を行うためのインフラの復旧が見込めず、参加者の安全性重視の観点から、遺憾ながら開催地変更を受け入れたと述べた。代わりに、マレーシア・クアラルンプールでの開催と、首相を招待する関係で当初の日程を2日ずらすこと(地域大会は12月7~8日)が提案され、逢見会長の了承を得た。合わせてウン地域書記長は、11月18~20日にカトマンズで、南アジアのUNI加盟組合を対象とする会議の開催を提案した。

小俣UNI-LCJ議長(JP労組委員長)を表敬し、アチャリャ部長はUNI-LCJの迅速な支援に対するシャンカールUNI-NLC議長からの感謝を伝えつつ、「この絵を見る時、地震で崩壊してしまったこれらの遺産とネパールのことを思い出してほしい」との願いを込め、ネパールの世界遺産を描いた絵を贈呈した。小俣議長は、東日本大震災の経験から、被災者を孤立させないよう心のケアが重要だとアドバイスすると共に、6月のJP労組全国大会で集められたカンパ金を渡し、復興までの道のりは長いだろうが日本としても引き続き支援していくと激励した。

UNI-LCJ印刷部会会議(7月14日、凸版印刷労組本部会議室)では、ウン地域書記長は、アジア、特にインドネシア、マレーシア、インド等における印刷・パッケージング部会の組織化に対する日本の労組の支援に感謝した。釣本全印刷委員長は、インドネシアのトッパン工場労働者に関する情報を、会社側だけでなくUNI Aproからも得られたことは有益だったと述べた。ウン地域書記長は、アジアでもパートナーシップ労使関係を現実に機能する選択肢として労働組合を説得していくとし、日本の労組の継続的な支援を要請した。続くレセプションでは、8月に退任予定の竹井全印刷委員長の、長年のUNI Apro印刷・パッケージング部会への多大な貢献に対する感謝の盾が贈られた。また、ネパール大地震への支援カンパも行われ、アチャリャ部長に渡された。

UNI-LCJ金融部会会議(7月15日、損保労連会議室)では、ウン地域書記長から、最近マニラで開催されたASEAN銀行部門三者会議の成果について報告を受けた。ASEAN経済共同体(AEC)成立を目前に、ASEAN銀行部門の完全自由化、外資の更なる参入が見込まれる中、労働組合としてこの傾向にただ反対するのではなく、労働者への影響を最小限に抑えるために何ができるかを、政府及び使用者と共に定期的に議論する場の重要性を強調し、フィリピンにおける銀行部門の三者メカニズムをASEANの他の国にも模範として普及していきたいと述べた。また、日本の金融労組には、日本の金融機関がASEAN諸国でますます活発に事業を行うにあたり、このような三者会議に出席し、情報交換や人脈作りを行うことは非常に意義があるだろうと、参加を奨励した。

自動車総連では、郡司事務局長から今春闘の結果や日本の現在の課題等について説明を受けた後、ウン地域書記長は自ら40年に渡りUNI Aproを率いてきたが、ようやくUNI及びUNI Aproの知名度や評価が高まってきたと報告した。例えば、ジョン・ラギー教授が提唱した国連ビジネスと人権に関する指導原則に対応した人権の取組み状況に関する世界初の包括的報告枠組みが今年2月にロンドンで発表されたが、その策定に関わった14人の賢人グループに、ウン地域書記長が労働運動代表として唯一関わった。ウン地域書記長はまた、世界経済フォーラムの世界規模の課題を設定する、グローバル・アジェンダ・カウンシルのメンバーでもある。昨年、タイ労働法改革委員会から招聘され、ASEAN10か国に一律適用される労働権に関する協定の策定に、ASETUC(ASEANサービス労組協議会)が労働者を代表して参画していること等に、UNI Aproの実績が高く評価されていることが示されている。

ウン地域書記長は訪問先それぞれで、カトマンズ視察を報告し、ネパールの被災者は、財政的支援だけでなくモラルサポート(世界中からネパール被災者を心配する気持ちが届けられたこと)によって大変勇気づけられ、それが希望につながっていることを強調した。一方、主な収入源である観光産業が大打撃を受けており、地域大会の開催地変更がUNIネパール加盟協(UNI-NLC)全体の大きな落胆と自信喪失につながる恐れがあると懸念した。アチャリャ部長は、UNI-NLCが取組む、政府や他のNGO支援が行き届かないコミュニティへの、初期段階の支援(緊急救援物資配給)は完了し、これから夏と雨季の到来に向け、より耐久性ある仮設住居の支給と感染症防止対策が次段階の課題だと説明した。長期的には、コミュニティセンターを建設し、靴や衣服等の製造設備を併設し、住民のために安定した収入を確保するような雇用を生み出す計画があると述べた。

 

写真はflickr参照


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