UNI/ITF世界デリバリー会議

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UNI/ITF世界デリバリー会議が2015年11月4~6日、スイス・ニヨンで開催され、UNIとITFから100人以上が出席し、過去最大規模の会議となった。日本のUNIとITFが合同代表団を送ったのも、今回が初めてである。UNIからは、増田JP労組副委員長、福島同中執、伊藤UNI Apro郵便・ロジスティクス部会担当部長が参加し、ITFからは小畑運輸労連書記長、豊田トールジャパン労組委員長、赤塚FedEx労組委員長、鈴木同執行委員、瀧ITF東京事務所長の5人が参加した。

UNIを代表してスティーブ、ITFを代表してインゴから挨拶が有り、共に「急速な変化に直面する郵便事業にあって、郵便物流事業の戦略を練る必要がある」、「FedExとTNTの合併、JP/トールの合併によって、我々すべてが影響を受ける」と表明した。フィリップUNI書記長は、郵便・ロジスティクス部会の現状を分析し、「公社化、民営化の中、Eコマースの主流化とともに、新しいデリバリーの形態が出現している。影響力を持つ国際機関で労組の影響力を増さねばならない。GUFが団結して、挑戦していこう」と述べた。インゴは、「ITFが昨年の大会で新しい指導部を選出し、2014~2018年の方針(7つのてこ)を決定した」ことを紹介し、「カウンターバランスを産業の中に作っていかねばならない」と述べた。

外注化のセッションでは、まずパネル討論、言語別グループ討論があり、アウトソーシングについて意見交換した。

ドイツポスト/DHLのセッションでは、49の企業を作るという施策に対し、46日間のストで戦ったヴェルディの経験を振り返り、最終的に雇用の保護、小包の労働者の労働条件維持につき2018年までの合意を取り付けることに成功した例を学んだ。今後見習い者の採用、小包の配達の改善、地域の49企業の完全組織化、労使協議会の形成などを行っていく。

JP/トールについては、浦田ITF路面部会担当部長のコーディネートで、このパネル討論は行われた。増田氏は、パワーポイントを使ってJPの仕組み、IPO、トール買収、そしてJP労組とトールを組織しているTWUなどの労組との交流を報告し、良い労使関係を全世界のトールの中で作りたいと述べた。続いてシェルダンTWU書記長は、トールの買収の歴史と労働組合の対応について説明し、この間の成果、さらに社内・社外で組織化することの重要性を語った。チム氏は米国の経験として、東海岸では労働組合活動家が解雇されるなど問題があることを語った。豊田氏は、2009年トールによる買収に至るまでの苦難の歴史を語った。伊藤氏は「今やアジア太平洋でトール組織化を成し遂げることが緊急の課題となっている」と述べた。

日本代表団としては、ほとんどがJP/トールグループに参加、ロジスティクス産業の状況の認識、課題の整理、次回ミーティングの持ち方などを討論した。日本の運輸産業について小畑氏から説明があり、続いてトニー氏からオーストラリアの状況について説明があった。「TWUは豪州のドライバーの26%を組織しており、組織化された労働者によって全輸送量の45%が担われている。事故死の割合は他の業界に比べ15%高い、労災の比率で見ると、他の業界に比べ22倍となる。世界金融危機以後賃金に対する圧力は高まった。需要が高まっているが、トラックに対して投資された資金は低い。その結果、現場では長時間労働が多く見られる。対価を支払っていないことに対し、支払わせる、ロビー活動を行って、立法案を求めていくなどの活動を行っている。この中で、Woolworthなど商業の顧客企業もサプライチェーンの中でフェアな賃金を払うという合意を取り付けた。また、5スターレイティングシステム、安全レート、サプライチェーンについても合意している。平等なマーケット環境を作ることに、組合は努力している。」「トールは小包市場で8~16%のシェアを持ち、Eコマースについては、アプリの会社と提携し、2年後に小包市場の30%を得るとしている。Uber、Shelpaなどの企業もEコマースに参入しており、今後彼らとの戦いが予想される。」続いて、組織化課題の討論に移り、ITF側は、トルコ、韓国、イギリスなどの国々をターゲットとしたいとの方向性が、UNI側としては、マッピングしたうえで、2~3カ国を選び、SCOREへのプロジェクト支援を得て進めたいとの意見が出された。さらにTWUは、今後の課題として、トールとTWUが2017年から結ぶ次期労働協約の交渉が2016年6月から行われ、その中で事業計画を協約に書き入れる際に、海外事業展開等に対する取り決めをMOUとして会社に求めたいという提案を行った。ITF、さらにトールと関係する労組と文言を調整したいと言う訳である。JP労組は、MOUに日本郵便を加えることは、未だに約9割の株式を国が保持する特殊会社であることもあり、相当困難性が高いだろうとの見解を示した。

3日目は、各グループから発表があり、JP/トールグループは増田氏とトニー氏が発表した。

意見の相違はありつつも、JP/トールの労組が集まって討論する貴重な機会であり、大変有意義な会議であった。


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