ブログアーカイブ

今日の英雄は明日にはいない:永久に公正な賃金を

本記事は、世界のあらゆる社会分野のOECD専門家やオピニオンリーダーがCOVID-19危機について議論し、今後に向けた方策を考えるシリーズの一部である。我々がこの重要な難題に立ち向かっていけるよう、分野を超えて専門的知見を交換することを目的としている。提起された意見は、必ずしもOECDの見解ではない。原文はこちらから(OECDフォーラムネットワーク、2020年7月21日掲載)

UNI書記長 クリスティ・ホフマン

世界の労働運動のリーダーとして、この数ヶ月間で私は何度も同じことを耳にしてきた。「喜ばしいことに、ついに労働者は本来受けるべき評価を得ている。多くのメディアが労働者の働きを取り上げ、人々は支援の気持ちを示している。」 実際、メディアはパンデミックの間に来る日も来る日も、「日々の英雄」は見過ごされ正当に評価されてこなかったと報じてきた。

日々の英雄とは、我々の地域社会に食料が行き届くようにしている食料品店の従業員のことであり、病人や障がい者、高齢者に不可欠な支援を行っているケアワーカーのことであり、病院やバス、公園や街頭が安全で清潔であるよう尽くしている清掃ならびに警備労働者のことだ。

そのほとんどが女性であり、人口に占める割合に比べて極端に多い人種的・民族的マイノリティの人々が、個人用防護具も支給されない中、こうした仕事に従事している。多くの場合、有給の病気休暇がないからである。仕事をするため、自分自身と家族を危険に曝しているのだ。毎年出される『OECD雇用アウトルック』も、女性やマイノリティ、低賃金労働者の働きによって、社会がコロナ危機を乗り切ろうとしていることを認識し、次のように述べている。「リモートでは提供できない必要不可欠なサービスに従事するいわゆる『最前線の労働者』は、低賃金であることが多い。」

だが、こうした労働者に対する世間の認識が高まった一方で、こうした低賃金の仕事の基準を押し上げるべく実質的な取組みがなされているのか、疑問である。実際には、パンデミック中、労働者を雇用し続けるために、わずかばかりの「ボーナス」の支払いすら使用者が撤回しているため、多くの労働者の賃金はむしろ下落しそうである。

雇用危機に直面して:『OECD雇用アウトルック』からわかる重要な点

例えば米国では、Kroger 、Whole FoodsやTrader Joe’sなどの40以上の小売チェーンが「英雄賃金」の支払を終了すると発表している。英国の大手スーパーマーケットチェーンのTescoは、国内のCOVID-19感染者が増加し続ける中、5月30日で10%の感謝手当を打ち切った。ドイツに本社を持つAldiの特別賃金は4月末で終了したが、コロナの危険は今も高まっている。

これは想像を絶する冷酷な仕打ちである。感染の危険がなくなったわけではないことは明らかであり、実際、食料品店の従業員の緊張感は高まり、彼らの受ける嫌がらせは増加しているのだ。従業員は、顧客に対してマスク着用を呼びかけることを求められているからだ。

だが、英雄賃金への注目は、もっと大きな点を見落としている。命取りのパンデミック中に業務の重要性を証明した労働者は、危機迫る間だけではなく、恒久的に公正な賃金を受け取るべきなのだ。

スーパーマーケットの一時的な「英雄手当」は、労働者と家族が安心して暮らせる賃金の代わりにはならない。世界中の労働組合がさらなる賃金を要求しているのは、このためだ。英国のUSDAW、カナダのUNIFOR、オーストラリアのSDA、米国のUFCWといった労働組合は皆、食品小売労働者の賃金引上げを求めるキャンペーンを展開している。ドイツのIG BAUは清掃労働者の賃金引上げを要求しており、米国のSEIU やペルーのSITOBURも同様である。アルゼンチンではSindicato de Salud Pública de la Provincia de Buenos Airesがケアワーカーの雇用と賃金確保を求めて闘い、勝利した。同様に、多くのケアに関わる組合がグローバルなキャンペーンに向けて準備を行っている。

こうした闘いは、エッセンシャルワーカーの必要不可欠な権利の確立に向けた一連の要求をめぐる、グローバルな動きの一環である。不可欠な権利とは、団体交渉の拡大、尊厳ある賃金、安全な仕事、そして特に米国と英国では有給の病気休暇のことである。

経済が良質な雇用をかつてなく必要としているこの時期に、必要不可欠な仕事を公正に評価することで、何百万もの人々が貧困から抜け出すことができるだろう。最前線の労働者を保護しながら、地域を守ることができるだろう。そして力と富の均衡を、一握りの者から大多数へとシフトする力になるだろう。

近年絶え間なく繰り返されてきた不平等の事実を我々は知っている。過去30年間、世界経済に占める労働者の割合は減少し、その理由の少なくとも半分は団体交渉の減少である。富の不均衡は、現代社会がかつて経験したことのないレベルにまで達している。世界で最も裕福な国、米国における「ワーキングプア」の数は爆発的に増加し、10世帯に1世帯以上が該当する。そして不安定雇用の増加により、その数は世界中でいっそう悪化している。

そうして我々の社会は、実質賃金が何十年も横ばいで、ラリー・サマーズのような著名な経済学者も、公正な条件を作り出すためにはもっと多くの労働組合が必要だと主張するに至った。改訂版「OECD雇用戦略」では、弾力的な労働市場を作り出し、不平等と闘う上での団体交渉の中心的役割が認識されている。昨年OECDは、強力な組合と調整された団体交渉は、ソーシャル・グッド(社会を良くするもの)であり、民主主義と社会の結束のために必要であるとの認識を明確にした。またコロナ危機の最中にOECDは、パンデミックにより露呈した問題の長期的解決策として、長期介護部門でのさらなる団体交渉を求めている。「雇用アウトルック2020」においても、社会パートナー、つまり労働組合と使用者団体が危機の間に果たす中心的役割を評価している。

我々は今、歴史的に類い稀な瞬間を生きている。未来を変える真の選択と不平等に関する取組みを行うには、良い機会だ。エッセンシャルワーカーの多くが、社会で最低の賃金しか得ていない。多くの場合は有給で病気休暇を取れず、国によっては適切な医療さえ受けられない状況だ。我々はこれまでの道を歩み続けたいのか?

スイスで保健庁を管轄するアラン・ベルセ内務大臣も最近、次のように問いかけている。「我々は、今回コロナ危機を経て明らかになったエッセンシャルワーカーへの酷い扱いを是正していく政治的意思を持つのか?それとも、『システム上、重要な』職業の人々に対する敬意を、安っぽい美辞麗句へとこっそり転じてしまうのか?」

エッセンシャルワーカーは、もっと多くを得て良いはずだ。彼らに必要なのは、感謝のしるし以上に、彼らの仕事を評価し、何が必要不可欠であるかを見極める我々の経済が変化していくことだ。グローバルに今、このことを考える時だ。

仕事をどのように評価するのか、リセットボタンを押すのは今だ。


UNI Apro、コロナ禍の移民労働者に対する責任を果たすよう、民間企業に要求

UNI Aproは、市民社会組織及び労働組合と連携し、「未払い賃金を直ちに正すよう」要求する。労働者の権利と人権の保護を目指し、企業に法的義務を果たすよう求めるものだ。

新型コロナウィルスの世界的大流行によって、労使双方が非常に大きな困難に見舞われた。感染拡大が続く中で、最終的にどれだけの影響を受けるのか、ますます予測は困難になっていくだろう。しかし、移民労働者は、この危機の間に最も大きな影響を受けたグループであることは間違いない。

COVID-19に見舞われる前、移民労働者は、企業の繁栄に貢献する等、重要な役割を果たしてきた。しかし、一方的に経費削減策を取る企業も出てきており、労働者に悪影響が及んでいる。更に、移民受け入れ国の経済状況が悪化すれば、多くの移民労働者は本国に送還されることが予想される。

UNI AproはASETUC(ASEANサービス労組協議会)と共に、移民労働者が本国に送還されるまでに、未払い賃金や諸々の権利の請求がきちんと清算されるよう、あらゆる企業に強く要請する。パンデミックは、移民労働者の貢献を却下するための理由や言い訳にはならず、対価は払われねばならない。 要請の中では、労働者を賃金未払いから守るために使用者や企業が取ることのできる14の具体的な手順が示されている。今回の要求は、7月1日と9日に続く3回目の要求である。その中では、正当な賃金や手当を受けられずに本国に送還された移民労働者の苦境を打開するための世界的なキャンペーンとして、公正な仕組み作りを要求している。既出の2回の要求は、各国政府と国連の関連機関に対し、パンデミックのために職を失い、帰国した労働者の賃金関連の苦情や請求、労働紛争に対応する、暫定的な司法メカニズムを構築するよう緊急対応を求めている。


商業労組、店舗でのマスク着用義務化を要求

COVID-19から労働者と顧客を守るため、米国や英国のUNI商業部会加盟組織が、小売店舗におけるマスク着用の義務化を要求している。

店舗でのマスク着用と社会的距離の維持は、労働者と客の安全を守る上で重要かつ必要な措置である。しかし、マスク着用が法的に義務付けられていない自治体もあるため、あまりに多くの客が依然として、マスクを着用する必要はないと主張しているのが現状だ。

店のマスク着用方針に従うことを拒否する客が映った新たな映像が、ほぼ毎日のようにソーシャルメディア上で拡散している。こうした動画の多くは、買い物客に店の規則に従うようお願いしただけなのに、暴言や暴力を受ける従業員が増えつつある傾向を反映している。

「マスク着用は、COVID-19の拡大を抑えるための、簡単だが効果的な方法だ。労働者の安全を守るために、店舗でのマスクやフェースカバー等の着用を義務付ける政府の緊急対策が必要だ」と、クリスティ・ホフマンUNI書記長は語る。「小売労働者は、この世界的な健康危機の中で、人々に食料や薬等、日用必需品を提供する重要な役割を果たしている。職場で嫌がらせや脅しを受けるどころか、保護されて当然なのに」と続けた。

7月12日のニューヨークタイムズ紙に掲載された全面広告の中で、米国のUNI加盟組織、UFCW(北米食品商業労組)は、公共の場でのマスク着用を義務付けるための、全国的な緊急対策を求める医療専門家らのグループに賛同し、名を連ねた。

「全国的なCOVID-19感染者の急増は、最前線で業務に従事する米国の労働者を危険に曝し続けている。今こそ、州知事や国会議員、トランプ政権が対策を強化し、公共の場でのマスク着用義務を50州全てにおいて法制化する時だ」と、マーク・ペロンUFCW国際会長は声明の中で主張した。

英国では、USDAW(店舗流通関連労組)が同様の要求を行っている。

「店舗でのマスクやフェースカバー等の着用義務化は正しいことだが、まず政府による明確かつ詳細な指針がなければならない」と、パディ・リリスUSDAW書記長は強調した。「我々が英国小売協会と共同で、大衆向け店舗の再開に向けた安全指針を策定することができたように、政府に対してもUSDAWや小売業の使用者と共に指針の策定を行うよう求めている。USDAWとしては、政府指針が出されれば、店舗従業員が買い物客に対してマスクやフェースカバー等の着用を強制しているわけではないことが明確になるだろう」と期待を述べた。

食料品部門の労働者のための予防措置に関するガイドライン

ファッション小売業ガイドライン


UNIは広島、長崎への原爆投下75年にあたり犠牲者に哀悼の意を捧げる

広島及び長崎に原爆が投下されて75年を迎えるにあたり、UNIは犠牲者に哀悼の意を捧げると共に、核兵器の禁止を繰り返し要求する。

第二次世界大戦中の1945年8月6日と9日、広島及び長崎に投下された原爆はその後、何万人もの被爆者を長い間、放射線の後遺症によって苦しめている。

UNIは2010年に長崎で世界大会を開催したことで、核兵器の戦慄と破壊力について理解を深め、長崎市及び国際平和運動と強い絆を築いてきた。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は次のように述べた。「日本に原爆が投下された75年という節目の年に、このような苦しみが二度と繰り返されないよう、国際平和運動と連携して取組む決意を新たにする。とりわけ、2010年に我々を温かく迎えて下さった長崎の皆さんに心から連帯し、皆さんと一緒に犠牲者に哀悼の意を捧げると共に、核兵器の無い世界の実現を訴えていく。」

UNIの前書記長、フィリップ・ジェニングスは今、軍縮と、戦争の無い世界の構築に取組む国際平和ビューロー(IPB)の共同議長を務めている。ジェニングスIPB共同議長は、「我々は今、危険で不安定な時代に生きている。核兵器の無い世界をつくるには、労働運動の大きな力が必要だ。世界中で、1.9兆米ドルが軍事費に使われている。新型コロナウィルスが猛威を振るっているこの時に、大変な無駄遣いだ。我々には、新たな共通の安全保障が必要だ。平和と軍縮は、このパンデミックから回復するための取組みにも不可欠だ」と訴えた。

世界大会開催がきっかけで、UNI本部は長崎、広島からの平和大使の訪問を毎年歓迎し、核兵器廃絶の国際キャンペーンを支援してきた。今年は新型コロナウィルスのパンデミックのため、受入れが叶わないのは残念である。

しかし、UNIと加盟組合は、長崎と赤十字国際委員会が主催するオンラインイベントに参加することができる。8月9日、中央ヨーロッパ夏時間11:00(日本時間18:00)から、「核兵器が存在することは人類にとって何を意味するのか―コロナ危機の最中に考える」をテーマとし、2つのセッションから構成されるイベントだ。第1セッション(日本語)には、被爆者や長崎市長等がパネリストとして、第2セッション(英語で進行、日本語通訳付)には、元アイルランド大統領メアリー・ロビンソンをはじめ、核兵器廃絶キャンペーンに取組む団体の代表らが登壇する。

国際平和ビューローも、フェイスブック上で、「広島からの誓い」と題する記念映画を世界に公開する予定である。


UNI、黒人の命のためのストライキを支持

UNIは、2020年7月20日に、全米各都市で予定されている #StrikeForBlackLives (黒人の命のためのストライキ)に加わる仲間たちに連帯し、これを支持する。この全国規模のストは、「黒人の命のための運動(The Movement for Black Lives)」や、UNI加盟組織であるSEIU(全米サービス労組)やチームスターズ等、幅広いグループが結集して計画されている。

ストに加わる人々は、黒人の経済的機会や社会移動(一定の社会的地位から他の社会的地位へ移動すること)を制限している人種差別をなくすため、企業や政府に対して抜本的な改革を行うよう要求する。あらゆる人々により良い賃金、医療を、そして組合加入ができるように要求する。

「最近みんなが話題にしている“普通の”状態に戻ってもダメだ。人種差別を理由に攻撃を受けたり、経済という名目で、防護具も無く、危険手当も払われずに仕事をしろと言われたりするなんて。」空港で車椅子利用者のアテンダントとして働くグレン・ブラウンは、ストに参加する理由をこのように述べた。

ストの間、空港労働者やファーストフード店の従業員、清掃員、警備員、介護労働者をはじめ何千人もの労働者が、8分46秒間、仕事を中断する。5月にミネアポリスで警官に殺された黒人男性ジョージ・フロイドが、白人警官の膝で頸部を押さえつけられていた時間だ。このストは、今後数ヶ月の間に予定されている人種間の平等を要求する多くのアクションの皮切りとなるだろう。

ストの計画を発表するにあたり、「人種間の平等がなければ、経済的正義は実現できない」と、メアリー・ケイ・ヘンリーSEIU委員長は強調する。「今日、全国でこの問題を考えよう。労働者は米国の壊れた制度の抜本的改革を要求している。黒人が目標を達成するまで、我々のコミュニティの中で誰も目標を達成したとは言えない。」

10以上の団体がMovement for Black LiveやSEIU、チームスターズと共に街頭に出て意思表示を行う予定だ。

「制度的な人種差別は、米国だけの問題ではない。我々があらゆるコミュニティや国の中で向き合わなければならない問題だ」と、クリスティ・ホフマンUNI書記長は述べる。「歴史的な1日となるこの日に、UNIは我々の社会と経済を変革していく闘いに加わり、黒人の命が尊重される世界を創り出していく。」

スト参加者は世界中の仲間からの連帯支援を求めている。ストの詳細は以下のウェブサイトから。https://j20strikeforblacklives.org


アマゾンは提訴される前に、手洗いをした労働者の処罰をやめるべきだった

2020年7月中旬、米国のアマゾン労働者は重要な勝利を勝ち取った。6月にアマゾンのニューヨークの倉庫労働者3人と家族3人に訴訟を起こされて、ようやくアマゾンは不十分なCOVID-19安全対策方針を変更したのである。アマゾンに安全手順の変更を即刻強制するかどうかを裁決するための法定審問予定日の前日になって、同社は、手洗いのために仕事を離れた時間は懲罰の理由にはならないと発表した。

「訴訟などされなくても、アマゾンは手洗いをした労働者を罰しないと発表するべきだった。この件からも、倉庫で働く人々の労働条件がどれほど酷いかがわかる。パンデミック中でさえも厳しく作業ペースを維持するよう、労働者に絶えずプレッシャーがかけられていた」と、クリスティ・ホフマンUNI書記長は憤る。「アマゾンの、とてつもない富と権力は、パンデミックの間も巨大化し続けたが、労働者のために行動を起こすよう強制されて、ようやく労働条件が改善された」と述べた。

UNIと小売・卸売・百貨店労組(RWDSU)は、この件に関して法廷への意見陳述書を提出した。その中では、イタリア、フランス、スペイン、その他欧州各国における事例からも明らかなように、アマゾンや他の企業に対して説明責任を取らせ、人々の福祉を最優先とする上で、組合が極めて重要な役割を果たし得ること、また実際に果たしてきたことが主張された。

2020年6月3日に米国ブルックリンの連邦地方裁判所に申し立てられた訴訟では、5000人の労働者を雇用するアマゾンJFK8倉庫は、労働者とコミュニティの双方を危険にさらす「危険な場所」であるとの主張がなされた。

アマゾンは従業員に、「社会的距離の維持や、手洗い、作業場の消毒ができないくらい、目が回るようなスピード」で働くよう強要したとしている。更にアマゾンは、労働者との意思疎通を意図的に回避し、感染症の接触者追跡もずさんで、社会的距離の徹底も不十分だと主張された。また訴訟を起こした労働者は、適切な安全手順を踏めば、達成するのが非現実的な生産目標を課されたと証言している。 パンデミック当初より、多くのアマゾン倉庫における労働条件は、WHOや各国衛生当局が規定した基本的な安全衛生基準を満たしていなかった。アマゾンは増加する配送需要に無理して応じようとし、労働者が手洗いをし、社会的距離を保てるように作業ペースを落とすどころか、作業スピードを速めるよう強いた。今回、法的圧力や労働者の行動を受け、アマゾンはようやく、ニューヨークの労働者に対して、手洗いのために時間をとっても罰しないと伝えた。


バングラデシュ店舗従業員組合、パンデミック中の健康保護と雇用保障を要求

バングラデシュのUNI加盟組織、全国店舗従業員組合(NSEF)は、2020年7月3日、首都ダッカで、パンデミックによる経済低迷の中、必死で生き延びようとする店舗従業員の苦境を訴えた。健康上のリスクがあるにもかかわらず、組合指導者と組合員は要求を示すため、ナショナル・プレスクラブ前で「人間の鎖」デモを実施した。

10人を超えるNSEFの指導者がバングラデシュの600万人の店舗従業員を代表して声をあげ、店舗オーナーと使用者に、職場における安全衛生を確保し、未払賃金や休業補償を払い、雇用を保障する等、従業員に対する責任を果たすよう要求した。

報道発表の中でNSEFは、小規模店舗から、市場、ショッピングモール、デパートに至るまで全てが3月末の全国的ロックダウン以来閉鎖されていると述べた。いくつかの店舗は再開したものの、大部分は依然として閉鎖されたままである。しかし、営業を再開した店舗で働く従業員の労働条件は、健康を守る上で理想的とも十分であるとも言えない。

NSEFの指導者は、店舗の強制的閉鎖を、従業員に対する基本的な責任逃れの言い訳にしてはならないと主張した。多くの店舗従業員には、4月から6月までの賃金や、イードボーナス(イスラム教の年2回の祝祭時に支給される賞与)等が支払われていない。何ヶ月も賃金未払い状態が続き、多くの労働者が不安定な貧困状態に陥っている。 ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、次のように述べた。「極めて憂慮すべき悲惨な状況だ。パンデミックの収束にはほど遠いが、差し迫る危機を乗り越えるために、使用者は従業員を支援しなければならない。NSEFの要求は理不尽なものではない。UNI Aproは、バングラデシュ政府及び使用者に訴え、この苦境を打開する持続可能で最適な解決策に向けて取組むNSEFと組合員に連帯し、支援していく。」


グローバルユニオン評議会、リ・チャクヤン氏への正義と香港における人権尊重を要求

グローバルユニオン評議会(CGU)のメンバー組織としてUNIは、香港政府に対し、2019年逃亡犯条例改正案の撤回と普通選挙の実現を要求した労働運動の指導者や民主派活動家らへの刑事責任の取下げを要求する。7月1日に採択されたCGU声明では、同日に施行された極めて厳しい国家安全維持法の廃止も求めている。同法の下で、施行当日だけで370人以上の逮捕者が出ている。

「協議や透明性のない突然の国家安全維持法の強制や、恐れずに声をあげてきた労働組合員やジャーナリストその他の民主活動家に対する厳しい罰則は、我々の世界に存在してはならない。この法律が廃止され、引き続き自治が尊重され、『一国二制度』の原則が確保される日まで、我々は香港の民衆に強く連帯していく」と、クリスティ・ホフマンUNI書記長は述べた。

またCGUは、普通選挙の実現及び言論・集会・結社の自由に対する規制の撤廃を要求している。

「香港労働組合連盟(HKCTU)のリ・チャクヤン事務局長は、民主主義と労働者の権利の戦士だ。現在、人権と自由を擁護する彼と14人の献身的な活動家達は、その信念を理由に起訴されている」と、ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は述べ、「このような不当な告訴は撤回され、香港の人々が投獄を恐れずに政治に参加できるようにしなければならない」と訴えた。


香港大手商社リー&フォンの労働者、公正な処遇を要求

世界中のビジネスに影響を与えてきたCOVID-19パンデミックだが、最も深刻な影響が雇用及び労使関係に及んでいる。多くの人々が「新たな日常」がやってくると言っているが、古いしきたりや習慣はそう簡単にはなくならない。会社が危機の際に労働者を祖末に扱うやり方もそうだ。100年以上の歴史をもつ香港のリー&フォンは、残念な事例の1つとなってしまった。

リー&フォングループのスペンサー・フォン最高経営責任者は最近、10億米ドルを投じて発行済株式を自社株買いし、上場廃止した。同時に同社は、世界の従業員の10%を解雇すると発表した。解雇対象の大部分は香港や中国の従業員であり、1,000人に影響が及ぶ。

この解雇のし方は、極めて非人道的で陰湿だ。リー&フォンの従業員らから相談を受けた香港のチュン・ライハ流通・商業・繊維・一般労組(RCCIGU)書記長は、労働者の多くが3〜35年同社に勤務していたという。非人道的とされるのは、1ヶ月前という直前の解雇通知と、長年勤続した従業員に公正な補償が支払われないことだ。

RCCIGUは会社との対話を試みたが無視された。最後の手段として、組合と解雇された労働者はストライキに入った。6月19日にはリー&フォンタワー前で街宣活動を行い、スタッフ署名キャンペーンにより集められた従業員390人分の請願署名を、同社のアンナ・テハン広報担当副社長に渡すことができた。

労働者たちの要求は公正なものだ。会社は自らの経営指針を忠実に実行し、最低でも3か月分の退職金を払うべきである。雇用契約上の義務として、2019年の賞与及び「5年勤続」手当を該当する従業員に支払うべきである。また、対話の要求を無視せず、解雇対象となった従業員とは速やかに連絡を取るべきである。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、RCCIGUと影響を受けたリー&フォン労働者に連帯の意を表明し、次のように述べた。「112年もの輝かしい伝統を持つ会社が、従業員に対してこのような対応を取っているとは残念だ。労働者の多くは何年も、或いは何十年も会社のために尽くしてきた。何ら協議や補償もなく、このような直前の通知で解雇されるのは、労働者にとって非常に不当だ。特にこのパンデミック危機の今、労働者の声に耳を傾けなくてはならない。」


国際労働運動は一丸となって「黒人の命は大切」を支持

国際労働運動は、「黒人の命は大切」運動を支持して、共に立ち上がるだけでなく、共に行動を起こしている。

UNIをはじめとするグローバルユニオン(国際産業別労働組織)とITUC(国際労働組合総連合)で構成されるグローバルユニオン評議会(CGU)は、世界の殆ど全ての国々の労働者を代表する。6月17日、CGUは、制度化された人種差別と闘い、米国等における刑事司法制度の再考を求める明確な要求を発表した。UNIは、本部ビルに「黒人の命は大切」のバナーをかけて支持を示している。

CGUの声明は、ブリアナ・テイラー、アマード・アーベリー、ジョージ・フロイドという3人の米黒人の殺害を受けて発表された。これらの全く不当な殺害は全米で抗議を引き起こし、やがてサンパウロからソウルまで世界中に抗議の輪は広がった。

CGUは、「余りにも長い間、人種差別と白人至上主義によって、働く人々は分断され、真の力を勝ち取る力量を弱められてきた」と述べ、「もうたくさんだ」と訴えた。

労働組合は何度でも呼びかける。「新しい世界をつくるために闘おう。みんなが黒人の命は大切だと認識する世界を!」


uni logo
最近のコメント
    アーカイブ