オランダとフランスの政府が声をあげる中、EUもテック大手企業に対する迅速な行動を!

このほど、フランスのセドリック・オ・デジタル経済大臣とオランダのモナ・ケイツァー国務長官(デジタル担当)は、市場におけるアマゾンのようなテック大手企業による権力の統合を抑制するために、欧州連合(EU)の競争当局に、企業の分離も含めた「迅速な行動」をとるよう求めるポジションペーパーを共同で発表した。

これを受けて、オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は次のようにコメントした。「アマゾンのような、説明責任を避け続ける企業の権力の増大によって、既に労働者は代償を払わされている。ここ1か月の間に、アマゾンが欧州の労働者をスパイしている可能性が高いことが明らかになっている。目的は明白だ。労働者が組合を結成し、より良い労働条件を求めて集団的に交渉しようとするあらゆる努力を打ち砕くことだ。彼らは、支配的な立場と反競争的なアプローチで、欧州大陸全体で労働者の条件を切り下げようとしている。」

「これは、労働者の参加を基盤とする欧州社会モデルに対する脅威だ。我々は、組合つぶし産業が欧州に輸入されるのを見たくない。アマゾンのスパイ疑惑が暴露された。世界で最も裕福な人が経営する企業が、ラストマイル配送員という低賃金で最も不安定な労働者を監視している。格差が手に負えないくらい拡大する前に公正な社会を確保するためには、このようなスパイ事件はゆゆしき問題だ。」

クリスティ・ホフマンUNI書記長も次のように述べた。「アマゾンのような巨大企業を正確に表現するならば、デジタル独占プラットフォームというべきだろう。アマゾンは、一連の競争を阻害する慣行を通じて、公平な競争の場を求める努力を弱体化させている。例えば、小売業での事業の相互補助や、競合他社を積極的に買収して市場シェアを奪ったり、安売りしたりするキラー買収等を行っている。問題は、アマゾン自体が市場であると同時に、その市場の売り手でもあり、自社製品や戦略を有利にするためデータやアルゴリズムを悪用していることだ。アマゾンは余りにも巨大過ぎて、労働者や持続可能なビジネス、消費者のプライバシー等は全く気にせず、我々の社会に壊滅的な影響を与えているのだ。」

EUがアマゾンに対して行動を起こすよう求める声が高まっている。9月末には、欧州の主要な組合が共同で欧州委員会に調査を求める書簡を送った。その1週間後には、欧州議会議員がジェフ・ベゾスCEOに書簡を送り、「労働者の組織化という会社への脅威」と「敵対的な政治的指導者」の調査に取組む諜報員を募集する求人広告について回答を求めた。最近では、人権擁護団体のアムネスティ・インターナショナルもアマゾンの労働問題への対応を求める呼びかけに加わっている。

最近、アマゾンがラストマイル配送員の個人的なフェイスブックグループを監視していることや、テック労働者のEメールを検閲して組織化の試みを監視していること、取締役会に米国サイバー司令部の元司令官(アンゲラ・メルケル独首相の監視を指揮していたとされる人物)を任命したこと、労組の動きを追跡するための新しいソフト開発に取組んでいること等が次々に暴露された。 アマゾン内の様々な事業部門の構造的な分離を求める声はますます大きくなり、これまで以上に多くの利害関係者が団結するようになっている。UNIとUNI欧州地域組織は、デジタルサービス法に関する協議に対し最近提出した意見書の中で、解決に役立つであろう問題を列挙した。