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UNI Apro、ミャンマー国民統一政府の国連総会での承認を求める共同決議に参画

2021年8月30日に開催された、労働組合、国会議員、ミャンマー国民統一政府(NUG)によるASEAN+6地域社会対話(ARSD)で、ディーセントワークの推進に向けて同国の民主主義の回復を求める決議が採択された。

決議では、9月14日から開催される第75回国連総会において、NUGをミャンマーの正当な代表として承認することを国連に要請する等、重要な勧告がなされた。

今回の社会対話は、NUGと軍事政権のどちらの代表が国連総会に出席できるかを決定する国連総会の信任状委員会の審議に先立ち、特別に開催されたものだ。

ミャンマー国民は、民主的に選出された亡命中の立法機関が4月16日に設立したNUGを、国際社会が承認することを求めている。協議の中で重点的に検討されたのは、そうしたミャンマーの人々の声を後押しする方法である。NUGには、国民民主連盟(NLD)、すべての少数民族グループ、様々な政党、労働組合、青年・女性組織の代表者が参加している。

UNI Aproは、志を同じくするグローバルユニオンのアジア太平洋地域組織、ASEANサービス従事者労働組合評議会(ASETUC)とともに、国際労働組合総連合アジア太平洋地域組織(ITUC-AP)、ASEAN労働組合協議会(ATUC)、ASEAN人権議員連盟(APHR)、ミャンマー労働組合総連盟(CTUM)の協力を得て、NUGの承認を求める広範な活動の一環として、今回の社会対話を開催することとなった。

ASETUC書記長でベテラン組合活動家のモハマド・シャフィー・BP・ママルUNIマレーシア加盟協議会(UNI-MLC)議長が労働組合を代表して歓迎の言葉を述べ、ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、パネルセッション「ミャンマーでビジネスを行うということ」の中で司会を務めた。

シャフィーUNI MLC議長は、「今回の社会対話が、ミャンマーの友人たちを勇気づけ、国際社会がNUGを正当な代表として認めることを望むミャンマーの人々に、希望を与えるものとなることを心から願う」と述べた。

ARSDは、ASEANで毎年開催されている三者社会対話であり、様々な問題に対する社会パートナーの対応を集約し、人々を中心としたASEANの構築に向けてディーセントワークのアジェンダを推進している。今回、参加国を拡大して特別版として開催されたARSDには、ASEANの主要な経済パートナーである5か国(日本、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランド)も加わった。

国連総会前日の9月13日、グローバルユニオン評議会(CGU)は、政府間組織にNUGを承認するよう求める世界行動デーを実施する予定。


70社以上のブランドが署名する衣料品産業労働者の安全衛生に関する国際協定が発効

2021年9月1日、77のグローバルブランド及び小売業者が署名した「繊維・衣料品産業の安全衛生に関する国際協定(国際アコード)」が発効した。

この26か月間の法的拘束力を持つ協定には、今後より多くのブランドが署名することが期待されている。本協定は、火災及び建物の安全性に関する協定「バングラデシュアコード」の期限切れと共に発効した。

新たに署名したのは、世界最大のファッション小売企業、H&M、Inditex(ZARA)、ユニクロをはじめ、C&A、Marks & Spencer、米国Calvin Klein、Tommy Hilfiger、American Eagle等である。(署名企業リスト(英語)はこちら)

これらの衣料品ブランドは、UNI及びインダストリオールと国際アコードに署名することで、バングラデシュにおいて既に実施されている安全衛生活動に加え、2013年及び2018年の協定の原則に基づいた国別安全衛生プログラムの拡充を約束することとなる。新しい協定は、オランダの国際アコード財団を通じて実施される。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は「本日、世界の衣料品産業労働者は、大きな一歩を踏み出した。グローバルブランドと小売業者は、この国際アコードに署名することで、バングラデシュの工場の安全性に対するコミットメントを強化すると共に、必要性が高く、強制力と透明性ある安全衛生プログラムを、少なくとも他の衣料品生産国においても確立することに同意した。私たちは、多くのグローバルブランドや小売業者がこの国際アコードに署名し、サプライチェーンにおける衣料品労働者の安全に責任を持つと約束したことを喜ばしく思う。一刻も早く、より多くの署名を進めたい」と述べた。

8月25日に発表されたこの国際アコードは、国際労働組合組織であるUNI及びインダストリオールと、グローバルブランドとの数か月にわたる交渉の末に生まれたものである。国際アコードには、バングラデシュアコードを成功に導いた法的拘束力のある公約や、結社の自由の尊重、管理・監視体制の独立性が含まれている他、対象を他国にも拡大し、人権デューデリジェンスを含む適用範囲拡大のオプションも用意されている。
(国際協定全文(英語)はこちら)


インド準備銀行、アマゾンのような営利目的のデジタル決済システムを撤回

インド準備銀行(RBI)は「データセキュリティへの外国企業の関与」に対する懸念を理由に、アマゾンのような企業に利益をもたらす新たな営利目的のデジタル決済システム構築計画を撤回した。今回の発表は、UNIがインドステート銀行従業員労働組合(AISBISF)、IT for Change、外資系小売電子商取引に反対する共同行動委員会(JACAFRE)と共にアマゾンは、反組合的・反競争的な行為を行っており、システム開発を撤回するよう銀行に要請したことによるものである。

6月、JACAFREはRBI宛の書簡において「アマゾンという企業は、公平・公正の原則に反しており、インドを含む複数の国・地域で、不正・虐待・反競争的な行為を行っているとして調査を受けている」と述べた。
ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は「RBIが新決済システム開発・運営事業体(NUE)計画を保留したことは、正しい方向への一歩である。我々が以前から訴えているとおり、インドは非倫理的、反労働者的、反競争的な慣行の歴史を持つ企業にデジタル決済システムを与えるべきではない。」と述べた。
現在、アマゾンは外国直接投資規則違反および反競争的行為があったとして、インドの執行局、外国為替管理局、インド競争委員会から調査を受けている。また、小規模業者や小売業協会からもアマゾンに対していくつかの申立てがなされている。ロイター通信は、アマゾンがインドの電子商取引プラットフォームにおいて、特定の「特別な」販売者を優先していると報じており、アマゾンの売上の大半は、アマゾンが株式を保有している等、何らかの形でアマゾンと関係がある少数の大手業者によるものであるとしている。

世界的に見ても、アマゾンは執行機関の監視下に置かれており、米国においては、アマゾンは、自社プラットフォーム上の第三者販売者の扱いに関し、「広範な反競争的行為」を行っているとの指摘がなされており、米国連邦取引委員会による反トラスト調査も行われている。これまでにアマゾンは、配達員との契約に違反したとしてFTCに数百万ドルを支払い、容疑を解決している。
同様に、アマゾンはEUにおいて競争法に違反した疑いで調査を受けている。本件は、アマゾンが販売業者とオンラインマーケットプレイスの所有者という二重の役割を利用し、他の業者に不利益を与えているとされたものである。
EU議会は、アマゾンの倉庫労働者の安全確保の必要性が世界的に高まっていることや、米国の大手ハイテク企業の労働者の扱いに対する批判が高まっていることを受けて、ジェフ・ベゾス・アマゾンCEOに雇用・社会問題委員会において証言するよう求めている。2020年10月、EU議会議員37名は、アマゾンによるEUの労働法、データ法、プライバシー法違反に関し、労働組合が欧州全体での調査を要求したことに対し、同氏に緊急対応を求める書簡を提出した。


バングラデシュ・アコードを継承・拡大する新たな安全協定締結

国際的な繊維小売業の代表者は、UNI及びインダストリオールとの間で26か月間の新たな協定に合意した。画期的な協定「バングラデシュ・アコード」の成果を踏まえ、その法的拘束力のある責務の範囲を拡大する内容となっている。

2021年9月1日に発効する「繊維・衣料品産業の安全衛生に関する国際協定」は、法的拘束力のある責務、結社の自由の尊重、独立した運営とモニタリング等、最初の協定を成功に導いた基本的要素を更に前進させたものである。今回の国際協定の主なポイントは以下の通り:

  • 独立した「既製服持続可能性協議会(RSC)」を通じて、バングラデシュにおける安全衛生プログラムを継続する取組み
  • この協定を他の国に拡大することについての合意
  • 人権に関するデューデリジェンスに対応するために協定の範囲を拡大するオプション
  • 協定の条項を執行するための任意の合理的な仲裁プロセス

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「この新協定は、アコード・モデルがうまく機能することを更に証明するものだ。説明責任、透明性、法的拘束力のある責務を備えた国際協定は、バングラデシュやその他の地域における今日のデューデリジェンスのあり方を示す一例となっている」と評価した。一方、バングラデシュの衣料品産業における取組みはまだ終わっていないと認識しており、「RSCの強化と、製品をつくる人々に対するブランドの責任を深めることに寄与するだろう」と新たな協定に期待を寄せた。

前身となるアコードと同様、今回の合意も、既製服や繊維工場を安全にするために、企業と労働組合の間で結ばれた法的拘束力のある協定である。バングラデシュでは、ブランド企業、労働組合、業界団体の三者で構成される独立した全国組織「既製服持続可能性協議会」によって協定は実施されている。

この合意に至るまで何か月もの粘り強い交渉が続けられた。2021年5月にはアコードの移行協定を3か月延長した。前身となるバングラデシュ・アコードは、2013年4月24日に1,100人以上の労働者が犠牲になったラナプラザ事件から3週間後に、アパレルブランドと国際産業別労働組合組織の間で締結された。

アコードでは、独立した安全検査を実施する現場組織、透明性ある改善手順、労働者の苦情処理メカニズムや研修等が確立された。約200のグローバルブランドが署名し、2018年の協定では1,600以上の工場と200万人の労働者を対象としていた。

アコード、UNI、インダストリオールは、全ての衣料品・繊維企業がこの協定に署名し、安全で持続可能な既製服及び関連産業を構築するという共通の目標達成に協力するよう、働きかけてきた。

国際協定の署名企業の第一陣は、9月1日に発表される予定だ。


UNI、原爆投下76年目の広島・長崎の犠牲者を追悼

第二次世界大戦中の1945年8月6日に広島、8月9日に長崎に原子爆弾が投下された。原爆投下から76年目を迎えるにあたり、UNIは一瞬にして命を奪われた多くの犠牲者に哀悼の意を表すると共に、その後も長期にわたり放射線の影響を受け続けた被ばく者の苦しみに心を寄せる。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「世界がコロナウィルスという新たな脅威と闘う一方で、このような苦しみが繰り返されないように、平和と核軍縮を訴え続けていかなければならない」と訴えた。

UNIは、人権の基本要件である核兵器のない世界の実現に向けて積極的に取組んでおり、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)にも参加している。人権や労働者の権利を擁護するUNIは、2010年の世界大会を長崎で開催し、軍縮に焦点を当てた議論を行った。

2010年の世界大会前から、UNIは長崎や国際的な平和運動との強い絆を築き、核兵器がもたらす恐怖と破壊力について理解を深めてきた。

またUNIは、核兵器廃絶を目指す世界的なキャンペーンを支援する取組みとして、毎年、平和大使の訪問をUNI本部で受け入れてきた。だが残念なことに、この2年間はコロナ禍のため、平和大使の訪問ができなくなっている。UNIは一日も早いコロナの収束と、平和大使の訪問を切望している。


全米労働関係委員会(NLRB)担当官、アマゾン労組結成投票のやり直しを勧告

全米労働関係委員会(NLRB)の担当官が、アラバマ州ベッセマーのアマゾン物流倉庫における労組結成の是非を問う投票のやり直しを勧告していることが明らかになった。4月に行われた投票が反対多数で否決された後、小売業労組「RWDSU」は労組の投票を監督する全米労働関係委員会(NLRB)に異議を申し立て、5月にNLRBの主宰で聴聞会がスタートしていた。
ブルームバーグ・ニュース記事(英語)

クリスティ・ホフマンUNI書記長は「アラバマ州ベッセマーからスペイン・セビリアまで、世界中の労働者がずっと言い続けてきたことは、アマゾンはひどい反組合企業であり、抑制する必要があるということだ。 Bamazon労組は、アマゾン社が労働者を脅迫し、労働者が自由に組合を結成する権利を踏みにじったことを証明する明確な証拠を提示した。 現在、NLRBの担当官は、アラバマ州での組合選挙のやり直しを勧告している。これはアマゾン社は不正な手段でこの問題を誤魔化すことはできないと考えている人にとって朗報である。労働者は公正なプロセスが求められており、彼らはそれに一歩近づいたのである。」と述べた。
UNI Webサイト(英語)

スチュアート・アペルバウムRWDSU委員長(UNI世界商業部会議長)は、2日の声明で「アマゾンが投票に干渉しようとしていた有力な証拠を提示した。労組を結成すべきかどうかは雇用主でなく、労働者が決定すべき問題である。アマゾンは不正を働き、それが露呈し、説明責任が問われている」と述べた。
RWDSU Webサイト(英語)


UNI Apro商業部会は、コロナ禍を乗り越えエッセンシャルワーカーの正義のために立ち上がる

2021年7月13日、アジア太平洋地域の商業部門労働組合のリーダーが一堂に会し、第21回UNI Apro 商業部会委員会がオンラインで開催された。委員会では、日本、オーストラリア、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ネパール、韓国、香港の各委員より、最新の状況と活動報告が行われ、コロナ禍の中、社会生活維持のため日夜働くエッセンシャルワーカーの正義のために活動を推進していくことを確認した。

開会にあたり、ジェラルド・ドワイヤーUNI Apro商業部会議長は、商業部門労働者を取り巻く環境は、依然として厳しく、みな苦戦している。コロナ禍のみならず、ミャンマーや香港では社会・政治的な混乱に苦しんでいる状況である。日本、インドネシア、タイ、マレーシア、そしてオーストラリア最大のシドニーは、2週間ロックダウンが続いている。ロックダウンの中、深夜であろうと自らを感染リスクにさらしながら地域社会のために食品を販売するエッセンシャルワーカーへの取組みを継続する。コミュニティに貢献するのは我々の義務である。小売労働者に優先してワクチン接種できるよう働きかけなければならない。商業部門労働者が職場で尊重され、嫌がらせを受けないよう取組む。Eコマース労働者の組織化に取組み、デジタル化でつながる機会を増やしていくと述べた。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、コロナ禍は現在も継続しており、インド、ネパール、バングラデシュ含めアジア太平洋地域全体で感染者数が増え続けている。平等なワクチン接種に加え、適切な医療へのアクセスが重要課題になっている。多くの地域で復興が遅れている。6月に開催したデジタル組織化に関するウェビナー、デジタルトランスフォーメーションと小売業の未来に関するウェビナーによって新たな活動のアイデアが生まれた。デジタル組織化を進めるため、組織化に関する研修・訓練を行っている。ITUCからGRI(国際人権指数)報告が発表され、フィリピン、バングラデシュ、ミャンマーが指数の低い3か国となった。厳しい挑戦になるが、我々が連帯しイノベーションを駆使して乗り越えようと述べた。

基調講演「未来の仕事の世界における公正と正義のための組織化」
ジェラルド・ドワイヤーUNI Apro商業部会議長,SDAオーストラリア

雇用の安定は将来にわたって保障されなければならないが、企業はコロナ禍に乗じて経済リスクを労働者に押し付け、利益をあげている。我々労働組合が雇用の安定に取組む理由は、安定し継続した雇用が保障されていれば、生活に安心感が得られ、そこにプラスの側面が生まれるのである。商業部門には常に非正規労働者が存在し、この数十年間で企業は、ますます非正規労働者に依存し、経営のしりぬぐいをさせている。非正規雇用は長期的には会社の利益にならない。従業員の意識低下、生産性の低下につながる可能性がある。雇用の安定について取組みたい。企業には将来に向け予算を組んでもらいたい。家族を支え、コミュニティを強化するため安定した雇用を創出するよう求める。コロナ禍でも雇用が守られれば、食料に困ることなく、病欠がとれ、社会保障が提供される。商業部門にイノベーションを起こす上でも雇用の安定は重要である。雇用の安定を勝ち取るためにも組合員を増やさなければならない。Eコマース労働者の組織化に取組まなければならない。Eコマース労働者は同じ商業部門の仲間であり、他の商業労働者と区別すべきではない。現在、商品は様々な場所で取引されており、Eコマース労働者の組織化が進んでいる。今後も我々のチャレンジは変わらない。労働者を組織化し、彼らを代表する組合とならなければいけない。今後も組合の重要性は高まるはずであり、労働の世界でデジタルトランスフォーメーションが進行する中、公正・公平を実現する上でEコマース労働者を見落としてはならない。

イオングループ労働組合連合会の GFA(グローバル枠組み協定)活動と労使関係の原則
永島 智子 UAゼンセン副会長

世界中、とりわけUNI Apro地域において、コロナ禍が拡大する中、職場の安全衛生活動の重要性がより高まっている。2020年12月、イオン労連では、グローバル・ネットワーク・コミッティ(GNC)において、従業員の安全と健康を守ることができる職場を実現するため、各国における安全衛生推進活動の再強化を各国の単組と共有した。各国の労使の取組みの進捗を確認し、イオン労連が必要に応じてサポートしていく。また、通常の安全衛生委員会だけでなく、今年は会社のコロナ対策会議に組合3役が参加し、現場従業員の課題や声を伝えて、提案を行うことで、従業員が安心して働ける環境作りを労使協働で取組んでいる。また、GFAの取組みとして、カンボジアCARWUにおける職場の課題解決の取組みや中国湖北省のイオン労組組合役員教育に取組んでいる。改めて役員一人ひとりがイオン労連の目指すべきビジョン、歴史、協調的労使関係について学ぶことで自分たちの役割をイオン湖北でどのように果たしていくかを話合っている。

コロナ禍において、労働者を守るための労働運動の重要な役割を再認識する
藤田 清憲 自動車総連副事務局長

コロナ禍における自動車総連の取り組みについて共有する。日本における新型コロナウイルスの影響は、数度にわたる緊急事態宣言の発令など、経済活動は大きく停滞し、現在でもコロナ禍前の経済レベルには戻っていない。自動車の国内新車販売においてもマイナスが継続している。こうした状況の中、自動車総連は、①加盟する12労連との確実な連携、②経営者団体との連携・要請、③政府への各種要請という、3つの政労使の枠組みで進めてきた。
まず①12労連との連携では、労働組合から各メーカー・大手部品企業の稼働状況を集約し、即時展開、各社の生産計画や要員計画に役立てることができた。次に②経営者団体への要請では、自動車産業の経営者団体である、日本自動車工業会に対し、各メーカーの稼働停止日のばらつきを出来る限り抑えるようカレンダーの統一を要請した。この取組みは、部品企業の負担減少につながったと評価している。自動車総連では、こうした経営者団体への要請は、直接対話で実施している。そして③政治への働きかけでは、緊急経済対策の必要性を国政政党に提起した。特に自動車総連と日本自動車工業会において「産業労使会議」を開催し、労使連携してコロナ危機を乗り越えるということを確認した。その中で、自動車総連より、特に窮状に陥っている中小部品企業に対する支援を要請し、自動車工業会からは、日本の自動車産業のためには、中小を含めたモノづくりの現場を失ってはならない、タイムリーに支援していく、という見解が示され、雇用維持の重要性を確認することができた。
この対話以降、自動車工業会としては、他の経営者団体と連携し、窮状に陥った企業が資金調達を容易にできる仕組みを整えたり、従来よりも広い範囲で取引先部品企業の現場の支援を実施するなどの支援策が展開され、労使対話が様々な動きに繋がった。

人間の価値、労働の質、人財力の向上によるイノベーションで未来を創る
八野 正一 UAゼンセン副会長

グローバル化とデジタル化により経済社会構造が大きく変質する中、コロナ感染症の拡大も加わり、わたしたちサービス産業には、様々な変革が求められている。UNI Apro地域のそれぞれの国、地域によって違いはあるが、多様な労働者の組織化、最低賃金、労働時間管理、安全衛生、ハラスメント対策等という労働の基盤を構築することは、最も重要である。UNI-Apro商業部会委員会は、コロナ禍の中で、また、ポストコロナを見据えて、「ディーセントな労働条件、雇用」を創出いくために『パートナーシップ労使関係』をどのように成長させ、どのような考え方ですすめていくかが問われている。
日本では、人口減少、少子高齢化は他に類を見ないスピードで進み、「日本が将来にわたり成長を持続する」には、「付加価値を継続的に創出する」には、わたしたちは、「人材の価値、良質な雇用を中軸に置き、生産性を向上させていく」以外に道はないと考える。「誰のための、何のための労働運動/生産性運動なのか」、「自らが進む方向性は」を常に考え、デジタル化を生産性改革のど真ん中に置き、付加価値を高めるための視点から様々なチャレンジが必要である。
「生産性の理念」について、生産性というと「効率化」、また労働投入量(就業者数、または就業者×労働時間)を削減し、利益を短期的にあげていくという意味で捉えられていることが多いが、我々は「働く側から生産性」を捉えるべきである。「生産性」とは、今日は昨日よりも良くなし得るという確信であり、さらに、明日は今日にまさるという確信である。条件の変化に経済社会生活を不断に適応させていくことであり、新しい技術と新しい方法を応用せんとする不断の努力である。そして人間の進歩に対する信念である。「サービス産業の生産性向上~生産性経営への転換をどう図るか」という課題に対し、「人間の価値、労働の質、人財力の向上によるイノベーションで未来を創る」という考え方を提起し、提言とする。「生産性運動とは持続可能な社会環境を創造し、未来への責任を果たす鍵である。」と捉え、サービス産業における生産性向上とは、ヒトを中軸に置き、ヒトによるイノベーションの創出により、付加価値の向上を目指すことが重要であるということである。提言1「企業ビジョンの再定義⇒成長経営から生産性経営へ」サービス産業のイノベーションの創出の根幹は人材である。「人材には新しい価値を創造する人材」と「その基盤を支える人材」で構成されて、その両軸の人材を育成することが重要である。提言2「持続可能なディーセント・ワークを構築し、人間の価値を高める」企業ビジョンの再定義に際し、「ヒト」に着目するだけでなく、「雇用の質」「人間の価値」に更に踏み込むべきである。イノベーションの起点は「ヒト」であり、ヒトが「持続的なディーセント・ワーク」の構築をする。


UNIは南アフリカのMassmart労働者のために連帯する

UNIは、米ウォルマート子会社である南アフリカ・マスマート社の労働者のために世界的な連帯キャンペーンを立ち上げ、人員削減、労働時間の短縮、労働者の権利の弱体化を止めるよう求めている。UNI世界商業部会とUNIアフリカは、世界中の労働組合、労働者や人権活動家に、連帯バナーと一緒に写真を撮り、ハッシュタグ「#StopMassCuts」を付けSNSに投稿するよう呼びかけた。

マスマート社は、100人以上の人員削減、労働時間の短縮(月195時間から120時間)、異動、配置転換等を含むリストラ計画を一方的に行い、48,000人の従業員の一部に影響を与えている。同社の労働者を代表するUNI加盟組織のSACCAWUは、リストラの中止と組合との交渉を繰り返し求めたが、会社側はリストラを続行し、一方的に労働条件を変更した。SACCAWUの呼びかけにより、同社の労働者は、南アフリカ全土で毎週金曜日にストライキ、抗議行動、デモなどの行動を起こしている。しかし経営陣は、抗議する労働者を威圧し、集団行動に参加した労働者がCOVID-19安全規則に違反した疑いがあるとして、自己隔離のため無給で休むよう指示している。

キース・ジェイコブスUNIアフリカ地域書記長は、「これはCOVID-19安全対策を装った違法行為であり、言語道断で受け入れがたいものだ。マスマート社は、SACCAWUの要求を受諾するどころか、労働者が苦労して獲得した権利を攻撃し続けている。我々は、SACCAWU及びマスマート労働者と連帯する。」と述べた。

マティアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長は、「マスマートの労働者は、COVID-19パンデミックの中、人々が食料や衛生用品などの重要な物資を入手できるよう最前線で貢献してきた。彼らは感謝され、より良い条件と適正な賃金を得るべきである。ウォルマート社は、人員と権利の削減をやめ、SACCAWUと交渉しなければならない。」と述べた。米国の小売大手ウォルマートは、2011年に南アフリカ最大の小売企業の一つであるマスマート社の株式の過半数を取得した。マスマート社は、サハラ以南のアフリカ13ヶ国・423店舗を展開している。


UNIインド加盟協女性・青年/UNI-LCJ共同セミナー

2019~2022年度UNI-LCJ「海外活動の方向性」に従い、毎年インドで支援セミナーを開催することとしているが、昨年はコロナ禍で実施できなかった。今年も未だ感染が収束しない中、6月27日にオンラインで開催され、インドから34人、日本からが15人参加した。開会式で、ミリンドUNI-ILC議長は、UNI-LCJの継続的な支援と、アチャリャ地域書記長による講演や野田会長の出席等、UNI Aproの協力に感謝した。松浦UNI-LCJ議長は、未曽有の困難に立ち向かうための連帯を参加者に呼びかけると共に、日印関係がビジネス・経済面で今後ますます発展する中、両国の労働組合が連携を図り、互いの文化や労働組合の活動について理解を深め、それぞれの組合活動に活かしていく意義を強調した。

アチャリャUNI Apro地域書記長は、「コロナ禍・ポストコロナにおける労働組合及びUNIの役割」と題する基調講演を行った。インドの現状や課題について述べ、困難な中でもインドの労働組合が交渉やロビー活動で勝ち取った成果を評価した。また、UNI Aproが注力する女性・青年の育成に協力する形で、インドの女性・青年向けのセミナーを継続しているUNI-LCJに対して感謝した。基調講演に続き、インドの新聞労組、医療労組、IT労組の参加者がそれぞれ、労働組合がコロナ禍に取組んだ活動を報告した。インドでは「つながらない権利」という概念が認知されておらず、在宅勤務により労働時間が長くなり、ストレスが増したという意見が出された。

日本からは3人の講師が講演を行った。景中損保労連事務局次長は、コロナ禍が女性及び若年層に与えた影響と組合の取組みについて説明した。相対的に女性が多く従事する窓口業務や書類を扱う業務はテレワークが難しく、職場の感染防止対策の徹底や、テレワークの環境整備、テレワークが可能な業務の拡大に取組んだ。若年層については従来対面で育成・指導してきたが、リモート環境下での有効な育成・指導方法への柔軟な変更や、社員間のコミュニケーション強化に向けたルール作りを行っている。また、with/afterコロナにおいて、柔軟な働き方を推進する観点からも「長時間労働につながる商習慣」の見直しは有効であり、全ての労働者が働きやすい環境の実現につなげたいとした。

柏木JP労組中央執行委員は、各種統計や連合が実施したアンケート結果等から、コロナ禍の女性に対する影響の深刻さを説明した。連合は有識者を交え、コロナ禍におけるジェンダー平等課題に関する意見交換を実施し、指摘された諸課題について政府に必要な対策を求めていくこととしている。また、コロナ禍にJP労組が交渉で勝ち取った、特別な有給休暇や見舞金支給等の成果についても紹介した。

水野情報労連組織対策局長は、コロナ禍・ポストコロナにおける労働組合のコミュニケーションについて詳細に報告した。コロナを理由に活動を止めないため、感染防止対策の徹底と共に、オンライン活用や業務のデジタル化推進、対話・参加型の取組みに対する工夫、オンライン団交の向き・不向き等、経験に基づく具体的事例を詳細に紹介した。コロナ制約下でのオンラインの取組み成果を活かす多様なコミュニケーションツールの活用により、Face to Faceの取組みを追求しつつ、「つなぐ」役割の強化が重要だ、とまとめた。

インド人参加者からは、下記のような質問やコメントが出された。

  • ビデオ会議を含むテレワークに関する行動基準やガイドラインの有無
  • 郵便局におけるコロナ禍の交代出勤、妊婦や障がい者の保護対策、テレワークの可否等
  • 女性の在宅勤務に関する問題は組合が取組み改善していかなければならないことに同感する
  • オンラインレクやオンラインゲームはクリエイティブな試みだ、是非、インドの組合でも真似したい

この他、インド人参加者からも報告を受けた。

レッカD.M.(郵便労連)は、 コロナ禍でインドの女性が受けた影響について、郵便局の貢献及び職場で女性労働者が直面した課題と郵便労連の取組み、他産業の女性労働者が直面した問題とそれを克服するためのステップ等を報告し、コロナ禍から学んだ教訓でまとめた。

ロヒット・カプール(バローダ銀行管理職労組)は、インドの感染状況の深刻さを報告し、バローダ銀行は、ロックダウン中も預金・引出・送金等の不可欠サービスは提供し続け、中小企業を積極的に支援したことを説明。組合は、貧困層への食料配給、献血、育児中の母親・妊婦・障がい者等の在宅勤務化交渉、メンタルヘルスに関するウェビナー開催、遺族への弔慰金交渉等の成果を報告した。

グループワークでは、①女性・青年が組合に期待すること、②自分たちが貢献できることを議論し、各グループの討議結果が発表された。

①については、若年層や女性の課題を真剣に取り上げてほしい、若年リーダー育成・機会の提供、定期的なコミュニケーションを通じた組合活動の周知、組合員との双方向のコミュニケーションの重視、女性の参画を強化するため、女性だけでなく男性の意識啓発も促すこと等の提言がなされた。②については、若い労働者との信頼関係の構築、組合の意義や活動を正しく従業員に伝え、共感し、自ら積極的に取組むこと、楽しい方法で組合参加を促すアイデアを出し実行すること、SNSの活用、女性委員会の強化等、積極的な意思が表明された。アンジャリ・ベデカーUNI-ILCコーディネータは、短時間でも前向きなグループ討議ができ、良い意見がまとめられたことを称えた。

閉会式では、飛び入り参加した野田UNI Apro会長が、2017年秋の訪印時、成長するインドの勢い、能力とモチベーションの高さに感銘を受けたことを振り返り、インドは世界経済を牽引する存在でもあり、南アジアの組合の強化は、UNI Aproとして最も重要な戦略であると述べた。参加している女性、青年に対しては、女性の価値観や若年層の価値観をUNIの活動に活かしてほしいと激励した。ミリンドUNI-ILC議長は、UNI-LCJ及びUNI Aproの支援にあらためて感謝し、今後も協力関係を深めていきたいと述べた。また、働き方が変わっていく中で、組合役員の経験を活かすと共に、若きリーダーの成長に期待し、共に新しい労働運動をつくっていこうと激励した。森川UNI-LCJ事務局長は、オンライン開催だったからこそ、インド全土から多くの参加が得られ、日本側も講師だけでなく、野田UNI Apro会長をはじめ多くの傍聴が可能になったと述べ、対面開催ができる時まで、コロナ禍で学んだ経験や教訓を活かし、UNI活動を推進していこうとまとめた。


新電子決済システムからアマゾンを除外せよ―インド準備銀行に国際労働組織、NGOらが共同要請

インドが数兆円規模の新たなオンライン決済システムの立ち上げを準備する中、6月上旬、UNI、インドステート銀行従業員労働組合(AISBISF)、IT for Change、外資系小売・電子商取引に反対する共同行動委員会(JACAFRE)を中心とする労働組合及びNGOらが、インド準備銀行(RBI)に対し、新たに「手数料の高い」営利目的の決済システムを設立するアマゾンの申請を却下するよう、共同で要請を行った。理由は、「アマゾンは、RBIが義務づけている公正さと誠実さの実績に欠ける」ためである。また、同日に公開された共同文書において「アマゾンは、公平と公正の原則に反しており、不正で、濫用的、反競争的な行為について、インドを含む数か国で調査を受けている 」と指摘した。
RBIはインドの中央銀行であり、規制当局でもある。RBIが進めようとしている新しい決済システムを開発・運営する事業体(NUE)は、非営利のインド決済公社(NPCI)が運営する決済システムとは別に新たな決済システムを、企業が開発・運営することを認めるものである。RBIが提案する営利目的のNUEシステムは、民間企業による代替決済システムの運営を促進することで、現在の非営利システムに対抗する土台を設けることを意図している。
ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は「インドは、非倫理的で反労働者的、反競争的な慣行を長く続けるアマゾンのような企業に、デジタル決済システムを渡すべきではない。何百万ものインド人が、日常のビジネスや生活を営む上で、使い勝手の良い、手数料のかからないオンライン決済を利用している。RBIは、利益よりも人々を優先する責任ある事業者の手にNUE委ねるべきだ。」と述べた。現在アマゾンは、外国直接投資規則の違反および反競争的行為の疑いで、インド執行局、外国為替管理局、インド競争委員会から調査を受けている。また、小規模事業者や業界団体がアマゾンに対していくつかの嘆願書を提出している。
JACAFREのC.H.クリシュナ氏は、「成長と市場独占、利益に対するアマゾンの飽くなき欲求は、インドの労働者、消費者、業者にとって良いものではない」と述べ、「RBIはインド国民の側に立ち、公正で自由なオンライン決済システムを維持する必要がある」と主張した。
またロイター通信は、アマゾンがインドのEコマース・プラットフォームにおいて、特定の「特別な」販売業者を優遇している。アマゾンの売上の大半は、アマゾンも株式を保有しているなど、何らかの形でアマゾンが関係している、ごく少数の大規模事業者によるものであると報じた。
パーミンダ・ジット・シンIT for Change事務局長は、「インド政府は、すべての人に無料でサービスを提供するシステムが完全にうまく機能している中で、企業が運営する営利目的のデジタル決済取引システムを並行して推進すべきではない。」と述べ、「アマゾン、ウォルマート傘下のフリップカート、リライアンス・ジオのような巨大Eコマース企業を招き入れ、我々からさらに多くの資金とデータを吸い上げることは、インド人ではなく、企業上層部に利益をもたらすだけだ。」と指摘した。

さらにアマゾンは、世界的にも執行機関の監視対象となっている。米国では、アマゾンが自社プラットフォーム上でのサードパーティーの販売業者への対応において、「広範な反競争的」行為を行っていると指摘されている。また、米国連邦取引委員会(FTC)による独占禁止法に基づく捜査も行われている。アマゾンはこれまでに、配送ドライバーとの契約に違反したとしてFTCに数百万ドルを支払っている。
同様にアマゾンは、欧州でも競争法違反の疑いで捜査を受けている。販売者とオンライン市場の所有者という2つの役割を担うアマゾンが、立場を利用して他の販売業者に不利益を与えているとされるためだ。
サンジーブ・クマル・バンドリシュAISBISF書記長は「インド準備銀行には、通貨、金融、銀行業務に関わる重要なインフラ業務を、営利目的で運営する企業の手に委ね、結果として企業の力が定着するようなことはしないでもらいたい。NPCIとUPI(統合決済インターフェース)は、RBIの綿密な規制・監視のもとで良い仕事をしており、公共の利益にならない営利目的のシステムを並行して開発することには全面的に反対する」と強調した。
アマゾンの倉庫で世界的に労働者の不安が高まり、米国の巨大テック企業の労働者の扱いに対する批判が増大していることを受け、欧州議会はアマゾン最高経営責任者であるジェフ・ベゾス氏に対し、同議会の雇用・社会問題委員会での証言を要請している。
また、アマゾンによる「欧州の労働法、データ法、プライバシー法の違反」について、労働組合が欧州全体での調査を要求したことを受けて、昨年10月には37名の欧州議会議員が、ジェフ・ベゾス氏に緊急の行動を求める書簡を提出した。


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