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UNI世界商業部会、野心的な行動計画の実現に向けてリーダーを選出

「立ち上がれ!商業労働者、今こそグローバルな運動を」をテーマとして米国・アトランタで開催されたUNI世界商業部会大会は、最終日の12月9日、組合の力を高める大胆で新しい行動計画を実行する、今後4年間のリーダーを選出した。

約30か国から結集したUNI世界商業部会の数百名の代議員は、スチュワート・アッペルバウム小売・卸売・百貨店労組(RWDSU)委員長を、UNI世界商業部会議長に再選した。

2017年からの前任期間中にアッペルバウム議長は、UNIのアマゾン・グローバル労組アライアンスを推進する等、この分野におけるUNI世界商業部会の地位強化に貢献してきた。

全会一致の採決後、アッペルバウム議長は、「我々の前に立ちはだかっている課題は非常に大きいが、我々は何をすべきかを知っている。我々には行動計画があり、この機会を生かすべきだ」と述べ、「パンデミックにより、使用者や仕事に対する労働者の見方は変わった。今、労働者はもっと多くのことを要求しているのであり、尊厳と敬意をもって扱われ、公正な賃金を受け、職場の安全が確保されなければならない。それは、組合を通じてしか得られないものだ。我々は、変化を起こそうとしている労働者を支援するため、できる限りのことをしなければならない。団結して共にこれらの課題に立ち向かっていこう」と決意を語った。

マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長は、議長に賛意を示し、「我々の大会は、この時代の労働組合運動となるためにあり、そのためには、時代にふさわしいリーダーシップが必要だ。スチュワート議長の経験とビジョンは、いま我々が必要としているものであり、今後4年間、商業労働者のためのより強力な労働運動に必要だ」と述べた。

各地域を代表するUNI世界商業部会副議長には、永島智子(日本、UAゼンセン)、ダニエル・ロヴェイラ(アルゼンチン、FAECYS)、リンダ・パルメツホーファー(スウェーデン、HANDELS)の各氏が選出された。アフリカ選出の副議長は後日、決定予定。


責任投資原則:投資家と多国籍企業には労働者の権利を尊重する責任と機会がある

2022年11月下旬、責任投資に関する世界有数の独立機関「PRI」(Principles for Responsible Investment=責任投資原則)の年次総会が、スペイン・バルセロナで開催された。この中で、リサ・ネイザンUNIシニア投資家活動アドバイザーは、人権と財務の両面から、株式を保有する企業において労働者の権利を強化するよう、投資家に訴えた。

パネルディスカッション『人権と社会問題に対する投資家行動の強化』の中で、同氏は、リスクの特定、防止、軽減のために、国連のビジネスと人権に関する指導原則を活用すること、人権デューデリジェンスに対する投資家の支持を得ること、人権と社会問題に体系的に取組むことなどの主要トピックを取り上げた。また、労働者の権利侵害は9年ぶりの高水準を示して世界的に危機的状況にあり、結社の自由と団体交渉の確保に向けた投資家の行動が緊急に求められていると主張した。また、労働者の権利侵害は、労働条件を低下させるだけでなく、アマゾンのような企業においては規制、業務、風評上のリスクをも生じさせる。組織率の低下は、不平等や政治的・経済的不安定の増大と関連しており、経済全体にシステミックなリスクをもたらしている。

さらに同氏は、「労働基本権に関して我々が直面している危機は、特に重大だ。結社の自由と団体交渉は、力を与える権利。労働者が組合に加入することでエンパワーされれば、安全衛生やジェンダー、人種間の平等など、他の人権を守ることができる」と述べ、「投資家は自らの責任において、労働者が自らの人権を守れるよう環境を整えることができ、その結果、人権など多くの重大なリスクを軽減することができる。 これを実現するためには、投資家や企業が、労働者や労働組合と連携して取組むことが不可欠である」と締めくくった。

今回のPRI年次総会は、労働者資本委員会(CWC)が、投資家と共に労働者の権利を向上させるためのグローバルキャンペーンを開始した数日後に開催された。CWCは、キャンペーンのキックオフの一環として、投資家向けガイド『繁栄の共有:結社の自由と団体交渉のための投資家の役割』を発表した。このガイドは、人権に関する投資家責任を概説し、労働基本権を尊重することが長期的に財務上の利益にかなうと主張するとともに、投資家の実践的な行動のロードマップを提供している。

UNIは、ネットワーク事務局のメンバーおよび報告書の共著者として、CWCの取組みに参加している。


欧州委員会に対し、議員160名が公共調達指令の是正を要求

労働者の待遇について底辺への競争を助長する公的資金の流れを阻止しようとの機運が高まっている。5つの異なる政治グループからなる160名の欧州議会議員が、ディーセントワークを実践する使用者とだけ公共調達の契約が締結されるようにするよう、求めている。UNI欧州は、欧州委員会に公開書簡を送り、この呼びかけを伝え、欧州全体の労働者を失望させている公共調達指令の是正を要求している。

公的機関は、 民間企業が提供する商品やサービスのために、毎年2兆ユーロ以上を支出している。これはEUのGDPの14%に相当する。このうち半数の契約は、価格だけを基準に締結されており、これによって底辺への競争が煽られ、企業が労働者の賃金や条件について互いに切り下げ、職場の民主主義を抑圧する誘因となっている。

欧州中の労働組合は、EUの法律が団体交渉に与える壊滅的な影響に警鐘を鳴らしている。確立された交渉文化と適正な労働条件を持つ多くの企業が、公契約への参入を阻まれている。劣悪な賃金、長時間労働、組合忌避をビジネスモデルとしている企業を相手に、競争できないのだ。

欧州議会議員の広範な連合は、シンプルで効果的な解決策を求め、労働者と労働組合を支援している。価格を最優先とするのではなく、すべての公契約は労働者と団体協約を結んでいる企業に委ねなければならない。そのためには、EUの公共調達指令は是正が必要である。

労働組合や議員だけでなく、専門家もこの指令の変更を求めている。最近、欧州議会で開催された公共調達に関する専門家の聴聞会では、「現行の法律は破綻しており、是正すべき」との明確なメッセージが示された。

公的資金がディーセントワークを確保する企業に流れるようにするキャンペーンを支援したい方は、 こちらから。


スウェーデンの商業労働者は、持続可能な商業部門を求めている

スウェーデンの労働組合Handelsが発表した新しい報告書によると、商業労働者は、商業部門が環境に与える悪影響を軽減するよう使用者に働きかけ、良好な労働条件を生み出す持続可能な社会に向けた公正な移行を望んでいることが明らかになった。

『労働組合の課題としての環境・気候』と題されたこの報告書は、スウェーデンの商業労組であるHandelsが、環境・気候問題への取組みを定めた大会決議を受け、2020年から2022年にかけて行った4種類の調査・報告書をまとめたものである。Handelsの組合員に対して実施した調査に照らし、気候問題に対する労働者の見解を伝えている。

●労働者は環境・気候問題に関心を持っているー回答者の88%は、環境・気候問題に十分または部分的に関心を持っているとした。
●労働者は商業の影響を懸念しているー回答者の80%が、商業部門が環境や気候に与える悪影響を懸念していると述べた。
●アマゾンは重要な関心事であるー72%の労働者が、2020年のスウェーデンへのアマゾン進出により、労働環境と環境の持続可能性が損なわれている可能性があると回答している。
●労働者は、商業部門が環境への影響を軽減することを望んでいるー調査した労働者のうち、「商業は環境と気候への影響を減らす必要がある」点に同意した労働者が71%、ある程度同意した労働者は20%となった。
●気候正義、労働条件の改善ー労働者は変化を求める一方、64%の労働者は、導入される環境対策は、良好な労働条件や職場環境と両立するものであるべきだと強調している。
●気候正義と労働者の権利は、トレードオフの関係であってはならないー労働者の約80%が、 環境や気候に関連する議論によって 、労働条件や労働者の権利を悪化させる可能性のある行動が見えなくされる可能性がある点を強調した。
●労働者が適切に訓練されていないー職場の研修やスキル開発の取組みに、環境・気候問題が含まれていると回答したのは、回答者のうち、わずか24%である。
●労働者は、会社に影響力を及ぼしたいと考えているー10 人中 9 人の労働者が、勤務する会社における環境・気候問題に対して影響力を高めることに関心を示している。労働者が影響力を行使したいと考える分野では、「スキル開発の強化」、「環境改善と良好な労働条件の組み合わせ」、「環境にやさしい職場」が上位に挙げられた。
●公正な移行を中核とすべきであるー労働者の約95%がHandelsに対し、公正な移行に重点的に取組むことを求めている。労働者は組合に対し、良好な労働条件、良好な労働環境、労働者の適切なスキル開発と両立する気候対策の促進を期待している。労働者の中心的な要求は、「誰もが持続可能な消費をできる公正な移行」である。

報告書は、労働組合が気候変動の問題に関与しなければ、気候問題を市場の勢力などに委ねることになり、労働者はより大きな代償を支払うことになるという点を強調している。また、労働組合が環境問題においてどのような変化をもたらしうるかを詳細に分析し、公正な移行を確保するための国際協力とグローバル枠組み協定の重要性も強調している。 報告では、商業部門が環境に与える悪影響を最小限にするための40以上の対策と行動を提示し、労働組合運動が連携して気候危機がもたらす課題に取組んでいくことを呼びかけている。


ヒューマン・ライツ・ウォッチの報告書が示す、人権デュー・ディリジェンスの必要性と社会的監査の空虚

バングラデシュのタズリーン工場火災によって100人以上の縫製労働者が死亡し、200人以上が重症を負ってから10年が経過した。 多国籍企業の利益の源泉であるグローバルな事業展開とバリューチェーンは、あまりにも長い間、野放しの状態であった。企業は、世界中の労働者の状況に対する説明責任を果たすことなく、複雑で不明瞭なバリューチェーン、そして軟弱で一方的な企業の社会的責任(CSR)の取組みの陰に隠れてしまうことができたのである。

世界で最も信頼のおける人権団体の1つであるヒューマン・ライツ・ウォッチによる新たな報告書が暴くのは、企業の社会的監査ツールの多くがいかに空虚なものであるか、ということだ。 報告書『目標なき監査ツール:社会的監査がグローバル・サプライチェーンにおける労働者の人権侵害を解決できない理由』は、「社会的監査や認証プロセスには、利害対立や抜け穴などの問題が山積しており、人権や環境基準が尊重されるようにするためのツールとして、不適切である」と指摘している。

アルケ・べシガーUNI副書記長は、「ヒューマン・ライツ・ウォッチの報告書は、我々が何年も前から言ってきたこと、つまり、社会的監査業界は、多国籍バリューチェーンにおける人権侵害のリスクについて正しい洞察を得る上で、当てにならないものだということを強調している。 今や数百万ドル規模の産業であるにもかかわらず、悲しいことに、人権侵害が発見されても、それが軽減あるいは是正されることは、ほとんどない。デュー・ディリジェンスの法律が策定されている場合には、我々は各国政府に対し、企業が単に責任を外部委託するのではなく、デュー・ディリジェンスの全段階で権利の主体、特に労働者とその労働組合に関与するよう、要請していく」と述べた。

幸いにも、デュー・ディリジェンスに関する企業の動きには、変化が出始めている。ドイツなど数か国で人権デュー・ディリジェンスの義務化が法制度として導入され始め、ようやく多国籍企業は、そのバリューチェーン内で生じた権利侵害に対し、責任を持つようになり得たのだ。

しかし、こうした重要な法律以外にも、バングラデシュのタズリーンとラナプラザの災害後、衣料品労働者の安全衛生の改善に大きく貢献した『繊維・衣料品産業の安全衛生に関する国際アコード』の成果からも、学ぶことができる。アコードを創設した署名組織としてUNIは、間近に迫ったパキスタンへの拡大も同様に効果的なものにすべく、取組んでいく。

UNIが重視している点は、デュー・ディリジェンスが労働者のために機能し、企業が良い評判を得るための皮肉なPRにならないようにすることだ。 UNIの経験が示すのは、中身のない空虚なCSRから、人権に関する真摯な説明責任へと移行するための核となるのは、デュー・ディリジェンスの各段階における労働組合の全面的な関与である。

これにより、国内および国際レベルの労働組合を含め、利害関係者を代表する人々の席が設けられ、プロセス全体を通じて労働者が尊重されるようになる。これこそが、デュー・ディリジェンスに正当性と透明性を与え、バリューチェーン内の労働者に、問題が起きても自身の懸念は対処されるのだという確信を与えることになる。

しかし、UNIや加盟組織が関わっている企業は、その責任を社会的監査企業に委託していることがあまりにも多い。こうした企業は、非常に多くの場合、労働者が日常的に直面している現実とはほぼ無縁の認証や賞の紙吹雪をばらまいているように見受けられる。 労働組合の権利を侵害してきた過去があり、特にリスクの高い国で事業を展開している企業が、なぜか社会的責任のある使用者として、認証や賞を獲得しているのである。

べシガーUNI副書記長は、「我々は今、過去の過ちから立ち直り、人権侵害から利益を得ることはもはや許されないという岐路に立っている。 UNIは、加盟組織や先進的な企業とともに、国際アコードのパキスタンへの拡大を成功させ、人権デュー・ディリジェンスが労働者の声を中心に据えたものとなるよう、引続き取組んでいく」と締めくくった。


商業部門の女性労働者に対する暴力と性的暴行の根絶を目指す ver.diのキャンペーン

ドイツのUNI加盟組織ver.diは、仕事の世界における女性への暴力や性的暴行について保護の強化を図るため、新たな取組みを開始した。ver.diの女性執行委員会によって立ち上げられたこのキャンペーンの名前は、「共に強く−小売業における暴力に反対」だ。

女性や機会均等を担当するステファニー・ナツェンベルガーver.di執行委員は、「小売業で働く女性は、ますます多くのハラスメントに晒されている。女性の従業員は、レジにいる時であれ、スタッフが少なすぎる時であれ、ハラスメントはパンデミックで悪化したと訴えている。日々、侮辱や言葉の暴力を浴びている。この状況は止めなければならない」と語気を強める。

取組みの一環としてver.diは、暴力の問題について包括的なデータを収集する予定であり、そのために今年初め、商業・商品運輸業協同組合(BGHW)と共同で、研究プロジェクトを開始した。プロジェクトには、小売業における暴力やハラスメントに関するドイツ初の調査が含まれ、調査結果は2023年初めに公表される。

同執行委員は、「企業が暴力に対して必要な対策を講じることは、極めて重要だ。女性の労働者や労使協議会による自衛策だけに任せていてはならない。企業や経営者にも責任がある。これは、商業労働者に対する敬意、感謝、認識の問題だ」と指摘するとともに、「女性の全般的な労働環境を改善するために、我々はドイツ政府に対し、ILOの『仕事の世界における暴力とハラスメントの撤廃に関する条約』の批准と実施を要請していく。ドイツで働く女性は、性的その他あらゆる形態の暴力から保護されなければならない」と加えた。

残念ながら、小売労働者、特に女性に対する暴力の問題は、ドイツに限ったことではない。

マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長は、「世界中の小売労働者が、特に女性労働者に対する深刻な暴力の増加を目の当たりにしている。だからこそ、我々はver.diのような各国のキャンペーンを支援するとともに、世界中の組合を結集してこの問題にグローバルに取組んでいる」と述べた。

UNIは最近、小売業における暴力に反対する世界行動デーを実施し、その一環として、組合向けにオンラインのリソース・センターを立ち上げた。また今年、「ジェンダーに基づく暴力に反対する16日間の活動」の一環として、第三者による暴力に焦点を当てている。
 


Make Amazon Pay(アマゾンに支払わせる):世界30か国以上で、ブラックフライデーのストライキと抗議行動の新しい波

2022年11月25日、1年で最もショッピングが盛んになるブラックフライデーに合わせて、フランスとドイツでは少なくとも18のアマゾン倉庫でストライキが決行され、世界30か国以上で抗議行動が予定されるなど、Make Amazon Pay 連合(略称:MAP)は、大規模な世界行動デーを実施する。このキャンペーンは、生活費の高騰、世界的な債務危機、気候変動という緊急事態に直面する中で、アマゾンが「労働者、地域社会、地球」から、「搾り取れる最後の一滴まで」搾り取っている状況を告発するものだ。

UNIとプログレッシブ・インターナショナルが共同で設立したMAPは、両組織のほか、オックスファム、グリーンピース、350.ORG、タックス・ジャスティス・ネットワーク、アマゾン労組など80以上の労働組合、市民社会団体、環境活動家、税金監視団等で構成され、アマゾンが労働者に公正な賃金を支払い、労働組合に加入する権利を尊重し、公正な税負担を行い、環境面における真の持続可能性に向けて取組むことを要求している。

MAPがブラックフライデーにグローバル行動デーを開催するのは、今年で3回目となる。過去には、ドイツ全土の施設での数千人規模のストライキ、バングラデシュでの労働者の大規模な抗議行動、世界中のアマゾン本社での「Make Amazon Pay」ロゴ投影、ジェフ・ベゾス邸宅への「Pandemic Profiteer(パンデミックで暴利を貪る者)」の文字投影、環境保護団体『Extinction Rebellion』による英国の同社流通センターの封鎖などが実施されてきた。

2022年の「Make Amazon Pay Day」で予定されている主な行動は、以下の通り:
●フランス、ドイツ:労働組合であるVer.diとCGTが組織する18の倉庫でストライキ
●米国:倉庫労働者がストライキを決行。ジェフ・ベゾスの所有するマンハッタン・ペントハウス前を含む、沿岸部の10以上の都市で抗議と集会
●インド:ニューデリーの国会前を含む20以上の都市で、 数千人の労働者、露天商、支援者らによる集会
●アイルランド:ダブリンのアマゾン本社前で、 環境保護活動家らによる、新たに計画されている2つのデータセンターに反対する抗議デモ
●南アフリカ:先住民の聖地に建設されるアマゾンの新しいアフリカ支社に抗議するアクション・キャンペーン
●バングラデシュ:組合承認、賃金・労働条件の改善、アマゾンのバングラデシュ・アコードへの署名を求め、 アマゾンのサプライチェーンで働く数千人の衣料品関係の労働者による集会とデモ行進

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「#MakeAmazonPayデーと名付けられたブラックフライデーのこの日、労働組合、市民社会、進歩的な議員たちは、肩を並べて大規模なグローバル行動デーに参加し、労働者主導の組合活動を潰そうとする、アマゾンによる卑劣な数百万ドル規模のキャンペーンを糾弾する。この巨大ハイテク企業は、劣悪で危険な労働慣行を直ちにやめ、法を尊重し、より良い仕事を作っていきたいと願う労働者との交渉を行う時だ」と述べた。

プログレッシブ・インターナショナルの諮問委員を務める、バングラデシュのソミリト衣料品労連のナズマ・アクタル委員長は、「我々の組合が代表する衣料品労働者は、多くの場合、アマゾン労働者であることを認識すらされないまま働き、アマゾンの蓄えを膨らませている。アマゾンは世界で3番目に大きな使用者と言われているが、サプライチェーンで働く我々を数に含めれば、その規模はさらに大きくなる。職場では、経営側からセクハラを受けることもあれば、暴力に反対したり、賃金や労働条件の改善を求めて組合で組織化しようとすると、被害を受けることもある」と訴えた。また、「バングラデシュという、気候変動の影響の最前線にいる我々には、気候正義と社会正義は切り離すことができない」とし、「我々はアマゾンに、すべての労働者に対し、尊厳ある職場でまっとうな賃金を支払わせ、また環境破壊の代償を支払わせなければならない」と力を込めた。

プログレッシブ・インターナショナルのダニエル・コップMAPコーディネーターは、「我々は皆、あらゆるものの価格、そして地球の温度が上昇していることを知っている。アマゾンは、労働者に公正な報酬を与えず、税金を全納せず、環境破壊の代償を支払うこともしない代わりに、労働者、地域社会そして地球から、最後の一滴まで搾り取っている」と非難し、「世界中の労働者が生活危機に苦しむ中、アマゾンは莫大な利益を上げているにもかかわらず、労働者に実質的な賃下げを強要している。税金を逃れ、CO2排出量も急増している。アマゾンは販売した商品の1%分の排出量しかカウントしていないにもかかわらず、2021年のCO2排出量は18%も増加している」と指摘した。そして「生活費危機、世界的な債務危機、気候変動による緊急事態に直面する中、我々全員が一丸となって、アマゾンに支払わせなければならない」と意気込んだ。


グリーンとデジタル:欧州で双子の移行プロジェクト

グリーンとデジタルの双子の移行は、EUの優先課題として認識されている。「欧州社会権の柱」アクションプランの中では、「社会対話、情報、協議、そして様々なレベル(企業や産別を含む)における労働者と労働者代表の参加は、特に進行中の2つの移行と仕事の世界の変化を視野に入れ、経済の移行を形作り、職場の革新を促進する上で、重要な役割を果たす」と説明されている。

これを実現するため、UNI 欧州は、EUから資金を得た 2年間の プロジェクト「双子の移行を実現する:商業部門における2つの移行に関する社会対話の強化方法」を立ち上げた。このプロジェクトの一環として、商業部門におけるグリーンおよびデジタルの移行をどのように形成するかについて、組合に対する指針と提言を盛り込んだツールキットを作成予定である。

またこのプロジェクトは、2つの移行が、新たな雇用機会、生産性の向上、労働条件の改善、新たな業務編成など、労使に明確な利益をもたらすようにすることを目的としている。

このプロジェクトでは、イタリア、ハンガリー、スウェーデン、オランダの4つの対象国に焦点を当てているが、2024年に完成予定のツールキットは、すべての欧州加盟組織、社会パートナー、商業部門の主要ステークホルダーを対象とし、使用者、労働者とその代表者を動機付け、指針となって支えるものとなる。

2022年10月24日に開催されたプロジェクト運営グループの第 1 回会合に続いて、UNI欧州商業部会加盟組織に対するオンライン調査が間もなく開始する。調査では、2つの移行を扱う社会対話と団体協約に関するこれまでの事例、課題、戦略に関して、情報提供を求める。調査結果は、専門家の政策報告とともに、2023年春に予定されている対象国における一連の国内ワークショップにおいて、概要報告書として示される予定だ。ワークショップでは、参加者は優良事例を共有し、ツールキットの原案作成に必要な情報を提供していく。

プロジェクトの活動は、グリーンおよびデジタルの移行がもたらす仕事の世界におけるリスク、機会、課題について、使用者、労働者とその代表の意識を啓発し、理解を向上させることにつながるだろう。同時に、このプロジェクトの重要なメッセージは、今後の政策決定プロセスにおいて 社会対話は 不可欠な要素であるということだ。


商業部門における暴力とハラスメントの撲滅に向け、商業労組が結集

2022年11月17日の世界行動デーにおいて、 UNIと商業部会加盟組織が各国政府および小売業者に対し、商業労働者に対する暴力とハラスメントの根絶を呼びかけた。

20か国から約75人の組合代表者が、UNI世界商業部会が主催したグローバル・ウェビナーに参加し、商業部門における暴力やハラスメントに対する取組みの成功事例に焦点を当てた。

ルーベン・コルティナUNI会長は、職場での暴力とハラスメントに関するILO第190号条約の採択において女性が果たした重要な役割を強調し、「#MeToo運動や、世界中の街頭に立った女性たちのおかげで、我々は反撃のための強力なツールを手に入れることができた。今こそ、条約を批准し、実践に反映させる時だ」と力を込めた。

参加者は、日本、オーストラリア、フィンランド、モザンビーク、イタリア、米国、トルコからの報告を受け、各組合によるキャンペーンやアクション、団体交渉、法整備、意識啓発やトレーニング、ガイドライン等の成果を共有した。

スウェーデンのリンダ・パルメツホファーHandels委員長は、 「労働者に暴力やハラスメントのないワークライフを実現するため、キャンペーンを実施している。まだまだ道のりは長いが、力を合わせれば実現できる」と意欲を語った。

ピーター・ヘルバーグUnionen副会長は、「商業部門の第三者による暴力は、小売業者が適切に対処しなければならない。安全な職場環境を持つことは基本的権利であり、EUの法改正が必要だ」と指摘した。

キャンペーンの情報ハブとして設計されたUNIの新しいウェブページ「Stop Violence and Harassment in Commerce」も、このウェビナーで初公開された。職場における暴力と闘う特定の部会キャンペーンに関するものとしては初のウェブページであり、すでに30以上の記事、報告書、キャンペーン資料が公開されている。

ウェブページでは、「No One Deserves a Serve=誰も叱責されるいわれはない」キャンペーン(オーストラリア、SDA)、悪質クレームに対する取組み(日本、UAゼンセン)、「行動しよう」キャンペーン(フィンランド、PAM)など、UNI世界商業部会加盟組織が展開してきたキャンペーン等の情報を集め、具体的な成果について情報を提供している。

マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長は、「アトランタのUNI世界商業部会大会では、成功事例を取り上げるラウンドテーブルも実施する」と述べ、「商業部門における暴力、ハラスメント、差別、虐待をなくすという我々の取組みを強調する決議案を議論し、採択する予定だ」とコメントした。

今回のウェビナーは、Union to Union及びスウェーデンのUNI加盟組織Handels およびUnionenの支援の下、開催された。


リモートワーカーの権利を守るには、グローバルな解決策が必要

OECDのグローバルディール・フォーラムの中で行われた「ポストコロナの仕事の世界におけるテレワークに関する取組み:社会対話の役割」と題するハイレベルパネルにおいて、クリスティ・ホフマンUNI書記長は、リモートワークという新たな現実に対応するためには、団体交渉の拡大、社会対話の改善、雇用法の強化が明確に必要であると指摘した。

ホフマン書記長は、すべての在宅勤務の形態が一様ではないことを踏まえ、十分なスペースと人間工学に基づいた家具、安定したインターネットを備え、比較的快適かつフレキシブルに在宅勤務ができる従業員もいるが、他方で、コロンビアやフィリピンのような国では、例えば低賃金で不安定な仕事であるコールセンター業界では、フルタイムでリモートで業務を行う労働者も存在すると指摘し、「組合や団体交渉があるところでは、あらゆる種類のリモートワーカーの状況に進展が見られるが、大多数を占めている組合のない労働者には、深刻な問題が残っている」と、強調した。

11月中旬にUNIは、25か国のリモートワークに関する約120の団体協約のデータを分析し、公表する予定だ。この報告書では、パンデミック時に爆発的に増加したリモートワークに対し、世界中の組合が確固たる対応をとってきたことが示されている。つながらない権利など、ますます普遍的になっている課題もあるが、他方で、DVや監視など、労働組合の交渉として新たな分野も浮上して生きている。

同書記長は、「つながらない権利にどのように対処するか、使用者はどのように安全なリモートワーク空間を確保するか、監視が労働者の心理社会的な健康に与える影響は何か、カメラやアルゴリズムによって収集された労働者のデータを誰が管理するか、などの課題がある。これらに加え、ジェンダー平等への取組みや、若い労働者が必要な指導を受けられるようにする取組みも必要」と指摘し、「こうした問題には、グローバルな解決策が必要だ。 新しい仕事の世界とはどのようなものか?という問いに答えるためには、規制、結社の自由、社会対話が必要」と訴えた。

ホフマン書記長の指摘は、ヌールディン・タブビ・チュニジア労働総同盟(UGTT)書記長をはじめとする他のパネリストからも支持を得た。タブビ書記長は、チュニジアのリモートワーカーに対して、より公正な成果をもたらす社会対話における組合の役割について、詳しく説明した。また、BNPパリバのスペイン統括責任者であるセシリア・ボネッド氏は、欧州労使協議会や組合と協力し、より広範なデジタル化の一環としてリモートワークを導入していることを説明した。


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