UNI書記長、ダボス会議で労働者エンパワーメントの重要性を発信

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、ダボスで開催された今年の世界経済フォーラムで、「分断された世界の再建には、労働組合が不可欠」との緊急メッセージを発信した。

2023年1月16日、世界経済フォーラムが 1週間におよぶ 年次会合を開幕する中、反貧困を掲げる国際NGOオックスファムが、新たな報告書を発表した。その中では、UNI書記長の指摘が強調されている。オックスファムによれば、世界の上位1%の超富裕層は2020年以降に新たに創出された富のほぼ3分の2を占め、世界人口の残りの99%の人々の約2倍に相当する資産を獲得している。

ホフマン書記長は、「労働組合は、不平等の拡大という分断の根本原因に対する、欠くことのできない解決策だ。労働者の声を抑圧し、労働者が交渉の席に着くことを否定しているビジネスエリートには、世界の分断は解決できない」と指摘し、「今年のダボス会議では、ドイツの労働大臣や米国のマーティン・ウォルシュ労働長官など、団体交渉の果たす重要な役割を認識する声が多く聞かれた。企業がこうしたメッセージを聞き届けたと願いたい」と語った。

パネル討議『万人のための生活賃金』の中で、ホフマンUNI書記長は、数十年にわたる団体交渉への持続的な攻撃が、いかに富と権力の不均衡をさらに拡大させてきたかについて、論じた。だが、世界中の労働者は、前例のない反撃を開始している。また週4日労働制に関するパネルでは、同書記長は、どのような勤務形態が最も効果的であるかを決める上で、組合と交渉することの重要性を強調し、「万能薬の解決策」は存在しないとコメントした。

「今、集団行動や労働組合に対する人々の熱意は、私がこれまで経験してきた中で、最も高まっている。世界中の労働者が、仕事で致命的なウイルスに直面し、彼らの家族は世代を超えた生活費危機のただ中を乗り切ろうとしている。人々は正当な反応として、公平な分け前を要求している」と指摘した。

人々のこうした要求に反して、各国の中央銀行は金利の引き上げによって物価上昇に対応しており、経済を不況に陥れ、何百万人もの労働者を失業の危機にさらしている。例えば、欧州中央銀行総裁はダボス会議で、利上げ「継続」の方針を言明した。

ホフマン書記長は、「多くの労働者にとって、金利上昇の影響は、以前より賃金が目減りするのではなく、賃金がなくなるということ。一時的とみられるインフレに対抗するために不況のリスクを冒すのは、病気より悪い治療法だ」と述べ、「世界各国の政府は、企業の利潤追求や価格破壊を阻止するために規制の力を行使すべきであり、賃金に関する団体交渉を支援すべきだ」と語った。だが、もし不況に陥れば「不況の力は、尊厳と経済的正義を求めるこの願いを消滅させることはないだろう。むしろ、労働者は保護の強化を求めるだろう」と述べ、「つまり労働組合は、労働者の期待に応えるため、取組みを一層強化しなければならない。組織化を支援し、団体交渉を拡大しなければならない。ストライキを闘う労働者に国際的な連帯を示す必要がある。インフレを煽る企業が暴利を貪るのを止めるよう、声を大にしなければならない。投資家に対し、結社の自由や団体交渉の権利といった基本的人権を守る責任を果たさせる必要がある。我々は、企業がサプライチェーン全体を通して労働者に対して責任を負うよう、法制化を推進していかなければならない」と力説した。