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新たな調査結果:人権侵害の監視システムで、8か国のアマゾン労働者が体調不良や不安感

UNIがアマゾン労働者を対象に行った、この種のものとしては初となる国際的な調査によると、同社のパフォーマンス監視システムは、労働者に「ストレス、プレッシャー、不安感、奴隷やロボットであるような気分、信頼されていない感覚」を与えていることが明らかになった。

調査対象となったアマゾン労働者の半数以上が、同社の監視システムが自身の身体的健康(51%)と精神的健康(57%)に悪影響を与えていると回答した。


UNIの委託を受け、ジャロー・インサイト(英国の労働者協同組合)が実施したこの調査では、米国、英国、イタリア、フランス、ドイツ、ポーランド、スペイン、オーストラリアの8か国で、アマゾン労働者を自認する倉庫労働者、ドライバー、事務員から2,000件の回答を得た。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「世界中の労働者が、出勤すると気分が悪くなる、不安になると言っているのに、アマゾンは見て見ぬふりをするわけにはいかない」と述べ、「アマゾンは、職場をより安全にするためのデータと資源を持っている。ただアマゾンは、自らの仕事を改善するために声を上げ、組合の安全衛生委員会のような実績ある解決策を求める労働者を無視しているだけ」と鋭く批判した。

主な調査結果は以下の通り:
●57%以上の回答者が、アマゾンの監視が精神衛生に悪影響を与えたと回答。
●51%以上の回答者が、アマゾンの監視システムは、彼らの健康状態全般に悪影響を及ぼしていると回答。
●59%の労働者がアマゾンの監視は過剰だと感じている。
●53%の回答者が、アマゾンの監視技術により職を失うことを恐れている。
●78%の配送ドライバーが、アマゾンのノルマ達成は難しい、もしくは非常に難しいと感じている。
●58%の回答者が、アマゾンは労働者について収集したデータをどのように利用するか明確に説明していないと回答。
●特に65.7%のドライバーは、生産性に関する監視から生じる身体的健康への悪影響を報告。

調査回答全体として、国や職務を超えた明確な図式が浮かび上がってくる。調査対象となった労働者の大多数は、アマゾンの業務遂行状況の監視は過剰かつ不透明であること、アマゾンの期待は非現実的であること、この非現実的な期待に応えるための努力は身体の健康、そして精神衛生に対してはさらに深刻な悪影響を及ぼすとの考えを表明している。

アマゾンは最先端の技術と設備を導入しているにもかかわらず、アマゾン倉庫での負傷率は業界平均よりも、かなり高いことが調査で分かっている。今回の調査結果は、この明らかな矛盾に光を当てている。労働者の証言によると、労働者が肉体的・精神的な健康を犠牲にして、よりハードに、より速く働くことを強いられるのは、まさにこの最先端技術が原因となっていることが多い。

過敏性腸症候群(IBS)などを患い、トイレに行く時間が長くなる複数の労働者が、休憩時間を記録している同社の悪名高い「タイム・オフ・タスク」制度との葛藤や、会社からの配慮がなかったことを報告している。

●「一日中、溺れているような感じ。理不尽な期待に応えるために危険な運転をしている」米国・ドライバー
●「今日、過敏性腸症候群のためにアイドリングストップ違反の警告を受けた。病気のために仕事を休んだり、トイレ休憩を取ったりすることで、常に嫌がらせを受けている」 米国・倉庫作業員
●「高速道路で喘息の発作が起き、吸入器を取るためにバッグに手を入れる必要があったため、違反となった。漫然運転として記録された」米国・配送ドライバー
●「手首の手術を2回受けたが、仕事復帰後、目標に達しないことで嫌がらせを受けた。毎日、否定的な評価を受け、医師から手首に過度の負担をかけないようにとの忠告があっても、なぜ目標に到達できないのか説明しなければならなかった。手根管症が再発し、肘の神経絞扼まで広がったため、現在は再び仕事を休んでいる」英国・倉庫作業員
●「出荷処理工程の担当としてノルマを達成することは、物理的に不可能に近かった。最低ノルマを達成するためにシフトの間ずっと早歩きをする必要があり、腱炎を発症した。そのため出社できなくなり、結果的に職務放棄で解雇された」米国・倉庫作業員
●「背中に多くの問題を抱えていたが、非常に悪化してしまった。痛みについて訴えたが、一度も深刻に受け止めてくれなかった」フランス・倉庫労働者
●「みんなが休憩の規則を守るようにさせたいのはわかるが、健康上の問題で長めのトイレ休憩が必要な私の休憩時間の大半は、トイレの空きを待つ時間」米国・倉庫作業員

アマゾンで働くことの精神的代償について、労働者が数字や言葉で明確に表現したのを見てきたが、特に倉庫においては、マネージャーからの積極的な働きかけがないことが、こうした状況についての、一定の要因となっているだろう。労働者が語っているのは、基本的な共感を欠いた経営文化、つまりその基盤となる、容赦のない、基本的に非人間的なアルゴリズムを反映した企業風土だ。
●「息子を亡くし、復帰した日に人事にクレームを入れられた」 米国・倉庫作業員
●「時給が上がっても誰も喜びに来てくれないが、疲れていて成績がトップでない日は、真っ先に理由を聞きに来る」 フランス・倉庫作業員
●「アマゾンで働くのは体力的に疲労するので、期待値を少し下回ることもある。リーダーにその日の作業ペースが遅い理由を話すと、理由には全く気にかけてくれず、もっと頑張れとだけ言われる」ポーランド・倉庫作業員
● 「口頭での注意や指導もなく、人事に報告を入れられた。一日、出来の悪い日があっただけで。」米国・ 倉庫作業員
●「いつもより作業が遅いと、理由を聞きに来る。些細なことでも食ってかかる」スペイン・倉庫作業員

監視装置によって、アマゾンは労働者の生産性を数値化し、測定可能な目標値(倉庫では一般的に「レート」と呼ばれる)を設定している。今回の調査結果が示すのは、労働者の間で、アマゾンの設定目標は不合理であるとの思いが広がっているということだ。調査した従業員の54.2%が、アマゾンの生産性目標を達成するのは難しい、または非常に難しいと回答している。
●「休憩時間は非常に厳格で、2分以上超過するとマネージャーに報告がいく。休憩時間は最後の商品をスキャンした時点から開始し、休憩後の最初の商品をスキャンした時点で終了する。実際に外で腰を下ろした時に始まるのではないので、休憩時間で数分を損していることになる」オーストラリア・倉庫作業員
●「コンピューターソフトウェアは出荷された荷物の数を数えるだけなので、機器の故障や箱のサイズの間違い、返品の戻し入れなど想定されていない」 米国・倉庫作業員
●「電子システムによるエラーの監視は、技術的条件や機械の不具合を考慮しない」 ポーランド・倉庫作業員
●「一日中カメラの直接の監視下にある理由など全くない。私のプライバシー権の完全かつ明確な侵害だ」米国・配送ドライバー
●「倉庫で発生する多くのタスクは計測されていない。だからマネージャーは、労働者が働いているにもかかわらず、何もしていないと思い込んでいる時もある」フランス・倉庫作業員

回答者は一貫して、アマゾンでは生産性が最重要であり、安全性は二の次であると指摘している。
「アマゾンは安全性よりも生産性を優先する。ひどい怪我人が出ない限り、安全面の改善を図ることはないだろう。そうでなければ、何度も同じことが起きてから、変更を加えるだろう。そしてまずは、怪我人を責めようとするだろう」米国・倉庫作業員

UNIはこれまでも、報告書『アマゾン・パノプティコン』で、プライバシーを侵害してくるアマゾンの包括的な監視システムの範囲について詳しく説明してきた。


UNI書記長、ダボス会議で労働者エンパワーメントの重要性を発信

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、ダボスで開催された今年の世界経済フォーラムで、「分断された世界の再建には、労働組合が不可欠」との緊急メッセージを発信した。

2023年1月16日、世界経済フォーラムが 1週間におよぶ 年次会合を開幕する中、反貧困を掲げる国際NGOオックスファムが、新たな報告書を発表した。その中では、UNI書記長の指摘が強調されている。オックスファムによれば、世界の上位1%の超富裕層は2020年以降に新たに創出された富のほぼ3分の2を占め、世界人口の残りの99%の人々の約2倍に相当する資産を獲得している。

ホフマン書記長は、「労働組合は、不平等の拡大という分断の根本原因に対する、欠くことのできない解決策だ。労働者の声を抑圧し、労働者が交渉の席に着くことを否定しているビジネスエリートには、世界の分断は解決できない」と指摘し、「今年のダボス会議では、ドイツの労働大臣や米国のマーティン・ウォルシュ労働長官など、団体交渉の果たす重要な役割を認識する声が多く聞かれた。企業がこうしたメッセージを聞き届けたと願いたい」と語った。

パネル討議『万人のための生活賃金』の中で、ホフマンUNI書記長は、数十年にわたる団体交渉への持続的な攻撃が、いかに富と権力の不均衡をさらに拡大させてきたかについて、論じた。だが、世界中の労働者は、前例のない反撃を開始している。また週4日労働制に関するパネルでは、同書記長は、どのような勤務形態が最も効果的であるかを決める上で、組合と交渉することの重要性を強調し、「万能薬の解決策」は存在しないとコメントした。

「今、集団行動や労働組合に対する人々の熱意は、私がこれまで経験してきた中で、最も高まっている。世界中の労働者が、仕事で致命的なウイルスに直面し、彼らの家族は世代を超えた生活費危機のただ中を乗り切ろうとしている。人々は正当な反応として、公平な分け前を要求している」と指摘した。

人々のこうした要求に反して、各国の中央銀行は金利の引き上げによって物価上昇に対応しており、経済を不況に陥れ、何百万人もの労働者を失業の危機にさらしている。例えば、欧州中央銀行総裁はダボス会議で、利上げ「継続」の方針を言明した。

ホフマン書記長は、「多くの労働者にとって、金利上昇の影響は、以前より賃金が目減りするのではなく、賃金がなくなるということ。一時的とみられるインフレに対抗するために不況のリスクを冒すのは、病気より悪い治療法だ」と述べ、「世界各国の政府は、企業の利潤追求や価格破壊を阻止するために規制の力を行使すべきであり、賃金に関する団体交渉を支援すべきだ」と語った。だが、もし不況に陥れば「不況の力は、尊厳と経済的正義を求めるこの願いを消滅させることはないだろう。むしろ、労働者は保護の強化を求めるだろう」と述べ、「つまり労働組合は、労働者の期待に応えるため、取組みを一層強化しなければならない。組織化を支援し、団体交渉を拡大しなければならない。ストライキを闘う労働者に国際的な連帯を示す必要がある。インフレを煽る企業が暴利を貪るのを止めるよう、声を大にしなければならない。投資家に対し、結社の自由や団体交渉の権利といった基本的人権を守る責任を果たさせる必要がある。我々は、企業がサプライチェーン全体を通して労働者に対して責任を負うよう、法制化を推進していかなければならない」と力説した。


「公的資金による公共調達の底辺へ向かう競争を止めよ」 欧州議会議員が欧州委員会に意見書

欧州議会議員が、公共調達の是正に関する公式質問書を、欧州委員会に提出した。どのようにして「労働条件における、公的資金を投入した底辺に向かう競争を止める」つもりなのか、明確にするよう同委員会に求めている。

5つの政治グループからなる60名の欧州議会議員が、公共調達とディーセントワークに関する欧州委員会への質問書に共同署名を行った。議員が提出した要請書は、欧州委員会が正式な回答を行う公式な機関プロセスである。

毎年、EU域内の各国政府や公的機関は、民間企業が提供する商品やサービスに2兆ユーロを支出している。この支出は本来、労働条件を改善する決定的な役割を果たしうるが、実際には多くの場合、底辺への競争に拍車をかけている。

現在、公共調達規則は、他のすべての考慮事項よりも価格を優先させる形で作られている。UNI欧州の調査では、EUにおける入札の半数は、EU公共調達指令にのっとり、最低価格であるという事実のみに基づいて発注されていることが明らかになった。このような状況下において企業は、労働者の基本的な団体交渉権を抑圧することで、労働条件を相互に切り崩す動機が与えられているのである。

質問書の中で議員は、UNI欧州が欧州委員会とEU議長へ送った公開書簡を参照し、欧州委員会に対応を求めている。この公開書簡は、160を超える欧州議会議員が、いかに労働者のための改善を求めているか(労働協約を結んでいない企業に公契約を与えない迅速な立法措置)を伝えるものである。

社会民主進歩同盟の雇用・社会問題委員会コーディネーターを務めるオランダのヨンゲリウス議員は、「公契約を発注する際、政府にとって最も価格の低いことのみが優先されるならば、企業は契約獲得のために労働条件を引き下げ、職場の民主主義を弱体化させるだろう。EU全体で、公契約の半分が何よりも価格を優先しており、このことが底辺への競争を助長している。こうした事態が生じないよう、欧州委員会は責任をもって公共調達指令を是正しなければならない」と述べた。

オリバー・レティクUNI欧州書記長は、「我々には、EUが労働者に対する責任を果たすよう、積極的に重要な働きかけをしている議員集団がいる。欧州議会議員が、その組織的な声を活用して公共調達の是正を推し進めているという事実は、この差し迫った問題の解決に向けた議員の取組みを示している。公的資金がソーシャル・ダンピングを助長している状況は、制度が労働者を失望させているということ。今こそ公共調達指令を是正する時だ」と、強調した。


韓国労組への強制捜査は、労働運動と民主主義に対する攻撃

2023年1月18日、韓国全国民主労働組合総連盟(KCTU)と韓国保健医療労組(KHMU)の事務所が、情報機関によって大々的な抜打ち強制捜査を受けた。韓国労働運動に対する恥ずべき攻撃であり、基本的な民主主義の原則に対する冒涜である。

UNIは、今回の強制捜査を非難し、韓国の労働運動への支持と連帯を改めて表明する。

組合は民主主義の柱であり、韓国の労働組合運動は、同国の経済正義を一貫して推し進めてきた。今回の強制捜査における国家情報院の不当な実力行使は、労働運動を抑圧し、威嚇しようとする試みでしかない。

KHMUは、組合の声を封じ込めようとする権力側の動きに抗戦することを表明している。韓国の労働運動は孤立していない。UNIと世界中の加盟組織は、KHMUやKCTUとともに、働く人々に対するこの攻撃に立ち向かっていく。

KHMUの声明は以下―

1月18日の朝、国家情報局が我々の事務所に踏み込み、強制捜索を行った。 我々は、労働運動に対する公安警察の弾圧を強く非難し、徹底的に闘う。
●労働運動に対する公安警察の弾圧を強く非難する。
●国家情報院は18台もの警察バスと数十人の警察官を動員して保健医療労組の事務所に押し入り、午前9時から12時半まで3時間以上にわたり、家宅捜査と差し押さえを行った。
●保健医療労組が弁護士の立会いのもと、捜索・差し押さえに協力する意思を表明したにもかかわらず、数十人の捜査官と警察官を動員して威圧感を与えるような捜査が行われた。
●てのひらで空は隠せないのであり、我々は標的を定めた治安維持策動に決して屈しない。公安警察による労働運動への弾圧を強く糾弾し、断固としてこれに立ち向かう。


欧州労使協議会をめぐり、重要な投票

欧州議会では、欧州労使協議会(EWC)指令の改正に関する立法イニシアチブ報告書の採択を行う。UNI欧州は他の姉妹組織とともに、欧州議会議員に対し、この報告書の支持と採択を呼びかけている。

欧州労使協議会は極めて重要な存在であり、多国籍企業の戦略的意思決定プロセスに労働者を関与させることが、その目的である。こうした機構が適切に実施されれば、労働者の権利を保護し、企業や公共サービスの長期的な持続可能性を確保し、変化を公正に予測・管理する上で重要な役割を果たすことができる。デジタル化、脱炭素化、ウクライナ戦争やエネルギー価格危機の産業への影響など、事実上国境を越える性質の課題に取組むには、欧州労使協議会レベルでの対話が不可欠である。職場の民主主義は、社会における民主主義の道を拓くものでもあり、ポピュリズムや極右政治思想が台頭する今般、その必要性はますます高まっている。

だが実際には、労働者の情報、協議、参加に関する欧州法の文言と精神が常に遵守されているわけではなく、経営陣による不遵守を阻止する上で十分に効果的かつ強力な制裁措置がとられているわけでもない。現在、数十億規模の収益をあげる多国籍企業がEWCの権利を侵害した場合、労働者1人当たり23ユーロ(マルタ)または30ユーロ(リトアニア)といった低額の罰金が設けられている。EWCの基本的な権利の行使は、法廷でEWCの権利を守ることが多くの場合ほぼ不可能なままとなっており、課題である。

デニス・ラトケ議員の報告書は、法的枠組みの実施強化を求めており、情報と協議の要件が無視された場合の経営判断の一時停止を含む適切な制裁措置などの基本的要件と、国境を越える事項の明確な定義、そしてEWCや特別交渉機関(SNBs)が効果的に司法にアクセスできるようにすることを求めている。この報告書は、労働組合の支援がEWCの運営にプラスとなっていることを示す複数の調査結果を基に、労働組合専門家によるEWCに対する支援も奨励している。

欧州議会での投票は2023年1月19日に実施予定であったが、延期されている。UNI欧州は、この投票と重要法案の成立を確信している。


ブラジルの民主主義に対する攻撃を糾弾する

世界2000万人以上の労働者を代表し、UNIおよび加盟組織は、2023年1月8日に、テロリストとボルソナロ前大統領の極右支持者によって行われた、ブラジルの首都ブラジリアでの政治的暴力行為と公共財の破壊行為を激しく糾弾する。これはブラジルの民主主義に対するあからさまな攻撃であり、近年世界中で頻繁に見られる選挙結果の拒否と民主主義制度の弱体化という傾向に、またひとつ不名誉な事態が加わることとなった。

我々は、連邦直轄区政府、その治安部隊および軍警察司令官の責任を問うという要求を全面的に支持する。また、このような反民主主義的なテロ行為を許容し続けている国内権力者の共謀関係を非難し、ルーラ氏を大統領に選出した6000万人のブラジル人の民意を無視したこれらの行為に参加、指導、資金提供したすべての者に対し、法の完全適用と適切な処罰および制裁を要求する。

我々は、ブラジルの加盟組織を引き続き支援するとともに、社会の最貧困層への支援、労働権の尊重強化、環境保護に向けてルーラ政権が推進するすべての取組みに対する支援を強化する。

ブラジルの人々、特に貧困層および労働者は、2016年のクーデター以降、大きな被害を受けてきたのであり、ブラジルが国家再建とその対外的イメージを再構築していくプロセスにおいて、公然と混乱を生み出すような行動をとる余地などないのである。

UNIはすべての当局に対し、民主主義と民主的に選出された政府を尊重するよう求め、ブラジルと世界における我々の権利と自由を守るために行動を続けていく。

クーデターは二度と許さない!


スロベニアの商業労働者、ディーセントな賃金を求めて立ち上がる

スロベニアの新しいUNI加盟組織SDTSは、11万人以上の小売労働者の部門別最低基本賃金を36%引き上げ、給付金を改善し、企業レベルの団体協約で追加の賃上げを勝ち取った。

マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長は、「SDTSとTUS労組の両組織が強力なキャンペーンを展開し、労働者を組織化、動員することで団体協約を成功させたことを祝福したい」と述べ、「スロベニアの多国籍小売企業で団体協約を締結するため、今後もSDTSと連携していく」と語った。

勝利への道のりは、商業部門の労連であるSDTSがキャンペーンを成功させ、商業労働者に勤務のない日曜日を実現する新法を導入させた、2020年に遡る。

このキャンペーンに基づき、SDTSは2022年の商業部門団体協約の再交渉時に、数千人の商業労働者を動員した。主な要求に関するオンライン請願には7,100人以上の労働者が署名し、記者会見や複数のアクションも実施して世間に周知するとともに、公正な賃上げを勝ち取るという労働者の決意を示してきた。

数か月に及ぶ幾度もの交渉の末、11月下旬に商業労働者の最低総基本賃金を697.6ユーロから950ユーロに36%引き上げる合意が成立した。この基本給も、小売業を含むすべての労働者にすでに支払われているスロベニアの公式最低賃金(1,074ユーロ)を下回るものだ。

だが、小売業の最低基本給の引き上げは、部門別最低賃金に基づくいくつかの金銭手当にも反映され、部門賃金をも押し上げることになる。新たな部門別協約では、昼食手当も4.63ユーロから6.15ユーロに引き上げられ、休日手当と交通費についても改訂された。

SDTSに加盟する労組は、スロベニア最大の食品小売チェーンであるTUSの労働者を代表するTUS労組を含め、企業別の団体協約も交渉している。TUS労組は、会社との協約再交渉を利用して労働者を組織化・動員し、またSDTSおよび労働者教育センターであるCEDRAと連携して100以上のTUS店舗訪問を実施した。労働者に働きかけるべく署名運動を実施し、店舗で 370人の新規組合員を組織化した。また、倉庫で初めて組合員を勧誘し、労働者代表も参画する団体協約委員会を設置、さらには数百人の労働者による大規模な抗議行動を展開した。

130店舗以上の約1,500人の労働者が署名したストライキ支持の署名をもって、組合が2022年12月23日にスト決行の準備をしている間に、約2,800人のTUS労働者のために合意が成立した。会社の最低賃金は950ユーロから1,060ユーロに引き上げられ、労働者の店舗異動は労働者の居住地から50KM以内に制限された。また、職場で費やした時間(スタッフ会議、研修、準備、シフト後の作業など)は1分ごとにすべて労働時間にカウントされ、それに応じて報酬が支払われることとなった。


このホリデーシーズン、小売労働者に思いやりのギフトを

ホリデーシーズンを迎え、小売労働者は、膨大な仕事量と、職場でのさらなる虐待や暴力、ハラスメントのリスクにさらされている ―商業労働者のこうした傾向は、食品小売と非食品小売の両方にあてはまる。家族団らんのための食事だけでなく、衣類や贈答品などの食品以外の商品を人々が買い込む季節だからだ。

UNIは、労働者の尊重を求める各国の商業部会加盟組織の取組みを支持する。

米国のUNI加盟組織である小売・卸売・百貨店労組(RWDSU)は、「小売店の従業員は、家族のために完璧な贈り物を見つける手助けをするためにいるのであって、あなたのサンドバッグになるために働いているのではない。ホリデーシーズンは誰にとってもストレスが多い。だが、小売店従業員に最大限の敬意をもって接する他に、道はない」としている。

オーストラリアの店舗流通関連労組(SDA)は、小売業者に対し、次の「SDA安全対策5か条」を実施し、悪質な顧客からの労働者保護を求めている。
1)適切な人員配置:接客に十分な人員を配置することで、顧客による乱暴な行為を防止する。
2) 悪質な顧客の出入り禁止:使用者は、虐待的な態度や暴力行為を繰り返す顧客を出入り禁止にできるようにする。
3)警備の強化:乱暴な客や、暴力的な客の行動を阻止あるいはこれらに対処し、店員保護を強化するため、より多くの警備員を配置する。
4) トレーニングの改善:虐待・暴力行為をなす顧客の対応についてトレーニングを強化し、事件の拡大、報告、管理に関する方針を改善する。
5)店舗におけるゼロ・トレランスの明確な表示:スタッフに敬意をもって接するよう、顧客に呼びかける店内での視覚的な注意喚起を行う。

アイルランドの加盟組織マンデートのゲリー・ライト書記長は、 「今年のクリスマスは、苦境にある小売労働者に思いやりを持とう」と呼びかけ、「我々は、この極めて重要な問題に関して、顧客の意識を高めるよう使用者に要請している。我々の組合員は、この明確なメッセージを伝える店頭表示を歓迎するだろう」と語った。

スペインのCCOOが発表した『商業における黒い現実』と題する新しい研究論文では、11月中旬から1月初旬までの50日間、商業従事者、特にファストファッション企業の労働者の仕事量は非常に多く、長時間労働、強いストレス、職場での虐待につながっており、ほとんどの場合、適切な休息や金銭補償もないことが明らかになった。CCOOは、ホリデーシーズンにおける商業従事者の労働条件、賃金、保護の改善に向けたキャンペーンを開始した。

マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長は、 「我々は加盟組織とともに、商業労働者の尊厳とディーセントな労働条件を求めていく」と述べ、「小売業者に対して行動を起こすよう促し、すべての顧客が労働者に相応の敬意をもって接するよう、求めている」と、コメントした。


自動車販売員のためにギアを入れよう

UNI世界商業部会が委託した新しい調査は、自動車小売部門の動向の変化と、メーカーによる一般消費者への直接販売の増加によって、自動車販売員が直面している課題を浮き彫りにした。この調査結果は、自動車販売員の公正な移行を確保するためには、労働組合による代表と団体交渉がこれまで以上に重要であることを示している。

「自動車販売業界の変革」と題された調査論文の主な調査結果は以下の通り:
●大規模な労働力:自動車小売業には大規模な労働力が存在し、現在、自動車産業全体の雇用に占める割合は高まっている。例えば、日本やEUでは、自動車販売・整備に従事する労働者数は、自動車製造業の従業員数を上回っている。日本では、89万人が製造業に従事しているのに対し、100万人が自動車販売・サービス業に従事しており、そのうち57万1千人が小売業で直接雇用されている。

●COVID-19パンデミックの影響:2020年の軽自動車の世界販売台数は、2019年比で13.4%減少し、世界レベルで完全な回復が予測されるのは、2024年とされている。また、米国、西欧・中欧、日本など、多くの北半球の先進国の市場は、2020年代半ばになってもパンデミック前と比較して販売台数が落ち込む一方、中国、インド、ASEAN諸国では販売台数が安定的に増加し、世界の回復をリードすると予測される。

●電気自動車への移行:2021年にはバッテリー式電気自動車が480万台、プラグインハイブリッド車が180万台となり、フル電動化が予想をはるかに上回るスピードで進行している。 2028年には新車の3台に1台が、準電気自動車または完全な電気自動車になると予想される。

●整備・中古車市場:電気自動車は部品点数が少ないため、修理などのアフターサービスが少なくて済む。自動車所有者がアフターセールスにおける部品にかける支出は40%減少すると推定され、関連する整備・小売サービスに悪影響を及ぼす可能性がある。しかし、中古車市場の大幅な成長により、短中期的には電気自動車への移行の悪影響が補われると見込まれる。

●オンライン販売のさらなる拡大:自動車メーカーは、2030年までに(試乗車を除く)新車購入の約80%がオンラインで完了すると推定している。また、中古車市場におけるオンライン販売のシェアは、米国で18%、欧州で10%近くに達すると見込まれる。

●新たな自動車販売モデル: テスラは、サードパーティの自動車販売業者を持たない直販網をベースに、実店舗での販売網をオンライン販売に大きくシフトさせた、新しい自動車販売モデルを開拓している。フォルクスワーゲン、アウディ、メルセデス、BMW、ステランティス、トヨタ、ボルボ、フォードなど他の多くの大手企業も、サードパーティの独立系自動車販売業者を自社の販売網に置き換えることで、同様の戦略をとっている。ある試算によると、2030年までに新車の40%がメーカーによる直販になるという。

●雇用総数は減るが、直接雇用は増える:この新モデルにより、自動車小売業全体の雇用は3〜7%減少し、雇用面で大きな転換が生じると見込まれる。 直販モデルの拡大により、自動車小売業の雇用に占める自動車メーカーの割合は10%から25%に増加が予想される。自動車小売業における雇用総数の減少よりも、自動車販売業者と自動車メーカー間の雇用の大幅な入れ替えの方が大きな問題となる可能性がある。

●M&A、そしてメガ自動車販売業者の登場:中小企業にとって環境が厳しくなっており、M&Aが加速していく可能性が高い。自動車メーカーからの圧力が強まり、従来の自動車販売店が生き残りをかけてより良い戦略を打ち出さなければならない中で、独立系の自動車販売業者間の合併による、メガ自動車販売業者の出現が目前に迫ってきている。

●スキルセットの変化:この部門の変革は、自動車小売業の労働者の職務内容や必要なスキルセットも再定義し、自動車販売員の公正な移行を確保するため、労働組合による代表と団体交渉がこれまで以上に重要になるだろう。

UNI世界商業部会自動車販売労組ネットワークは、UNIの日本加盟組織である自動車総連の提案を受け、2年前に設立された。2020年と2022年にオンライン会議を開催し、当部門の動向について議論し、国際的な意見交換と連帯を通じ、自動車販売に携わる労働者の組合の力を高めるため、さらなる機会を探ってきた。

マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長は、「電気自動車への移行やオンライン販売による自動車部門の変革は、サプライチェーンのあらゆる段階で、労働者に影響を及ぼしている。今こそ自動車販売員のためにギアを上げ、こうした労働者にとって公正な移行を現実のものとするため、より強力なグローバル労働組合運動を構築する時だ」と締めくくった。


バングラデシュで実績ある国際アコード、パキスタンに拡大

過去9年間にわたり、バングラデシュで縫製に携わる数百万人の労働者の雇用をより安全なものにしてきた国際アコードが今回、パキスタンにも拡大されることになった。

画期的なバングラデシュ・アコードを主導してきたUNIとインダストリオールは、繊維・衣料産業における安全衛生のための国際アコードを、パキスタンへと拡大することを発表した。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「バングラデシュで確立された成功モデルを他の国にも拡大することは、我々の長年の目標であった。今回のパキスタン・アコードで、我々は安全性を向上させて労働者の命を救い、また衣料品部門から家庭用繊維製品、アクセサリーへと、範囲を拡大することができる。安全性の課題に取組もうとするパキスタンから製品を調達している国際的な小売業者やブランドは、このアコードに署名してサプライチェーンの労働者に責任を持つべきだ」と述べた。

アトレ・ホイエ・インダストリオール書記長は、「パキスタンの縫製労働者は、職場でより安全な未来を手にすることができる。このプログラムが実施されれば、予防可能な死亡や事故は急速に減少するだろう。労働者は労働安全衛生に関するトレーニングを受けて力をつけ、また願わくは労働組合に加入し、自らの権利のために集団で闘うことの利点を感じるようになるだろう」と語った。

繊維・衣料品産業の安全衛生に関する国際アコードの署名企業は、企業の衣料品・繊維サプライヤーを対象としたパキスタンの包括的な職場安全衛生プログラムを構築している。繊維・衣料品産業の安全衛生に関するパキスタンの新しいアコードは、UNIとインダストリオールのGUF、アパレル企業および小売業者との間で、2023年からの暫定3年間、法的拘束力のある協定として締結された。

バングラデシュで広範に安全性が向上した成果に基づき、パキスタン・アコードには国際アコードの以下の主要な特徴がすべて含まれている:火災、電気系統、構造面、またボイラーの危険に対応するための独立した安全検査、是正の監視と支援、安全委員会の訓練と労働者の安全意識向上プログラム、独立した苦情処理メカニズム、幅広い透明性への取組み、産業における安全衛生の風土を強化するための現地での能力開発など。

ジョリス・オルデンツィール国際アコード財団事務局長は、「国際アコードの署名企業が、それぞれの衣料・繊維サプライヤーを対象とした職場安全プログラムを確立することに合意し、嬉しく思う。我々はパキスタンの関係者と緊密に協力し、我々の共同の取組みが業界と労働者にとって有益なものとなるよう尽力していく」と述べた。

バングラデシュでの実績を踏まえ、アコード署名企業は少なくとも他もう一か国の繊維・衣料生産地へ、労働安全衛生プログラムを拡大するよう求められている。署名企業の調査、広範な研究、現地関係者との協議を通じ、アコー ド事務局は主要素に基づき拡大の実現可能性を評価し、パキスタンが優先国として浮上した。同国がアコードブランドの衣料品や繊維製品の調達先として重要であることも、その理由の一つだ。

国際アコードは、パキスタンで連邦省庁や州政府、業界団体、サプライヤー、労働組合、市民社会組織と広範囲に関わってきた。パキスタン・アコードのプログラムは、これら主要関係者と緊密に協力し、国内に運営機関を設立して段階的に実施される予定だ。

このプログラムは、同国の年間200億ドル規模の衣料品および繊維製品の輸出の大部分を製造する、シンド州とパンジャブ州の500以上の工場(アコード署名企業100社以上に製品を提供)を、段階的にカバーしていくことを目指す。

パキスタンから製品を調達している国際アコードの全ての署名ブランド企業は、パキスタン・アコードへの署名も見込まれている。現在、国際アコードに参加しておらず、パキスタンから製品を調達している他のブランド企業も、この画期的な安全衛生に関する協定への参加が呼びかけられている。

協定の全文は、こちらからダウンロード。

過去の参考記事:

「縫製工場の安全性- パキスタンの優先課題」

「ラナ・プラザ事故から9年目、UNIがブランド企業各社に合意書への署名を要請」

70社以上のブランドが署名する衣料品産業労働者の安全衛生に関する国際協定が発効


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