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日本のUNI加盟組織、賃上げを要求し歴史的な動きを牽引

日本のUNI加盟組織が、4月の新年度を前に、予想を上回る賃上げ要求で国内のアナリストや観測筋を驚かせている。

毎年2月~3月にかけて行われる年次賃金交渉(「春闘」と呼ばれる)では、これまで日本の労働組合は控えめな賃金要求を選択していたため、今回の要求は波紋を広げている。

これまでの春闘は、1990年代後半の日本のデフレ経済に端を発したものである。2022年の世界的なインフレによって日本の消費者と家計がコスト増に見舞われるようになり、ここ最近の数か月まで、その傾向は続いていた。

日本では、コアインフレ率(食費を除く)は4%を超え、中央銀行の目標値を超え、41年ぶりの高水準に達している。この状況は多くの日本の労働者にとって、給与がインフレに追いつかない場合、実質賃金が目減りする危険性があることを意味する。

政府は、インフレに連動した賃上げを企業側に公然と求めており、国民感情も、家計が生活費の上昇を乗り切れるような措置を望んでいる。日本の労働組合、特に主要なサービス産業部門を抱えるUNI加盟組織は、30年近く続いた賃金の横ばいサイクルを断ち切るための機会と捉えている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、2月に開催された日本UNI加盟組織連絡協議会の年次総会で日本の加盟組織と会談し、春闘交渉を前にした前向きな姿勢に感銘を受け、次のように語った。「日本の加盟組織が力を示し、労働者の賃金・労働条件の歴史的な改善を実現するためのこの好機を捉えていることは非常に素晴らしい。特に、ここ数十年で日本が経験したことのない高い賃上げを率先して求めて闘った加盟組織を誇りに思う。」

日本の加盟組織はすでに成果を上げており、例えばUAゼンセンは過去10年で最大となる4.56%の賃上げを獲得した(3月16日時点)。多くの流通・サービス加盟組合の交渉が集中回答日に先行して要求のほぼ満額で妥結しており、全体の賃金闘争を牽引している。とりわけ短時間(パートタイム)組合員の処遇については、UNIがGFAを結んでいる髙島屋労組で5.64%、イオンリテールワーカーズユニオンでは7%、と高い水準での賃上げを達成し、雇用形態間格差是正の流れが加速している。

自動車総連も、組織化する製造部門において例年にない高水準での妥結が進んでおり、続いて販売部門も魅力向上と人材確保に向けて交渉を続けている。

JP労組は、正社員に関し、定期昇給と社員一人当たり4,800円のベースアップを勝ち取った。なお、ベースアップは新卒初任賃金・若年層の賃金改善に傾斜配分し、これにより初任賃金は1万円以上改善となる。一時金年間は4.3月。また、全社員に、特別一時金70,000円の回答を引き出した。


インフレ時の団体交渉:労働組合の対応

UNI欧州の新たな調査報告、『すべてが上がる – 欧州の団体協約における自動賃上げ』は、高いインフレ率の時代に、労働組合がどのように交渉するかについて、焦点を当てるものだ。

欧州では2021年以降、生活費の急激な高騰に見舞われている。COVID-19パンデミックによるサプライチェーンの混乱、ウクライナ紛争後のエネルギー価格の上昇、企業収益の増加などが原因となり、インフレ率は多くの地域で2桁に達した。こうした状況が労働者の購買力に大きな影響を及ぼしているため、団体交渉の主要なテーマとなっている。

従来、労働組合は定率の賃上げを交渉の対象としている。しかし、予測不可能な高インフレの時代には、このアプローチは困難に直面する。解決策の1つとして、インフレ率に連動した(半)自動賃上げの実施が考えられる。このような方式は、「賃金の物価スライド」または「生活費調整(COLA)」と呼ばれる。

団体協約にこうした条項を盛り込むことで、将来のインフレ率に合わせて賃金が調整され、実質的な賃金保障と名目的な柔軟性がもたらされる。高インフレ下でも、労働者の購買力は保証される。同時に、交渉当事者は、交渉期間中に賃金がどれだけ上昇するか正確に知ることはできない。インフレ率が高い時期には、概して賃金の物価スライドやCOLA条項が好まれる。

報告書ではまず、多くの国で現在、労働組合がこうした条項を導入していることを紹介している。同時に、賃金をインフレに連動させる範囲と方法の両方において、かなりの多様性がみられる。だが、賃金連動方式は以前考えられていたよりも広範囲に普及している一方で、社会パートナーが団体協約にこのような条項を盛り込むことに反対している多くの国々では、依然としてこの方式は存在しない。

本報告書は、高インフレの影響と闘う上で、団体交渉がどのように貢献しうるのか、具体な事例を示すことで労働組合を支援することを目的としている。
報告書(英文)は、こちらから


UNI、反ファシズムの労働組合ネットワークに参加

UNIとUNI欧州が、反ファシズム労働組合の国際ネットワークのマニフェストに署名した。マニフェストは、集団的な行動を通じて、社会正義の推進、人権の擁護、民主主義の強化に取組むものだ。

近年、世界各地で、強権化、反対派の弾圧、民主主義制度の弱体化を目論む指導者を擁する、危険な権威主義体制の台頭が憂慮されている。また欧州では、極右グループややファシスト組織の脅威が高まっており、暴力やヘイトスピーチを用いて過激な主張を推進するグループもある。

ネットワークは、イタリア労働総同盟(CGIL)が、ファシストによるローマ本部への襲撃事件から1年を機に発足させたものだ。民主主義の擁護、人権の促進、あらゆる形態の人種主義、性差別、差別との闘いに取組んでいく。ネットワークの参加組織は、極右イデオロギーの拡散に対する連携した対応と、民主的価値を保護する必要性を強調している。

ローマでネットワークの結成に参加したオリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「労働組合は民主主義の拠り所だ。ファシストが組合運動を嫌うのは、そのためだ。排除を説き、最も弱い立場の者を責め立てようとする者は、働く人々の間に分断の種をまこうとするものであり、我々の友人ではない。彼らは、排除と不平等を生み出している真の責任者から、人々の注意をそらそうとしている。我々の答えは、常に民主主義を支持し強化するということだ。職場における民主主義と社会における民主主義は、同じコインの表裏の関係にある。団体交渉はポピュリズムに対する解毒剤だ」と訴えた。

UNI 欧州は昨年、「民主主義の支持と強化」をテーマに、欧州の組合が一堂に会する会議を開催し、職場やそれ以外の場所でこの目標に向かってどのように取組んでいるか、意見交換を行った。


スーパーマーケットをフランチャイズ化するデレーズに、ベルギーの労働者が反撃

最近、ベルギー最大のスーパーマーケット・チェーンの一つであるデレーズが、同国内の全店舗をフランチャイズ化する意向を発表した。この動きを自らの労働条件に対する直接的な攻撃であると解した労働者たちは憤慨し、労働組合Setca-BBTK、CNE、ACV-Puls、CGSLB-ACLBの下で、経営陣の権限強化に反発すべく、団結して行動している。

店舗のフランチャイズ化は、デレーズが、スーパーマーケットで働く9,000人を直接雇用しなくなるということを意味する。代わりに、数百の個々のスーパーマーケット・フランチャイズが、賃金、労働時間、福利厚生を含む労働者の雇用に責任を持つことになる。国全体のブロックとしてではなく、経営に余裕のない多くの単一の使用者との交渉は、労働者の団体交渉力を大幅に弱体化することになる。

さらに、フランチャイズ店の労働者は、直営店の労働者よりも条件が悪い別の部門協約の下に置かれることになる。フランチャイズ店部門の労働者は、賃金が低く、労働時間が不安定で、解雇が頻繁に行われ、日曜日に働かされることもある。デレーズは、管理サービス部門でも247名の解雇を発表した。

労働組合は政府に対し、中小企業向けの部門に労働者を移動させないよう、要請した。組合は、労使協議会の会議にも動員したが、会議はわずか15分で終了した。その後の会議においても、経営陣は労働者代表に民間警備員による身体検査を課したが、労働者代表はこれを拒否したため、交渉は中断している。

同社はオランダに本社を置くアホールド・デレーズ・グループの傘下で、欧州、米国、インドネシアで毎週6千万人にサービスを提供しているとされる。デレーズのフランチャイズ化の動きは、企業がブランドや商品を管理する一方で、労働者に対する責任を回避するという、より広範な流れの一部である。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「デレーズの労働者と組合は、人々が尊厳を持って働ける労働条件、職場の民主主義、そして繁栄の共有のために立ち上がっており、我々は彼らに連帯する。ベルギーのモデルは、近隣諸国の中でも最も低いレベルの不平等をもたらしている。その強力な団体交渉の仕組みは、労働者が同様の攻撃に直面している欧州全域を刺激するはずだ。パンデミックの間、大きな個人リスクと犠牲を払いながら棚に商品を補充し続けたスーパーマーケット労働者は、尊厳ある労働に値する。政治家は、バルコニーで拍手している場合ではない。今こそパンデミック時の英雄を支援するため、行動する時だ」と述べた。


UNI、マスマートに南アでの組合潰しを止めるよう要求

UNIとUNIアフリカ・マスマート労組アライアンスが、小売業のマスマートに対し、南アフリカのマクロ(マスマートが展開する大型量販店)店舗での組合潰しを止め、不当解雇された約400人の労働者を直ちに復職させるよう求めている。

マスマートは、マクロ労働者379人を解雇、さらに70人を停職にした。UNI加盟組織の南アフリカ商業飲食関連労働組合(SACCAWU)が、ブラックフライデーの週末を含む2022年11月26日と27日に、マクロ食料品店で組織した一連の「違法スト」や「違法ピケ行為」に参加したとの理由をつけている。

マスマート経営陣は、解雇や懲戒処分を実施するたけでなく、ストを中断させ、労働者の団結を弱めるために、スト労働者の代わりに派遣社員を配置したり、労働者を脅迫したり、組合を脱退する代わりに金銭的インセンティブを供与するなど、さまざまな戦術を駆使してきた。

SACCAWUは、労働者の復職を要求するため、この問題を調停・仲介・仲裁委員会に持ち込んでいる。

キース・ジェイコブズUNIアフリカ地域書記長は、「組合を弱体化させるために、組合潰しのあらゆる汚い手を使ってきたマクロを、断じて許すことはできない。我々はマクロ労働者とSACCAWUに連帯し、マクロ経営陣が解雇された労働者を直ちに復職させ、誠実にSACCAWUとの公正な協約を交渉するよう、強く求める」と語気を強めた。

米小売大手ウォルマートが所有する同社と、組合との間の交渉は、SACCAWUの12%の賃上げと最低月給8000ランド(435米ドル)の要求に対し、マスマートがわずか4.5%の賃上げを提示したため、決裂した。

7か国の労働組合が加盟するUNIアフリカ・マスマート労組アライアンスのメンバーは、マクロ経営陣に対し、解雇された労働者を復帰させ、SACCAWUの公正な要求を受け入れるよう、求める文書を提出した。

労働組合の要求の全文は以下の通り:
・ 全面的な賃上げ、900ランドまたは12%のいずれか大きい方
・最低賃金8000ランド
・販売員の手数料マージンを10%から20%に上げる
・カテゴリー3の労働時間を月160時間から195時間に増やす。
・13か月目の賃金を12月の賃金から分離
・制服手当100ランド
・協約期間中の人員削減の停止

マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長は、「南アの兄弟姉妹は一人ではない。UNI世界商業部会は、世界中で160以上の労働組合と400万人の商業労働者を代表し、SACCAWUとマクロ労働者に全面的な連帯を表明する。マクロは組合潰しをやめ、労働者に仕事を戻さなければならない」と強調した。


UNI、国際家事労働者連盟のエリザベス・タン書記長に全面的に連帯

UNIは、国際家事労働者連盟(IDWF)および世界の労働組合運動の仲間とともに、優れた組合指導者であるエリザベス・タンIDWF書記長の状況を、憂慮しつつ注視している。同書記長は、2023年3月9日、「国家の安全を脅かす」との嫌疑で香港の警察当局に逮捕され、現在は保釈中で進展を待っている。

UNIと同書記長の協力関係は、彼女が香港労働組合連盟を率い、そのエネルギッシュで若いチームが、警備員や清掃員の労働基準を引き上げる世界的なキャンペーンを積極的に支持していた20年近く前まで遡る。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、タン書記長について、「献身的な労働組合活動家であり、極めて誠実な人柄。幸運にも2000年代にタン書記長と密接に仕事をすることができたが、彼女は常に、取り残されて『見えなくされている』弱い立場の労働者に、とりわけ焦点をあててきた。彼女のアプローチは一貫して、より恵まれた環境にいる労働者だけでなく、すべての労働者の賃金と条件を引き上げなければならないというものであり、UNIの全幅の信頼を得てきた」と語った。

UNIは、世界で最も強い信念を持つ優れた労働組合活動家の女性の一人であるタン書記長に、全面的に連帯を表明する。

タン書記長は、UNIと世界中の2000万人の組合員の全面的な支持を受けている。我々は、この状況の前向きな解決と、世界中の労働者の権利促進に向けて、共に取組みを続けていく機会を待ち望んでいる。


ドイツ多国籍小売業リドル、オランダで従業員の労働負荷軽減を命じられる

低価格スーパーマーケットチェーンの多国籍小売業リドルが、オランダ労働局から裁定を受け、同国内の店舗で働く従業員の労働負荷の軽減と安全衛生の改善に向け、1年間の猶予期間を与えられた。

今回の裁定は、オランダのUNI加盟組織FNVからの苦情申入れを機に行われたリドル店舗内の労働検査で、従業員に対する高い労働負荷と業務量に関連した法令違反が見つかったことを受けたものだ。同社は、2024年2月末までに問題を是正しなければならない。

FNVによる2019年の報告書『コード・レッド・ワークロード(厳戒警報の業務量)』に照らし、同労組は、リドルが労働条件の改善に向けた交渉を拒否したことを受けて、苦情を申し立てた。この調査では、リドル労働者の72%が極めて高い業務量に直面しており、同様の職種の全国平均52%をはるかに上回っていることが明らかになっている。

また報告書では、リドル従業員の実に20%が定期的に無給の労働をしており、87%がここ数年で業務量の増加を認識していることも明らかになった。組合によると、業務量の増加は、労働災害や怪我など、多くの安全衛生上の懸念につながっている。

この報告を受けてFNVは、労働安全衛生リスク評価で、従業員に対する労働負荷や業務量に関する法的義務を果たしていない点も指摘している。

「非常に良いニュースだ」と喜ぶFNV役員のファトゥマ・ブダイチェ氏は、「経営陣に数え切れないほどの報告書や調査結果を提出してきたが、これらは無視されてきた。ようやくリドルは、多くの従業員に高レベルのストレスと健康問題を引き起こしている不健康な業務量について、何らかの対策を取らなければならなくなった」と述べた。

検査官は、同社が必要な措置をとったかどうかを確認するため、フォローアップ検査を行い、措置がとられていない場合は罰金も科しうる。

マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長は、「リドルは、従業員がまっとうで合理的な業務量と労働条件を確保できるよう、FNVと交渉し、協力していかなければならない」と述べ、「残念ながら、高い労働負荷や労働安全衛生の問題、組合と適切な関わりを構築できていない状況は、オランダのリドルに限ったことではない。リドルのグローバルネットワークを通じて、我々は欧州と米国の加盟組織と協力し、リドル労働者の適正な労働条件と賃金の確保に取組んでいく」と改めて決意を語った。

ドイツに本社を置くリドルは、オランダ国内の440店舗と7つの配送センターで約2万人の労働者を雇用し、欧州と米国の31か国では約35万人の労働者を雇用している。


労働組合は、アルゴリズムについて交渉が必要

テクノロジーの発展は、我々の生活にますます強い影響を及ぼしており、それは仕事も例外ではない。正しく使えば、より効率的で魅力的な仕事につながるが、非常に多くの場合、テクノロジーによって仕事は単調で負担の大きいものになり、強い統制下に置かれている。スウェーデンでは、商業労組のHandelsが「Human-machine work」と題した報告書を発表し、新しいテクノロジー、特にアルゴリズムに基づくテクノロジーを職場でどのように導入するかを決定する際に、従業員を参加させることの重要性を明らかにしている。

この報告書には、倉庫の労働者を対象としたアンケート調査の結果が含まれており、それによると、労働者の大半は、アルゴリズム、ロボット、組み立てラインが作業を制御・監視するデジタルシステムを使用の中で働いている。システムがうまく機能すれば、従業員はスキルアップしてより高度な仕事をこなし、デジタルシステムと共に仕事を管理することができるが、うまく機能しない場合、従業員は人権侵害的な監視にさらされ、人間的な行動や思考の余地はほとんど残されていない。

問題は、新しいテクノロジーが導入される際に、従業員のニーズやスキルが必ずしも考慮されないことだ。その結果、従業員と企業の双方に利益をもたらすのでなく、労働環境が悪化してしまうのである。職場で定期的な能力開発の機会を得ている従業員はわずか17%で、10人中8人は新たな業務を遂行するための能力開発を望んでいる。

リンダ・パルメッツホーファーHandels委員長は、報告書の著者と共著の意見記事の中で「労働環境に影響を与える他の条件について交渉したいのと同様に、我々は職場のアルゴリズムやハイテクシステムについても交渉したいのだ」と、述べている。

Handelsの報告書は、職場におけるテクノロジーの発展が従業員に利益をもたらすようにするためのいくつかの方策を提案している。一点目は、アルゴリズムで管理されたシステムの導入や使用方法について、従業員に影響力を持たせるため、アルゴリズムについて交渉することだ。二つ目に、新しいシステムが導入される際には、従業員の知識と経験が活用されるようにしなければならない。そして最後に、従業員は、職場で新しいテクノロジーを使うためのスキルアップの機会を得るべきである。

同委員長は、「新しいテクノロジーは、より良い、より魅力的な仕事をもたらしうる。だが、その場合、従業員はテクノロジーが開発される時に、それがどのように使用されるかについて、関与していかなければならない」と指摘した。

Handelsによる報告書『Human-machine work』は、結びとして、職場におけるテクノロジーの発展から従業員がどのように恩恵を受けることができるかについて、洞察を示している。アルゴリズムの交渉、従業員の知識や経験の活用、スキルアップ機会の提供は、より良い職場環境へ向けた、重要なステップだ。


共に立ち上がろう!Rising Together!~第24回UNI-LCJ年次総会、記念講演、レセプション~

2023年2月17日、第24回UNI-LCJ年次総会が東京で開催された。コロナ禍により、昨年および一昨年は、会場出席者を制限したハイブリッド開催であったが、今会は3年ぶりの対面開催となった。各加盟組織より運営委員および総会代議員、オブザーバー等約60人が出席した。2022年度活動報告、会計報告の承認に続き、2023年度活動計画および予算が承認された。また今次年次総会では、2023~2027年度UNI-LCJアクションプランが採択された。

年次総会後に開催した記念講演には、UNI本部からクリスティ・ホフマンUNI書記長、UNI Aproからラジェンドラ・アチャリャ地域書記長が来賓として出席した。4年ぶりの来日となったホフマンUNI書記長は、他の友誼団体からの参加者を含めた約90人を前に、今年8月に開催される第6回UNI世界大会に向けた講演を行った。

ホフマンUNI書記長は、UNI世界大会の舞台となる米国・フィラデルフィアの歴史や、米国の労働運動が直面する課題、またUNI世界大会の動議案の概要を解説した。「これら動議は、今後の私たちUNIの活動の方向性をしっかり示すものだ。UNIの各部会はそれぞれ加盟組合の強化・育成に取組んでおり、社会的・経済的意義に対する責任をもって活動している。強い部会や地域組織なくしてUNIの成功はありえない」と熱く語り、日本の加盟組織が各部会や地域活動に多く関わり貢献していることに感謝の意を表した。

質疑応答のセッションでは、中山敬裕労済労連副中央執行委員長(UNI-LCJ運営委員)、大窄新二印刷労連中央書記長、山下茂美日放労中央執行委員(UNI-LCJ運営委員)より、以下質問があった。

Q:今年のダボス会議の印象や、会議でUNIとして訴えてきたことは何か。

A:印象的だったのは、出席していた企業代表や労働大臣が、団体交渉を通じた労働協約の重要性を訴えていたことだ。労働者に対して有効的な関係が築けていることが背景にあるからだと思うが、以前の会議とは違い、様々な姿勢や雰囲気を感じ、今年の会議は非常に特別なものになった。また、AIについての可能性が議論されたので、この会議に出席していた他のGUFやITUC代表と共に「AIが職場に及ぼす影響やAIの導入方法などの議論は、労働者の意見を聞きながら進めてもらいたい」と訴えてきた。以前と比べ、より多くの企業が労働組合にアプローチをかけてきており、労働組合と向き合う姿勢を強く感じるので、労働組合がまさにつかむべきチャンスであると考えている。

Q:人権デューデリジェンスに関して:

  • UNIが行っている投資家への働きかけの内容とは?
  • UNIが推進しているGFA(グローバル枠組み協定)は、人権デューデリジェンスを推進するのに効果的なスキームであると思うが、国連グローバルコンパクトやOECDガイドライン等と比べた違いは何か

A:投資家は、人権デューデリジェンスを遵守していない企業には投資してはならないというルールがある。具体的には投資家たちに悪質企業があるなど情報提供をしている。現在300の企業があり、場合によってはその投資家を集めて、問題になっている企業に対して行動をとることもある。具体的には、例えば介護分野においては、約4兆ドルを管理するアセットマネージャーに情報提供して取り組んでいる。また、テレパフォーマンス社においては、株価が大幅に下落したことがあったが、4年間働きかけをしてきた結果、今は助言や情報提供依頼を求められている。

 GFAには、労働者の基本的権利の尊重等の原則について関する協定であり、最も重要なのは、モニタリングと対話が組み込まれていることだ。世界中で遵守されるべきと考える。国連グローバルコンパクトは企業が一方的に宣言するもので、具体的にはモニタリングが確立されておらず、結社の自由の補償についての具体的な措置が盛り込まれていない。企業に責任を負わすことができず、現実価値のないものと考える。OECDガイドラインは、1~2年かけて紛争を解決していく場合には有効なツールであると考える。しかし、日常的な問題には実践的ではなくGFAの方が優れている。ただUNIは他の枠組みで上手く解決しない時には、このガイドラインを活用することがあり、バックアップとして有効であると考えている。

Q:リモートワークについて、日本では厚生労働省によるガイドラインはあるが法的拘束力はない。欧州は法整備が進んでいると聞くが、状況を教えてほしい。

A:欧州が進んでいるのは、コロナ禍前に「つながらない権利」についての法整備が確立していたためである。現在は、使用者側が労働者に行う監視カメラをどう制限していくかが、大きな課題となっている。監視カメラがオンでないと賃金を払わない使用者もいる。欧州では、このような行為は違法である法律で定められている。

「リモートワークの主要原則」を1年前に発表したが、リモートワークに関する労働協約を蓄積してまとめてあり、データベースはいつでも閲覧できる。例えば、イタリアの金融労組は、長期間交渉したリモートワークに関する労働協約を策定しており、このデータも閲覧することができるので、参考にしていただきたい。

レセプションでは、富田望厚生労働省大臣官房総括審議官(国際担当)から来賓挨拶を、また清水秀行連合事務局長、郷野晶子ITUC会長、ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長から連帯挨拶を受けた。


英コベントリーのアマゾン労働者、再びストライキ

英国コベントリーのアマゾン・フルフィルメントセンターの労働者は、2023年2月28日、3月2日、3月13日~17日の合計7日間、ストライキを実施する。

UNI加盟組織GMBが組織する350人以上の従業員が、ストに踏み切る。GMBの組合員は、1月25日に英国のアマゾンでは初となるストライキを決行、新たな歴史を作った。労働者たちが望むのは、アマゾンの経営陣が自分たちの組合を認め、少なくとも時給15ポンドという公正な賃金を交渉することだ。

アマンダ・ギアリングGMB組織化担当は、「この前例のない7日間のストライキが示すのは、コべントリーのアマゾン労働者の怒りだ。彼らは世界で最も利益を上げている企業の一つで働いているにもかかわらず、自らの生活を維持するために24時間働かなければならない」と訴え、「コベントリーのアマゾン労働者が2023年4月に、全国最低賃金をわずか8ペンス上回るだけの賃金しか得られない状況は、不愉快でしかない。アマゾンの上司は正しいことを行い、労働者と適切な賃上げを交渉することで、この労働争議を止めることができる」と述べた。

UNIのアマゾン・グローバル労組アライアンスのメンバーであるGMBは、アマゾンの労働条件改善を長年にわたって提唱してきた。

マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長は、「コベントリーの問題は、一つの倉庫にとどまらない、世界的な問題」と指摘し、「だからこそ、世界中の労働者がこのGMB組合員と連帯している。ともに我々は闘うことで、我々勝利する。ともに闘うことで、アマゾンに適正な賃金を支払わせる」と結んだ。


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