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UNI世界ICTS部会大会:2日目‐今後4年間の方針を決定

UNI世界ICTS部会大会の2日目では、同部会の今後4年間の方向性が決定した。95か国のICTS労働者を代表する代議員は、新しい指導部を選出し、テレコム、テック、ビデオゲーム開発、ビジネスサービスの各部門における労働者の力を構築するロードマップとして機能する戦略的行動計画を採択した。

この日は、安藤京一UNI Apro ICTS部会議長(情報労連)が、新たなテクノロジーによる同部門の変革と、それに対応する労働力スキルの進化に焦点を当てたセッションを導入して幕を開けた。国際電気通信連合(ITU)のフレッド・ワーナー氏が基調講演を行い、世界の電気通信を調整するITUの役割と、労働力に直接影響するAI標準設定への同組織の関わりを強調した。また、ITUが他組織とともに「AI for Good」を立ち上げ、国連の持続可能な開発目標を推進するためにAIを活用する具体的な方法を策定した経緯を説明した。

ワーナー氏の講演に続いて、ヨハネス・ホフマイスター氏(オーストリア、GPA)が、テレコム部門における新技術の導入に向けた欧州電気通信事業者協会(ETNO)の連携した取組みについて報告した。同氏は、テレコム部門の二酸化炭素排出量を削減し、持続可能性を高めるための取組みについて強調した。

次のパネル・ディスカッションでは、ソー・ソウルマンUNIアフリカICTS部会議長が進行役を務め、安全な労働の確保におけるICT労組の役割に焦点が当てられた。

いずれもセネガルからSNTPT労組のローズマリー・デューフ氏とSYTS労組のネネ・コイタ氏は、COVID-19パンデミックの際、両労組がオレンジの安全衛生グローバル協定をどのように実施したかについて詳述した。10年以上前に締結されたこの協定によって、オレンジの全事業所で安全衛生委員会を通じ、パンデミック関連の課題に関する意思決定プロセスや安全確保の中心的役割を、労働者が担えるようになった。

このセッションでは、ICTS部門のさまざまな分野における課題について検討された。フランスの組合STJVのアントワヌ・ディオセント氏は、ビデオゲーム開発における「クランチ・タイム」(ストレスや燃え尽き症候群など、健康に重大な影響を及ぼす業務上のプレッシャーの強い時期)について議論し、「労働者に対する影響について、管理がなされていない。上司は、労働者は生産が終わればスタジオを去るのだから、長期的な影響に対処する必要はないと考えている。労働者は使い捨てとみなされている」と訴えた。フランス全土、そして世界中のビデオゲームの開発に携わる労働者が、労働者を大切にし、労働者の権利を尊重する業界にすべく、組織化を進めている。

ベンソン・オクワロ氏(ケニア、COWU)は、コンテンツモデレーターが直面するメンタルヘルス上のリスクを強調した。こうした労働者は、想像を絶する過激で恐ろしいコンテンツにさらされていると同時に、インターネットから偽情報を取り除く最前線にいる。彼らがこの労働に対して受ける見返りは、低賃金とトラウマであることがあまりにも多い。COWUはケニアでこうした労働者の組織化を支援し、フォード財団の支援を受けて、国際的な安全衛生基準の確立を主導している。

UNIアフリカ女性委員会議長を務めるパトリシア・ナイマン氏(南アフリカ、SACCAWU)は、セッションの最後に、第三者からの暴力、特にその女性への影響の問題を取り上げた。顧客や取引先からのこうした暴力には、ハラスメントや身体的脅迫が含まれ、これを抑制するには包括的な職場のガイドラインと強力な組合活動が必要である。

この後、大会参加者はUNI世界ICTS部会の2024~2028年の5本柱となる戦略計画について討議し、承認した。

1.ICTS部門の主要多国籍および地域企業における組合の力の構築: ソー・ソウルマン氏が再び登壇し、多国籍企業で労働者を組織化し、これらの企業内で人権の適用を強化し、テレコム部門の技術的・構造的変化を通じて組合を支援するこの動議について説明した。この戦略には、組織化キャンペーンや、特に外部委託に関して労働者の権利を保護するためのグローバル協定や人権デュー・ディリジェンスの活用が含まれる。

2.ビジネスサービス部門における組織化と基準の引き上げ:マリカルメン・ラマスUNI米州ICTS部会議長(メキシコ、STRM)は、コンタクトセンターやコンテンツモデレーター等、ビジネスサービス部門における労働条件改善に向けた取組みを強調した。活動領域を拡大し、テレパフォーマンスのグローバル協定を実施し、特にオンラインプラットフォームの安全性とコンテンツモデレーションに関する業界標準を設定する計画である。

3.グローバルなテック企業およびゲーム開発企業で、共に立ち上がる: アンディ・カーUNI世界ICTS部会議長が動画で発表したこの3つ目の戦略計画は、UNIをテックおよびゲーム開発労働者のハブとし、大手テック企業での組織化・団体交渉を支援することを目指すものだ。戦略には、可視化活動の取組み、組織化・交渉訓練の提供、労組アライアンスの構築が含まれる。

4.ICTS 労働者のための政治的影響力と経済力の構築:フグリ氏(スイス、Syndicom)は、尊厳ある労働、良好な賃金と労働条件を促進し、 人権とILO基準を擁護する必要性について議論した。この行動計画では、政策立案時に労働者の懸念が代表されるようにするため、選出された指導者、規制当局、社会対話メカニズムの関与を求めている。

5.デジタル時代におけるディーセントワーク戦略の構築:安藤京一UNI Apro ICTS部会副議長がこの動議について説明し、AIや新たな労働形態による悪影響を緩和し、産業の変化に適応するためのスキル開発の促進に焦点が当てられた。行動としては、団体交渉の促進、リモートワーク慣行に関するデータベースの維持、グローバル協定を通じた継続的な能力開発の提唱などが含まれる。

大会参加者はその後、一連の動議を採択し(テックおよびゲーム開発業界における大規模解雇の中止を求める緊急動議を含む)、新議長を選出した。

UNI世界ICTS部会創設以来、初めてアフリカ大陸から選出されたソー・ソウルマンUNI世界ICTS部会新議長は、「我々はこの先に待ち受ける課題の大きさを知っているが、これはすべての地域の支援を得て進めていく課題であることも知っている」とスピーチした。

退任するアンディ・カー議長は、過去9年間の在任期間中のテレコムおよびテック部門の変化を振り返りながら、エリクソン、テレパフォーマンス、グーグル、マイクロソフトといった大手企業との大きな進展について語り、「団結した労働者は決して負けることはない。そのことを決して忘れてはならない」と締めくくった。参加者は、世界の労働組合運動に対するカー前議長の多大な貢献を称えた。


UNI世界ICTS部会大会:1日目

UNI世界ICTS部会大会は、2024年4月15日、南アフリカ・ケープタウンで活気あふれる地元バンドの演奏とともに幕を開けた。今後4年間の戦略的優先課題を設定し、新議長を選出するため、世界中から230人以上の組合指導者が結集した。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、冒頭のスピーチの中で、IT、テック、テレコム、ビジネスサービスの労働者を含むこの部会における組織化の取組みについて改めて強調した。「こうした産業の変化・進化にあわせて、組合も変化することができる。我々は、この産業で働くすべての労働者の組織化を支援する決意を固め、重点的に取組んでいる。この部会は注目を集めており、仕事の世界における移行の中心にある」と訴え、「AIは人間の仕事を代替するのではなく、人間の仕事を補強するものでなければならず、AIの恩恵は億万長者がため込むのではなく、みなに共有されなければならない。我々にはこれを実現する方法がある」と鼓舞した。

ジンギスワ・ロシ南アフリカ労働組合総連合(COSATU)会長も、新たな現実に適応する必要性を唱え、「現在と未来の闘いに備えるため、我々は過去の道を歩み続けることはできない。我々は革新を遂げ、労働者を組織化し、労働者の声に耳を傾けなければならない」と呼びかけた。

ソー・ソウルマンUNIアフリカICTS部会議長(ブルキナファソ、SYNATEL)は、UNIがこの分野で過去5年間に成し遂げてきた「とてつもない進歩」について説明するとともに、ケニア、ナイジェリア、南アフリカ、モロッコ等の国々が世界のテック企業の重要な拠点となっており、大陸におけるテック産業の成長についても強調した。ビジネスサービス部門では、モロッコとチュニジアはフランスのコールセンターにとって重要であり、モーリシャスとマダガスカルでも産業が成長している。しかし、ソウルマン議長は、多国籍企業が市場に参入する際、外部委託やプラットフォーム労働によって、アフリカにおける非正規労働の問題が悪化することは許されないと警告した。また、労働者が正規の雇用契約を結べるようにすることを各組合に求めた。

クロード・カミングス全米通信労組(CWA)委員長は、テック産業における組織化の議論を主導し、米国における労働組合への支持の高まりを強調した。「今は世界中のすべての労働者にとって困難な時代であり、テック産業も同様だ。しかし、我々は労働者がこの難局に立ち向かい、力をつける方法として組織化や団体交渉を受け入れているのを目の当たりにしている」と語り、「CWAはこのチャンスを活用すべく、労働者が職場で組合の声を得るための取組みを支援している。CWAはテック部門で大きな躍進を遂げ、グーグルで数千人の労働者を組織化し、マイクロソフトと新たに買収したゲーム会社アクティベーション・ブリザード・キング(ABK)では中立保持協定を確保した。この協定により、ABKで1,000人以上の労働者を組織化することができ、協定は同社の他の部門にも拡大されている」と報告した。

討議において、英国Unite the Unionのルイーザ・ブル委員が、リモートワークであっても、同労組では組織化を支援するために多くの古くからの戦略を用いていると述べ、「テックは組合にとって比較的新しい部門かもしれないが、テック労働者は他の労働者と同じ問題を多く抱えている」と語った。

グーグル労働者を組織化しているスイス Syndicomのダニエル・フグリIT部門担当部長は、2年前と比較して、労働者は自らの利益を共有し、社内の労使間の溝を意識するようになっていると述べた。

Engineers of Swedenのハンネリ・リンドホルム国際担当委員は、労働者の組織化を支援し、労働者の連携を強化する上で、UNIのグーグル労組アライアンスの重要性を強調し、「グーグル等の企業のテックワーカーは、国境を越えたチームで働き、話をするので、組織化も国境を越える必要がある」と訴えた。

ICTS部会大会1日目はこの後、ビジネスサービス部門の労働者を対象とし、テレパフォーマンスとのグローバル協定に焦点が当てられた。 この協定は世界最大のコンタクトセンター企業で働く50 万人以上の労働者を対象としている。コロンビア、ドミニカ共和国、フランス、ガーナ、フィリピンの労働者や組合指導者は、この協定が自国での組合結成と権利行使への扉を開いていることを強調した。この協定は2022年12月に締結されて以来、コロンビア、エルサルバドル、ジャマイカ、ポー ランド、ルーマニアで展開され、成功している。


米国セガ労働者、歴史的な団体協約を締結-ビデオゲーム産業に新たなマイルストーン

ビデオゲーム産業に歴史的な進展があった。 2024年3月26日、 全米通信労組(CWA)の下でセガ・オブ・アメリカの労働者が、初の団体協約の締結に成功した。協約はデザイナーや翻訳者から品質保証テスター、マーケティング・マネージャーまで幅広い職務を対象としており、同産業の労働者にとって、権利と保護の新時代が到来する。

協約は、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』、『ペルソナ』、『ライク・ア・ドラゴン』などの象徴的なフランチャイズで知られるセガ・オブ・アメリカにとって極めて重要な転換を意味しており、労働条件の改善と雇用の安定をもたらす団体交渉の可能性を示すものだ。

今回の進展を祝して、ベンジャミン・パートンUNI世界ICTS部会担当局長は、「セガ・オブ・アメリカにおける今回の歴史的勝利は、ビデオゲーム産業全体の労働者にとって記念碑的なものであり、連帯と団体交渉の具体的な恩恵を示すもの。彼らの努力によって、米国のビデオゲーム産業におけるより公平で公正な労働環境への道が開かれた」と述べ、 労働者の勇気と決意を称賛した。

協約の主な条項には、公正なベースアップ、恣意的な懲戒処分に対する正当な理由による保護、解雇に対する保護強化、セガのビデオゲームに貢献したすべての人の功績を称えること等が含まれる。さらに、競業避止義務、職場におけるAIの使用、ハイブリッドな勤務形態、専門能力開発の機会、包括的な福利厚生パッケージについても合意している。

短編アニメの制作マネージャーであり、セガ従業員労組(AEGIS-CWA)の組合員であるジャスミン・エルナンデス氏は、この功績の重要性を強調し、次のように語る。「ビデオゲーム産業の労働者にとって画期的な出来事。経営陣が労働者の組織化に対して、当初は敵対的な態度をとっていたとしても、団体交渉によって相当な改善と保護を含む協約の締結が可能であることを示せた。大規模な解雇が行われる中、ビデオゲーム産業全体の労働者が、我々全員の労働条件を改善するための道筋として組織化を捉えてくれると期待している」

AEGIS-CWAは、セガ・オブ・アメリカのバーバンクとアーバインの2か所において様々な部署で働く150人の正社員と一時雇用の従業員を代表しており、2023年7月10日に行われた組合選挙の決定的勝利を受け、交渉を開始していた。

デジタル従業員組織化キャンペーン(CODE-CWA)とCWAのコミュニティは、ハイテク、メディア、テレコム産業全体で労働者の権利を擁護し、職場内外で正義と公平を求めて、取組みを続けている。


タイUNI加盟組織、第6回UNI APRO地域大会に向け始動

UNIタイ加盟組織連絡協議会が2024年3月12日、ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長と会談し、UNIが対象とする部会において組織化と組合成長を促進するための準備を開始した。また、2024年11月20日~22日までタイ・バンコクで開催される第6回UNI APRO地域大会の準備についても、協議した。

UNIタイ加盟協は、主要6部会(商業、金融、印刷・パッケージング、ICTS、郵便・ロジスティクス、メディア)でUNI加盟組織を代表している。

大会が強固な対話、戦略的連携、インパクトのある決議を生み出すプラットフォームとして機能し、組合結成に向け強力な組織化の波を残せるようにすることが共同の目標だ。

UNI Apro地域大会の目的の1つは、タイにおける組織化の可能性にスポットライトを当てることだ。東南アジア第2位の経済大国であるタイのサービス産業は、GDPの56%を占めており、サービス部門の労働力に焦点を当てることの重要性と、組合成長の可能性を浮き彫りにしている。第6回UNI APRO地域大会は、取組みを拡大し、労働力の包摂性とエンパワーメントの促進を目指す。

UNI本部からのタイ加盟組織への支援を示すため、クリスティ・ホフマンUNI書記長が2024年4月に同国を訪問し、タイ加盟協やその他の関係者と会談し、大会に向けて連携を強化する。

2024年11月にバンコク中心部で開催されるUNI Apro地域大会には、400人以上の代議員、オブザーバーが参加予定だ。


欧州の企業持続可能性デューディリジェンス指令:権利保護に向けた一歩だが、さらなる取組みが必要

長年にわたる集中的な交渉を経て、2024年3月15日に EU加盟国大使は、労働者の権利と環境を保護するための重要な前進である企業持続可能性デューディリジェンス指令(CSDDD)の支持を可決した。 ベルギー政府の仲介もあり、今回の支持が実現した。

今回の指令により、バリューチェーン全体での損害について多国籍企業の責任が追及され、事業全体を通じて労働者、女性、少数民族の権利が、より確実なものとなる。

労働組合は、欧州委員会の当初の提案とは異なり、企業やその子会社、バリューチェーン全体における実効的なデューディリジェンス方針・計画・戦略の策定と実施に、組合代表が関与することを確認した。指令の導入と強力な実施を確保する上で、UNI欧州の中核的な焦点となる。

残念ながら今回可決された法案は、イタリアとドイツを中心とする複数の政府が支持を撤回したため、ここ数週間で弱まってしまった。今回の妥協案では、特に対象となる企業数が16,000社から5,500社以下に減り、指令の適用範囲が狭められた。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「デューディリジェンス指令が土壇場で薄められてしまったことは遺憾だが、加盟国の投票はグローバルなバリューチェーンにおける労働者の権利向上に向けた前向きな一歩として歓迎する。あとは欧州議会が4月の採決で指令を成立させるだけだ」とコメントした。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「この法律は欧州にとって重要なだけではない。世界中で最も強力な大企業の企業活動を変える可能性を秘めている。本日採決されたバージョンは、完璧には程遠いとはいえ、企業の行き過ぎた貪欲さを撃退し、世界の労働者の権利を確保するために不可欠なツールとなる」と期待を示した。

UNIは、すべてのEU加盟国、そして世界各国の政府に対し、人権デューディリジェンスに関する強制力のある法律を採択するよう求める。


アクティビジョン労働者、ビデオゲーム開発部門で米最大の労組に

アクティビジョン・セントラル・クオリティ・アシュアランスで働く600人以上の労働者が、UNI加盟組織である全米通信労組(CWA)に加入した。マイクロソフトは組合を自主承認した。

これにより、CWA傘下のアクティビジョン・クオリティ・アシュアランス労組は、米国のゲームスタジオの中で、組合に代表される最大の労働者グループとなった。労働者はカリフォルニア、テキサス、ミネソタで勤務している。

現在、マイクロソフトの 1,000 人を超えるビデオゲーム開発に携わる労働者が、CWAの下で組織化されている。マイクロソフトがアクティビジョン・ブリザードを買収後に締結したCWAとマイクロソフトの間の中立協定に基づき、アクティビジョンで組織化された最初の労働者だ。

クロード・カミングス・ジュニアCWA委員長は、 「マイクロソフトは、労働組合を結成するか否かの決定を労働者自身に委ねるという約束を、守り続けている」と述べ、「この業界の他の大企業は、従業員が組合結成に向けて団結すると、自社の従業員を弱体化させ、攻撃する決断を幾度も下してきた。マイクロソフトの選択は、企業風土と顧客へのサービス提供能力を強化し、業界の模範となるはずだ」と評価した。

同社で機能品質保証テスターとして働く組合員のカーラ・ファノン氏は,「本日、CWA傘下のアクティビジョン・クオリティ・アシュアランス・ユナイテッドの組合員として、労組の結成を発表することができて、嬉しい。賃上げや、より多くのキャリア機会など、我々は職場改善を望んでおり、組合結成を熱望してきた。(…中略…)我々はここでキャリアを成長させるつもりであり、強力な協約が労働者と会社を成功に導くと信じている」と語る。

昨年、マイクロソフトのゼニマックス・スタジオの品質保証に携わる労働者が、CWAの下でゼニマックス労組を結成した。マイクロソフトはその組織化に際しても中立を保持し、同様のプロセスで組合を承認した。ゼニマックスの労働者は現在、初の協約に向けて交渉中であり、業務委託と人工知能については画期的な合意に達している。

マイクロソフトの人事法務担当副社長兼副顧問であるエイミー・パンノーニ氏は、「我々は、組織化キャンペーンの間も中立を保持するという約束を守ってきた。今回の投票を受けて、CWAをアクティビジョン・パブリッシング中央品質保証部門の従業員を代表して交渉権をもつ代表として承認する。今後も建設的な労使関係を保っていきたい」と話す。

ベンジャミン・パートンUNI世界ICTS部会担当局長は、「「アクティビジョンにおける賃金と労働条件の改善に向けたこの勝利を祝福する。米国において、マイクロソフトは大手テック企業が労働者の権利を尊重しつつ、繁栄できることを示している。今後も同社と協力し、この素晴らしい労使関係を世界各国に広げていきたい」と意欲的だ。


欧州の労働組合、ミャンマーにおける徴用反対をEUに要請

2024年 2月10日、ミャンマーの軍事政権が徴兵制の開始を発表した。欧州労働組合連盟(ETUC)とUNI欧州をはじめとする欧州の労働組合組織は、この衝撃的な発表に全面的に反対している。ミャンマーの労働者・労働組合とその国際的な労働組合を代表し、3月1日に送付した書簡の中で、EU加盟国に対し「可能な限り早期にEUの緊急行動に合意する」よう求めた。

軍事政権の発表は、すでに3年以上にわたって軍政の恐怖支配下で暮らしてきたミャンマーの労働者や市民の生活をさらに危険にさらすものだ。現地からの報告は憂慮すべきものだ。すでに工業地帯の近くのホステルや、大都市や村の家族の家に住んでいる若い労働者たちは、すべての村や町で軍や民兵による誘拐や逮捕の危険にさらされている。1,300万人以上の若者が、軍政の国家行政評議会(SAC)地方当局によって連れ去られ、運搬役として、あるいは民主化勢力との戦闘の最前線で使われる可能性があるのだ。

政権が18~35歳の男性と18~27歳の女性を特定するために従業員データを使用するとの報道もあり、従業員データが使用されるのを阻止し、すべてのプロセスを停止させ、ミャンマーに民主主義を取り戻すためには、緊急の行動が必要である。

書簡では次のように記されている。「これまでの国際社会の対応は、十分とは言い難く、軍事政権は実際に引き起こされる影響を恐れることなく、労働者や市民に対する虐待を続けるだろう。この絶望的な状況に終止符を打たねばならず、我々はEUに対し、強制労働に等しい軍事政権による労働者と市民への虐待を止めるよう求める」

EUの緊急行動が必要
署名者であるETUC、UNI欧州、インダストリオール・ヨーロッパ、EPSU、EFBWW、EFJ、EFFAT、ETFは、以下の行動によって「すべてのEU加盟国に対し、軍事政権によるこの最近の行為に全面的に反対し、政権を標的にすることを目的とした緊急行動をとるよう要請」している。
●欧州理事会および欧州対外行動局が、この発表に最も強い言葉で公に反対を示すこと。
●EUは可能な限り早急に、以下の企業への優先制裁を含め、さらなる制裁を課すこと。銀行・保険部門、ジェット燃料、軍事政権の州および地域の首長、軍事政権の幹部とその家族が所有する企業の役員、軍事統制下にある企業の役員で、まだ制裁対象者リストに含まれていないもの、およびMEHLや海運会社のミャンマーファイブスター・ライン等に代わって石油を輸入・販売するグループ会社シュエビャインピュー等の企業。
●カンボジアで決定されたように、深刻な人権侵害を考慮し、EUのEBA 協定(Everything But Arms =武器以外の全て) 協定の下で適用されている特恵貿易関税を撤回すること。
●今なおミャンマーで操業しているEUのブランド企業や工場は、軍事政権と結託せず、従業員の身元を守り、SMART IDスキームを通じて得た情報を共有しないこと。さらに、EUのブランド企業は、従業員が誘拐されたり、深夜に帰宅途中に軍隊に強制連行されたりするリスクを軽減するため、こうした事例が現地で報告されている現在の状況下において、サプライヤーに対しては従業員に残業を課さないよう要求しなければならない。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「EU加盟国は、すでに3年間も軍事政権によるひどい虐待を受けてきたミャンマーの人々のために立ち上がらり、ミャンマーにおける強制徴用を終わらせなければならない」とコメントした。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、「ミャンマーの若い労働者は、強制徴用のために軍や民兵による誘拐や逮捕の危険にさらされている。EU加盟国は、このような慣行を終わらせるため、軍事政権に対して持っている手段を駆使するべき」と訴えた。


第41回 UNI Apro運営委員会、UNI世界大会のフォローアップに関する最新状況やUNI Apro地域大会の準備確認

2024年2月27日(火)、日本時間15:00~17:00、第41回UNI Apro運営委員会が、オンライン開催された。

冒頭、松浦昭彦UNI Apro会長(UAゼンセン)は、1月1日に発生した能登半島地震に際しUNI Aproの仲間より多数メッセージがあったことに感謝し、「新しい年を迎えてもなお、世界は混沌としており、UNI Aproは団結して、苦しんでいる組合員とその家族の支援、また人権を蹂躙し、労働運動を弾圧する国家権力と闘わなければならない」と挨拶した。

次に挨拶したクリスティ・ホフマンUNI書記長は、アルゼンチン政権について触れ「民主主義をしっかり支えるのは労働組合が大切だ」と述べた。

会議は、UNI Apro運営委員会構成の変更やスタッフ人事についての説明があり、また第39回および40回運営委員会の議事録についての承認確認をした。

続いてホフマンUNI書記長は、昨年8月に米国・フィラデルフィアで開催された第6回UNI世界大会および世界女性大会の開催報告、および、フォローアップ状況についての説明し、「我々の活動や取組みを知らなかった外部の人たちに知ってもらうことができた。今後も常に誇りを持って活動していきたい」と述べた。またジェラルド・ドワイヤーUNI会長は「現状、AIが上手く活用できてなく、雇用は減らされているのに仕事量が増えている。安全な職場づくりや労働者が尊重される職場をつくることが大切だ」と発言した。

今年11月には、第6回UNI Apro地域大会および女性大会がタイ・バンコクで開催される。その準備状況についてラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長より説明があり、「タイは56%サービス産業が貢献している。今後タイにおける労働運動を率いていくだろう。私たちUNI Aproも協力していく。今大会において、特にサービス関連の組合が大会に参加してくれることを期待したい」と述べた。

日本からは、松浦UNI Apro会長をはじめ、並木泰宗UNI Apro副会長(自動車総連)、石川幸德UNI Apro副会長(JP労組)、安藤京一UNI副会長(情報労連)、中島遥香UNI Apro女性委員会副議長(損保労連)他、オブザーバーが出席した。


もうひとつの世界は可能だ:ネパールで開催の世界社会フォーラムでラジェンドラ地域書記長がスピーチ

2024年2月15日、UNI Aproと加盟組織が、世界社会フォーラム(WSF)の期間中、社会保障、万人のためのジェンダー平等、ディーセント・ワーク、そして国内、地域、世界レベルでの連帯強化を求め、連帯行進を組織した。ネパールのカトマンズの路上で行われた行進には、22加盟組織から300人を超える組合役員が参加した。

続いて、「変化する現在の仕事の世界における社会正義に向けた、人間中心経済の醸成」をテーマとするパネル・ディスカッションが行われた。ディスカッションでは、労働者のために職場における人間的価値観をはぐくみ、すべての人のためのディーセント・ワークを目指して共に立ち上がることの重要性が強調され、様々な加盟組織の代表がそれぞれの見識を共有した。

NTUCのガネーシュ氏は、労働者の権利擁護における組合の重要な役割を強調し、GEFONTのシタ・ラマ氏は、健全なワークライフ・バランスの実現と、すべての労働者の社会保障適用を確保する必要性を訴えた。ANTUFのダン氏は、新自由主義がもたらす課題について話し、より公平な資源配分を求めた。また、包摂的な議論を促進するため、ネパール労働フォーラムの設立を提案した。トリブバン大学のラジブ・ティムシナ氏は、労働者福祉に取組む重要性を説いた。

ティラク・カドカUNI Apro職員は、公正な賃金を確保するための資本戦略や団体協約などの戦略について議論し、シャンカール・ラミッチャン氏は、地域、国、世界レベルで労働者の意識を高め、連帯を育むことの重要性を強調した。このセッションの司会を務めたプラナブ・カレル氏は、今日の不透明な時代に労働組合が直面している障壁を認めつつも、労働組合の適応能力と労働者の権利を擁護する能力について、楽観的な姿勢を崩さなかった。セッションには世界中の労働組合から100人以上が参加し、職場における社会正義の推進に対する世界的な関心を反映した。

ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長は、別のパネルディスカッションの中で講演し、「労働者が団結すれば、誰もが勝利する。労働組合に加入することは、賃上げ、社会保障、適正な労働条件を求めて闘うの上で役に立つ。強力な組合は、労働者にとっても使用者にとっても、より良い保護とより多くの利益を意味する。我々は今、気候変動、人工知能、新しいテクノロジー、世界的な健康危機、絶えず変化する仕事の世界と、様々な課題に取組んでいる。新たな世代の労働者の組織化において、連帯して取組む必要がある」と訴えた。

5日間にわたりネパールで開催されたWSFは、世界中から 5 万人以上の参加者を集め、98 か国から 1,400 を超える労働組合、組織、市民社会、利害関係者が、オンラインと対面で参加した。毎年、世界社会フォーラムは、労働組合がテーマに沿った討論を主催し、活動を組織し、文化的なイベントを行う環境を整えており、こうしたイベントは、ネットワークの構築と連携、そして公正で持続可能な未来の創造に関する対話を奨励することを目的としている。


第25回UNI-LCJ年次総会、記念講演及びレセプションを開催

2024年2月16日(木)、第25回UNI-LCJ年次総会が東京で開催され、各加盟組織より運営委員、総会代議員、オブザーバー等約70人が出席した。

冒頭で石川幸德UNI-LCJ議長は、「国際労働運動において日本の労働組合が果たせる役割を常に意識し、この変化の激しい時代に世界中の働く仲間のネットワークを活用し、先見性ある柔軟な対応ができるよう、今後の活動を進めていきたい」と決意を表した。

その後、2023年度の活動報告、会計および監査報告が承認され、2024年度の活動計画及び予算が承認された。

続いて開催された記念講演には、UNI本部よりアルケ・ベシガーUNI副書記長、UNI Aproよりラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長が来賓として出席した。

ベシガーUNI副書記長は、欧州における人権デュー・ディリジェンス(HRDD)の法制化の現状を中心に共有するとともに、HRDDに関するスタッフ研修やグローバル枠組み協定への組み込みを強化していくと述べた。さらに、バングラデシュで始まった 繊維・衣料産業の安全衛生に関する国際協定「国際アコード」の取組みについて、結社の自由や苦情処理メカニズムを含め労働者の人権を強化する形で拡大していくとを報告した。

アチャリャUNI Apro地域書記長は、UNI Aproの優先課題として社会パートナーシップと対話促進、デジタル時代のディーセントワーク、平和、民主主義、人権状況などを挙げた。また、2024年11月下旬にタイ・バンコクで開催予定の第6回UNI Apro地域大会の準備状況とタイ国内の政治経済情勢等について共有し、大会への積極的な参加を呼びかけた。

質疑応答セッションでは、上杉雄太労済労連委員長が「日本では賃上げの機運が高まっているが、労務費を含む適正な価格転嫁が実現にむけた重要なカギの一つであり、サプライチェーンの取組みが避けられない」とした上で、サプライチェーンに関する取組みについて、助言を求めた。これに対してベシガー副書記長は「サプライチェーン全体の中に存在する様々なリスクについて把握する必要があり、どうしてもコストはかかる」としつつ、「消費者からの信頼や株価に影響が及ぶので、企業はリスク管理にしっかりと取り組まなければならなくなる。その一つが人権デュー・ディリジェンスだ」と述べた。

また、UNI Apro女性委員会の取組みに対する一層の支援を要請した中田綾子UNI Apro女性委員に対し、ラジェンドラ地域書記長は「バンコクで開催される地域大会の前や、3月にスリランカで開催される世界女性委員会の前段で、メンタリングのセッションが行われる。こうした機会に日本からもぜひオブザーバとして参加し、プログラムを受けてきた女性たちと交流してもらいたい」と応えた。

記念品を贈呈する北村UNI-LCJ副議長と並木UNI-LCJ副議長

レセプションでは、富田望厚生労働省大臣官房総括審議官より来賓挨拶を、また芳野友子日本労働組合総連合会会長および郷野晶子国際労働組合総連合(ITUC)会長より連帯挨拶を受けた。

UNI Apro会長を務める松浦UNI-LCJ副議長は、「 UNI-LCJは、UNI Aproが推進しているスマートパートナーシップを長期に渡って実践しており、UNI-LCJ加盟組合の知見をUNI Aproの取組みに生かし、つなげていくことで、役割を果たせると確信している。今後ともUNI Aproの活動への積極的な参画を改めてお願いしたい 」と述べて締めくくった。


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