ビデオゲーム産業に歴史的な進展があった。 2024年3月26日、 全米通信労組(CWA)の下でセガ・オブ・アメリカの労働者が、初の団体協約の締結に成功した。協約はデザイナーや翻訳者から品質保証テスター、マーケティング・マネージャーまで幅広い職務を対象としており、同産業の労働者にとって、権利と保護の新時代が到来する。
協約は、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』、『ペルソナ』、『ライク・ア・ドラゴン』などの象徴的なフランチャイズで知られるセガ・オブ・アメリカにとって極めて重要な転換を意味しており、労働条件の改善と雇用の安定をもたらす団体交渉の可能性を示すものだ。
今回の進展を祝して、ベンジャミン・パートンUNI世界ICTS部会担当局長は、「セガ・オブ・アメリカにおける今回の歴史的勝利は、ビデオゲーム産業全体の労働者にとって記念碑的なものであり、連帯と団体交渉の具体的な恩恵を示すもの。彼らの努力によって、米国のビデオゲーム産業におけるより公平で公正な労働環境への道が開かれた」と述べ、 労働者の勇気と決意を称賛した。
協約の主な条項には、公正なベースアップ、恣意的な懲戒処分に対する正当な理由による保護、解雇に対する保護強化、セガのビデオゲームに貢献したすべての人の功績を称えること等が含まれる。さらに、競業避止義務、職場におけるAIの使用、ハイブリッドな勤務形態、専門能力開発の機会、包括的な福利厚生パッケージについても合意している。
短編アニメの制作マネージャーであり、セガ従業員労組(AEGIS-CWA)の組合員であるジャスミン・エルナンデス氏は、この功績の重要性を強調し、次のように語る。「ビデオゲーム産業の労働者にとって画期的な出来事。経営陣が労働者の組織化に対して、当初は敵対的な態度をとっていたとしても、団体交渉によって相当な改善と保護を含む協約の締結が可能であることを示せた。大規模な解雇が行われる中、ビデオゲーム産業全体の労働者が、我々全員の労働条件を改善するための道筋として組織化を捉えてくれると期待している」
AEGIS-CWAは、セガ・オブ・アメリカのバーバンクとアーバインの2か所において様々な部署で働く150人の正社員と一時雇用の従業員を代表しており、2023年7月10日に行われた組合選挙の決定的勝利を受け、交渉を開始していた。
デジタル従業員組織化キャンペーン(CODE-CWA)とCWAのコミュニティは、ハイテク、メディア、テレコム産業全体で労働者の権利を擁護し、職場内外で正義と公平を求めて、取組みを続けている。