UNI世界ICTS部会大会:1日目

UNI世界ICTS部会大会は、2024年4月15日、南アフリカ・ケープタウンで活気あふれる地元バンドの演奏とともに幕を開けた。今後4年間の戦略的優先課題を設定し、新議長を選出するため、世界中から230人以上の組合指導者が結集した。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、冒頭のスピーチの中で、IT、テック、テレコム、ビジネスサービスの労働者を含むこの部会における組織化の取組みについて改めて強調した。「こうした産業の変化・進化にあわせて、組合も変化することができる。我々は、この産業で働くすべての労働者の組織化を支援する決意を固め、重点的に取組んでいる。この部会は注目を集めており、仕事の世界における移行の中心にある」と訴え、「AIは人間の仕事を代替するのではなく、人間の仕事を補強するものでなければならず、AIの恩恵は億万長者がため込むのではなく、みなに共有されなければならない。我々にはこれを実現する方法がある」と鼓舞した。

ジンギスワ・ロシ南アフリカ労働組合総連合(COSATU)会長も、新たな現実に適応する必要性を唱え、「現在と未来の闘いに備えるため、我々は過去の道を歩み続けることはできない。我々は革新を遂げ、労働者を組織化し、労働者の声に耳を傾けなければならない」と呼びかけた。

ソー・ソウルマンUNIアフリカICTS部会議長(ブルキナファソ、SYNATEL)は、UNIがこの分野で過去5年間に成し遂げてきた「とてつもない進歩」について説明するとともに、ケニア、ナイジェリア、南アフリカ、モロッコ等の国々が世界のテック企業の重要な拠点となっており、大陸におけるテック産業の成長についても強調した。ビジネスサービス部門では、モロッコとチュニジアはフランスのコールセンターにとって重要であり、モーリシャスとマダガスカルでも産業が成長している。しかし、ソウルマン議長は、多国籍企業が市場に参入する際、外部委託やプラットフォーム労働によって、アフリカにおける非正規労働の問題が悪化することは許されないと警告した。また、労働者が正規の雇用契約を結べるようにすることを各組合に求めた。

クロード・カミングス全米通信労組(CWA)委員長は、テック産業における組織化の議論を主導し、米国における労働組合への支持の高まりを強調した。「今は世界中のすべての労働者にとって困難な時代であり、テック産業も同様だ。しかし、我々は労働者がこの難局に立ち向かい、力をつける方法として組織化や団体交渉を受け入れているのを目の当たりにしている」と語り、「CWAはこのチャンスを活用すべく、労働者が職場で組合の声を得るための取組みを支援している。CWAはテック部門で大きな躍進を遂げ、グーグルで数千人の労働者を組織化し、マイクロソフトと新たに買収したゲーム会社アクティベーション・ブリザード・キング(ABK)では中立保持協定を確保した。この協定により、ABKで1,000人以上の労働者を組織化することができ、協定は同社の他の部門にも拡大されている」と報告した。

討議において、英国Unite the Unionのルイーザ・ブル委員が、リモートワークであっても、同労組では組織化を支援するために多くの古くからの戦略を用いていると述べ、「テックは組合にとって比較的新しい部門かもしれないが、テック労働者は他の労働者と同じ問題を多く抱えている」と語った。

グーグル労働者を組織化しているスイス Syndicomのダニエル・フグリIT部門担当部長は、2年前と比較して、労働者は自らの利益を共有し、社内の労使間の溝を意識するようになっていると述べた。

Engineers of Swedenのハンネリ・リンドホルム国際担当委員は、労働者の組織化を支援し、労働者の連携を強化する上で、UNIのグーグル労組アライアンスの重要性を強調し、「グーグル等の企業のテックワーカーは、国境を越えたチームで働き、話をするので、組織化も国境を越える必要がある」と訴えた。

ICTS部会大会1日目はこの後、ビジネスサービス部門の労働者を対象とし、テレパフォーマンスとのグローバル協定に焦点が当てられた。 この協定は世界最大のコンタクトセンター企業で働く50 万人以上の労働者を対象としている。コロンビア、ドミニカ共和国、フランス、ガーナ、フィリピンの労働者や組合指導者は、この協定が自国での組合結成と権利行使への扉を開いていることを強調した。この協定は2022年12月に締結されて以来、コロンビア、エルサルバドル、ジャマイカ、ポー ランド、ルーマニアで展開され、成功している。