英国の介護労働者19,000人が初日の傷病手当を獲得

UNI加盟組織のGMB労組が、英国最大の介護施設運営事業者であるHC-Oneの介護労働者19,000人に対し、初日の傷病手当を勝ち取った。2024年3月22日に発表されたこの新しい協約は、傷病休暇初日からの手当を保証しており、介護労働者が体調不良時にも働かざるを得ないことで、高齢入居者に感染拡大のリスクが及ぶ状況にも対処している。

英国政府は2023年5月に、COVID-19感染拡大抑止策として導入していた病欠初日からの傷病手当金の支給を停止しており、会社側は従業員が病気になって最初の3日間は手当を支給していなかった。

だが、この状況を変えなければならないのは明らかであった。最近、GMB労組が行った調査では、HC-Oneの介護労働者の4人に1人が、「貧困賃金」 を理由に離職を考えていることが明らかになった。

GMB労組役員のナタリー・グレイソン氏は、「初日から支給される傷病手当は、介護部門で働く労働者に最低限支払われるべきものであるにもかかわらず、英国全土で、介護労働者は支給されずに生き延びることを余儀なくされてきた。今回の動きは大きな勝利であり、介護部門全体の風土における画期的な転換だ」と述べ、続けて「だが我々はここで立ち止まりはしない。介護に尽力している専門職の時給が、少なくとも15ポンドになるまで、闘いをやめない」と固い決意をみせた。

この勝利は、介護専門職の最低時給15ポンドを確保するためにGMB労組が展開している『15ポンドを目指す闘い』における重要な一歩であり、集団的な行動によって変革が起こりうることを示している。

アラン・サブレUNI世界ケア部会担当局長は 「多くの労働者にとって、病気休暇の一日目に手当がないということは、自分自身や介護を受ける人々の健康にとって最善のことと、請求書の支払いができるのかということの間で苦しい選択を迫られるということ」と今回の勝利の背景を強調し、「我々は、HC-Oneの労働者とGMB労組の勝利を祝福し、英国の介護制度の労働条件改善を推し進める仲間と連帯していく」と述べた。