アマゾン労働者、一般データ保護規則に基づきデータの透明性を要求

3月14日、ドイツ、英国、イタリア、ポーランド、スロバキアのアマゾン倉庫で働く労働者が、EUの一般データ保護規則(GDPR)に基づき、巨大テック企業が労働者の個人データをどのように扱っているかを知るため、GDPR第15条に基づいてアクセス要求を提出した。UNIおよびプライバシー権について取組むNGOの「noyb.eu」が、労働者を支援してきた。

「アマゾンは世界最大級の企業かもしれないが、我々のデータをアルゴリズムに利用し、データを使って片っ端から解雇したりと、勝手なことをすることはできない。我々には労働者としてプライバシー権があり、知る権利もある」こう力説するのは、ドイツの労働組合ver.diの労働者代表を務め、今回要求を提出した一人、アンドレアス・ガングル氏だ。

アマゾンは高度なシステムを使ってワークフローを監視しているが、労働者は自身のデータがどのように使用されているのか、何も知らないままだ。アマゾンは1か月以内に回答し、労働者の個人情報の取扱いについて、完全に開示しなければならない。

「アマゾンでは、データに対する貪欲さと反組合的な行動が組み合わさり、非常に厄介だ」と述べるクリスティ・ホフマンUNI書記長は、「会社は従業員に対する監視を行っている。労働者には、ビデオや音声の記録、ソーシャルネットワークの情報や労働組合への加入状況、その他アマゾンが収集した諸データが、EUプライバシー法に違反して使用されているかどうかを、知る権利がある」と指摘した。

労働者に対する監視行為-アマゾンが労働者に対して一定の監視活動を行っていることは、各国の労働組合の内部文書で確認されている。例えば、同社が労働者の身元調査を行い、プライバシーを侵害する様々なツールによって、労働者の仕事ぶりを常に監視していることは明らかだ。

労働者は闇の中に取り残されている-アマゾンが収集したデータはその後どうなるのか?労働者は、アマゾン倉庫内での自らの労働を形作る、自身に対する集中的な追跡について、ほとんど何も情報を受け取っていない。どのような情報が、どのような目的で収集され、誰と共有されているのか、知らされていないのだ。労働者は、個人情報保護方針が存在するかどうか、ましてや、追跡データに基づいて倉庫での自らの未来について何らかの自動的な決定がなされているかどうかなど、知る由もない。

データ処理を明らかにするGDPR- GDPR第13条および第14条に基づき、EU市民は誰でも、自分の個人データの処理について知らされる権利を有する。今回、欧州5か国のアマゾン倉庫で働く労働者は団結し、同社が労働者のデータを利用して過酷な労働条件や危険なレベルの生産効率を助長しているかどうかを明らかにするべく、アクセス要求を提出した。

データ保護を専門とするnoyb.euのステファノ・ロゼッティ弁護士は、「情報と管理の非対称性を示す典型的な事例だ。一方には、大量の個人データを収集する民間企業があり、他方には、時流に巻き込まれ、経済的にこうした企業の雇用に依存している個人がいる。我々が試みているのは、組織的なアクセス要求を通じた、このアンバランスの解消だ」と説明した。

アマゾンには、労働者の権利をないがしろにしてきた経緯がある。アマゾン労働者のプライバシーに侵入してくる、包括的な監視システムについて報告したUNIの報告書『アマゾン・パノプティコン』によると、労働者のプライバシーを大きく侵害する、同社の超高速の配送プロセスは、130万人の労働者に対する有害な影響を隠している。従業員は執拗に監視され、評価され、プレッシャーの高い過酷な環境に置かれている。このモデルはあまりに非人道的であり、最近ニューヨークタイムズが報じたように、「アマゾンはあまりに早く労働者を使い捨てるので、幹部らは人材が不足するのではないかと心配している」のである。ブルームバーグニュースも、アマゾンのドライバーは、実在の管理者ならば無視するような、些細な不運な出来事が原因で「アプリによって解雇された」と報じている。

UNIは以前から、倫理的なデータ収集とアルゴリズム管理を提唱してきた。2017年には、職場のデータを管理するための原則を発表し、団体交渉を通じてアルゴリズムによる管理の乱用を抑制するための取組みを開始した。150か国で2000万人以上の労働者を代表するUNIは、サービス産業におけるディーセントワークを確保し、組合が代表する権や団体交渉権等、労働者の権利を擁護することをミッションとしている。 

♦noyb.eu:デジタル権のための欧州センター。欧州データ保護規則に関連した取組みを行う非営利団体noyb.euは、これまでに、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン等の企業を含む、多数の意図的なプライバシー侵害に対して600件以上の訴訟を提起してきた。4,600人以上の賛助会員がnoyb.euの活動に資金を提供している。


UNI、ウクライナ難民の支援に向けたプログラムを構築

photo@Shutterstock(2022年3月9日、ポーランド・ワルシャワの鉄道駅で
ウクライナ難民を支援するボランティア)

ポーランドに到着したウクライナ難民を支援するプログラムについて、UNIが準備を進めている。

このプロジェクトは、ポーランドにあるUNIの中欧組織化センター(COZZ)を通じて実施され、ポーランドに滞在するウクライナ人が自らの権利を知り、仕事を見つける手助けを受けられるよう、支援やアドバイスを提供する予定だ。

国連によると、ウクライナの戦火から逃れてきた難民はこれまでに300万人に上り、そのうち180万人がポーランドに避難している。ワルシャワや首都近郊には、女性や子ども等23万人が仮設住宅に滞在しているが、プログラムはまず、この地域を対象とする。UNI関係者によると、難民はすでに仕事を探すため列をなしており、さらに数十万人以上のウクライナ難民がワルシャワを通過している。

10~15人程度が直接関わる予定のこのプロジェクトは、国内のUNI加盟組織と協力し、難民やウクライナ人コミュニティとすでに交流のある3つの支援団体と連携していく。

また、UNIはヘルプラインを設置し、必要とされる実用的な情報を提供する予定だ。

最初の取組みの1つとして、難民の権利や手当、適正な給与を含むポーランドのさまざまな種類の雇用契約に関する、ウクライナ語およびロシア語のリーフレットを作成する。

ラファル・トマシアクCOZZ事務局長は、「このプロジェクトは、必要なアドバイスと支援を提供し、難民が仕事を見つけるのを手助けし、搾取の危険にさらされないようにするものだ」とその意義を説明し、「人々ができるだけ早く現場にいけるようにしたい」と意気込んだ。

より長期的な戦略としてUNIは、ポーランド、チェコ、ハンガリーにおいて難民のケア分野への就職を支援する3か年計画を開始する予定だ。このプログラムでは労働者の職探しを支援すると同時に、語学研修も行い、労働者を優良な使用者につないでいく。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「UNIは、ロシア軍によるウクライナ民間人への容赦ない爆撃に慄然としており、一致して即時停戦を要求している。この戦争によって、多くのウクライナ人の住まいや生計が破壊されており、職を得ることは優先課題だ。このプログラムは、ポーランド、チェコ、ハンガリーに逃れた難民に実用的な支援を提供するものだ」と述べた。


米国郵政公社改革法案が可決-郵便労組が貢献

2022年3月8日、20年近くにわたり法改正にむけて組織化を進めてきた全米郵便外勤労組(NALC)および全米郵便内勤労組(APWU)は、郵政公社改革法案の上院可決を祝福した。APWUとNALCは、ともにUNI加盟組織である。

ジョー・バイデン大統領が署名して発効する予定のこの法案は、21世紀における公的な郵便事業の支持者にとって最も重要な法制上の勝利の一つだ。この法案は、米国郵政公社(USPS)に対する厳しい財政要求を解除し、将来の退職者のための公的医療保険への加入を義務付け、週6日の配達を法律で成文化するものである。

マーク・ディモンドシュタインAPWU委員長は、「本法案の可決は、郵便労働者、より広い郵便業界、そして我々が誇りをもって働く地域社会にとって、記念すべき勝利だ」と述べ、「この法律は、250年以上にわたって我々をつないできた国の宝である公的な郵便サービスを強化するものだ」と力を込めた。

フレッド・ローランドNALC委員長は、「この取組みに協力してくれた仲間の郵便労組、郵便業界、郵政経営陣に感謝したい。2006年に施行された退職者医療給付のための不当な積立義務を廃止し、6日間配達の継続を保証するこの法案は、USPSを米国の家庭や企業の進化するニーズに合わせて成長、適応させることができるようにするものだ」と説明した。

この法案改正は、公社にとって毎年何十億ドルもの節約になるだけではなく、USPSが従業員のための質の高い雇用や、ほぼ毎日USPSを利用している何億もの米国人のために高品質のサービスに投資できるようにするものである。

「過去2年間、我々を互いに結びつけ、小切手や医薬品などの必需品を届ける上で、郵便がいかに重要であるかを実感してきた」と語るコーネリア・ベルガーUNI世界郵便・ロジスティクス部会担当局長は、「この法案で、我々は郵便事業と郵便労働者の明るい未来を確かなものにする好機を得た」と述べ、勝利を祝福した。


UNI世界選手会声明:ロシアのウクライナ侵攻に対する世界のスポーツ界の対応について

2022年2月28日、スイス・ニヨン

UNI世界選手会は、ウクライナの国民や選手、各選手会、市民社会、平和を求める世界中の人々と連帯し、ロシアのウクライナ侵攻を明確に非難する。ロシアの行動は、主権国家に対する攻撃であるのみならず、人権、民主主義、法の支配を含む国際社会の基本的価値に対する攻撃でもある。

世界のスポーツ界は、あまりにも長きにわたり、人権と国際的な行動規範を平然と損なうロシアの「スポーツウォッシング」を容認してきた。世界のスポーツ界は今、その大きな影響力を行使し、各国政府や世界の関係機関とともに、制裁を含め可能な限り強力な対応を取らなければならない。世界のスポーツ界が効果のない対応をとれば、世界的な取組みの有効性や連帯が損なわれる恐れがある。

ロシアがオリンピック休戦協定に繰り返し違反している状況を鑑み、特に国際オリンピック委員会(IOC)および国際パラリンピック委員会(IPC)は、即刻、以下の項を実施しなければならない。

・国際的なスポーツ競技会におけるロシアの即時出場停止(特にロシアオリンピック・パラリンピック委員会)。この侵略戦争が終わるまで、遺憾ながら、ロシアのナショナルチームおよび選手を国際的なトーナメントやイベントから排除せざるを得ない。
・ロシアが主催するイベントの即時中止、即時停止。
・制裁の対象となったロシア人、またはそれに近い人物が、国際スポーツ連盟の理事会において指導的地位に就くことを禁じる。

さらに我々は、各スポーツ競技団体に対し、ビジネスの取引関係を見直し、制裁対象となった企業やロシア国家の指導部とつながりのある個人との関係を断つことを求める。

こうした措置は、これ以上スポーツに対する評価が悪者によって損なわれぬよう、世界のスポーツ界のあらゆる関係者が深く熟考し、真摯に責任を果たし、求められている体系的な変化をもたらすものでなければならない。

世界の選手会運動は長年、世界の競技団体が人権に関する拘束力ある取組みを行い、人権デューデリジェンスを引き受け、競技者や影響を受ける人々と有意義に関わり、人権に関わる被害を特定し緩和することを提唱してきたが、これらは、遅すぎた変革への道筋に向けて不可欠な改革だ。

我々は、この恐ろしい戦争を終わらせるためのあらゆる取組みを支援、後押しし、結束し続ける。

UNI世界選手会は、プロスポーツ選手や競技者を組織し、意見を代弁する唯一の国際組織で、60か国以上、100を超える選手会の85,000人もの選手が結集している。その役割は、組織化された選手の意見が、国際スポーツの意思決定機関の最高レベルに届くようにすることである。


オーストラリア金融労組、豪コモンウェルス銀行における男女間賃金格差を非難

UNI加盟組織のオーストラリア金融労組(FSU)が、オーストラリア・コモンウェルス銀行(CBA)に対し、賃金体系の秘密主義をやめ、男女間賃金格差を是正するよう、求めている。男女間の賃金格差により、同行は年間5億オーストラリアドル(3億7000万米ドル)も人件費を節減していると推定される。

「沈黙の代償」と題する報告書のためにFSUが国内で実施した調査によると、CBA従業員の95%が自分の賃金について話してはいけないと考えており、90%が話すと懲戒処分、あるいは解雇のリスクがあると答えている。

この調査は、2021年にCBA従業員が自らの賃金について同僚と話し合ったことを理由に解雇されたことを受けて実施された。同行は現在、職員が賃金について話し合うことを禁止している唯一の大手銀行であり、これによって、同じ業務を担う一部の労働者に、他の労働者よりはるかに低い賃金を支払うことが可能になっている。

また報告書では、CBA従業員の大多数を占める女性は、自らの賃金が低いと感じているものの、賃金や賞与について話し合うことが許されていないため、不満を口にしたり賃金の見直しを求めたりできない状況にあることが分かった。

ジュリア・アングリサノFSU書記長は、「CBAの従業員は、賃金や賞与について互いに話しただけで、いじめや、脅迫、嫌がらせを受け、解雇されると脅されている。銀行によるこのような禁止措置は、男女間の賃金格差を強化しようとするものだ。CBAが問題に気づけない以上、今こそ連邦政府が行動を起こし、これらの機密条項を違法化する時だ」と力説した。

多国籍銀行であるCBAは、約48,000人の労働者を雇用し、世界中に支店を構えている。

アンジェロ・デクリストUNI世界金融部会担当局長は、「CBAの賃金の秘密主義によって恐怖心が植え付けられ、労働者の大半を女性が占める中で男女の賃金格差が助長されている状況は、到底容認できない。労働者には賃金について話し合う権利があり、同一賃金を得る権利もある。国際女性デーのこの日、我々はCBAが女性のために行動し、賃金について透明性を確保するとともに、男女間の賃金格差をきっぱりと是正するよう求める」と語気を強めた。


国際女性デー:職場における女性の健康をサポートしよう

2022年3月8日の国際女性デーに、UNI機会均等局は、職場における女性の健康をサポートするキャンペーンを実施する。

女性や、女性の身体をもって産まれた人々が特に影響を被る健康上の理由によって、毎年何百万人もの人々が、仕事を辞め、あるいは仕事で苦労し、仕事で力を発揮することを阻まれている。

この新しいキャンペーンの目的は、生殖と性の健康、女性の健康(卵巣がん、乳がん)、メンタルヘルス、妊娠や流産などの問題に関して、労働安全衛生政策にジェンダーの視点を取り入れる必要性について、認識を高めることである。

ベロニカ・フェルナンデス・メンデスUNI機会均等局長は、「女性は労働力として不可欠な存在なのに、女性を支える柔軟な政策が職場にあればもっと楽になるはずの健康問題ゆえに、あまりに多くの女性が仕事を離れている。使用者や同僚に健康問題を相談することが難しく、女性は声を上げることなく苦しんでいる。そのような状況は変えなければならない」と指摘した。

英国で行われた最近の調査で分かったのは、更年期障害に対する支援がないために、今年だけで100万人もの女性が仕事を辞めざるを得なくなる可能性があるということだ。また、10人に1人の女性が、痛みを伴う衰弱性の婦人科疾患である子宮内膜症に苦しんでいる。最近のオーストラリアの調査では、この疾患を持つ女性、トランスジェンダー、ノンバイナリー(性自認に男性か女性かという枠組みをあてはめない)の人々の6人に1人が、子宮内膜症が仕事に与える影響を理由に職を失っていることが明らかになった。

また女性は、育児介護において大きな責任を背負っているため、精神的な負担やストレスが増大し、業務を遂行する能力や仕事を継続していく力にまで影響が及んでいる。こうした負担に加えて、COVID-19パンデミックが続いていることで、女性は労働市場から憂慮すべきスピードで離脱している。

またCOVID-19は、多くの個人用保護具が男性の身体に合わせて設計されているため、女性にはサイズが合わず、効果が薄いという問題も浮き彫りにした。また、理容・美容や清掃など女性が多くを占める部門で働く労働者は、化学物質にさらされ、皮膚障害やアレルギーを引き起こすケースもある。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「労働組合は、女性に影響を与える健康問題への認識を高め、女性が仕事を続けられるよう必要な支援を提供する政策を推し進めていくことができる。これは女性にとってだけでなく、使用者にとっても良いことだ」と訴えた。


スウェーデンのUNI加盟組織、職場の監視に関する画期的な調査結果を発表

スウェーデンの商業労働者を代表するUNI加盟組織HANDELSが、職場において増え続ける監視が労働者に与える影響について分析した、画期的な調査結果を発表した。

労働者が職場において品位と尊厳を保てるよう、UNIは監視とその影響について団体協約で取り上げることを呼びかけている。パンデミックの中、あらゆる部門の労働者が監視の強化にさらされているが、とりわけ商業労働者については、目を見張る状況である。

調査によると、小売・卸売業の労働者の94〜97%が、職場で監視されていると答えており、最も多い監視の形態としては、タイムカードの打刻や監視カメラがあげられた。

また調査では、出入口での荷物検査、デジタルロギング、個人売上の計算、覆面調査員、雇用前管理、アルコール・薬物検査、GPSモニタリングに関しても質問がなされた。

リンダ・パルメッツホーファーHANDELS委員長は、「店長による登録がなければ、従業員がトイレを使うのもままならないような仕事は困る」と述べ、「たとえ合法的な措置だとしても、それが適切かどうかは自問自答しなければならない。監視技術は積極的なセキュリティ対策にもなり得る。だが、労働組合や労働者が、導入について協議のプロセスに十分に参加すればの話だ」と指摘した。

スウェーデンでは、職場でどのような種類の監視や個人データの収集が行われるのかを、使用者は従業員に明確に通知しなければならない。それにもかかわらず、回答者の50%以上が、使用者はそれを行っていないとしている。また、使用者は監視の目的とその使用方法について情報を提供しなければならないが、回答者の85%が、なぜ自分が監視されているのか知らないと答えた。

マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長は、「今回の画期的な調査は、商業部門における監視がいかに広範囲かつ強度の高いものであるかを示しているだけでなく、商業労働者が監視について、多くの場合は法規制に反して、適切に知らされていない事実を浮き彫りにしている」と述べ、「調査が示すように、団体交渉は、透明性を確保し、労働者の権利とプライバシーが尊重されるようにする上で重要な役割を果たすことができる」と語った。

世界中の労働者が、企業による監視という、一見するとどこにでもある、おなじみのものと折り合いをつけていく中、労働組合は労働者のプライバシー権が今後も守られるよう、闘っている。


UNI、アラバマで組合結成を求めるアマゾン労働者に連帯

米国初のアマゾン労組の結成に向けた歴史的なキャンペーンを支援するため、アマゾン労働者、労働組合活動家、地域の協力者らが2月末、 世界的な連帯の波に乗って米国アラバマ州ベッセマーに結集した。

労働者を支援するためベッセマーに向かったクリスティ・ホフマンUNI書記長は、「ドイツからオーストラリア、ブラジル、イギリス、そしてインドまで、世界中の目が今、ベッセマーに向けられている」と述べ、「アマゾンがどのように労働者を扱うのかによって、労働者の未来が決まるということを、アラバマ州のベッセマーで組合を結成することができれば、自分たちも組合を結成できるのだということを、世界中の労働者が知っている。皆がベッセマーの労働者を応援している」と激励した。

今後数週間のうちに、ベッセマーのフルフィルメントセンターで働く6,000人以上の労働者が、小売・卸売・百貨店労組(RWDSU)とともに組合を結成するのか否か、この1年で2回目となる投票を行う予定だ。米国では、労働組合が承認されるためには、労働者の過半数が賛成票を投じる必要がある。

アマゾンで働くアイザイア・トーマス氏は、「経営陣が課したノルマや生産性を達成しなければならないので、仕事をこなすためには、感情を切り離さねばならないような気になる。協力して仕事を成し遂げ、互いを思いやる代わりに、あらゆる段階で一つ一つ条件を満たしていかなければならない」と不満を漏らした。

労働者によると、会社側はたて続けに、従業員に対して一方的に反組合教育を受けさせ、反組合コンサルタントを配備して労働者に反対票を投じるよう説得している。だが、労働者は取り込まれているわけではない。ベッセマーのフルフィルメントセンターで働き、キャンペーンを当初から支えてきたジェニファー・ベイツ氏は、「アラバマ州ベッセマーだけでなく、米国全体で、我々が今、動く時だ」と語り、「今こそ立ち上がり、不当な賃金と、不当に扱われてきた尊厳について、声を上げよう」と意気込んだ。

ステージ近くで集会に参加していたのは、タスカルーサ郡の近郊で約11か月前からストライキを実施中の全米炭鉱労組の組合員だ。その一人、ブラクストン氏は、「私はウォーリア・メットのストに参加中の鉱山労働者だが、アマゾンのBHM1で働く従業員でもある。我々が望むのは、尊厳と労働者が尊重されること。安全な職場と、労働に対する公正な報酬は、本来当然のものだ」と語った。

集会にはこの他、リズ・シュラー米国労働総同盟・産別会議(AFL-CIO)会長、アラバマ州労働評議会会長、隣のジョージア州からバスでやってきた多くの労働組合活動家、スチュアート・アペルバウムRWDSU会長、ルーベン・コルティナUNI会長らが登壇した。

シュラーAFL-CIO会長は、「皆さんは、国内だけでなく、世界の注目を集めている。この国で何かが起きている。それを感じますか?国中で労働者が立ち上がっている。このパンデミックで労働者は犠牲を払い、時間外労働をし、エッセンシャルワーカーと言われながら、使い捨てにされてきた」と鼓舞した。

スチュアート・アペルバウムRWDSU会長は、宇宙旅行が大々的に報道されたアマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏を、「享楽にいそしむ甘やかされた宇宙カウボーイ」と批判し、「団結してこそ、労働者は雇用を改善し、生活を安定させ、将来を明るくする力を持つことができる」と述べ、「アマゾンはそれを知っているからこそ、阻止するために必死なのだ」と指摘した。

RWDSUは2月末に、アラバマ州ベッセマーでの組合再選挙の際に不正行為を行ったとして、アマゾンについて不当労働行為の申し立てを行ったばかりだ。RSDWUが同社について不当労働行為を申し立てたのは2回目であり、従業員の団結権を妨害する行為が継続されていることを示すものだ。今回の再選挙は、1回目の選挙において同社が全国労働関係法(NLRA)に照らして好ましくない行為を行った結果であり、全米労働関係委員会(NLRB)は、従業員の自由で公正な選挙に対する権利を妨害するものであったと判断している。これらの申し立ては、自由で公正な選挙を受ける労働者の権利を損ない、抑圧しようとするアマゾンによる絶え間ない試みを浮き彫りにしている。逆境にもかかわらず、BAmazon労組の労働者は、職場における民主的権利が尊重され、アマゾンにその理不尽な行為の責任を負わせるべく、闘いを続けている。

ルーベン・コルティナUNI会長は「私はアルゼンチンから来たが、中南米の兄弟姉妹を代表して今言えることは、BAmazon労働者のおかげで、アラバマ州ベッセマーがどこにあるか、誰もが知るところとなったということだ」と語った。


セイロン銀行労組、HSBCスリランカに団体協約の更新を働きかけ

セイロン銀行労組(CBEU)が、スリランカのHSBC経営陣に対し、2021~2023年の公正かつ公平な団体協約を求めるキャンペーンを展開している。

従来の協定が2021年2月28日に失効する前に、2020年12月の協議開始を求める組合の申し出に対してHSBC経営陣が難色を示し、交渉は困難なスタートを切った。

その後、1年以上にわたり17回の協議を経ても進展が見られず、この問題はスリランカ労働委員会に申し入れられた。2022年2月24日に同委員会による仲裁が行われ、予定されていた労働争議は未然に回避された。2022年3月3日にフォローアップ会議が開催される予定だ。

CBEUは、スリランカで18の国有銀行と民間・外資系銀行で働くすべての従業員を代表する、 同国の銀行業界で最大の組合組織である。HSBCなど一部の銀行を除き、ほとんどの銀行と団体協約を締結してきた。

同労組は最近、HSBCグループ最高経営責任者に書簡を送り、公正な団体協約が締結されるまで、HSBCスリランカが2022年3月に経営陣の賞与や増額した報酬を支払うことを抑制するよう求めた。

また書簡の中で同労組は、HSBCスリランカの経営陣が団体協約に向けた交渉で取り上げるべき項目を一方的に決定したことや、収益の悪化にもかかわらず、一部の上級職員に多額の賞与や手当が支払われたことを指摘した。

また経営陣は、旧来の団体協約が失効するたびに、協約の更新を回避または遅延させながら、従業員との個別の契約を結びたがるという姿勢を見せてきた。同労組は、この積極的な交渉回避と、上級職員に有利で組合に加入している職員に不利な差別的待遇は、組合潰しに等しいと非難している。

ランジャン・セナナヤケCBEU書記長は、「一部の上層部の職員が賞与や多額の昇給を享受しているのに、目標達成に向けて懸命に働いてきた他の職員には何の恩恵もなく、労働者のモチベーションを下げている」と批判した。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長およびジャヤスリ・プリヤラルUNI Apro金融部会担当部長は、CBEUおよびHSBCの職員を全面的に支援すると約束した。また、HSBCスリランカの経営陣に対し、労使双方にとって実りある結論を得るために、誠実に協議に臨むよう、呼びかけた。


UNI機会均等局、LGBTI+の労働者が直面する問題について、報告書を発表

LGBTI+の労働者が仕事で直面する問題や、職場におけるLGBTI+の人々の権利に関する認識について、突破口となる調査報告書(英文)がまとめられ、UNI機会均等局が公開した。

2月中旬にオンラインで2回目が開催された、UNI機会均等局LGBTI+ネットワーク会議(LGBTI+の労働者に対する偏見と闘い、当事者の声を職場で強化すべく、2020年に発足)の中で発表されたこの報告書は、2つのアンケートを基にしている。1つ目は全組合員を、2つ目のアンケートはLGBTI+の当事者である組合員を対象としたものだ。

51か国、120労組の1,300人以上から得た回答を基にした報告書は、多くのLGBTI+の労働者が職場で直面している状況を示すものとなり、組合が職場における偏見や差別と闘う強力な手段であることを強調している。

回答者の多くが、LGBTI+の問題について組合がキャンペーンを実施して教育・訓練し、LGBTI+の人々の職場での権利を明記した条項を団体協約の中に設ける必要性に注目するなど、組合は包摂的な職場を作り、差別との闘いに変化をもたらすことができると考えていることが分かった。一方で、組合が「すべての組合員を真に代表し、LGBTI+の労働者の平等と包摂のために取組む」ことが極めて重要であるとした回答者も多い。

ベロニカ・フェルナンデス・メンデスUNI機会均等局長は、「労働組合は、職場における差別との闘いにおいて主導的な役割を果たしている 」と述べた上で、「我々のLGBTI+ネットワークは、偏見をなくし、すべての労働者にとって安全な職場を作る闘いの中で重要なツールだ」と、その意義を強調した。また、「我々は加盟組織と協力し、LGBTI+の労働者に対するあらゆる形態の暴力や不寛容と闘う取組みを、より一層強化していく」と決意を語った。

今回のLGBTI+ネットワーク会議では、専門家、労働者、学者によるパネルセッションが行われ、はじめに人類学とソーシャルワークが専門のコンセプシオン・ウナヌエ・クエスタ博士が発表したレズボフォビア(レズビアン嫌悪)の話題を中心に、LGBTI+コミュニティ内の差別と多様性の問題について、議論が深められた。

続いて、コロンビアからサンドラ氏が、LGBTI+の労働者を守り差別と闘う中での労働組合の重要性について、力強く当事者として生の声を届けた。

ジェンダーを専門に研究するジェーン・ピリンジャー博士は、LGBTI+の労働者を保護する方法としてILO第190号条約を活用する重要性を強調し、「LGBTI+の労働者がこの条約で保護されるよう、あらゆる人が自らの役割を担っている」と語り、「この条約は包括的で画期的なものであり、労働者のために大きな変化をもたらすことができる」と期待した。

UNIは設立以来、機会均等局を通じて、190号条約と206号勧告の準備と採択に積極的な役割を果たすとともに、UNIの全地域においてILO加盟国が批准できるよう、キャンペーンを展開してきた。他のGUFや ITUC とともに、労働組合が条約や勧告に取組むためのツールを開発している。


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