長時間労働と低賃金に押しつぶされるゲーム開発労働者-世界的な調査で明らかに

UNIが29か国のビデオゲーム労働者を対象に行った新しい調査によると、低賃金(66%)、過剰な労働時間(43%)、不十分な福利厚生(43%)、職場での差別やセクハラ(35%)等の仕事に関する従業員の不満が、職場で組合を結成する意欲の原動力になっていることが確認された。報告書によると、回答者の大部分(79%)が職場における組合結成を支持または強く支持していることがわかった。  

一つ以上の職場問題を訴える回答の中で、最も多く挙げられたのは、低賃金であった(66%)。欧州で働く労働者に目を向けると、この割合はさらに高い(77%)。女性やノンバイナリー(性自認に男性か女性かという枠組みをあてはめない人)の回答者の多くが、職場における性差別が問題であると回答している。職場に問題があるとした女性回答者の半数近く(46%)、ノンバイナリーの回答者の43%が、性差別が問題であると回答した。  

クリスティ・ホフマンUNI書記長は,「この画期的な報告書が明らかにしているのは、ゲーム産業で働くことは多くの労働者にとって不公正で不平等かつ持続不可能なことであり、従業員の不満が繰り返されている世界的な流れだ」と指摘し、「ビデオゲームの開発に携わる労働者が、業界の巨大企業に強力なメッセージを伝えるためにベルリンにやってくる。つまり、今こそ自らの権利のために闘う時であり、組合を結成する、ということだ」と述べた。

この調査報告は、ビデオゲームの開発に携わる世界中の労働者を動員し、労働基準の引上げと、安全な労働時間、労働条件の確保に向けたグローバルキャンペーンに団結させている。20か国のビデオゲーム労組の代表者が6月16~17日にベルリンで会合を開き、成長するデジタルエンターテインメント分野で労働者を組織化し、労働者の力を強化するための国際的な取組みについて議論する予定だ。 

サラ・ステフェンズ全米通信労組(CWA)書記長は、「ビデオゲーム業界の労働者が変化を求めていることに疑いの余地はない。アクティビジョン・ブリザードの例が示すように、労働者が団結して組合を結成して初めて、持続可能な労働者の力を得ることができる」と述べ、「ビデオゲーム業界の労働者は、団結して正しいことのために闘い、業界を変革している」と強調した。

ビデオゲーム産業は、最も急成長しているエンターテインメント業界の一つであり、2028年までに世界全体で5兆ドルに迫る収益を上げると予測されており、これは世界の映画・映像産業の予測収益を上回る数字だ。また、ビデオゲーム企業は巨大な使用者となっており、インドなどの新興ビデオゲーム市場を含め、北米、欧州、アジアで33万人以上の労働者を抱えている。近年、ビデオゲーム産業の労働者は、低賃金、不十分な福利厚生、強制残業やクランチ文化(IT業界やゲーム業界等で締切前に長時間の残業をしたり週末も働いたりすること)の横行、嫌がらせや差別が横行する職場風土など、業界の労働条件に対して声を上げている。  

また、韓国のネクソンやスマイルゲート、スウェーデンのパラドックス・インタラクティブ、フランスのユービーアイソフト・スタジオ、そして最近では米国のアクティビジョン・ブリザードのレイヴン・ソフトウェアなどで、労働者が組合を結成したり、加入したりする動きが出ている。  

この報告書は、労働者や労働組合がビデオゲーム産業の状況とゲーム開発に携わる労働者の経験を理解し、労働条件を改善し労働者の交渉力を強化するための法改正や規制改革の機会を理解するためのツールとして、UNIの委託で作成された。 

報告書の全文はこちら(英文)