UNIと万国郵便連合、多角化、気候変動、ジェンダー平等に関する連携強化に向けた協定を締結

2022年7月6日、UNI と万国郵便連合 (UPU) は、事業の多角化、気候変動、ジェンダー平等の分野における国際郵便部門の持続的発展に向けた協力の強化に向け、新たな協定を調印した。

協定は、UPU加盟国の郵便事業者がサービスを拡大し、環境を保護しながら、質の高い雇用、労働者の権利、労働条件を確保する方法の推進に向けてUNIとUPUが連携していく具体的な方法を定めている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「郵便は必要不可欠な公共財であり、本協定は、その広範囲かつグローバルなインフラを利用して、環境や労働者の権利を保護しながら新たな社会サービスを提供するためのロードマップとなる。エコロジーで、ジェンダー平等を推進し、多様なサービスを提供するグローバルな郵便制度の構築に向け、UPUとの協力関係を深めていくことを期待している。今回署名された協定は、こうした目標を達成するために労働者の参加と代表制が不可欠であることを明確にしている」と語った。

両組織は、手紙や小包の集荷・仕分け・配達にとどまらず、郵便部門のインフラやネットワークを活用し、温室効果ガスを排出しない幅広い新たなサービス・活動を、地域や社会に提供する郵便のビジョンに向けて、共同で取組みを行っていく。また、郵便事業の多角化に伴い、この協定は郵便労働者の円滑な移行を支援し、労働組合代表との社会対話を呼びかけている。

目時政彦UPU国際事務局長は、「デジタル・トランスフォーメーションやサービスの多角化という新たな時代の中で、UNIとの長年のパートナーシップにより、郵便労働者の視点とニーズが考慮に入れられるようになっている。国連の持続可能な開発目標やUPU加盟国の郵便事業者の持続可能性戦略の成功にとって、包摂、多様性、開放性に基づく、あらゆる階層・職種の職員との積極的な対話は不可欠だ」と述べた。

郵便部門におけるジェンダー平等の向上と女性のエンパワーメントに関して、UNIとUPUは協力していく予定であり、UPUは、暴力及びハラスメントに関する2019年のILO第190号条約および第206号勧告にも言及する予定だ。

UPUは、加盟192か国を代表する国連の専門機関であり、郵便部門における国際協力のための主要なフォーラムでもある。UNIは、世界100か国以上の250万人の郵便労働者を代表している。


EUで最低賃金と団体交渉について政治的合意

適切な最低賃金に関する指令の法案について、暫定的な政治合意が成立した。欧州理事会と欧州議会の交渉担当者は6月上旬、このEU法の採択に向けた大きな一歩となる合意を発表した。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は「この法案は、団体交渉の強化に向けたシグナルとなるものだ。EUの目標は、各加盟国において団体交渉によって保護される労働者が全体の80%となるようにすること。これは、多くの加盟国において、団体交渉と労働組合の支援に向けた政府の行動を要求するものであり、まさに欧州全体で労働者が必要としているものだ」と述べ、「これを実現する上で、公的機関には公共調達という非常に有効な手段がある。公共契約を獲得するすべての企業に、労働者との団体協約の締結を義務づけることが必須だ。これこそUNI欧州のキャンペーン『団体協約なくして公共契約なし』が目指すところであり、この指令は、この取組みに弾みをつけるものとなる」と期待した。

団体交渉が適用される労働者の範囲を表すグラフ(下)は、EUと各国が行動を起こすべき時期に来ていることを示している。職場における民主主義は攻撃にさらされ、職場で発言権を持つ労働者の数は過去10年間で劇的に減少した。

レティク同書記長は、「良い賃金と労働条件を確保する最善の方法は、労働者が集団として強い発言力を持つことであるということを、我々は知っている。法律や政策が繁栄を共有するためには、労働者が組合に参加するのを阻害するのではなく、促進しなければならない。EUの法律が、すでに労働者や組合のために機能している各国の団体交渉制度を混乱させるようなことは決して望まない。この指令が各国の団体交渉制度を保護することが極めて重要である。欧州の社会モデルを前進させるため、EUは団体交渉を通じて前進しなければならない」と力説した。

加盟各国において団体交渉によって保護される労働者を全体の80%にするというEUの目標が達成されるためには、多くの国の労使関係に関する政策において、労働者寄りのシフトが必要である。部門別・複数事業主間の交渉は、すでにこの目標を達成している国々の中核をなすものである。労働組合が部門全体の最低条件を団体交渉できるようになれば、労働条件を攻撃することで競合相手を打ち負かそうとする企業を切り捨てるメカニズムが生まれる。

また、この指令はEUの公共調達に関する規則を修正する措置をとるものであることも報告されている。UNI欧州は1年以上にわたり、労働者に団体交渉での発言権を与えない企業が公契約から外れるよう、訴えてきた。100人以上の欧州議会議員が組合の要求を支持し、欧州全土の人々が支持を示すなど、勢いは増している。このキャンペーンを支援する署名は、こちらから。


民主主義を蝕む公共放送への攻撃に対し、フランスで大規模スト

新しく選出されたフランス国民議会の初会期と同じ6月28日、フランス・テレビジョンを含む公共放送の労働者が、公共放送の経済的・政治的独立とフランスの生活、文化、民主主義におけるその役割を守るため、ストライキを実施した。

今回のストは、マクロン大統領が公共放送の受信料(年間139ユーロ)を廃止し、37億ユーロの財源不足を生じさせる公約を掲げたことを受けて行われた。UNIに加盟するCGT、CFDT、FOなどの組合が、フランス・テレビジョン、ラジオ・フランス、フランス・メディヤス・モンド、INA、ARTEなどの公共放送に持続可能な資金を要求するため、フランス議会へデモ行進した。

フランスの労働組合SNRT-CGT Audiovisuelの書記長を務めるウィリアム・モーニエUNI欧州メディア部会議長は、「公共放送は、フランスの視聴覚部門で何万人もの人々を雇用しているだけでなく、独立した制作会社に映画や番組の大部分を委託している。しかし、これは単に雇用や資金の問題ではなく、フランスのメディアの独立性を維持すること、番組の多様性、文化の多様性に関わることだ。公共放送は社会のあらゆる部分に役目を果たしており、そのために我々は闘っているのだ」と訴えた。

フランスで起きていることは、欧州で各国政府が公共放送の予算削減や解体を試みている、より広範にわたる動きの一角に過ぎない。

例えば、ベルギーの3労組は5月末、フランダース地方政府が人気のある公共放送VRTの資金削減計画を発表したことに対し、ストライキを打った。また、英国では、組合が団結してチャンネル4の民営化計画に反対しており、政府も受信料モデルを変更する意向を示しているが、今のところ代替案を出すには至っていない。

フィリッパ・チャイルズ英BECTU委員長は、「BBCの受信料を凍結し、後に廃止することは、雇用、地域経済、そして最終的には英国人が親しんでいるコンテンツに打撃を与え、大幅な縮小を余儀なくされるだろう。チャンネル4の民営化は、英国の盛んな独立プロダクション部門と、英国の視聴者が楽しんでいる、示唆に富んだ境界を押し広げるようなコンテンツに大打撃を与えることになる」と指摘し、「こうした攻撃は文化破壊行為であり、BECTUは公共資産、公共放送が産み出す革新的で創造的なコンテンツと、そこで創出される何万もの雇用に対する攻撃を、決して容易に通過させたりしない」と語気を強めた。

公共放送は、右派政権による攻撃から特に危険にさらされており、ハンガリーやポーランドでは、公共放送は編集の自由の多くを失っている。スロベニアの組合は、右派ポピュリスト政権の下で何年もの予算削減に耐え抜いた後、国営放送RTVでは独立した質の高いジャーナリズムを維持するために闘っている。

ヨハネス・シュトゥディンガーUNI世界メディア部会担当局長は「複数の国で、政府の政策にとって邪魔な存在であると認識されている公共放送の縮小に向けた圧力がかかっている。そして、公共放送の役割を制限するために資金が使われる危険性がある」と述べ、「公共放送を弱体化させることは、すべての人の市民空間を狭めることだ。受信料は、公共放送がコミュニティや文化の多様性を支援し、良質で信頼に足る公平な視点の報道を提供するという使命を果たす上で必要な自由を与えてくれるものであり、ナショナリズムの高まりやフェイクニュースの時代においては特に重要だ」と指摘した。


UNI-LCJ青年ネットワーク会議を初開催

2022年6月29日、UNI-LCJとしては初めての青年ネットワーク会議が開催された。 本会議の目的は、UNI-LCJ第4次アクションプランで掲げられている「国際労働運動で活躍できる人材育成」という目標達成のため、日本の各組織の青年活動担当者が定期的に集まり、青年活動や青年層の課題等について共有を図り、青年役員・青年活動担当者同士のネットワーク強化を図ることである。

UNI-LCJ加盟組織より5組織8人、事務局より4人の計12人が出席した。参加者は次の通り。

情報労連:太田中央執行委員(UNI Apro青年委員)と辻中央執行委員、UAゼンセン:藤原運動推進局員(UNI Apro青年委員)と生井国際局部長、大日本印刷労組:三崎書記次長と鳥飼職場対策推進部長、日放労:松波副中央執行委員長(UNI Apro青年委員会副議長)、JP労組:齋藤中央ユースネットワーク議長(UNI Apro青年委員)、UNI-LCJ事務局:上田事務局長、森川事務局次長、戸田スタッフ、柴山スタッフ

参加者自己紹介の後、各組織における青年層の課題等に関する報告があった。

太田情報労連中央執行委員

UNI Apro青年委員である太田情報労連中央執行委員は、若年層の組合員には2つの課題(①組合活動への参加率の低さ、②組合役員の担い手が少ない)があるとし、「参加率の低さについては、労働組合が何をしているかわからない、堅苦しい、古いなどというイメージがあり、それを払拭するために青年役員組合員企画によるレクリエーション参加の推進や、SNSを使ったタイムリーな情報共有などの工夫した活動をしている。また、単組が独自に若手組合の研修を行って、人脈作りや知識習得の楽しさを体感する取組みなど行っている。」と報告した。

藤原UAゼンセン運動推進局員

同じくUNI Apro青年委員である藤原UAゼンセン運動推進局員は、35歳以下で構成しているヤングリーブスの活動を写真を交えて報告した。「太田中央執行委員と同様、我々も組合参加率の低さは課題である。選挙活動を絡めて、日替わりで設定したテーマを基に学習会などを、コロナ禍で培ったオンラインを活用し、定期的に意見交換会を行っており、好評だ。多方面から参加を募り、組合活動への関心に繋げたい。」と報告した。

三崎大日本印刷労組書記次長

三崎大日本印刷労組書記次長は、労組にとって、中央委員は本部と職場の間をつなぐ重要な位置づけと考えているとし、「委員の行動指針として示した五カ条を2019年10月に作成した。内容は、職場の声を正しく把握する、より良い職場にするために必要なことは何かなど。この五カ条を定めたことの意味は大きく、特に執行部で研修をする際の指針になっている。また今期からは、五カ条をベースに組合活動だけでなく、職場においてリーダーシップを発揮するのに役立つスキル研修を行っている。労使にとって重要な存在となる青年層に対して、労働組合としてマネジメント意識を向上させること、スキル教育を設けることで知見が広がるようにサポートすることは、よりよい職場環境につながることと考えていて、引き続き注力したテーマとして取り組んでいきたい。」と報告した。

齋藤JP労組中央ユースネットワーク議長

UNI Apro青年委員である齋藤JP労組中央ユースネットワーク議長は、「日本郵政グループは労使間で同一労働同一賃金、夏季冬季休暇の格差などの議論を進めているが、経営が厳しい状況にあり、ユースネットワーク世代の生活や雇用にも大きく影響している。全国のユースネットワークを対象とした「ユースマイル」という名のレクリエーション活動を2年に1度開催している。フットサルなどを行い、ネットワーク世代の絆を強めたり学習会を行ったりしている。今後も定期的に開催し、若年層の意見を反映させられるような活発的な組織を目指したい。」と報告した。

松波日放労副中央執行委員長

松波日放労副中央執行委員長は、特に「青年」というくくりでの活動や担当者はおいていないという前提について説明した上で、「若手組合員は、ワークライフバランス、ダイバーシティを重視した制度を求めており、組合でもそうした要求にこたえられるよう交渉に盛込んでいる。今年度は、夏以降新役員体制になるが、組合活動や組合の存在意義をもっと身近に感じてもらえるよう、時間帯ややり方を工夫したセミナーを開催していきたい。」と報告した。

この他、7月にタイ・バンコクで開催されるUNI Apro青年委員会、9月にオンラインで開催されるUNI Apro青年大会の概要について、事務局より説明し、閉会した。会議後には情報交換会を開催し、更なる懇親を図った。


韓国金融産業労組、組合役員の不当解雇を非難

先週、3人の元組合役員が突然解雇されたことを受け、UNIは加盟組織の韓国金融産業労組(KFIU)とともに、いわれなき解雇は組合に対する不当な攻撃であるとして非難した。KFIUは使用者側に対し、解雇通告を直ちに撤回するよう、要求している。

KFIUは、韓国の労使関係の枠組みにおいては、「争議行為」に基づいて解雇を行うことはできないと強調した。

問題となった行為は、今回解雇された3人の職員が2017年に韓国銀行連合会事務所への訪問を主導した件である。金融委員会による公企業の業績給改革導入の強行に抗議し、労使交渉の再開を要求するために行われた訪問だ。残念ながら、そのさなかに衝突があり、その後、3人の職員は起訴され、実刑と執行猶予が言い渡されていた。

だが、同じような事件を繰り返さないために、KFIUと銀行協会は、3人の組合幹部に対して告訴も報復もしないことで合意していた。また銀行協会は、今年5月の時点で、KFIUにいかなる報復も回避することを確約していたほどであり、そうした中で、1か月後の今回、3人の元組合幹部に突然解雇通知が出されたのは衝撃的であった。

保守派のユン・ソクヨル大統領が5月に就任して直後に生じた今回の突然の解雇について、KFIUは韓国の労働組合運動に対する新たな弾圧であるとみて懸念している。

パク・ホンベKFIU委員長は、「これは我々にとって受け入れがたい状況だ。労使の相互協定は、完全に尊重され、適切に実施されなければならない。経営陣が新政権の資本優遇政策に便乗していることを非常に憂慮している。このような偏狭で日和見的な立場は、労使交渉制度を弱体化させ、特に世界的に経済的圧力が高いこの時期に、最終的に高い代償を払うことになるだろう」と使用者側を厳しく批判した。

ジャヤスリ・プリヤラルUNI Apro金融部会担当部長は、こうした状況について懸念を示し、「UNI Aproは全面的に連帯してKFIUの懸念を共有し、経営陣に対してKFIUの3人の職員の解雇を直ちに撤回するよう、要請する」 と述べた。


各国の労働組合、「気候変動と雇用に強い職場づくり」のグローバル・アクションデーに、緊急行動を要求

生活費危機、戦争、ますます壊滅的な異常気象への懸念が高まる中、今こそ気候変動と雇用に強い職場づくりを

6月22日、「気候変動と雇用に強い職場づくり」グローバル・アクションデーにおいて、UNIはITUCおよび世界中の組合とともに、気候変動に関する緊急行動を要求する。

放置すれば地域全体が居住不能となり、暮らしを脅かし、地域社会を破壊することになる、ますます拡大する気候変動に対応すべく、世界は時間との闘いに直面している。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「環境保護と労働者の権利を第一に据えた公正な移行を実現するため、今こそ緊急の気候変動対策が必要だ」と訴え、「労働者と組合は、地球の未来を形作る決定が、この緊急事態に取組むのに十分な持続可能性と強制力を備え、野心的なものであるようにすべく、使用者や政府と共にテーブルにつく必要がある」と主張した。

CEPOWとは、世界中の何千人もの労働者が、環境に配慮した持続可能な事業計画について、使用者と世界最大の対話をすることである。労働者と組合は、安全衛生、雇用確保、排出量の削減、そして次世代のための安心できる未来が最優先課題とすべく、闘っているのである。

グローバル・アクションデーの一環として、UNIはすべての加盟組織に対し、使用者に働きかけ、職場の二酸化炭素排出量を削減し、気候変動と闘う方法について話し合いを始めるよう促している。

シャラン・バロウITUC書記長は、「我々には時間がない。今こそ力を合わせ、直面する問題や、気候変動と雇用に強い職場づくりに取組む時だ。我々の唯一のふるさとである地球を守るためには、協力が必要」と訴えた。

#CEPOWのハッシュタグで、気候変動と雇用に強い職場づくりの取組みが世界中で共有されている。CEPOWキャンペーンの詳細はこちらから。


介護施設の変革に向けた投資家イニシティチブ1年目、変化に向けた基礎を構築

介護施設における労働条件とケアの質の改善に向けた革新的なキャンペーンの開始から1年、「ケア部門の責任ある投資家イニシアティブ(IIRC)」は、2021年3月の開始以来の進捗状況を評価するとともに、今後の改革を展望した。

IIRCに署名した投資家(現在133社、運用資産額3.8兆米ドル)に提供された最新情報の中で、この取組みの創設メンバー(脚注)と、コーディネーターを務めるUNIは、介護部門において基準を引き上げるような実質的な取組みが数多く行われていることに触れた。

開始当初、IIRCは投資先企業に対し、十分な人員配置、団体交渉と組合代表の拡大、安全衛生の改善、生活できる賃金、ケアの質の向上など、パンデミックによって悪化した介護業界の長年の問題に対応する、共通の期待を発表した。

これまでにIIRCは、介護施設を運営する世界最大手のチャートウェル、フレゼニウス、ヒューマナ、コリアン、LNAサンテ、オルペア、シエナ・シニア・リビングの7社において、役員レベルでこれらの期待を高めきた。IIRCは、ウェルタワー、ヴェンタス、ヴォノヴィアなどの介護施設部門で大きな存在感を示している不動産投資信託(REITs)への働きかけも開始している。

さらに、IIRCに署名した機関投資家は、カナダのチャートウェルの株主総会決議により、取締役会レベルで説明責任が果たされるよう、働きかけてきた。また、フランス責任投資フォーラム(FIR)と共同で、約50名の投資家が参加する説明会を開催し、介護部門の危機に対する解決策を議論した。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「IIRCは1年という短い期間で、業界を苦しめる根深く危険な問題に対し、責任ある投資家が取組んでいくための強固な基盤を構築した」としてその成果を強調しつつ、「だが、もっと多くのことをしなければならないのは明らかだ。介護の中心に人間の命と人々を据えるというIIRCの期待に、こうした使用者やREITsが応えていくようにするためには、大規模で複数の利害関係者が関与していくアプローチを、継続的に行うことが必要だ」と訴えた。

脚注) IIRCの創設に関わり署名したのは、BMOグローバル・アセット・マネジメント、コロンビア・ スレッドニードル・インベスツメントの一部、エトス財団、PIRC、シコモア・アセット・マネジメントの各社。


UNI Apro、ベトナムの労働組合との協力関係を強化

UNI Aproの代表団3名が、2022年5月23~27日にベトナムを訪問し、ベトナムの労働組合との協力関係をさらに強化した。

ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長を団長に、アリス・チャンUNI Apro商業部会担当部長および中野英恵UAゼンセン国際局長(UNI Apro執行委員)で構成される代表団は、5月下旬の5日間、ベトナム労働総同盟(VGCL)との共同の取組みに参加するとともに、UNI加盟組織であるベトナム情報通信労組(VNUICW)を訪問、またベトナム銀行労組(VNUBW)との会談を実施した。意見交換や情報交換が行われる等、実り多い訪問となった。

VGCLとの共同セミナーおよび二者会談

代表団は、5月24~25日にかけて開催されたUNI Apro、UAゼンセン、VGCL共催の「ベトナム小売業における労働組合活動の強化」をテーマとする共同セミナーに参加した。

共同セミナーでは、ベトナム商業労組ネットワークを構成する7組合から31名のベトナム人参加者が、インドネシア、マレーシア、シンガポールでの小売・商業労働者の組織化について、オンライン参加したUNI加盟組織から経験を聞いた。また、中野英恵UAゼンセン国際局長が、UAゼンセンの経験を共有し、充実したセミナーとなった。

ベトナムや地域の労働および労働組合に関わる問題についての情報交換を目的としたUNI AproとVGCLの会談では、チャン・タン・ハイVGCL副会長が、UNI Aproからベトナム労働組合への25年以上の長期にわたる協力と効果的な支援に感謝の意を表した。

チャン・タン・ハイVGCL UNI Apro RS Rajendr副会長と会談するアチャリャUNI Apro地域書記長

ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長は、特に成長しているベトナムの市場経済に影響を与えるいくつかの自由貿易協定にベトナムが加盟している中、UNI Aproの連帯とVGCLへのさらなる支援を改めて確認した。

その後、UNI Apro代表団はVGCL組織化局と会談し、VGCLが計画している食品小売業労働者のための全国組合結成に焦点を当てる期間について合意した。

UNI加盟組織ベトナム情報通信労組(VNUICW)との会議

UNI Apro代表団とVNUICW の役員

VGCLとのセミナーや会議の後、代表団はUNI加盟組織であるVNUICWを訪問した。VNUICWは、情報通信産業の労働者8万5000人のうち42.6%を代表している。

会談では、代表団はチュー・ヴァン・ビン委員長と組合員から温かく迎えられ、最新の状況について説明を受けた。UNI Apro女性委員会の共同議長を務めるタン・ティ・ホアVNUICW副委員長は、執行委員の4割以上が女性であることを強調した。同労組では、職場暴力の根絶や機会均等、スキル研修の推進について、重要性を訴える活動を展開している。

代表団はまた、ベトナム郵便会社社長のチャン・ブ・ハVNUICW副委員長からも話を聞いた。郵便事業が、13,000の郵便局にコンビニエンスストア「POSTMART」を開設し、Eコマース市場に進出する予定であり、日本郵便の協力のもとで行われる。

ベトナム銀行労組(VNUBW)との協力関係を模索
代表団は最後にVNUBWと会談し、労働組合活動の最新状況や共通の関心事について話し合った。グエン・ヴァン・タン常任副委員長がVNUBWの戦略的行動計画を共有し、チャン・ホン・トゥアン常任副委員長は2018年の前回大会以降の組合の成果を紹介した。同労組は、外資系銀行を含む銀行・金融機関の17万人の労働者のうち、16万人以上の労働者を見事に組織化してきた。ラジェンドラUNI Apro地域書記長はVNUBWの成功に賛辞を送り、両組織の協力関係が近々より緊密になることに期待を示した。

VNUBWと会談するUNI Apro代表団

自動車販売店には「公正な移行」が求められている

世界の自動車産業が電気自動車の生産に全力で取組む中、その影響は製造に携わる労働者だけでなく、ショールームで働く労働者にも及んでいる。5月31日、UNI世界商業部会は、第2回自動車販売労組ネットワーク会議を開催し、この激変に直面する販売員をいかに守るかが議論の中心となった。

この会議で発表されたUNIの委託調査によると、新しいタイプの販売モデルが出現し、2028年までに新車の3台に1台がセミ電気自動車(EV)またはフルEVになると予想される中、労働者にとってはメリットとデメリットの両方が存在することが示された。
自動車販売業界の10万人以上の労働者を代表する並木泰宗氏(全日本自動車産業労働組合総連合会(JAW)事務局長)は、「、COVID-19の大流行やウクライナの戦争の影響により、業界の労働者は決して容易ではない環境に置かれている。自動車ディーラーには、互いに連帯することで、労働者の雇用と暮らしを守っていくことができる」と述べた。

フォルクスワーゲン、アウディ、メルセデス、BMW、トヨタなどのメーカーは、販売店のマージンを大幅に引き下げるコスト削減戦略として、多くの国で直販/代理店販売モデルを導入しており、自動車メーカーと自動車ディーラーの区別が曖昧になりつつある。

この新しいモデルのディーラーは在庫を管理し、顧客と交渉して価格を設定する独立事業者ではなく、メーカーが固定した価格をコントロールすることなく、販売台数ごとにコミッションを受け取るメーカーの直販代理店である。

さらに、自動車のオンライン販売も増えており、パンデミック以前からテスラは100%オンライン販売への移行を発表、ボルボも2030年までに純粋なオンライン販売モデルを計画している。

これは、顧客との対面販売から、電話やビデオ通話を通じたオンラインによるバーチャルな対応に移行することで、自動車ディーラーの仕事のやり方が大きく変わることを意味する。

イタリアの加盟組合であるFILCAMS/CGIL、FISASCAT/CSIL、UILTUCSは、自動車販売業界の労働者が強い発言力を持ち、組合を通じて再教育、技能向上、配置、職務内容の改革を含む移行条件について交渉できるように、「グリーンサステナビリティは社会責任に軸足を置くべきである」として働きかけを行っている。政府もまた、労働者がこのプロセスから取り残されないようにするための役割を担っていると述べた。

課題と同時に、小さな修理工場では扱えない高額な整備機器を必要とするEVの整備に関しては、自動車ディーラーが請け負うという機会もある。さらに、何千もの民間ディーラーではなく、自動車メーカーに直接雇用されている販売員の組織化は、組合にとって容易になる可能性がある。

職の確保は優先事項であり、マレーシアのプロトンや日本のJAWが示すように、組合は雇用の確保において真の違いをもたらすことができる。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、今後数年間に自動車ディーラーを守ることが極めて重要であると強調し、労働組合の協力を呼びかけた。「自動車産業の転換は労働者を置き去りにしてはならず、経済的利益は労働者に公平に分配されるべきである。このネットワーク会議により、我々は互いに学び合い、組織化や団体交渉を通じて共に前進することができる。」と述べた。


長時間労働と低賃金に押しつぶされるゲーム開発労働者-世界的な調査で明らかに

UNIが29か国のビデオゲーム労働者を対象に行った新しい調査によると、低賃金(66%)、過剰な労働時間(43%)、不十分な福利厚生(43%)、職場での差別やセクハラ(35%)等の仕事に関する従業員の不満が、職場で組合を結成する意欲の原動力になっていることが確認された。報告書によると、回答者の大部分(79%)が職場における組合結成を支持または強く支持していることがわかった。  

一つ以上の職場問題を訴える回答の中で、最も多く挙げられたのは、低賃金であった(66%)。欧州で働く労働者に目を向けると、この割合はさらに高い(77%)。女性やノンバイナリー(性自認に男性か女性かという枠組みをあてはめない人)の回答者の多くが、職場における性差別が問題であると回答している。職場に問題があるとした女性回答者の半数近く(46%)、ノンバイナリーの回答者の43%が、性差別が問題であると回答した。  

クリスティ・ホフマンUNI書記長は,「この画期的な報告書が明らかにしているのは、ゲーム産業で働くことは多くの労働者にとって不公正で不平等かつ持続不可能なことであり、従業員の不満が繰り返されている世界的な流れだ」と指摘し、「ビデオゲームの開発に携わる労働者が、業界の巨大企業に強力なメッセージを伝えるためにベルリンにやってくる。つまり、今こそ自らの権利のために闘う時であり、組合を結成する、ということだ」と述べた。

この調査報告は、ビデオゲームの開発に携わる世界中の労働者を動員し、労働基準の引上げと、安全な労働時間、労働条件の確保に向けたグローバルキャンペーンに団結させている。20か国のビデオゲーム労組の代表者が6月16~17日にベルリンで会合を開き、成長するデジタルエンターテインメント分野で労働者を組織化し、労働者の力を強化するための国際的な取組みについて議論する予定だ。 

サラ・ステフェンズ全米通信労組(CWA)書記長は、「ビデオゲーム業界の労働者が変化を求めていることに疑いの余地はない。アクティビジョン・ブリザードの例が示すように、労働者が団結して組合を結成して初めて、持続可能な労働者の力を得ることができる」と述べ、「ビデオゲーム業界の労働者は、団結して正しいことのために闘い、業界を変革している」と強調した。

ビデオゲーム産業は、最も急成長しているエンターテインメント業界の一つであり、2028年までに世界全体で5兆ドルに迫る収益を上げると予測されており、これは世界の映画・映像産業の予測収益を上回る数字だ。また、ビデオゲーム企業は巨大な使用者となっており、インドなどの新興ビデオゲーム市場を含め、北米、欧州、アジアで33万人以上の労働者を抱えている。近年、ビデオゲーム産業の労働者は、低賃金、不十分な福利厚生、強制残業やクランチ文化(IT業界やゲーム業界等で締切前に長時間の残業をしたり週末も働いたりすること)の横行、嫌がらせや差別が横行する職場風土など、業界の労働条件に対して声を上げている。  

また、韓国のネクソンやスマイルゲート、スウェーデンのパラドックス・インタラクティブ、フランスのユービーアイソフト・スタジオ、そして最近では米国のアクティビジョン・ブリザードのレイヴン・ソフトウェアなどで、労働者が組合を結成したり、加入したりする動きが出ている。  

この報告書は、労働者や労働組合がビデオゲーム産業の状況とゲーム開発に携わる労働者の経験を理解し、労働条件を改善し労働者の交渉力を強化するための法改正や規制改革の機会を理解するためのツールとして、UNIの委託で作成された。 

報告書の全文はこちら(英文)


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