ブログアーカイブ

ブラジルの郵便労組へ連帯支援を

UNIは加盟組織に、9月21日(月)の重要な公判に合わせて開催される国際行動デーに参加することによって、ブラジルの郵便労組を支援するよう要請する。

ブラジルの10万人近くの郵便労働者は、1か月以上にわたりストに入っている。なぜなら、国有郵便会社コレイオスが一方的に、UNI加盟組織である郵便労組FENTECT及びFINDECTとの団体協約を打ち切ったからである。コレイオスは、団体協約から、出産休暇付与、食券付与、特別なニーズのある扶養家族への支援付与等、70の主要な条項を剥奪しようとしている。9月21日、最高労働裁判所で公判が開かれ、団体協約が維持されるかどうかの判断が下されることになっている。従って、UNIは世界中の加盟組織に、下記の方法による、ブラジル郵便労組へ連帯支援を要請する。

  • ポスターを印刷し、写真を撮って、ハシュタグ#EuApoioAGreveDosCorreiosをつけてソーシャルメディアでシェアする。
  • ブラジルの郵便労働者を支援する連帯ビデオメッセージをソーシャルメディアに投稿する。ツイッター及びフェイスブックでは、タグ付け(@uniamericas)をする。
  • 9月21日のフェイスブック生中継に参加する。

郵便労働者の権利を攻撃するのは、ボルソナロ政権が郵便事業を民営化し弱体化させようとするキャンペーンの一部である。

更に、パンデミックの最中、政府は、新型コロナウィルス感染防止対策を講じるという、最も基本的な労働者の要求とニーズにも応えようとしなかった。その怠慢の結果、職場における感染が拡大し、100人以上の郵便労働者が亡くなった。それでもWHO(世界保健機関)が勧告する対策の1つも実施されていない。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「世界的な新型コロナウィルス感染拡大によって、郵便サービスと郵便労働者は社会にとって不可欠であり、彼らを守らなければならないことが証明された。UNIと世界2000万人のメンバーは、ブラジルの加盟組織が苦労して勝ち取った権利を維持し、民営化を阻止する闘いを支援する」と述べた。

コーネリア・ベルガーUNI世界郵便・ロジスティクス部会担当局長は、「“連帯”は私達にとって単なる言葉ではない。最高労働裁判所に、“郵便労働者はより良い待遇を受けるにふさわしい”という明確なメッセージを送りたい。人々が質の高い公的郵便サービスを受ける権利を維持し、それを提供する郵便労働者が家族と共に良い生活を送ることができるよう、権利を維持するために闘っている」と訴えた。

世界90か国、250万人の郵便・ロジスティクス労働者を代表するUNI世界郵便・ロジスティクス部会は、ブラジルの郵便サービスを破壊し民営化しようとする現政権と闘う郵便労組を支援している。


雇用、民主主義、印刷メディアを守る、グローバルユニオン・キャンペーン

雇用を守り、民主主義を守り、印刷メディアを守る:グローバルユニオンが、ジャーナリズムの未来を守るキャンペーンを開始

世界中で2100万人の労働者を代表する2つのグローバルユニオン(国際産業別労働組織)が共同で今日、印刷ジャーナリズムを守るキャンペーンを開始する。

2020年9月21日、国際ジャーナリスト連盟(IFJ)とUNIは、各国政府に対し、印刷メディア産業全体(ジャーナリズム、出版、印刷、流通)への緊急救済措置をとると共に、メディア情報源から広告収入を横取りしてきたアマゾン、グーグル、フェイスブック等の大手テクノロジー企業に対するデジタルサービス税を導入するよう要求することを表明する。

COVID-19危機は、長年にわたるメディア広告収入の減少を加速化させ、今年だけでも収入は20%減少した。減少した収入の大部分は、テクノロジー企業によって吸い上げられてきた。例えば2018年に、グーグルはニュースサイトから470億ドルを稼ぎ出したが、これが記事を書いたジャーナリストに分配されたことはない。

「昨今の世界的な健康危機によって、印刷メディア産業が直面している大きな困難がさらに拡大している」と、アンソニー・ベランガーIFJ書記長は警鐘を鳴らす。「各国政府は緊急に対応すべきだ。この産業は公共の利益であり、民主主義にとって極めて重要な柱だ。政府もそのことを良く理解しているはずだ。実際、COVID-19危機の最中に、政府は必要不可欠な産業であるとした。もはや船が沈むのを高みから静観している場合ではない」と訴えた。

その先にある深刻な経済危機を見据え、労働組合は、各国政府が、質、倫理、連帯、労働の権利、基本的自由のために闘う印刷メディア産業を守り、メディアの雇用を守るため介入することを期待している。

「我々の民主主義の健全性は、権力を持つ人への説明責任を問うことにかかっている。多くの場合、ジャーナリストは、社会的な信認を濫用する政治及び企業の権力にスポットライトを当てる」と、クリスティ・ホフマンUNI書記長は語る。「印刷メディアは、この情報を発信し、ジャーナリズムのオンライン部分を支える上で大きな役割を果たしている。」

行動を起こさなければ、メディア部門の統合と広告収入の減少により、何千ものメディア情報源が閉鎖されるリスクがあり、何十万もの雇用が失われるリスクがある。

IFJとUNIは、「印刷メディア産業の救済及び将来の存続に向けた救済策」と題する、各国政府に宛てた共同アピールを採択した。両組織の加盟組織は、報道メディアへの支持を求めてロビー活動を行う際に、これらの論点を活用していく。

ニコラ・コンスタンティノウUNI世界印刷・パッケージング部会担当局長は、「印刷メディアはソーシャルグッド(社会を良くする事業)である。そして、メディアのサプライチェーンは巨大で、ジャーナリスト、編集者、校正者、印刷業者、デザイナー、カメラマンだけでなく、配達員、郵便労働者、書店等、何百万人もの人々が携わっている」と述べる。

「これらの事業と、そこで働く人々は、大手ハイテク企業による、不当な租税回避から広告収入を盗まれ、不利な立場に置かれている。我々が頼りにしている、ニュースを制作し配布する人々が公正な配分を得られるようにするため、政府に介入するよう求める。」

参考

UNI世界印刷・パッケージング部会(UNI G&P)は80万人以上のメンバーを代表する国際産業別労働組織である。そのメンバーは、新聞、一般印刷、セキュリティ印刷、出版、ティッシュ、パッケージング等、様々な分野で働いている。UNI世界印刷・パッケージング部会は、UNIの一部会である。UNIは、150か国以上の、急速に成長する幅広いサービス産業で働く2000万人余のメンバーの声を代弁する国際組織である。詳細はこちらのリンクから https://www.uniglobalunion.org/

国際ジャーナリスト連盟(IFJ)は、ジャーナリストの世界最大の組織で、140か国以上、187組織、60万人のメディア専門職を代表する。IFJは、どの国であっても、労働者の権利及び専門職としての権利を求めて闘うジャーナリスト及びその組合を支援し、支援を必要とするジャーナリストに人道的支援を提供するための国際安全基金を設立した。詳細はこちらのリンクから https://www.ifj.org/


今日の英雄は明日にはいない:永久に公正な賃金を

本記事は、世界のあらゆる社会分野のOECD専門家やオピニオンリーダーがCOVID-19危機について議論し、今後に向けた方策を考えるシリーズの一部である。我々がこの重要な難題に立ち向かっていけるよう、分野を超えて専門的知見を交換することを目的としている。提起された意見は、必ずしもOECDの見解ではない。原文はこちらから(OECDフォーラムネットワーク、2020年7月21日掲載)

UNI書記長 クリスティ・ホフマン

世界の労働運動のリーダーとして、この数ヶ月間で私は何度も同じことを耳にしてきた。「喜ばしいことに、ついに労働者は本来受けるべき評価を得ている。多くのメディアが労働者の働きを取り上げ、人々は支援の気持ちを示している。」 実際、メディアはパンデミックの間に来る日も来る日も、「日々の英雄」は見過ごされ正当に評価されてこなかったと報じてきた。

日々の英雄とは、我々の地域社会に食料が行き届くようにしている食料品店の従業員のことであり、病人や障がい者、高齢者に不可欠な支援を行っているケアワーカーのことであり、病院やバス、公園や街頭が安全で清潔であるよう尽くしている清掃ならびに警備労働者のことだ。

そのほとんどが女性であり、人口に占める割合に比べて極端に多い人種的・民族的マイノリティの人々が、個人用防護具も支給されない中、こうした仕事に従事している。多くの場合、有給の病気休暇がないからである。仕事をするため、自分自身と家族を危険に曝しているのだ。毎年出される『OECD雇用アウトルック』も、女性やマイノリティ、低賃金労働者の働きによって、社会がコロナ危機を乗り切ろうとしていることを認識し、次のように述べている。「リモートでは提供できない必要不可欠なサービスに従事するいわゆる『最前線の労働者』は、低賃金であることが多い。」

だが、こうした労働者に対する世間の認識が高まった一方で、こうした低賃金の仕事の基準を押し上げるべく実質的な取組みがなされているのか、疑問である。実際には、パンデミック中、労働者を雇用し続けるために、わずかばかりの「ボーナス」の支払いすら使用者が撤回しているため、多くの労働者の賃金はむしろ下落しそうである。

雇用危機に直面して:『OECD雇用アウトルック』からわかる重要な点

例えば米国では、Kroger 、Whole FoodsやTrader Joe’sなどの40以上の小売チェーンが「英雄賃金」の支払を終了すると発表している。英国の大手スーパーマーケットチェーンのTescoは、国内のCOVID-19感染者が増加し続ける中、5月30日で10%の感謝手当を打ち切った。ドイツに本社を持つAldiの特別賃金は4月末で終了したが、コロナの危険は今も高まっている。

これは想像を絶する冷酷な仕打ちである。感染の危険がなくなったわけではないことは明らかであり、実際、食料品店の従業員の緊張感は高まり、彼らの受ける嫌がらせは増加しているのだ。従業員は、顧客に対してマスク着用を呼びかけることを求められているからだ。

だが、英雄賃金への注目は、もっと大きな点を見落としている。命取りのパンデミック中に業務の重要性を証明した労働者は、危機迫る間だけではなく、恒久的に公正な賃金を受け取るべきなのだ。

スーパーマーケットの一時的な「英雄手当」は、労働者と家族が安心して暮らせる賃金の代わりにはならない。世界中の労働組合がさらなる賃金を要求しているのは、このためだ。英国のUSDAW、カナダのUNIFOR、オーストラリアのSDA、米国のUFCWといった労働組合は皆、食品小売労働者の賃金引上げを求めるキャンペーンを展開している。ドイツのIG BAUは清掃労働者の賃金引上げを要求しており、米国のSEIU やペルーのSITOBURも同様である。アルゼンチンではSindicato de Salud Pública de la Provincia de Buenos Airesがケアワーカーの雇用と賃金確保を求めて闘い、勝利した。同様に、多くのケアに関わる組合がグローバルなキャンペーンに向けて準備を行っている。

こうした闘いは、エッセンシャルワーカーの必要不可欠な権利の確立に向けた一連の要求をめぐる、グローバルな動きの一環である。不可欠な権利とは、団体交渉の拡大、尊厳ある賃金、安全な仕事、そして特に米国と英国では有給の病気休暇のことである。

経済が良質な雇用をかつてなく必要としているこの時期に、必要不可欠な仕事を公正に評価することで、何百万もの人々が貧困から抜け出すことができるだろう。最前線の労働者を保護しながら、地域を守ることができるだろう。そして力と富の均衡を、一握りの者から大多数へとシフトする力になるだろう。

近年絶え間なく繰り返されてきた不平等の事実を我々は知っている。過去30年間、世界経済に占める労働者の割合は減少し、その理由の少なくとも半分は団体交渉の減少である。富の不均衡は、現代社会がかつて経験したことのないレベルにまで達している。世界で最も裕福な国、米国における「ワーキングプア」の数は爆発的に増加し、10世帯に1世帯以上が該当する。そして不安定雇用の増加により、その数は世界中でいっそう悪化している。

そうして我々の社会は、実質賃金が何十年も横ばいで、ラリー・サマーズのような著名な経済学者も、公正な条件を作り出すためにはもっと多くの労働組合が必要だと主張するに至った。改訂版「OECD雇用戦略」では、弾力的な労働市場を作り出し、不平等と闘う上での団体交渉の中心的役割が認識されている。昨年OECDは、強力な組合と調整された団体交渉は、ソーシャル・グッド(社会を良くするもの)であり、民主主義と社会の結束のために必要であるとの認識を明確にした。またコロナ危機の最中にOECDは、パンデミックにより露呈した問題の長期的解決策として、長期介護部門でのさらなる団体交渉を求めている。「雇用アウトルック2020」においても、社会パートナー、つまり労働組合と使用者団体が危機の間に果たす中心的役割を評価している。

我々は今、歴史的に類い稀な瞬間を生きている。未来を変える真の選択と不平等に関する取組みを行うには、良い機会だ。エッセンシャルワーカーの多くが、社会で最低の賃金しか得ていない。多くの場合は有給で病気休暇を取れず、国によっては適切な医療さえ受けられない状況だ。我々はこれまでの道を歩み続けたいのか?

スイスで保健庁を管轄するアラン・ベルセ内務大臣も最近、次のように問いかけている。「我々は、今回コロナ危機を経て明らかになったエッセンシャルワーカーへの酷い扱いを是正していく政治的意思を持つのか?それとも、『システム上、重要な』職業の人々に対する敬意を、安っぽい美辞麗句へとこっそり転じてしまうのか?」

エッセンシャルワーカーは、もっと多くを得て良いはずだ。彼らに必要なのは、感謝のしるし以上に、彼らの仕事を評価し、何が必要不可欠であるかを見極める我々の経済が変化していくことだ。グローバルに今、このことを考える時だ。

仕事をどのように評価するのか、リセットボタンを押すのは今だ。


世界選手会、イランのレスリング選手の死刑執行に深い悲しみと怒り

世界選手会は、9月13日、イランのレスリング選手、ナビド・アフカリ氏の死刑が執行されたとの報に大きな衝撃を受け、哀悼の意を表する。

ナビド選手は、拷問により、2018年の反政府デモの際、警備員を刺殺したとの虚偽の自白をさせられた末に死刑宣告を受けていた。

イラン政権からすれば、彼は平和的な反政府デモに参加しただけの罪だった。

世界選手会のブレンダン・シュワブ部長は、「ナビド選手への衝撃的な不正義に対し、世界中のスポーツ界の、勇気ある人権擁護者から大きな支援が次々と寄せられた。にもかかわらず、イラン政権によって彼の命は奪われてしまった」と悲痛な面持ちで述べた。

「ナビド選手は、アスリートとして成功を収め、人気があったために標的にされた。このような残忍な行為は、民衆を恐怖に陥れ、反対意見を持つ者を黙らせるための見せしめとして行われた。我々は彼のことを決して忘れずに、今こそ、他の人が二度とこのような運命に苦しむことのないよう結束していかなければならない」と決意をあらたにした。

そして、ナビド選手の正義を訴え続けた全ての人々、とりわけ、サリー・ロバーツをはじめとするレスリング界や世界中の人権団体に心から感謝した。 シュワブ部長は、「ナビド選手の死を無駄にしないようにしなければならない。これからもアスリートの権利のために闘い続ける。世界のスポーツ界は、人権を濫用する者に最高基準の説明責任を取らせるようにしていく」と力を込め、「ナビド選手の名において、しなければならないことはたくさんあるが、今日は、取り戻すことのできない彼の死に打ちひしがれる遺族や友人の心に寄り添いたい」と語った。


UNI Apro印刷・パッケージング部会、コロナ後の戦略を議論

UNI Apro印刷・パッケージング部会は、5月28日の第1回オンライン会議に続き、9月7日に第2回オンライン会議を開催した。

ロレイン・キャシン議長(オーストラリア)をはじめ、日本、インド、タイ、ネパール、インドネシア、マレーシア、UNI本部、UNI Aproから18人が参加した。日本からは、梅原副議長(全印刷)、佐藤委員(印刷労連)、オブ等が出席した。

前回は主に、コロナ禍における事業・労働者への影響と労使の対応について共有したが、今回は最新情報に加え、コロナ後を見据えた戦略についても触れられた。

オーストラリアでは、労働時間が短縮され政府補助金に依存する労働者がいる。超過勤務をしても手当を支払われない非正規労働者もいる。組合として、コロナ禍を理由に既存の協約や労働条件を改悪しようとする使用者に反対したり、補助金給付の延長やゼロ金利融資等を政府に要求したりしている。

日本の民間印刷産業では、オリ・パラをはじめ各種イベント等の中止や自粛が続き、生産・収益面で影響を受けた。印刷物の需要増が見込めないことから厳しい状況が続くと予想され、会社業績悪化や雇用への影響が懸念される。在宅勤務ができない工場勤務者からは不公平だという声も聞かれ、エッセンシャルワーカーとして社会基盤を支える役割を丁寧に説明すると共に、感謝の言葉を伝える等、精神的なフォローを行った。一方、ホワイトカラー労働者の働き方は、テレワークやオンライン会議が一層浸透することが予想され、上司・部下、同僚との意思疎通や精神面のケア等、ニューノーマルな働き方に伴う課題に労使で対応していく。印刷局は、日本銀行券、旅券、官報等の製造・納入に支障のない範囲で、在宅勤務等により出勤率7割削減を目標に対応し、組合活動の多くは中止や延期となった。コロナ禍でデジタル化が加速し、各国通貨もデジタル化に向けた研究が盛んになっており、第4次産業革命による社会の変貌に印刷局が的確に順応していくことを課題と捉えている。

インドでは、コロナ禍で新聞発行部数及び広告収入の減少傾向が加速した。多くの経営者がコロナ禍を口実に、従業員削減、賃金削減、無給自宅待機を強要し、労働者は失業を恐れている。組合は問題が発生したら法的措置を取るよう指導している。政労使三者委員会の設置を進めており、労働者に不利にならないよう監視し、経営側に改善を求めていく。

ネパールでは、2度のロックダウンで、印刷業界の9割が一部営業または休業状態である。今後印刷産業の35~50%が減少すると予想され、既に組合員200人を失った。組合として感染予防啓発に努め、労使で個人用防護具を配布した他、仕事がなく生活が苦しい人への救済品支給、ストレス管理のオンライン研修等を実施した。政府に対して、前線で働く労働者への奨励金支給、強制医療保険の導入を要求している。ネパールでは、雇用、賃金が優先され、設置が義務付けられている安全衛生委員会が殆ど設置されていないことも課題である。

タイの印刷大手、アムコール、キンバリークラーク、SIGの労使は、コロナ危機の間も、出勤前検温、マスク着用義務、手洗い励行を徹底し、感染者を出さずうまく対応している。

インドネシアでも、印刷・パッケージング産業は不可欠産業とされ、工場は時短または通常稼働を継続している。アムコールでは労使でしっかり対応しており、感染者は出ておらず、雇用、賃金は守られている。しかし国全体としては感染者19万人とまだ増えており、ロックダウンは解除されていない。

マレーシアでは、移動制限令の間も、オンラインでオルグや組合の能力構築活動を継続しており、7月に移動制限令が解除されてから、8月には労働協約の対面研修を行った。印刷・パッケージング各社労組がUNIパックマレーシアという労連を結成し、UNIへ加盟する。労働慣行や組合活動がコロナ禍で大きく変わった。ニューノーマルを受入れるのは容易ではないが、政労使が協力して受入れていかねばならない。労働者へはどうリスク対処すべきか啓発していく。

また、タイ、インドネシア、マレーシア、インドでは、印刷・パッケージング部門の組織化及び労組の能力強化のプロジェクトを計画していた。コロナ禍を受けての計画変更と、今後の見通しについて共有した。


世界選手会、イランに、著名なレスリング選手の命を救うよう要求

世界選手会は、イラン司法当局に、同国の著名なレスリング選手ナビド・アフカリ氏の明日の死刑執行を直ちに停止するよう要求する。

ナビド選手(27歳)は、2018年の反政府抗議デモの間に起きた治安部隊の殺害に関して、拷問を受け、虚偽の自白をさせられた末、2度死刑宣告を受けた。

ナビド選手は、その年、イランの景気悪化と政治的弾圧に反対して自然発生したデモに参加した何千人ものイラン市民の1人に過ぎなかった。

しかし彼は、人気がある著名なアスリートを見せしめとして、平和的な抗議に参加する人権を敢えて行使しようとする他の人々を脅迫することを意図したイラン当局によって不当に標的とされた。

アスリートは決して、政府によって、市民を怖がらせ操るための政治的人質として使われてはならない。スポーツ界全体で、イランにナビド選手の死刑判決を覆し、起訴を取り下げ、警察及び司法当局に身柄を拘束されている間に受けた虐待を調査するよう、団結して要求しなければならない。

世界選手会のブレンダン・シュワブ部長は次のように訴えた。「ナビド選手は、スポーツ選手で成功を収めたから、選び抜かれ、拷問され、死刑を宣告されたのだ。アスリートを処刑するという恐ろしい行為は、スポーツの基盤である人道的価値を否定することに他ならない。普遍的なスポーツコミュニティの一員としての権利を、イランは失うことになるはずだ。」

ナビド選手の死刑執行は9月9日とされ、国際オリンピック委員会(IOC)理事会は、その日に召集されることになっている。「国際スポーツの最高権威として、IOCはその影響力を利用して、イランに人権と人道的価値観に関するIOCの国際基準を守るよう要求することが不可欠だ。さもなくば、オリンピック運動の一員から除外されるリスクを負うかもしれない、と。世界レスリング連合や、FIFA(国際サッカー連盟)等、他のスポーツ連盟も同様にイランに影響力を持っている。だからナビド選手を守る義務がある」と強調した。

元プロサッカー選手で、アムネスティの大使を務めるクレイグ・フォスターは、バーレーン出身で亡命を希望したサッカー選手ハキーム・アルアライビが虚偽の刑事責任によりバーレーンに送還されないよう、命を救う国際キャンペーンを2019年に展開した時の中心人物だ。「国際スポーツコミュニティの一員には基本的な義務がある。人権を行使したアスリートを拷問にかけ処刑することは、人間性の原則と一致すると言われるスポーツの原則を甚だしく違反することに等しい。イランに対し直ちに、“アスリートの社会的地位とコミュニティの信頼は政治的手段として使われてはならない、いかなる状況の下でも乱用されてはならない、国際スポーツ界に参加するための基本的要件は関係者全員の人権を擁護することだ”という明確なメッセージを送り、国際スポーツ界からの除外を脅すべきだ」と語気を強めた。

#SaveNavidAfkari(#ナビドアフカリを救え)キャンペーンを支持しよう。オンライン署名はこちらのリンクから http://chng.it/szj5zyfPj9 


アルゴリズム管理ツールを倫理的に使うよう団体交渉で要求すべきだ

世界150か国、2000万人のサービス産業労働者を代表するUNIは9月1日、アルゴリズム管理がどのように仕事に使われるべきか、労働者の意見を聞くよう要求するキャンペーンを開始した。

UNI専門職・監督職委員会(P&M)は、世界中の職場において使用が増えつつあるこれらのツールが、倫理的に使われるよう要求する加盟組織の団体交渉を支援していく。

アルゴリズム管理は、単純なソフトウェアで従業員の労働時間を追跡したり履歴書をキーワード解析したりすることから、機械学習やその他の人工知能を活用した、店内の顧客の足取り予測や、シフトパターンの割り振り、労働者への任務の割り振り、誰を採用し昇進させ配転すべきかを決める、もっと複雑なツールに至るまで幅広く使われる。これらは集積された莫大なデータに基づいている。

「アルゴリズムを利用したツールで効率性を改善することはできるが、甚大なリスクも課されることになる。特に、監視が強化され、データが収集され、仕事から人間性が奪われ、 職場の差別が悪化する恐れがある」と、クリスティ・ホフマンUNI書記長は述べた。「COVID-19のパンデミックの間、遠隔勤務が急増し、使用者はスタッフを監視するためこれらのツールの使用を加速した。組合は、アルゴリズムが使われる際には、労働者との交渉を経て、透明性をもって、差別することなく使われるように働きかけなければならない。」

アルゴリズム管理は、採用、業績管理、様々な状況における日々の職場の意思決定等に、最もよく使われている。例えば、アマゾンの倉庫労働者が装着する触感フィードバックデバイスは、品物をより効率的に取れるよう、振動で腕を正しい棚へ導くものだが、この種の過剰な効率性は労働者に極度のストレスを与える。常にプレッシャーを感じ、人間の自主性が奪われる。自分の手足の動きや、どの大きさの箱を選ぶか、封をするのにどのくらいの長さのテープを切ればいいかを決めることすら信用されていないと感じ、自分が単なる機械のように思えてくる。

コールセンター経営者は、アルゴリズムツールを使って、従業員が顧客に積極的な態度を取り続けるよう、言葉遣いや声の調子を監視する。例えば、CogitoやVoci等のプログラムは、音声分析AIを使い、労働者に、早口でしゃべり過ぎるとか、疲れたような声をしているとか、共感力が足りないとか、リアルタイムでフィードバックを与える。労働者は、各々について収集された大量のデータに加え、これらのプログラムによって仕事上のストレスが倍加すると不満を述べている。あたかもアルゴリズムツールに、労働者はどのような感情を持つべきかまで命令されているようだ。

更に悪いことに、この種のプログラムは、女性、地方訛りのある従業員、少数派の人種・民族の言葉や表現を誤解する傾向が強いと、労働者は報告している。アルゴリズムに組み込まれた偏見によって、彼らの成績は不正に評価されることが多く、人間の管理者によって修正されることができない。

「アルゴリズムによって決定がなされたからといって、使用者は結果への責任と関係がなくなるというわけではない」と、アレックス・ホグバックUNI専門職・監督職委員会担当局長は主張する。「どのような新しい技術であっても、我々はこれらのツールができるだけ公平に使われるようにしようとしている。そうすれば、労使双方に利があるからだ。」

UNIは、アルゴリズムが適切に設計され実行されれば、人的資源における偏見を減らすのに役立つだろうと指摘する。例えば、採用担当マネジャーの偏見は意思決定に情報を提供すると研究では示されている。その一例が、ある米国の実験で、黒人らしい名前の求職者は、アングロサクソンの名前を持つ似たような履歴書の求職者に比べ、50%少ない面接の申し出を受けたと示されたことだ。よく考慮されたアルゴリズムのアプローチなら、面接プロセス全体の偏見を減らし、差別を受けるかもしれない候補者に、より公平な機会を与えるのに役立つはずだ。 UNIは、組合が使用者との「アルゴリズム使用協定」交渉に目標設定すべきだと確信している。その協定とは、アルゴリズム管理の倫理的な使用に関する主要な要求を含むものである。例えば、どのようなツールが使われているかを知る権利、どのようなデータがなぜ収集されているかの情報、これらのツールを通じて労働者に関して集められたデータにアクセスする権利等である。更にUNIは、これらのツールを人間が指揮するアプローチと、差別のない結果を確保するための監査を主張する。要求のリストと、交渉のガイドライン(英語)を参考にしてほしい。


ポストCOVID-19戦略計画: 金融労働者の社会的役割を発揮し、危機をチャンスに

UNI世界金融部会は、2019年10月にスペイン・トレモリーノスで第5回世界金融部会大会を開催し、「強力な労働組合」をスローガンに、4年間の活動方針を議論した。しかし、その後に起きた新型コロナウィルス(以下COVID-19 )の世界的感染拡大により、金融労働者を取り巻く環境は一変し、方針を改めて精査する必要が生じた。パンデミック収束の見通しが立たない中、8月25日にシンガポールで予定されていた大会後初めてのUNI世界金融部会委員会がオンラインで開催された。世界金融部会議長、担当局長、4地域から選出された副議長に加え、前回大会で指名された各地域委員ら約40人が出席し、未曾有のCOVID-19危機において金融労働者が果たした社会的役割を振り返り、UNI世界金融部会が目指すべき新たな方向性について議論し、ポストCOVID-19 の活動方針を確認した。UNI Apro金融部会からは境田道正議長(損保労連中央執行委員長)、ジュリア・サングリアノ副議長に加え、日本(全信連、全労金)、韓国、スリランカ、ネパールの委員がオブザーバー参加した。

冒頭、参加者は、リタ・ベルロファUNI世界金融部会議長の「感染リスクのある中、最前線で働いてきた世界の金融部門労働者を称えよう」との呼びかけに応え、全員で拍手し、その勇気ある貢献を称えた。続いて連帯挨拶を行ったクリスティ・ホフマンUNI書記長は、「COVID-19危機によって労働組合は、労働者の生活に大きな違いをもたらす存在として認識されるようになった。組織化を進め、団体交渉を強化していくことがいかに重要かを証明するチャンスだ。オールドノーマルに戻るのではなく、共にビルド・バック・ベター(創造的復興)を目指そう」と力強く呼びかけた。

委員会はまず、第5回UNI世界金融部会大会で「デジタル化」に関して多言語意見集約オンラインツールThought Exchangeを利用して行われた意見交換の詳細な分析結果の報告を受けた。続いて、ポストCOVID-19に関する4つのテーマ:「金融機関が未来に果たす役割」、「団体交渉と社会対話」、「リモートワーク」、「労働組合の対応」について各国参加者の報告を受け、社会において金融部門が果たすべき役割と重要性、新しい働き方に対応する労働者をサポートするために労働組合が取り組むべきこと、可能性等を中心に、前向きな議論が行われた。

「労働組合の対応」のセッションでは、UNI Apro金融部会を代表して登壇したジュリア・サングリアノUNI Apro金融部会副議長(FSU、オーストラリア)がコロナ禍での運動の成果を紹介し、危機をチャンスと捉え、積極的に運動を進めることが重要だと訴えた。例えば、初期の感染拡大時に最前線で働く組合員の労働安全衛生の確保に尽力した結果、組合員の新規加入が急増した。また、100以上の支店の一時閉鎖や従業員の異動を突然通告してきたコモンウェルス銀行に対し、即座に労働形態や賃金について説明を求め、特別手当を要求し、500人以上の賃上げに成功した。更に、コロナ禍でコールセンター業務が急増する中、その重要性が見直され、これまでオフショアリング(海外委託)に頼っていたコールセンター業務を国内に戻そうというキャンペーンを展開し、ウェストパック・グループでは1000人の雇用が復活した。

最後に、日本をはじめ、加盟組織からの情報提供に基づき作成されたUNI世界金融部会ポストCOVID19戦略と活動計画(案)が提案された。境田UNI Apro金融部会議長は、活動戦略および計画案への全面的な支持を表明し、「今後の活動を進める上で2つ重要なポイントがある。1つは、リモートワークにより働き方が大きく変わる点。2つ目は、ビジネスモデルが対面からリモートへと変わる点。1点目については、UNI金融部会によるガイドラインの策定に大きく期待している。雇用、労働条件、費用面等について、メリット・デメリットを整理し、労働者がメリットをしっかり享受できるようにすべきだ。Aproとしてもできる限り貢献したい。2点目については、フィンテックによるリモートでのサービス提供により、どのようにビジネスモデルが変わるのかに関して、調査研究のタイムリーな共有をして頂けるとありがたい。」と述べた。

こうした意見を踏まえ、委員会は提案を承認し、今後各地域において具体的な地域の状況やニーズに合わせた議論が行われ、本部へフィードバックされることが確認された。また、アンジェロ・デクリストUNI金融部会担当局長からは、9月28日にUNI金融部会主催ウェビナーを大々的に開催すること、更にその講演者として2001年にノーベル経済学賞を受賞した著名な経済学者で米国・コロンビア大学教授のジョセフ・スティグリッツ氏を迎えることが発表された。詳細については後日案内される予定で、加盟組織に留まらない積極的な参加が呼びかけられた。


世界の金融労組リーダー、ポストCOVID-19の金融サービスについて意見交換

UNI世界金融部会は年に1度、議長・副議長会議を開催し、前年度の活動を振り返り、当年度の活動を計画している。本年はUNI世界金融部会委員会と合わせ、アジア(シンガポール)で開催する予定だったが、感染状況収束の見通しが立たず、8月24日、25日に両会議ともオンラインで開催された。2020年春に始まった新型コロナウィルス(以下COVID-19 )の世界的な感染拡大により金融労働者を取り巻く環境が一変したことから、前年にUNI世界金融部会大会で採択した活動方針を見直し、ポストCOVID-19の戦略を立て直すことがUNI世界金融部会委員会の焦点となった。委員会での公式な議論の前に、コロナ後にUNI世界金融部会が目指すべき新しい方向性について、議長・副議長が4つのテーマで意見交換を行った。議長・副議長会議は、今年からジェンダーバランスを考慮し、各地域1人ずつ女性副議長が加わった。UNI Apro金融部会からは、境田道正議長(損保労連中央執行委員長)とジュリア・サングリアノ副議長(オーストラリアFSU書記長)が正式メンバーとして、ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長、ジャヤスリ・プリヤラルUNI Apro金融部会担当部長、森川容子UNI-LCJ事務局次長がオブザーバーとして出席した。

  1. COVID-19危機の教訓と課題、デジタル化による恩恵 

マイケル・ブドルフセンUNI欧州金融部会議長がデンマークの金融部門労働者のストレスと在宅勤務の相関関係に関する調査について報告した。労働者自身が自分のライフスタイルに合わせて柔軟に時間管理でき、場所を選ばずに仕事ができるという在宅勤務のメリットは大きく、10年間様々な対策を取っても減らすことが難しかったストレス値が半減するという劇的な改善が見られた。ブドルフセンUNI欧州金融部会議長は、「今後も引き続き調査を続け、これが一過性の現象なのかどうかを見極めたい。使用者が在宅勤務か出勤かを一方的に決めて押し付けるのではなく、労働者自身が自分に合った多様な働き方を選べるようにサポートすることが重要だ」と強調した。他地域からは、在宅勤務の環境やコストが労働者の負担になっているといった問題点や、在宅勤務者の組織化をどのようにすべきかが課題といったコメントがあった。

  1. 社会・経済成長への金融サービスの貢献 

オインカン・オラサニョエUNIアフリカ金融部会副議長は、金融サービスが社会・経済の発展にどのように貢献しているかについて、アフリカの状況を中心に報告した。COVID-19 危機において、多くの金融労働者がエッセンシャルワーカーとして業務を続け、企業や個人に対して積極的に融資等のサービスの提供を行ってきた。持続可能な成長のためにも、金融サービスは社会・経済の成長を支えるインフラとして非常に重要だ、と強調した。

  1. ジェンダーの観点から見たCOVID-19の影響

パトリシア・サラザール・パラUNI米州金融部会副議長は、カリブ海地域における金融部門の女性労働者を中心に報告した。ロックダウンにより、女性は自宅で仕事をしながら家事・育児との両立が求められた。更に、家庭内感染や家庭内暴力の問題もあり、女性のストレスは増大している。既存のジェンダー格差が更に悪化した結果となっており、労働組合はこれまで以上に格差是正に取り組んでいかねばならない、と訴えた。

  1. 気候変動を抑制するグリーンファイナンスの取組みと環境災害の課題

境田道正UNI Apro金融部会議長は、気候変動に伴い世界的に自然災害が多発している状況に触れ、環境に配慮した投資促進等のグリーンファイナンスの推進によって気候変動リスクの軽減を図ることは、社会経済のみならず金融の安定化につながる、とその重要性を指摘した。具体的には、UNI世界金融部会として「NGFS(気候変動リスク等に係る中央銀行・金融当局ネットワーク)」との連携を図るべきだと提言した。更に、UNI Aproが推進するスマートパートナーシップの考え方に基づき、政労使が建設的な対話を通じてこの課題に取り組むべきであると主張した。

ブドルフセンUNI欧州金融部会議長は、「UNI欧州金融部会として本提案を全面的に支持する。UNI欧州金融部会は、正に、UNEP(国連環境計画)や欧州委員会など異なるステイクホルダーと連携し、持続可能な金融を構築するため、アクションを展開している。機関投資家はグリーンな投資が単に利益を生み出すものとしてしか認識していないが、労働組合はそれが持続可能なものになるようアクションを起こし、社会的責任を果たさなくてはならない」と強く支持を表明した。

閉会にあたり、デクリストUNI世界金融部会担当局長は、本会議が元々はシンガポールで開催されるはずだったことに留意し、COVID-19 収束後初めての会議は、是非シンガポールで開催したいと約束した。また、従業員の解雇が起きているブラジル・サンタンデール銀行労働者を支援する連帯キャンペーンへの加盟組織の協力に感謝した。更に、危機が長引く中、同様の解雇や賃金削減等が今後各国金融部門で起きる可能性があると指摘し、交渉力のある「強い労働組合」による、社会への発信力と国際連帯が益々重要だと強調して、加盟組織の更なる協力と結束を呼び掛けた。


香港やフィリピンから、民主主義への弾圧に悲痛な叫び

第7回UNI Aproメディア部会委員会は、2020年8月28日、オンラインで開催された。中村UNI Aproメディア部会委員会議長は、開会に先立ち、コロナ危機のため実際に会うことができないのは残念だが、エッセンシャルワーカーとしてメディアの最前線で働く仲間に敬意を表し、困難な中でも連帯を深める場にしたい、と挨拶した。

ミシェル・ベリーノ担当部長から、新型コロナウィルスがアジア太平洋地域のメディア・娯楽産業に及ぼすインパクトについて概要報告を受けた後、マレーシア、台湾、香港、ネパール、韓国、インドネシア、フィリピンの委員らから報告を受けた。

ハミルトン委員(台湾)によれば、台湾ではコロナ対策成功事例を海外にアピールする政府の国際広報戦略の一環として公共放送に国際ニュースチャンネルが新設された。戦略そのものに異論はないが、プロジェクトに契約労働者を採用したり業務を外注化したりすることや、透明性や公共性の点で懸念があることを組合として指摘し、情報公開と専門職の公正な処遇を求める声明を大会で採択したと述べた。

エレン委員(香港)は、「香港の民主主義は死んだ」と題し、コロナ感染が拡大する中、政府や警察の横暴の数々を報告した。政府は覆面禁止法の名目でマスク着用を禁止したり、政府に中国本土と香港の境界封鎖を呼びかけストを決行した医療従事者を職場に戻るよう強制したり、警察は真実を伝えようとする報道記者に催涙ガスを噴射したりする。若い世代は自由の奪われた香港に失望しており、「香港を見捨てないでほしい、香港の労働者を救ってほしい」と、UNIの仲間に訴えた。

フィリピンでも、コロナ危機に乗じて反テロ法が成立し、政府に批判的なオンラインニュースサイト・ラプラーや民放ABS-CBN等が存続の危機に瀕している。

ゴビンダ委員(ネパール)は、大手企業でも人員整理が始まり、賃金未払い、賃金削減、賃金支払い遅延が発生し、労働者は健康危機に加え経済的危機にも直面していると述べた。

このような報告を受け、UNIの活動としては、コロナ禍で2021年初頭に予定されていた第3回UNI Aproメディア部会大会を2022年に延期することを確認した他、活動計画の中に、コロナ対応として、①メディア・娯楽産業及び労働者への影響を軽減するためのUNI Apro加盟組合の取組みを支援すること、②仕事への復帰や、コロナ後の対策、安全衛生手順に関して情報交換・経験共有を行い、姉妹組織と連携すること、③コロナの影響に関して、国際的な使用者団体との対話を促進し、UNI及びUNI世界メディア部会と連携することを追加した。


uni logo
最近のコメント
    アーカイブ