香港やフィリピンから、民主主義への弾圧に悲痛な叫び

第7回UNI Aproメディア部会委員会は、2020年8月28日、オンラインで開催された。中村UNI Aproメディア部会委員会議長は、開会に先立ち、コロナ危機のため実際に会うことができないのは残念だが、エッセンシャルワーカーとしてメディアの最前線で働く仲間に敬意を表し、困難な中でも連帯を深める場にしたい、と挨拶した。

ミシェル・ベリーノ担当部長から、新型コロナウィルスがアジア太平洋地域のメディア・娯楽産業に及ぼすインパクトについて概要報告を受けた後、マレーシア、台湾、香港、ネパール、韓国、インドネシア、フィリピンの委員らから報告を受けた。

ハミルトン委員(台湾)によれば、台湾ではコロナ対策成功事例を海外にアピールする政府の国際広報戦略の一環として公共放送に国際ニュースチャンネルが新設された。戦略そのものに異論はないが、プロジェクトに契約労働者を採用したり業務を外注化したりすることや、透明性や公共性の点で懸念があることを組合として指摘し、情報公開と専門職の公正な処遇を求める声明を大会で採択したと述べた。

エレン委員(香港)は、「香港の民主主義は死んだ」と題し、コロナ感染が拡大する中、政府や警察の横暴の数々を報告した。政府は覆面禁止法の名目でマスク着用を禁止したり、政府に中国本土と香港の境界封鎖を呼びかけストを決行した医療従事者を職場に戻るよう強制したり、警察は真実を伝えようとする報道記者に催涙ガスを噴射したりする。若い世代は自由の奪われた香港に失望しており、「香港を見捨てないでほしい、香港の労働者を救ってほしい」と、UNIの仲間に訴えた。

フィリピンでも、コロナ危機に乗じて反テロ法が成立し、政府に批判的なオンラインニュースサイト・ラプラーや民放ABS-CBN等が存続の危機に瀕している。

ゴビンダ委員(ネパール)は、大手企業でも人員整理が始まり、賃金未払い、賃金削減、賃金支払い遅延が発生し、労働者は健康危機に加え経済的危機にも直面していると述べた。

このような報告を受け、UNIの活動としては、コロナ禍で2021年初頭に予定されていた第3回UNI Aproメディア部会大会を2022年に延期することを確認した他、活動計画の中に、コロナ対応として、①メディア・娯楽産業及び労働者への影響を軽減するためのUNI Apro加盟組合の取組みを支援すること、②仕事への復帰や、コロナ後の対策、安全衛生手順に関して情報交換・経験共有を行い、姉妹組織と連携すること、③コロナの影響に関して、国際的な使用者団体との対話を促進し、UNI及びUNI世界メディア部会と連携することを追加した。