世界選手会、イランのレスリング選手の死刑執行に深い悲しみと怒り

世界選手会は、9月13日、イランのレスリング選手、ナビド・アフカリ氏の死刑が執行されたとの報に大きな衝撃を受け、哀悼の意を表する。

ナビド選手は、拷問により、2018年の反政府デモの際、警備員を刺殺したとの虚偽の自白をさせられた末に死刑宣告を受けていた。

イラン政権からすれば、彼は平和的な反政府デモに参加しただけの罪だった。

世界選手会のブレンダン・シュワブ部長は、「ナビド選手への衝撃的な不正義に対し、世界中のスポーツ界の、勇気ある人権擁護者から大きな支援が次々と寄せられた。にもかかわらず、イラン政権によって彼の命は奪われてしまった」と悲痛な面持ちで述べた。

「ナビド選手は、アスリートとして成功を収め、人気があったために標的にされた。このような残忍な行為は、民衆を恐怖に陥れ、反対意見を持つ者を黙らせるための見せしめとして行われた。我々は彼のことを決して忘れずに、今こそ、他の人が二度とこのような運命に苦しむことのないよう結束していかなければならない」と決意をあらたにした。

そして、ナビド選手の正義を訴え続けた全ての人々、とりわけ、サリー・ロバーツをはじめとするレスリング界や世界中の人権団体に心から感謝した。 シュワブ部長は、「ナビド選手の死を無駄にしないようにしなければならない。これからもアスリートの権利のために闘い続ける。世界のスポーツ界は、人権を濫用する者に最高基準の説明責任を取らせるようにしていく」と力を込め、「ナビド選手の名において、しなければならないことはたくさんあるが、今日は、取り戻すことのできない彼の死に打ちひしがれる遺族や友人の心に寄り添いたい」と語った。