UNI Apro印刷・パッケージング部会、コロナ後の戦略を議論

UNI Apro印刷・パッケージング部会は、5月28日の第1回オンライン会議に続き、9月7日に第2回オンライン会議を開催した。

ロレイン・キャシン議長(オーストラリア)をはじめ、日本、インド、タイ、ネパール、インドネシア、マレーシア、UNI本部、UNI Aproから18人が参加した。日本からは、梅原副議長(全印刷)、佐藤委員(印刷労連)、オブ等が出席した。

前回は主に、コロナ禍における事業・労働者への影響と労使の対応について共有したが、今回は最新情報に加え、コロナ後を見据えた戦略についても触れられた。

オーストラリアでは、労働時間が短縮され政府補助金に依存する労働者がいる。超過勤務をしても手当を支払われない非正規労働者もいる。組合として、コロナ禍を理由に既存の協約や労働条件を改悪しようとする使用者に反対したり、補助金給付の延長やゼロ金利融資等を政府に要求したりしている。

日本の民間印刷産業では、オリ・パラをはじめ各種イベント等の中止や自粛が続き、生産・収益面で影響を受けた。印刷物の需要増が見込めないことから厳しい状況が続くと予想され、会社業績悪化や雇用への影響が懸念される。在宅勤務ができない工場勤務者からは不公平だという声も聞かれ、エッセンシャルワーカーとして社会基盤を支える役割を丁寧に説明すると共に、感謝の言葉を伝える等、精神的なフォローを行った。一方、ホワイトカラー労働者の働き方は、テレワークやオンライン会議が一層浸透することが予想され、上司・部下、同僚との意思疎通や精神面のケア等、ニューノーマルな働き方に伴う課題に労使で対応していく。印刷局は、日本銀行券、旅券、官報等の製造・納入に支障のない範囲で、在宅勤務等により出勤率7割削減を目標に対応し、組合活動の多くは中止や延期となった。コロナ禍でデジタル化が加速し、各国通貨もデジタル化に向けた研究が盛んになっており、第4次産業革命による社会の変貌に印刷局が的確に順応していくことを課題と捉えている。

インドでは、コロナ禍で新聞発行部数及び広告収入の減少傾向が加速した。多くの経営者がコロナ禍を口実に、従業員削減、賃金削減、無給自宅待機を強要し、労働者は失業を恐れている。組合は問題が発生したら法的措置を取るよう指導している。政労使三者委員会の設置を進めており、労働者に不利にならないよう監視し、経営側に改善を求めていく。

ネパールでは、2度のロックダウンで、印刷業界の9割が一部営業または休業状態である。今後印刷産業の35~50%が減少すると予想され、既に組合員200人を失った。組合として感染予防啓発に努め、労使で個人用防護具を配布した他、仕事がなく生活が苦しい人への救済品支給、ストレス管理のオンライン研修等を実施した。政府に対して、前線で働く労働者への奨励金支給、強制医療保険の導入を要求している。ネパールでは、雇用、賃金が優先され、設置が義務付けられている安全衛生委員会が殆ど設置されていないことも課題である。

タイの印刷大手、アムコール、キンバリークラーク、SIGの労使は、コロナ危機の間も、出勤前検温、マスク着用義務、手洗い励行を徹底し、感染者を出さずうまく対応している。

インドネシアでも、印刷・パッケージング産業は不可欠産業とされ、工場は時短または通常稼働を継続している。アムコールでは労使でしっかり対応しており、感染者は出ておらず、雇用、賃金は守られている。しかし国全体としては感染者19万人とまだ増えており、ロックダウンは解除されていない。

マレーシアでは、移動制限令の間も、オンラインでオルグや組合の能力構築活動を継続しており、7月に移動制限令が解除されてから、8月には労働協約の対面研修を行った。印刷・パッケージング各社労組がUNIパックマレーシアという労連を結成し、UNIへ加盟する。労働慣行や組合活動がコロナ禍で大きく変わった。ニューノーマルを受入れるのは容易ではないが、政労使が協力して受入れていかねばならない。労働者へはどうリスク対処すべきか啓発していく。

また、タイ、インドネシア、マレーシア、インドでは、印刷・パッケージング部門の組織化及び労組の能力強化のプロジェクトを計画していた。コロナ禍を受けての計画変更と、今後の見通しについて共有した。