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米国FedEx組織化の取り組み

「変化」を掲げてオバマ大統領が就任し、ほぼ1ヶ月が経過した。日本では、「期待は大きいが、そんなに大きな変化は出来ないだろう」との冷めた見方がしばしば聞こえた。だがオバマ大統領は、本当に変化をもたらしそうだ。その例が、「勤労者自由選択法案」である。以前このコラムでも取り上げたが、米国の労組結成手続きは極めて厳しい。まず労働者過半数の署名を集め、連邦労働関係局(NLRB)に持っていく。NLRBは、労働組合結成のため対象職場で選挙を実施し、過半数を超える労働者が賛成すれば、ようやく組合を結成することが出来る。問題は、経営側が組合結成の動きを察知してから選挙日までの間、猛烈な切り崩し工作を行うことである。組合結成の呼びかけ人ばかりか、従業員全体が脅しを受ける。少々の飴を与えられる。この切り崩しを専門とする職業まである。このためNLRB管理下の選挙で過半数を取ることは至難の業であり、事実多くの場合失敗してきた。「勤労者自由選択法案」はこの手続きを簡素化し、過半数を超える労働者の署名を集めれば、組合を結成できるとする。当然法案に対する経営側の抵抗は激しく、ブッシュ政権下では成立の望みは無かった。しかしオバマ大統領は、勤労者自由選択法案採択の運動を強く支持し、労働組合から高い評価を受けてきたヒルダ・ソリス下院議員を労働長官に任命した。彼女自身がヒスパニック系であり、移民労働者の地位向上、「清掃員に正義を」運動(UNIも協力したビル管理部門組織化)に強くコミットしてきた人物である。そして今この法案が下院で再審議されようとしている。
もう一つの試みが、急送便企業FedExを「鉄道労働法」の対象から外す動きである。FedExには組合が存在しないが、その原因の一つは同社が航空会社の区分で登録されているため、「鉄道労働法」の対象となり、組織化が困難になっていることである。鉄道労働法は、前述したNLRBによる組合組織化よりさらに厳しく、例えば対象職場は全国でなければならず、個々の職場の組織化が出来ないなどの規定がある。FedExは、ドライバーを独立自営業者として登録させること、この鉄道労働法により、巧妙に労働組合組織化を逃れてきた。FedExは急送便事業者として、米国ではUPSとの競合関係にあるが、UPSは鉄道労働法の対象ではなく、FedExだけが同法の対象となっていることには、競争政策上も批判が多かった。2007年にもこの問題が議会で取り上げられ、下院は通過したが、上院の投票の前に流れてしまった。正確には、FedExが持つ「特権」を含む連邦航空局再認可法を2年間延長することとしたのである。この延長は今年の3月末に期限切れとなる。下院運輸・インフラ委員会委員長のオベルスター議員(民主党)は、FedExの「特権」撤廃に積極的である。金融アナリストは、「もしFedExが鉄道労働法の適用外となるなら、組織化される可能性はきわめて大きくなるであろう」と語っている。FedEx側は、「急送便ビジネスは、統合的な輸送システムとして、混乱要因を出来る限り少なくするよう定める鉄道労働法の適用下にあることが適切である。上訴裁判所でもこの主張は認められている。」「部分的な労働争議といえども、航空と地上の急送便ネットワークは崩れる可能性があり、米国の経済にも悪影響を及ぼす」と反論している。創業者でありCEOのフレデリック・スミス氏は、「FedExは創業以来鉄道労働法上の事業者である。このことは企業存立の基本的な要因の一つだ。今回の修正が日の目を見ないことを心から望んでいる。」と語っている。
過去FedExの組織化の試みはことごとく失敗してきた。今回の法案が通れば、FedEx組織の画期的な突破口となることは確実である。


UNI-Apro/UNI-LCJ郵便テレコム部会第17期国際労働学校(2008年12月1~5日、マレーシア・クアラルンプール)

~UNI-Aproユース ステップアップ!~
UNI-Apro/UNI-LCJ郵便テレコム部会第17期国際労働学校が、2008年12月1日(月)~12月5日(金)の5日間、マレーシア・クアラルンプールで開催された。国際労働学校はUNI-Aproの青年を対象としたワークショップで、日本からNTT労組9名、KDDI労組5名、情報労連2名、JP労組9名の計25名、Apro地域の6ヶ国(フィリピン6名、インドネシア1名、バングラデシュ1名、ベトナム4名、シンガポール1名、マレーシア8名)から21名、総勢46名の参加となった。
マレーシアへの出発前日、日本人参加者向けにオリエンテーションが行われ、小川陽子UNI-Apro青年・女性コーディネーターよりUNIの概要および国際労働運動についての講義、前回の参加者である後藤一宏KDDI労組企画部長より、外国人参加者とのコミュニケーションの方法、ワークショップ中の注意事項など細かいアドバイスを受けた。さらに、宇田珠美NTT労組中央執行委員(国際担当)、渡辺拓也KDDI労組中央副執行委員長、安永貴夫情報労連書記長、佐々木貢JP労組国際部長から各組織概要および国際活動の紹介もあり、初めて顔を合わせる参加者にとって非常に参考になった。オリエンテーション終了後の懇親会には、野田三七生NTT労組事務局長、竹内法心JP労組中央副執行委員長も駆けつけ、緊張気味の参加者を激励した。

プログラム
プログラムは、基本目的である①労働組合の基本コンセプトを学ぶ、②国際労働運動の基礎知識の習得、③国際連帯の促進とネットワークの構築をもとに、より深い理解を得られるように毎年改善・工夫されている。国際労働運動やグローバル化で労働者が直面する課題を学ぶ講義と、それを受けて議論するグループワークに分けられ、積極的な関与が求められる参加型ワークショップである。グループは、英語力、国籍、ジェンダーなどを考慮して6つに分けられる。加えて、参加者は4つの委員会(ワークショップでの規則作り・司会進行などを行うプログラム委員会、毎日の活動を総括するリポート委員会、講義の合間に気分転換のエクササイズを行うファン&ソーシャル委員会、参加者が持ち寄った物品を販売し、収益をフィリピン・パヤタス貧困地区の子供達に寄付するマーケティング委員会)のいずれかに所属し、互いに助け合いながら役割を果たして連帯を深めていく。
初日は、オリエンテーションとして、ワークショップの意味、進め方、基本ルールの説明、自己紹介、委員会メンバー登録などが行われた。2日目の開校式に続く基調講演では、主催者代表として出席したUNI-LCJ郵便テレコム部会世話人の渡辺KDDI労組副委員長が、高齢化、非正規労働者の増加という日本社会の現状を背景に労働組合の組織化の取り組みを報告した。クリストファー・ウンUNI-Apro地域書記長は、自らの国際労働運動における経験を紹介するとともに、いまだにある「労組は使用者に対立するもの」というイメージを変えるには青年の力が必要だと訴え、「強い意志を持てば、何事も成し遂げられる」と呼びかけた。また、日本の協調的労使関係はアジアの他の国においても有効だと強調した。
3日目には、各国代表が青年活動を報告。フィリピンの貧困地区児童への給食ボランティアをはじめとして、マレーシアの移民労働者ヘルプデスク、インドネシアにおける自由で民主的な組合設立の歴史的背景など、初めて知る他国の様々な課題と多彩な活動に参加者は熱心に聞き入っていた。日本からは、①JP労組の柿田将博・九州地方本部ユースネットワーク議長および中島紗緒里・東京地方本部スタッフが、民営化の影響および労組統合、青年部の今後の展望について、②NTT労組の川村洋平ドコモ本部執行委員が、プルタブを集めて車椅子を贈るなどフレージの社会貢献活動を紹介。午後には、シャフィー・BP・ママル・UNIマレーシア加盟協議会(UNI-MLC)議長から、マレーシア労働運動の現状と課題の講演も行われた。シャフィー議長は、「UNIファミリーの一員としての自覚を持ち、共に協力していこう」と参加者を鼓舞した。

課外活動
ワークショップ4日目は、グループごとにクアラルンプールの多様な文化・多民族性とグローバル化を観察する課外活動を行った。参加者は、事前に計画した主要ポイント(中華街、インド人街、中央郵便局、ショッピングモールなど)を訪問し、通りすがりの人へ労働組合に関するインタビューをすることになっていた。途中で激しい雷雨に見舞われるなどのハプニングもあったが、互いの職場環境、労働条件などを話し合うなど、足止めされた時間も有効に活用していたようだ。早朝から終日、共に行動して課題をこなした後は、参加者間のコミュニケーションが格段に円滑になっていた。翌日のグループ発表では、チームワークについて、グローバル化のメリット・デメリット、労働組合に関する一般の人々のイメージが報告され、活発な質疑応答が行われた。

寄付金
参加者が持ち寄った物品販売と、遅刻者からの罰金徴収、日本の各組織における事前カンパなどで、総額約18万円の寄付が集まった。閉会式で、マーケティング委員会からパヤタスの子供達のために役立てて欲しいと、レイナー・クルスUNIフィリピン加盟協青年委員会議長に贈呈された。

終わりに
最初は緊張に顔をこわばらせていた日本人参加者だったが、グループ討論や委員会活動を通じて次第に外国人参加者とも打ち解け、最後の課外活動を経て強い連帯感が生まれたようだ。連日、深夜まで作業が及び、その課題量の多さ、外国人参加者の時間のルーズさを指摘する声もあったが、大多数の参加者から達成感・充実感と共に「若者の組織化など、各国共通の課題が分かった」、「これからも外国の仲間との交流を続けていきたい」、「他国の状況を知ることが出来て、有意義だった」などの肯定的な意見が多く聞かれた。アリス・チャンUNI-Apro青年・女性担当部長は、「このワークショップにおける経験は最初のステップに過ぎず、ここで見聞きし感じ学んだことを今後の活動に生かしてほしい」とまとめた。


ユニバーサルサービス維持に向けて-UNI-Apro郵便・ロジスティクス部会 伊藤栄一担当部長に聞く

グローバルな金融・経済危機は、郵便・ロジスティクス部門にどのような影響を与えていますか?
経済・金融危機は、郵便・ロジスティクス部門に極めて大きな影響を与えています。生産が落ち、消費が減退すれば、モノを運ぶ必要も無いからです。事実航空宅配各社は軒並み財務目標の修正や事業拡大計画の縮小を行っています。IATAによれば、昨年11月世界の航空貨物の輸送量は13.5%の減少を記録したとのことです。最近しばしば「危機は、危険と機会という2つの単語からなっている」と語られます。経済・金融危機は、「翌日配達航空配送サービスに特化した企業よりも、安価で確実な配送サービスが得意な企業(例えば、郵便局)にはプラスに働く」と言われています。郵便事業から進化した多国籍ロジスティクス企業であるTNTにせよ、DHLにせよ、伝統的な郵便事業部門を強化する方向に動いています。郵便物数は各国で減少しており、この傾向は必然のように言われますが、ドイツポストの取り扱い郵便物数は増大しています。私たちは、「常識」に惑わされず、各国の状況を良く把握し、ベストプラクティスを集め、政策に生かしていく必要があります。

2008年を振り返り、UNI-Apro郵便・ロジスティクス部会はどのような成果を上げましたか?
第1に、民営化・規制緩和に対する取り組みです。競争の導入とユニバーサルサービスは、どこの国でも再調整が課題となっており、労働組合はチャレンジに直面しています。私たちは、各国の状況を定期的に発信し、各国における規制議論に組合が有効に対応できるように支援してきました。第2に、組織化です。2007年UNI郵便部会大会は、郵便・ロジスティクス部会と名称変更し、民間急送便・ロジスティクス企業の労組も受け入れることとしましたが、民間急送便・ロジスティクス企業はほとんど組織されていないのが実態です。UNI-Apro郵便・ロジスティクス部会は、この分野で最も活動的に組織化を進めています。勿論、伝統的な郵便部門の組織化にも力を入れています。韓国、ベトナムで、郵政事業の上級職員労組が結成されました。しかしアジア太平洋地域には、まだまだ郵便労組が無い国が多いことも事実です。少なくともAPPU加盟国には郵便労組がある状況を作りたいと考えています。第3に、UPU、APPUとの連携強化です。昨年はUPU大会議が開催され、ジェニングスUNI書記長がハイレベル会議でパネラーとして参加しました。APPUとの連携も継続しています。小地域における連携の強化も進めています。

2009年の活動計画を教えてください。
UNI-Apro郵便・ロジスティクス部会が、パワフルな存在、影響力を持った国際労働組合組織として登場するには、少なくとも各国に郵便・ロジスティクス労組が存在し、良くネットワークされる必要があります。現在UNI-Apro郵便・ロジスティクス部会の勢力は、39組合、61万7000人です。現在各国で組織化の努力が進められています。組織拡大が最大課題です。その上でグローバルな政策力、グローバルな代表制を高めて行かねばなりません。UNIは、今年中に自由化について調査し、政策をまとめ、国際機関の場で発表し、ユニバーサルサービスを守る国際世論を高めることとしています。今年7月にはUNI-Apro郵便・ロジスティクス部会大会が開催されます。ここでは民営化をテーマとした討論を行います。金融・経済危機の中、イデオロギー的な民営化論者の影響力は低下しましたが、将来の発展のための投資資金が不足していることは、特に途上国の多くの郵政事業が抱える問題です。その点で郵政改革は、必ずすべての国でテーマとなります。アジア太平洋地域の組合のリーダーたちは、このチャレンジに備え、政策力を向上させる必要があります。その点でJP労組の経験が大いに役に立ちます。

日本の郵便・ロジスティクス部会加盟組合へメッセージをお願いします。
山口JP労組委員長は、UNI-Apro郵便・ロジスティクス部会の議長、UNIの副会長を務めております。世界の郵便労組を概観すると、JP労組は米国、英国、ドイツ、中国に次いで5番目に大きな組合となります。是非組合員の皆様にもこのグローバルなポジショニングを理解いただき、これまで以上に国際活動の強化を図って頂きたいと思います。特にアジア太平洋地域の郵便労組の強化は、必ず日本の郵便労組の国際的なポジションを強化します。今後とも、UNI-Apro郵便・ロジスティクス部会をリードして頂きたいと思います。


米国労働運動と共にEFCAキャンペーンを支持しよう!

皆様に、米国の12の主要労組トップが発表した共同声明をご紹介したいと思います。この声明は、2009年1月7日、ワシントンDCにあるUFCW(北米合同食品商業労組)本部にて開かれた会議の中でまとめられた、米国における労働運動の統一を目標とするものです。

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北米労組トップ会議の共同声明
1月7日、下記北米労組トップが一堂に会し、その会議に関する共同声明を発表した。

全米通信労働組合   ラリー・コーエン
全米鉄鋼労働組合   レオ・ジェラルド
全米自動車労働組合   ロン・ゲッテルフィンガー
北米合同食品商業労働組合   ジョー・ハンセン
チームスターズ労組(全米運輸労組)   ジェームス・ホッファ
全米州郡市町村職員組合       ジェラルド・マッケンティ
国際建設労働者組合   テリー・オサリバン
北米ホテル・レストラン労組   ブルース・レイナー
国際サービス労働組合   アンディ・スターン
全国教育協会   デニス・ヴァン・ロイケル
米国教職員組合   ランディ・ワインガーデン
国際電気労働者友愛組合   エド・ヒル

「この会議の目標は、米国労働者が直面する重要問題に関して、全国的な発言力と影響力を持つことのできる、統一労働運動を構築することである。我々は最大の労組を代表しており、統一には幅広い参加が不可欠であると認識している。また、我々の組合員は、それぞれの住まいや職場がある支部各所で活発に活動していることも認識している。我々は、そのような現場の組合員にも働きかけていきたい。」

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American Rights at Workのデイビッド・ボニア氏が仲介した会議には、AFL-CIO(米国労働総同盟・産別労組会議)のジョン・スウィニー会長と、CTW(勝利のための変革)のアンナ・バーガー議長も出席しました。
3年以上にわたって、AFL-CIOとCTWという2つの連合が存在しております。今回のこの統一の呼びかけは、米国経済の危機的状況下、バラク・オバマ次期大統領の就任を2週間後に控え、政治状況が大きく変わろうとするこの時期に、行われました。
私は1月12日の週に、IMF(国際通貨基金)及び世界銀行も参加する金融改革に関する一連の会議が開かれる、首都ワシントンに参ります。
滞在の間には、米国労働組合の提唱するEFCA(勤労者自由選択法案)の支持を世界的に拡大するための特別会議が開かれます。このキャンペーンには、ITUC(国際労働組合総連合)、グローバルユニオン(国際産業別労働組合組織)、AFL-CIO、CTW、そして米国のUNI加盟組織が参画しています。
UNI会長、ジョー・ハンセン氏は、先のUNI世界執行委員会で、EFCAの制定が米国労働運動の将来にとっていかに重要であるかを報告しました。
米国労働組合が再度結束を強化することは、我々にとって重要であります。EFCA制定はこの戦略の重要な要素です。しかし、EFCAキャンペーンは、国内及び世界中の米国商工会議所からの猛反発に直面しています。
EFCAキャンペーンへの国際的支援をどのように構築するかについて、具体案は別途ご報告いたします。
(UNI書記長 フィリップ・ジェニングス)

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EFCA(勤労者自由選択法案)の制定は世界的な組合結成の要である
UNIは、使用者からの報復を恐れずに労働組合に加入できるようになる米国の法律の制定に向け、世界的な連帯キャンペーンの構築をUNI1500万加盟組合員が支援すると誓約した。
「米国におけるEFCA制定は世界中の労働者の利益となる」とフィリップ・ジェニングスUNI書記長は言う。
1月13日、ジェニングス書記長は、法案可決のために協力しているAFL-CIO(米国労働総同盟・産別労組会議)とCTW(勝利のための変革)それぞれに加盟している米国の労働組合の代表者会議の議長を務めた。UNI会長でもあるジョー・ハンセンUFCW(北米合同食品商業労組)会長と、ジョン・スウィニーAFL-CIO会長は、ITUC(国際労働組合連合)と世界中のナショナルセンターの代表も出席した会議の開会式で挨拶した。
労働組合とナショナルセンターは、EFCAの法制化を推進するためのグローバルアクションを支援するタスクフォースを形成した。労働組合の組織化と承認を支援するために、他の国においてもこのモデルを使うつもりである。
「米国において組合を結成する労働者の権利を守る法律は、世界中で労働組合を認めさせ交渉権を勝ち得るために、極めて重要である」とジェニングス書記長は言う。「米国の企業は、ひどい労働慣行を、海外進出先の国に持ち出しており、海外企業は米国に参入すると、その慣行をひたすら容認してきた。労働者保護の法がなければ、多国籍企業が労働者を可能な限り不当に扱うことは明白である。」
法案が可決されれば、EFCAは米国の労働者に、労働組合を組織する自由で平等な機会を与え、反労働組合の使用者に説明責任を課し、交渉を長引かせることを阻止できるであろう。
米国の労働者の半数以上が、もし可能であればすぐにでも労働組合に加入したいが、米国企業は、たいてい労働者が労働組合を組織する権利や団体交渉権を認めていない、と言っている。現在の米国の労働法では、こういった企業が組合寄りの労働者を解雇することができるし、組合承認選挙前には賃金で労働者を脅かすような反組合キャンペーンを認めている。たとえ組織化がうまくいっても、企業がそれに異議をとなえ、結果、何年も先延ばしされたり、組合賛成票が無効となってしまったりすることもあり得る。
ウォルマートのような米国を拠点としている使用者は組合と対立し、アルゼンチン、メキシコ、中国などの国で、違法な慣行を続けている。
欧州の企業は、米国内に参入すると、競うように労働条件を落とすようになる。ドイツの労働組合ver.diとドイツ本国においては団体協約を結んでいるドイツテレコムは、米国の子会社Tモバイルでは、悪質な反組合キャンペーンを行なっている。
「あまりに長期にわたって、米国は労働者の権利を競って底辺に落とし続けてきた」とジェニングス書記長は言う。「新しい法律の制定は、米国の労働者にとって重要な勝利であり、世界的不況の真っ只中においては、かつてないほど重要である」
UNIは世界中の加盟組織が各国政府指導者に働きかけ、オバマ政権にEFCA制定を最重要項目として推進させるよう呼びかけている。
(2009年1月14日)


桜田UNI-LCJ議長より新年のご挨拶

新年あけましておめでとうございます。
グローバル金融・経済危機の中、疾風怒濤の2009年が幕を開けました。このお正月、皆さんはどのように新年を迎えたでしょうか。おそらく新しい決意と希望を持って、新年を迎えられたことと思います。
世界を見ると、おそらく「これからどうなるのか」と、多くの人々が不安の中に新年を迎えたことは間違いありません。一頃羽振りを利かせたウォールストリートのトレーダーが、「ファイナンシャル・アルマゲドン・コム」というウェブサイトを立ち上げたら、大反響というニュースがありました。アルマゲドンとは、世界の終末に善の神と悪の神が戦うという新約聖書の用語です。終末論的な雰囲気が世界を覆っています。
同時に、「原点に帰る」動きが盛んです。ドイツでも日本でも突然マルクスの「資本論」が売れ始めました。「この経済危機は、景気循環の一コマか、資本主義の終焉か」という議論が、日本ばかりではなく、世界的に行われています。つい最近まで世界を覆っていた「儲かるなら何をしても良い」、「金儲けを邪魔する規制はすべて撤廃」といった議論は影を潜め、政府の役割に注目が注がれています。次は、ポストクライシス、金融・経済危機後にどのような世界を作るのかが、議論の中心となることでしょう。
私たちUNI-LCJは、来年に迫った第3回UNI世界大会(長崎)までに、「100万人の達成」、「日本の多国籍企業との間でグローバル枠組み協定の締結」、「国際的なリーダーシップを発揮できる青年活動家の育成」を達成すべく、運動を進めてきました。おかげさまで2009年UNI-LCJは加盟人員数985,200名まで到達できました。各加盟組合のご努力に感謝いたします。
昨年の最大の成果の一つは、髙島屋労使、JSD、UNIとの間でグローバル枠組み協定が締結されたことです。先ほど申し上げた「原点に帰る」「ポストクライシス」の議論とも関係しますが、今国際的にCSRが討論され、2010年に出発が予定されているISO26000では、SRという言葉が中心になります。つまり企業ばかりでなく、あらゆる団体が、社会的責任を意識した活動を行うことにより、社会をよりディーセントで、社会的にもフェアに変えていこうという理念です。SR社会が、ポストクライシスの社会像となると思われます。我々はUNIとして、大胆にSR社会のビジョンを打ち出す必要があります。来年の長崎世界大会のサブテーマの一つは、このビジョンです。
言うまでも無く、UNIはサービス産業をカバーするGUF(国際産業別組織)であり、インフォーマルセクターからP&MS(専門職監督職)まで、幅広い職種、グループを抱えています。この多様性を一つの運動にまとめ、ディーセントなSR社会に向け、それぞれがそれぞれの場所で努力し、それがシナジーとなって拡大しているところが、UNIの魅力であり、楽しさです。2008年の成果を活かし、UNI-LCJをさらに発展させ、2010年UNI世界大会の成功へ向け、一歩一歩進みましょう。今年もよろしくお願いいたします。


DHLエクスプレスの米国からの撤退

2008年11月10日は、CEPL(クーリエ・急送便・小包・ロジスティクス)の歴史に残る日となろう。この日、「DHLは2009年1月30日をもって、米国国内市場から撤退する」と発表された。2003年以来75億ユーロのコスト・損失を出し、CEPL産業における最も高価な「冒険」は終息した。DHLの米国急送便市場からの劇的な撤退は、今年の国際急送便産業における最大の事件とも形容される。撤退によって1万人以上の従業員が職を失い、世界で最も大きな急送便・小包市場の競争環境を変化させ、DHLエクスプレスの戦略再構築につながった。 1990年代の後半から、クラウス・ツムヴィンケル前CEOの下、ドイツポストワールドネットは、世界最大のCEPL事業者として、多国籍企業に「ワンストップ・ショッピング」を提供するという戦略を立て、類を見ない規模で全世界的な拡大を行った。この拡大のコーナーストーンは、UPSとFedExとの競争に打ち勝つべく、2003年米国第3位の急送便企業であるエアボーン・エクスプレスを10億ドルで買収したことであった。DHLエクスプレスは、さらに12億ドルを投資し、航空と地上のハブと拠点を作り、全国的なネットワークの建設を計った。3億ドルをかけ、2005年オハイオ州ウィルミントン飛行場を米国のハブとしたのも、この計画の一つである。
しかし実際にはこの戦略は最初から失敗していた。2002年エアボーン・エクスプレスは、米国国内市場で19%のシェアを持ち、3億5600万個の小包を配達していた。2004年DHLがエアボーンを完全に統合して1年目、DHLのシェアは7%だった。43億2700万ユーロの収入に対し、4億9500万ユーロの営業損失を出した。2005年DHLは米国市場で4億5200万個(1日の取扱量170万個)を取り扱い、(収入ベースで)9%のシェアを標榜した。しかしその後、DHLエクスプレスUSAの損失は毎年劇的に増加していった。ビジネスは、ウィルミントン・ハブの開港に関わる運営上の問題、品質管理上の問題、さらに最近の米国経済の悪化に直撃された。2007年DHLエクスプレスUSAの営業損失は10億ドルだったが、2008年は15億ドルと予想されている。現在の1日の取扱量は120万個であり、2005年より30%減少している。
2008年5月28日フランク・アペルがドイツポストワールドネットの新しいCEOに就任し、ハンドブレーキを引いた。彼とDHLエクスプレスのCEOであるジョン・マレンは、20億ドルに上るリストラプログラムを発表し、2011年には損失を3億ドルまでに切り詰めるとした。計画の骨子は、1万8000人のDHLエクスプレスUSAの職員を1500~1800人削減し、グラウンドネットワークをダウンサイジングし、米国内の航空輸送をUPSに100億ドルで委託し、約8000人の職員削減と共にウィルミントン・ハブを閉鎖するというものであった。
しかしこのリストラ案は米国内で政治問題となり、UPSは身を引き始めた。しかも米国の経済危機と米国におけるDHLブランドの急速なイメージ悪化は、ここ数ヶ月DHLのビジネスを更に直撃し、先のリストラ計画では建て直しは不可能となった。それゆえ、11月10日DHLエクスプレスは、1月30日をもって米国の国内オペレーションからは撤退し、米国差し立て・到着の国際急送サービスのみに特化することを決定したのだ。
この間、UPS、FedEx、USPS(郵便公社)は、米国におけるDHLエクスプレスの顧客を獲得すべくウェブサイトなどでキャンペーンを張っている。
DHLエクスプレスのジョン・マレンCEOは、「米国に足場を持つことは、我々の全体としてのグローバル急送ネットワークにとって重要である。我々のトップ200顧客の約半分は米国を拠点としている」と語っている。2006年米国における国際CEP市場(46億ユーロ)のDHLエクスプレスのシェアは13%、FedExは34%、UPSは18%である。この分野におけるDHLのポジションは、他の地域ではもっと強い。2006年欧州における国際CEP市場(121億ユーロ)のDHLのシェアは24%、アジア太平洋地域における国際急送便市場(56億ユーロ)では34%との数字を誇っている。米国から撤退するDHLが他の地域で攻勢に出ることによって、今後この分野の競争が更に激化することは必至である。
(「CEPリサーチ」2008年11月14日号等から編集)


UNI-LCJ/UNIフィリピン加盟協ユースワークショップ(2008年10月3~5日、フィリピン・マニラ)

2010年のUNI世界大会長崎開催に向けたUNI-LCJアクションプランに掲げられた目標の中に、「国際労働運動の一般組合員への普及」と「大会成功を支えるボランティアの育成」がある。その目標達成のため2006年より年2回ユース英語セミナーを継続開催しているが、5回を終了した時点で中間フォローアップの意味で、毎回講師派遣に協力してもらっているフィリピン加盟協青年・女性委員会とのユースワークショップを開催した。その目的は、
1.UNI-LCJユース代表団としてのチームワーク作り
2.フィリピン加盟協ユース及びUNI-LCJユースとのネットワーク作り
3.英語によるコミュニケーション力のステップアップ
4.異なる業種、文化を持つ人たちを理解し、共通の目標を達成する
である。
日本からの参加者は、英語セミナーやUNI-LJC郵便テレコム部会国際労働学校など、UNI-AproとUNI-LCJが共催する若手訓練セミナーの参加者が中心である。昨年のモンゴル派遣のユース代表団と同様、女性が半数を占めた。

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団長        サービス・流通連合(クレディセゾン労組中央執行委員)   牧田真由美
アドバイザー  損保労連中央執行委員長   石川 耕治
メンバー     KDDI労組 企画部長   後藤 一宏
メンバー     UIゼンセン同盟(ファッション労連事務局次長)   大田 光晴
メンバー     JP労組九州地本宮崎中央支部宮崎県連協女性フォーラム   長倉 史
メンバー     JP労組九州地本福岡かんぽサービスセンター支部   里 永
事務局      UNI-Apro青年・女性コーディネータ/UNI-LCJ   小川 陽子

フィリピン側は、銀行労組、郵便労組、テレコム労組、AFWなど、青年委員会から12人、女性委員会から8人の計20人が出席した。

◆◆◆◆◆◆◆

事前レクチャー
日本人は東京、大阪、九州からの参加で、マニラに到着して初めて全員が顔を合わせることになった。そこで自己紹介後、セミナー主旨やプログラム進行、各自の役割分担などを確認し、ILO東南アジア・太平洋小地域事務所(マニラ)の石橋通宏・労働活動局シニアスペシャリストから、フィリピンの社会・政治・経済全般から専門の労働分野の事情まで幅広くレクチャーを受けた。

ワークショップ第1日目(10月3日)
開会式ではまず、UNI-PLCのジュン・ウマリ事務局長が、「フィリピン加盟協(UNI-PLC)は日本加盟協(UNI-LCJ)から常日頃ご支援をいただいているが、日本で実施されている英語セミナーへの講師派遣というかたちで日本のユースの英語力アップにささやかながら貢献できることを光栄に感じている。今回、英語セミナーの参加者が英語学習の成果を発揮するため、マニラで合同ワークショップを開催することになり、皆さんを心から歓迎する。」と挨拶した。
続いて、フィリピン加盟協青年委員会のレイナー・クルス議長(第1回UNI-LCJユース英語セミナー講師)から、「青年活動は楽しく学ぶことが大切。日本とフィリピン両国の友好を更に深め、たくさんの友達を作り、互いの経験を共有していこう。」と挨拶があった。
UNI-LCJユース代表団を代表して、牧田団長(JSD)は、「各国で青年労働者の組合離れや無関心さという共通の問題を抱えているが、お互いの良い経験を共有し学びたい。過去5回のUNI-LCJユース英語セミナー参加者総数は130人を超えた。フィリピンからは毎回講師をお招きしており、今回講師や活発な青年・女性委員会の皆さんと会えることを楽しみにしている。特に、パヤタスにおけるボランティア活動に参加する機会があるので、見、聞き、感じたことを仲間に伝えたい」と抱負を述べた。

基調講演「ILO-国際労働基準の促進と労働組合の青年・女性組合員の役割」
ILOの石橋氏から、ILOは第一次世界大戦後、社会正義の促進により平和を実現するために創設された国連の専門機関であること、国連組織において唯一三者構成主義を持つことが解説された。180を超えるILO条約の批准数は、フィリピンより日本の方が若干多いが、8つの中核的労働基準についてはフィリピンが全て批准しているのに対し、日本は105号と111号が未批准である理由が説明された。米国はわずか7条約しか批准していない点も参加者には興味深く感じられた。参加者からは「ILOには組合に入っていなくても個人として提訴できるのか」、「フィリピンのようにたくさんのナショナルセンターがある場合は、どれがフィリピン労働界を代表するのか」など質問が出された。石橋氏は、「三者構成主義のメリットを組合は最大限活用すべきだ。組合は条約作りから、各国政府による批准、批准後の実施の監視に至るまであらゆるプロセスに積極的に関わるべきだ。よくILOの職員である私にこうしてほしいとの要望が出されるが、ILOの仕組みの中では皆さん労働組合が主体とならなければならない。」と強調した。最後に、青年や女性は自分たちの問題をよく認識しているので、組合(及び役員)がこうした問題に適切に対応しているかを常に監視し問題提起する絶好の立場にあると述べ、組合における役割の発揮を奨励した。

「UNI-Aproの青年活動、長崎大会に向けたUNI-LCJの青年活動」
小川UNI-Apro青年・女性コーディネータは、UNI-Aproの青年活動(主に青年の組織化、教育訓練、キャンペーン、社会貢献活動など)を紹介し、特に日本における青年活動の一例として、長崎大会に向けた若手ボランティア育成のためのユース英語セミナーをはじめ、モンゴルやフィリピンにおける交流プログラムや、ユースネットワーク維持のEメールグループやブログによる情報交換を挙げたUNI-Aproではユース対象の訓練コースは随時開催されており、積極的な参加が期待されている。

セッション1「組合のユース活動と社会貢献」
UNI-PLC及びUNI-LCJ(UIゼンセン同盟、JSD、JP労組)がそれぞれ、ユース活動について報告し、意見交換を行った。


UNI-LCJ/UNIフィリピン加盟協ユースワークショップ 第2日目(2008年10月4日、フィリピン・マニラ)

ワークショップ第2日目(10月4日)
参加者は全員、報告委員会、プログラム委員会、ソーシャルファン委員会のいずれかに属し、ワークショップ運営を支えることになっている。まず、ソーシャルファン委員会がエナジャイザー(ウォーミングアップ)の音頭を取った。報告委員会は、前日の内容をパワーポイントを使って要約報告した。プログラム委員会は、会議室の整理整頓と遅刻者からの罰金徴収が主な任務である。

セッション2「ワークライフバランス」
日本人参加者はあらかじめ、UIゼンセン同盟作成のワークライフバランス・チェックシートのアンケートに本人だけでなく職場の同僚などからも回答を得て、30人分のデータを収集した。フィリピン人参加者からは19人のデータを収集した。3つのグループに分かれ、それぞれ「仕事」、「生活」、「組合」をテーマに日比両国の結果について討論した。グループ討論後、各グループの代表が討論結果を報告した。結果に若干の差が出た項目としては、フィリピンの方が選挙に参加すると答えた人が多かった(理由:大統領も直接選挙で選ぶことができるので権利を行使すべきだという考えが強い。一方、賄賂も横行しており投票率が高いという一面もある)。親が病気になった場合、娘や妻(女性)が仕事を辞め介護すべきと思うか?との質問には、フィリピンは「仕事を辞めたら収入源がなくなるので辞めるべきではない」という答えが多かった。
その後、損保労連及びKDDI労組から日本の取組み事例が報告された。
引き続き、UNI-LCJ代表団は、UIゼンセン同盟組合員が描いた「女性の組合参画」紙芝居をロールプレイしながら上演した。参加者は事前に自分のパートを練習し、マニラで初顔合わせ後、リハーサルをして本番に臨んだ。
UNI-PLC女性委員会メンバーも、女性組合員の勧誘場面をスキットで再現した。

まとめ
最後に参加者から、「2日間は短かったが充実した内容だった」、「当初の目標である仲間作りは達成されたので、今後もネットワークを維持していこう」、「互いの文化や経験を知ることができ有意義だった」、「青年労働者の抱える問題は国が違っても共通であることがわかった。ワークショップで学んだ経験を今後の活動に活かしたい」、「ユース活動は楽しい要素も重要」など、前向きなコメントが聞かれた。
レイナーUNI-PLCユース議長は、「今後もLCJユース・メンバーの英語の勉強を励ますため、Eメールやブログを通じて情報交換していこう。長崎大会での再会を楽しみにしている」とまとめた。
ウマリUNI-PLC事務局長も、全員の積極的な参加とワークショップの成功をたたえ、今後の両国加盟協の発展と協力関係の強化、UNI-Aproにおける貢献を祈念した。


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