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UNI-LCJユース、英語で国際連帯を学ぶ

P1150903第16回UNI-LCJユース英語セミナーは、2016年8月19〜21日、湘南国際村で開催され、8組織から28人の青年・女性が参加した。海外からは、韓国プロサッカー選手会のヘンリー・マツダ事務局次長、ニュージーランド・ファーストユニオンのロビン・ウィルソン・ホワイティング商業・金融部門オルグ、フィリピン銀行労組のデニス・ロデル・ババオ青年委員会副議長、スリランカ銀行上級職労組のランキカ・アリヤシンゲ執行委員、スリランカ郵電労組のロハン・グナワルダナ青年委員の5人を講師に迎え、様々な地域訛りの英語に四苦八苦しながらコニュニケーションを図った。

P1150769冒頭、田原UNI-LCJ副議長から、「様々な国や産業のUNIの仲間とUNIについて学び、各国の青年・女性労働者の課題を共有しながら、友情を深めてほしい」と激励の言葉をいただいた。早速ウォーミングアップとして、自己紹介と各自の本セミナーでの目標を英語で発表した。今回のセミナーでは従来のような海外講師による講演ではなく、初の試みとして、「各国の労働運動」、「組合における青年・女性活動」、「日本と講師の出身国(居住国)の文化の違い」をテーマに5人の海外講師によるパネルディスカッションを行った。同じテーマで各国の比較ができた他、フィリピンの青年委員会が継続しているパヤタス(マニラ圏のゴミ集積場)における貧困児童向け給食活動、スリランカの女性委員会が実施する女性組合員向けエンパワーメント、ニュージーランドにおいて搾取されている外国人労働者の救済等の活動事例を聞き、参加者は各国の組合活動について理解を深めた。

また、グループワークにも多くの時間が割かれた。毎回講師とメンバーを1人ずつ入れ替えながら、できるだけ多くの人と会話の機会が持てるようにした。グループワークでは、「クール・ジャパン!紹介1分コマーシャル」、「若年労働者向け組合アピール1分コマーシャル」、「平和キャンペーン1分コマーシャル」作りを通して、いかに印象に残るメッセージを英語と工夫を凝らしたビジュアルで伝えるか、アイデアを出し合った。その他、各グループには、初日の懇親会での交流イベント企画、リフレッシュのためのゲームや体操の企画、グループワーク発表時の司会担当、前日の要約発表、毎日のブログ更新などのタスクが与えられた。

P1150855更に特別講師として、日本プロ野球選手会の森事務局長から「プロ野球選手も労働組合が必要だ!」と題する講義をいただいた。選手会は「選手を1人にさせない」をモットーに、選手へ組合の重要性を説明したり、現役生活全般からセカンドキャリアに至るまで相談にのったり、社会貢献活動を通じた野球の普及活動を行なったりしている。2004年のスト決行は、選手会が一丸となり、ファンの支持も得て闘った結果、変化を起こすことができた。参加者は夜遅くまで森事務局長から話を聞く貴重な機会を得た。

セミナーのハイライトは、最終日のグループワークである。5つのグループに、「UNI」、「組合」、「青年」、「平和」、「グローバル化」のいずれかのテーマと10分の持ち時間が与えられ、全員参加で自由に英語で表現するという課題に取組んだ。各グループは、ニュース番組風、ドラマ仕立て、各自の経験発表など、それぞれユニークな形式で素晴らしい発表を行い、他の参加者や講師から多くの質問やコメントを受けた。

P1150987閉会式では、2泊3日の学習を振り返り、グループ賞と個人賞が授与された。海外講師からは、「この3日間で驚くべき進歩があった」、「参加者と一体となってチームワークの素晴らしさを体感した」、「日本の良さを実感した」などのコメントがあり、「今後もFacebookなどを通じて、情報交換を続けていこう」との激励を受けた。

 


アジア太平洋地域の労働組合と青年・女性

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2016年8月18日、東京・情報労連会議室でUNI-LCJ青年・女性意見交換会が開催され、情報労連、全印刷、JP労組から青年・女性活動担当役員が出席し、ユース英語セミナーのため来日した海外参加者と「アジア太平洋地域の労働組合と青年・女性」をテーマに意見交換を行った。

フィリピン銀行労組のデニス・ロデル・ババオ青年委員会副議長からは、UNIフィリピン加盟協(UNI-PLC)青年委員会が日本をはじめとする多くのサポーターの協力を得て10年に渡り継続している、パヤタス地区の貧困児童給食プロジェクトの経緯、目標、今後の計画について報告を受けた。もともと、フィリピンにおける組合のイメージを変えるため、青年組合員に呼びかけ始めた社会貢献活動だったが、今では食事を与えて栄養失調児を救うだけではなく、学校に行かせるための奨学金・学用品の提供や、親にも教育の重要性を理解させ、親の就業支援も行うなど、包括的な貧困削減プロジェクトとして展開されているとのことである。この他、UNI-PLC青年委員会は、キャンパスへ赴き学生に労働者の権利の話をしたりして、就職前から労働組合に関する正しい知識を持ってもらうような活動を行っている。

スリランカでも一般的に労働組合のイメージは良くないという。それでも、郵便局や国営銀行には労働組合があり、入社すると殆どの労働者は労働組合に加入する。しかし、労働組合がイデオロギーや支持政党、宗教等様々な理由で複数存在しており、組合の連携が課題となっている。UNIスリランカ加盟協(UNI-SLAC)では、女性委員会、青年委員会がそれぞれ積極的に活動を行っている。女性委員会はメンター制度を通じて、経験ある銀行労組の女性役員が、同じ組合や郵便労組の若い女性をメンティとして指導・育成している。また、JP労組が後援する郵便労組子弟向けの奨学金プログラムにおいて、UNI-SLACの女性・青年委員が、奨学生選抜のための面接を行ったり、労働組合の社会貢献活動について説明したりしている。

ニュージーランドでも若年労働者は入社前には労働組合の知識はあまりなく、働き始めて、職場で問題があって初めて組合について知るケースが殆どである。流通・金融産業を代表しているファーストユニオンでは、若い労働者向けのセミナーを実施しているが、流通産業では転職も多く、組合員を定着させることが課題である。また低賃金で働かされている外国人労働者の保護の取組みについても聞いた。

韓国プロサッカー選手会のヘンリー・マツダ事務局次長からは、プロサッカー選手の労働者としての問題解決を支援する取組みについて聞いた。

会議後、参加者は立食パーティで交流を図った。


日本の高校生平和大使、核兵器の無い世界を訴える

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今年も長崎及び広島からの平和大使がスイス・ニヨンにあるUNI本部を訪れた。この後、核兵器全面禁止を訴える嘆願書をジュネーブの国連に届ける。広島及び長崎の被ばく第一、第二、第三世代の思いを継承しながら、日本の高校生は今回約12万5千筆の署名を集めた。これまでに集めた署名は150万筆にのぼる。

この若い活動家達は、広島及び長崎の経験から核兵器の恐怖を生々しく描写した。高校生平和大使は、長崎を最後の被爆地とするための取組を続けている。彼らは被ばく者の話を直接聞くことができる最後の世代となろう。

彼らは12年前から毎年UNI本部を訪れている。今回のメンバーは、核兵器の非人道性を以前にも増した強さと説得力で非難した。原爆とその影響によって苦しむ人々の恐ろしい体験談を聞き、平和大使を迎えたUNI本部のスタッフには強い感情が生まれた。

平和大使との懇親会で、アラン・テイトUNI世界ICTS部会担当局長は、「皆さんの再訪はUNIにとっても非常に重要な機会だ。毎年皆さんをお迎えする度に、平和への取組み、とりわけ核兵器廃絶運動へのUNIのコミットメントを再認識する。何よりも長崎の皆さんとの絆が更に深まることが嬉しい」と挨拶した。「第二次世界大戦後の平和運動を推進したのは、広島、長崎の恐ろしい経験だ。私達も皆さんに会う度に、平和な世界をつくるという責任をあらためて感じる」と述べ、再訪を歓迎した。

UNIは長崎の人々と温かい友情を築き、深い絆で結ばれている。UNIは2010年11月、長崎で世界大会を開催した。その大会で採択されたUNIの戦略“ブレイキングスルー計画“の中では、核軍縮の世界的な取組みへの全面支持が謳われている。UNIは、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のメンバーにもなっている。

マルシオ・モンザネUNI世界金融部会担当局長は、「もっと平和な世界をつくろうとするなら、社会的包摂を通じて貧困や不平等の問題に取組む必要がある。それを忘れてはいけない。 労働運動は、世界から核兵器を廃絶する運動で重要な役割を果たさなければならない」との決意をあらためた。

平和大使はこの後、ジュネーブの国連に嘆願書を届け、核不拡散のアクションを訴える。世界で米国、ロシア、北朝鮮、中国など9か国が1万5千基の核兵器を所有している。

 


UNI-LCJ/モンゴル加盟協(UNI-LCM)共同セミナー

2016年7月26~29日、モンゴル・ウランバートルで、UNI-LCJ/モンゴル加盟協(UNI-LCM)共同セミナー及び関連プログラムが開催され、UNI-LCJ加盟組合より小川損保労連中執(あいおいニッセイ同和損保労組委員長)を団長に5人の講師、UNI Aproより玉井組織化キャンペーン担当部長、UNI-LCJより森川事務局次長が参加した。

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日本側参加者(団長以下は組織正式名称の50音順):

団長 損保労連 中央執行委員

(あいおいニッセイ同和損害保険労働組合委員長)

小川 真弘
団員 情報労連 通建連合

ミライトグループ労働組合

ミライトテクノロジーズ企業本部 副書記長

藤原 宣
団員 UAゼンセン 男女共同参画・社会運動局 副部長 岡部 匡
団員 自動車総連 組織局部長 後藤 大輔
団員 JP労組 中央執行委員(組織活性化担当部長) 峰行 一夫
事務局 UNI Apro 組織化キャンペーン担当部長 玉井 諭
事務局 UNI-LCJ 事務局次長 森川 容子

 

1990年に複数政党制を導入して70年続いた社会主義体制を放棄し民主化されたモンゴルにおける労組支援は、UNI-LCJ結成以前のFIET時代より続く歴史あるプロジェクトである。「2015~2018年度UNI-LCJ海外活動の方向性」では、モンゴルの支援について「パートナーシップ労使関係」への理解を深めるための現地セミナー3回(2015年、2016年、2018年)と日本への代表団招聘(2017年)を実施することになっており、今回は今期2回目の現地セミナーとして開催された。

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セミナーはUNI-LCM加盟組合でゴビ労組を通じてゴビ社の会議室を借りて1日半にわたり行なわれた。冒頭にはゴビ社副社長が歓迎挨拶を述べる等、ゴビ社の良好な労使関係が伺われた。UNI-LCMを構成する7組織からは、若手組合員、組合役員を中心に28人(女性21人、男性7人)が参加した。日本語や英語に堪能でコミュニケーション能力の高い積極的な参加者も多く、若い労働人口が多い人材の豊富さも感じさせた。また、新規加盟組合として550人が加盟することになったチンギスハーン国際空港労組のインへ委員長も初めての参加となった。今回のセミナーは、日本側・モンゴル側からのプレゼンを聞くだけでなく、テーマごとに2つのグループに分かれ、与えられたトピックについてグループディスカッションを行う時間を多く取り、話し合った内容を発表し全体で共有するという形で進められた。その結果、参加者同士の活発な意見交換が促進され、より双方向型・参加型のセミナーとなった。

オユンバヤールUNI-LCM議長の挨拶に続き、UNI-LCJ代表団の小川団長(損保労連)が挨拶し、UNI-LCJ結成前から続くモンゴルとの交流の歴史を振り返り、参加者の積極的な参加を呼びかけた。森川UNI-LCJ事務局次長は、UNI、UNI Apro、UNI-LCJの組織機構や活動の概要、パートナーシップ労使関係を利用したUNI Aproの組織化方針等について講演した。

「日本を知ろう:社会・文化、政治・経済、労働事情」のセッションでは、小川講師が日本型労使関係について理解する上での基礎となる「少子高齢化」「長時間労働」「非正規雇用の増加と経済格差の拡大」等日本の社会が抱える課題について紹介した。その後のグループワークでは、「日・モンゴルにおけるワークライフバランス」「日・モンゴルにおける若い世代の労働組合のイメージと社会的影響力」のテーマで、いかに若年層に組合加入のメリットを伝えるか等を議論した。

08 Group B_s2「パートナーシップ労使関係の構築」のセッションでは、岡部講師(UAゼンセン)が生産性向上を目指す日本型労使関係のメカニズム、それを実現する労働組合の役割、団体交渉と労使協議について小売業加盟組合の例を示して説明し、「組合員とのコミュニケーションを密にし、現場で起きている課題を吸い上げ、解決を図る現場起点の活動」の重要性を強調した。藤原講師(情報労連)は、情報労連・通建連合加盟のミライトグループ労働組合における実際の労使協議と団体交渉の内容や進め方について具体的に紹介し、「労働組合が会社と共に会社の社会的な企業価値を高めていくためには随時必要に応じて組合員の意見を会社に伝えていく努力が必要だ」と述べた。続いてモンゴル側からも労使協約の意義、中身、基本原則についてプレゼンがあった。グループワークでは、モンゴルにおける労使のコミュニケーションの現状と改善点、各労組における団体交渉の成果、パートナーシップ労使関係構築に向けた課題等について議論が行なわれた。

「組織化」のセッションでは、ペトロスター労組のツォージ委員長がモンゴルにおける組合組織率が18%に留まっており組織拡大が喫緊の課題であること、産別労組レベルで企業の調査を行い、従業員及び企業へのアプローチを行なっていること等を報告した。課題として、使用者や国による干渉や圧力があること、非正規雇用の増加等、日本と共通する問題も抱えていることが分かった。後藤講師(自動車総連)は、組織率低下(未組織・未加盟企業)や非正規労働者を含む組織拡大の取り組み状況と、連合・地方連合会・自動車総連の三位一体の取組みを通じた最近の成功事例を紹介した。峰行講師(JP労組)からは、全国組織のネットワークを生かした福祉型労働運動、リサイクルブックエイドや書損葉書集約等のユースネットワークによる社会貢献活動を通じた組織活性化の取組みが報告され、特に書損葉書の換金方法等について質問が集中した。グループワークでは、①組織化の可能性がある企業と効果的なアプローチ、②外国人労働者や非正規労働者の組織化について討議された。携帯電話会社等が今後の組織化対象として挙げられ、外国人労働者・非正規労働者について労働法に規定し、組織化を進めるべきとの意見が出た。

23 Group A_s特に組織化については、今後UNI やUNI Aproの支援を受けながら、モンゴル側のニーズに特化した教育・研修の実施を検討していくことが確認された。これにより、既存労組のUNI加盟の促進、さらには未組織企業における新規加盟組合の結成等につながることが期待される。UNI-LCMとしては、オユンバヤール議長の下で団結し、情報交換を密にしながら次世代のリーダー育成や組織化に力を合わせて取り組むことが今後の発展の鍵となろう。これを踏まえ2017年の日本招聘にあたっては、次世代のUNI-LCMを担う若手組合役員を中心としたメンバー構成をモンゴル側に要請しているところである。

UNI-LCJ代表団はこの他、日本大使館訪問、日本式の小・中・高・高専・大学の一貫教育を行なう新モンゴル学園訪問、ゴビ社のカシミア工場見学、加盟組合訪問・職場視察等盛り沢山のプログラムをこなし、モンゴルの社会・経済事情や労働運動への理解を深めると共に、草原の伝統的なゲルに宿泊してUNI-LCMメンバーのホスピタリティーに触れ、ともに両国の労働者をめぐる問題に取り組む仲間としての強い絆を再確認した。


欧州情勢と規制が金融市場に及ぼすインパクト

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2016年7月11日、UNI-LCJ金融部会は、EUミッションの一員として来日したオリバー・レティクUNI欧州地域書記長を招き、「欧州情勢と規制が金融市場に及ぼすインパクト」のテーマで講演会を行った。レティクUNI欧州地域書記長は、地域書記長就任前、UNI世界金融部会担当局長を務めていた。今回、欧州金融産業の抱える課題として、金融規制やマイナス金利政策、デジタル化、英国のEU離脱等が金融産業及び雇用に及ぼす影響と労働組合の対応について、最新情報を共有した。

レティク地域書記長は、2008年に始まった金融危機が及ぼした銀行業への影響は未だ続いていると述べた。テロリズム、押し寄せる難民問題に加え、数週間前に英国民が選択したEU離脱等、欧州全体に不安が広がっている。不安定な状態が続くと、銀行や生命保険会社は投資を控える。EU離脱と金融制度改革の実施までには時間がかかるが、中長期の不透明さが金融業界、特に大口投資家や年金基金、生命保険業に与える影響は少なくない、と見ている。また、金融産業の経営者も労働問題や社会問題に関する労使対話を抵抗するようになっており懸念される。レティク地域書記長は、マイナス金利については、長くデフレ状態にあった日本の経験に関心を示した。

欧州の労働組合は、あらゆる産業においてデジタル化による雇用喪失に懸念を抱いている。銀行に行かずオンラインで取引できるようになり、支店閉鎖により10~20%の雇用が喪失するとの推測がある。

また、FinTech(金融+テクノロジー)にも注目が高まっている。欧州委員会はFinTechに関するタスクフォースを新設し、FinTechを奨励しているが、金を借りたい人と貸す人をつなぐFinTechのようないわゆるプラットフォーム型ビジネスは銀行ではない上、国境を越えた取引も行われるため、従来の国内の銀行の規制や法律の対象外となる。消費者保護やサイバー犯罪の面でも、対応が追いついていない。労働組合としては、銀行とFinTech会社は平等な条件で競争すべきであるとの立場であり、「組合は、この動きに反対するか、(仲間に取り込んで)利用するしかない」と述べた。デンマークの金融サービス労組は、FinTechと労働組合の連携を模索する研究を始めている。

UNI金融部会が2013年に行った雇用喪失調査では、バーゼル規制(資本要求規制)が雇用削減の口実に使われていること、投資部門を残し、組合員の多いリテール部門を閉鎖する傾向が見られた。UNIは、多様な金融機関が共存し、競争を保護するためにバランスが重要だと主張している。

また欧州では、労組の組織率が低く、組合の力が弱い中欧・東欧に西欧から業務がアウトソーシングされている。UNI欧州地域は、多国籍企業毎に労働組合同盟を結成し、組合のネットワーク作りと連携強化を通じて、多国籍企業との交渉力強化に努めている。

レティク地域書記長は、日本とEUの情報交換・経験交流は今後ますます重要になると述べ、金融加盟組合どうしの交流を奨励した。


サンジーブ氏、UNI Apro南アジア金融労組協議会(SAFSUC)の議長に

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2016年6月19日午後、Apro金融部会委員会メンバーも出席して、UNI Apro南アジア金融労組協議会(SAFSUC)開会セッションが開かれた。

冒頭、SAFSUC議長職は、インド最大の金融労組、ステート銀行労組のUNI再加盟に伴い、サンジーブ同労組書記長が担うことが確認され、ミリンド暫定議長からサンジーブ氏に引き継ぎを象徴するハンマーが手渡された。来賓としてW.D.J.セネビラトネ労働・労使関係大臣はスリランカの労働事情や労使関係について講演すると共に、SAFSUCの発展を祈念しサンジーブ新議長に祝辞を述べた。南アジアの金融労組は各国の労働運動を牽引する主導的役割を果たしている。ASETUC(ASEANサービス労組協議会)やフィリピン銀行産業において健全な三者社会対話が発展しているように、南アジアにおいても政労使の対話の仕組みを確立するため、SAFSUCの果たす役割が期待されている。サンジーブ議長は、南アジアの金融労組を結束させ、共通の課題に協力して取組むことを誓った。

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また、ミリンド前議長、今年末にUNI米州地域書記長に就任予定のモンザネUNI世界金融部会担当局長、田原UNI Apro金融部会議長の三氏に、それぞれの貢献をたたえ感謝の楯が贈呈された。


第19回UNI Apro金融部会委員会、持続可能な金融産業を目指して

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2016年6月18~19日、スリランカ・コロンボで第19回UNI Apro金融部会委員会が開催された。田原UNI Apro金融部会議長は、プリヤラル担当部長の母国での初めての開催となることを喜び、規制とデジタル化の影響や、仕事の付加価値をいかに向上させていくか等、積極的な議論を期待すると挨拶した。

各国報告について日本からは、福田三井住友信託銀行従組副委員長が今年の交渉結果について賃金改善や環境改善を勝ち取ったことを報告した。宮井損保ジャパン日本興亜労組委員長は、リーマンショック後、経営統合が加速したが、業務効率化と生産性向上に労使で取組み雇用を維持したと述べた。渡邊三菱UFJ信託銀行従組委員長は、信託銀行及び組合におけるCSRの取組み事例を紹介すると共に、地域経済統合の金融産業に及ぼす間接的影響と労働規制緩和について注視していく、と述べた。

国有金融機関が多く存在する南アジア諸国ではバーゼル規制はまだ本格的に導入されていないが、自己資本比率の引上げや合併は今後起こると予想され、組合としては、遠隔地への転勤命令等による特に女性従業員への影響は大きいとみている。また、オンライン取引の増加やデジタル化による仕事への影響も注視している。

ウンUNI Apro地域書記長は、「グローバル化による競争激化で新たなITの利用が加速し、従来の金融商品・サービスは変化し、伝統的な金融産業の仕事は無くなるだろう」と述べた。「だからこそ国境を越えた組合間の定期的な情報交換やリサーチ、分析が不可欠だ。組織率が低下し労働組合が少数派になっている今、いかに影響を抑え、機会を最大限生かすか、箱から出てマインドセットを変えなければならない」と鼓舞した。地域統合に関しては、ILO中核的労働条約の尊重を含む「労働の章」が盛り込まれたTPPは前向きに捉えるべきだとし、TPPより規模が大きい世界最大の経済圏RCEP(東アジア地域包括的経済連携)に欠けている社会/労働条項の議論に労働組合の関与が足りない点に苛立ちを見せた。UNI AproはASEANサービス労組協議会(ASETUC)を通じてASEANの政府及び使用者と社会/労働条項をASEANレベルで議論できる信頼関係と環境づくりに邁進してきた。組合の社会的責任とパートナーシップ労使関係の普及を掲げる労働組合とは協力する価値があると、政府及び使用者に認識させることができたからこそ、ASEAN各国の労働省から協議を受けるようになった。フィリピン銀行産業三者対話における労働組合の役割という最良事例をASEAN全体そしてSAARC(南アジア地域協力連合)にも、更にはRCEPへと拡大していかなければならないと訴えた。

今次委員会では、ラニー・ジャヤマハ氏(スリランカ中央銀行前副総裁、世界銀行・南アジア主席顧問)を特別ゲストに迎え、「規制強化の影響:金融包摂を広げるアジアの多様な金融システム」と題する基調講演を受けた。ラニー氏は、金融制度の安定化とシステミックリスク予防のために規制は必要だが、一律な規制強化が金融危機の万能薬ではなく、金融機関のビジネスと収益性とのバランスが重要だと強調した。その上で、規制当局と金融機関は技術革新による金融包摂に目を向けるべきで、組合は生産性の向上、健全な対話等を通じて交渉力を立て直し、競争力をつけガバナンス原則を順守しながら自らの企業の成長を支えていくべきだと述べた。

参加者はまた、2016~2017年度の活動のフォローアップとして、①金融産業の規制と再編、②信頼回復に向けた社会対話の取組みとCSR推進、③地域経済統合と貿易協定の3つのテーマについてグループ討論を行い、様々な意見や今後の活動に対する提案をまとめて発表した。2017年に開催予定のUNI Apro金融部会大会のテーマには、Inclusive(包括的な)とSustainable(持続的な)というキーワードを含めることも確認した。

田原議長は、「来年の部会大会方針に反映すべき課題や提案をボトムアップでまとめることができた。UNI Apro金融部会が一丸となって頑張っていこう」とまとめ、閉会した。


金融包摂とエンパワーメントを主導するUNI Apro金融部会の女性

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第19回UNI Apro金融部会委員会では、第17回委員会(2014年6月、インドネシア・ジャカルタ)で議論された、女性の視点からの「金融包摂とエンパワーメントに果たすUNI Apro金融部会の取組み」のフォローアップが行われた。

アンジャリUNIインド加盟協コーディネータは、インドにおける金融包摂の取組みと金融産業の労働組合が果たす役割について報告した。インドの経済成長にとってインフォーマル経済で働く女性の貢献は大きいにもかかわらず、女性が貧困から抜け出せずにいるのはなぜか。インドで正規金融機関の口座を持つ女性は26%(男性46%)、女性起業家で銀行から融資を受けられるのは15%に満たない。中小企業の女性経営者が融資を拒否される率は男性中小企業経営者の2倍以上である。政府は1990年代から、女性のエンパワーメントのための女性の金融包摂に取組み、2013年には「女性のエンパワーメント、インドのエンパワーメント」をスローガンに女性のための銀行を設立した(現在、ステート銀行と合併)。1992年からは、自助グループと商業銀行、地方農村銀行、協同銀行をつなぐプログラムを始め、2006年までに200万以上の自助グループに融資した。この他にも政府の取組みをUNI Apro金融部会加盟組合メンバーが支え、貧困層の口座開設数増加、残高ゼロ口座の縮小を実現した。SEWA(自営女性協会)もステート銀行と連携しマイクロファイナンスプログラムを通じて、農村の女性の所得創出、雇用創出を支援している。

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また、ランキカUNIスリランカ加盟協女性委員会事務局長(FBOSL/セイロン銀行労組)は、スリランカ加盟協女性委員会が行う様々な活動の事例を紹介した。各部会の女性委員が専門分野を活かし、これまで料理教室、女性の健康チェック(医療労組の女性委員が担当)、スピーチ訓練、金融セミナー(銀行労組の女性委員が担当)といった実用的な企画で女性の組合活動参加を増やし、かつ女性のエンパワーメントとチームワーク強化につなげてきた。

これらは、女性の地位が低い南アジアにおいて、女性のエンパワーメントに大きく貢献している。女性に対する根強い差別は一夜にして変えることはできないが、世代を超えた息の長い取組みを通じて、徐々に人々の意識や社会を変えていくことはできる。南アジアの労働組合は金融労組が主導して、女性の組合参加と女性役員の育成・活躍推進を通じた女性のエンパワーメントに取組んでおり、他の産業で働く多くの女性労働者の金融包摂につながっている。


UNI-LCJ金融部会、スリランカ金融産業視察

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第19回UNI Apro金融部会委員会の前段、2016年6月17日、UNI-LCJ金融部会としてスリランカの金融産業視察を行った。

スリランカは、北海道とほぼ同じ面積に約2,000万人が住み、農業(紅茶、ゴム、ココナツ、米)及び繊維業が主産業の国である。ポルトガル、オランダ、英国の植民地を経て、1948年、英連邦内の自治領として独立。1983年からタミル・イーラム解放の虎(LTTE)との内戦が本格化するが、2009年5月政府軍が北部LTTE支配地域を全て奪取し内戦を終結させた。内戦の終結による復興需要や経済活動の活性化等によって、2011年に過去最高となる8.2%の経済成長を達成し、1人当たりGDP(2014年)は3,625米ドルに伸びた。ラージャパクサ前大統(2005~2015年)は中国を頼りに国内インフラの復興を推進し、道路、鉄道、港等の建設が進められた。しかし2014年に中国の支援で始まったコロンボ港湾都市建設計画は、2015年に中国との密接な関係からの脱却を訴えて当選したシリセーナ大統領誕生直後に中断させられ、環境配慮を強化する条件で再開された。

一方、日本からスリランカへの直接投資は約15.2億ルピー(2014年)。欧米諸国や日本への製品輸出を目的とする製造業が多数を占めるが、最近は、みずほ銀行、三井住友海上火災保険、三菱東京UFJ銀行等、金融機関の進出も相次いでいる。

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田原UNI-LCJ金融部会議長を団長とする代表団は、人民銀行(People’s Bank)のN.バサンタ・クマールCEO、セイロン銀行(Bank of Ceylon)の、ロナルド C ペレラ会長、D.M.グナセカラCEO、L.A.K.ジャヤワルデナFBOSL書記長、スリランカ投資委員会(BOI)のウプル・ジャヤスリヤ会長、レヌカ・M.ウィラコネ投資・プロモーション執行取締役、スリランカ保険庁のダマヤンティ・フェルナンド長官、スリランカ中央銀行・銀行監督部のシシラ・ラナシンゲ部長、ルクシャナ・ジャヤティラケ上級部長補佐らを訪問し、スリランカの政治経済概要と銀行、保険産業の現状を聞き、意見交換を行った。訪問先各所で、内戦後、投資環境は整っていることが繰り返され、日本からの投資に大きな期待が寄せられた。国有商業銀行経営陣からは、ITへの積極投資の必要性が強調され、仕事への影響という点ではバーゼル規制よりもデジタル化のインパクトの方が大きいとの見方が示された。

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ウンUNI Apro地域書記長は、「国が安定すれば投資も増える。しかし労働基準を切り下げ、労働を犠牲にして、底辺への競争になることを懸念している。税制優遇措置だけでは持続しないことは明らかだ。労働組合は生産的な方法で企業の発展に貢献できる。デジタル化による配置転換、新たな仕事のニーズに即応できるよう、絶えず職業訓練や技能開発を行うことが重要だ」とコメントした。

 

 


UNIリバプール世界大会に向けて“Making it Happen”

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第28回UNI世界運営委員会が、2016年5月26~27日、スイス・ニヨンのUNI本部で開催され、14か国24人の委員、オブザーバー及びUNI本部役員/各地域書記長、スタッフ等、計33人が参加した。

アン・セリン会長は開会挨拶の中で、相次ぐテロ、英国のEU離脱問題、緊縮財政に伴う労働組合及びディーセントワークへの攻撃、密室で交渉されている貿易協定、未来の労働と雇用へのインパクト等、世界で起こっている労働者の生活に影響を及ぼす出来事に慎重に対応しなければならないと喚起した。パナマ文書で暴露された腐敗したルールを変えるため今こそ国際労働運動の連携が重要であり、一丸となれば実現できると訴えた。

フィリップ・ジェニングスUNI書記長は、UNIの知名度を高めるため、世界経済フォーラム(ダボス会議)におけるマスコミ対策、本部での簡易スタジオ設置をはじめとする本部広報チームの取組みを紹介し、シンプルかつ強力なメッセージを発信する能力を各地域でも改善していく必要性を強調した。組合組織率、団体協約の対象範囲、収入格差の相関図を示し、科学的なデータで労働市場の現状と問題点を、マスコミを通じて世論に訴えていくと述べた。

ホフマンUNI副書記長からは、各部会における組織化、労組同盟、グローバル協定等に関する主な成果が報告された。

持続可能性に向けたUNIのロードマップ

国連の持続可能な開発目標(SDGs)の17目標、169ターゲットを達成するため、またCOP21で合意された気候変動に関するパリ協定を実施するため、ITUCをはじめUNIも、貧困撲滅、ジェンダー平等、ディーセントワーク、格差是正、気候対策等に真剣に取組んでいる。

貿易交渉は密室で進められており、各国の議会や労働組合も関与していく必要がある。経済の相互依存、投資の必要性は認識するも、ルールは公平でなければならない。特に郵便、情報通信、金融、Eコマース、移民政策を注視していく。

UNIリバプール世界大会準備状況

テーマ及び議題案について報告を受けた後、「UNI大会・諸会議における加盟組合代表団の女性比率40%達成に向けた戦略」について、マクガイアUNI世界女性委員会議長より、「長崎世界大会前後で、女性比率を17%から35%に上げることができたのは大きな前進だが、まだ40%の目標には達していない」と報告があった。そこで、目標達成に向けた具体的方策の提案があり、運営委員会は承認した。続いて、「UNI大会・諸会議における加盟組合代表団の青年比率の改善」について、カールステッドUNI世界青年委員会議長は、UNIリバプール世界大会の青年参加比率20%達成に向けて協力を要請した。

仕事の未来

過去、世界執行委員会に合わせて、「プライベートエクィティ」、「金融危機」、「平和」等をテーマに議論をしてきたが、今年は11月15日にグローバルリーダー・サミットを開催予定である。テクノロジーが雇用の数と質を変えることが十分認識されていない。世界銀行、OECD、欧州連合等で「デジタル単一市場の誕生に向けたデジタル戦略」が議論されているが、議論の中心を我々労働者に置くべきである。UNI欧州地域大会では、オンコール労働、クラウドソーシングに見られるような、見えない、曖昧な仕事をし、しかも生活賃金を得られない人が増えていることに危機感が表明された。仕事の未来と共に「連帯の未来」も考えていく。野田UNI Apro地域会長は、「ビッグデータ、IoTの時代に入り、労働に対する影響は大きい。イノベーションにより創出される仕事もある。仕事のあり方/処遇形態の大きな見直し、人材育成は労使の共同作業であり、組合の大きな役割となる」と意見を述べた。

グローバル・サプライチェーン(GSC)と生活賃金

間もなくILO総会でGSCの議論が始まる。我々の目標は、①ILO多国籍企業及び社会政策に関する原則の三者宣言(MNE、1977年採択)の最新化、②GSCに関するILO条約策定のための三者議論の開始、③ILOによる賃金ガイドラインの策定である。

バングラデシュ・アコードは、この間UNIもコミットしてきたが、具体的成果があがっている。社会パートナーのプロジェクトとしても評価されている。5年期限のアコードに、団結権を盛り込むようアコードIIの交渉をしていく。

スポーツにおける人権

シュワブUNI世界アスリート部会担当局長は、スポーツ界で起こっている人権侵害、人種差別、契約違反・無視、いじめ、男女格差、プロ・アマ格差等に加え、労働裁判所へのアクセスも拒絶され仲裁メカニズムが存在しない点を問題視した。選手だけでなく、スポーツイベントに関わる全ての労働者の人権が尊重されなければならない。

最後にジェニングスUNI書記長は、運営委員会及びUNI加盟組合のコミットメントに感謝し、1%に偏っている政治・経済的環境で苦しむ労働者のために我々の目標を実現していこう!とまとめた。

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