第12回UNI Apro青年委員会、青年と政治の関わりを共有

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第12回UNI Apro青年委員会が2016年8月22~23日、マレーシア・クアラルンプールで開催され、日本、インドネシア、フィリピン、マレーシア、ネパール、スリランカ、オーストラリアの委員12人他オブザーバーが出席した。

img_3727-s会議の冒頭、ウンUNI Apro地域書記長は、アジア太平洋地域の状況について、ILOの中核的労働基準を批准し、法の整備がなされた国であっても、単にそれだけでは不十分であり、労働者を保護するには、実効的な仕組みづくりがなされなければならないと述べた。また、TPPに労働憲章が盛り込まれた点や、ASEANサービス労組協議会(ASETUC)を通じたASEANとの労働条項に関する交渉の取組みと成果の事例も紹介された。さらに、第4次産業革命によりもたらされる労働者への影響(雇用の喪失)は、世界中のあらゆる地域にあてはまる課題であり、今の段階から予期し対応を取ることが重要で、そのためには労働者1人ひとりの意識を高めるべく労働運動は大きな役割を果たすべきだと述べた。

UNI Apro青年委員会構成の変更として、日本・日放労の岡﨑淳司委員から釘本聖司委員への変更や、フィリピン、シンガポール、オーストラリアの青年委員の変更も確認された。アリス・チャン青年担当部長は退任する岡﨑委員のUNI青年委員会への多大な貢献に感謝した。

委員からの活動報告では、日本から佐々木UNI Apro青年委員会副議長(JP労組)が、今回の参議院選挙におけるユース活動を報告するとともに、ユースネットワークの組織、社会貢献活動、UNI Aproと協力した英語セミナーの取組み、平和活動等を紹介した。UAゼンセン・寺嶋委員は、UAゼンセンのヤングリーブス活動を報告、その中で北朝鮮による拉致被害者の家族支援活動を紹介し、若者の健全な育成、活力ある運動構築に貢献していると報告した。日放労・岡﨑委員は、今回の参議院選挙での活動を、公共放送NHKと政治との関わりという視点から、若い組合員と議論する場を設けてきた取組みを報告した。情報労連・浦委員は参議院選挙活動について、フレージというNTT労組の青年組織の活動を紹介し、健全な社会のために、若者にどのように政治に関心を持たせ、投票率を上げていくかが喫緊の課題だと述べた。

日本の委員には、「なぜ選挙権が18歳に引き下げられたのか」、「労働組合と政治との関係はどう変わったのか」、「組織内候補を出す意味は?」、「日本人がなぜ北朝鮮に拉致されたのか」等の質問が出された。

uni-apro-youth-committee-group-photo-s他国の報告では、まずバングラデシュのタスリマ・メジャビーン委員が、労働運動を歓迎しない社会の風潮の中、経営の嫌がらせに直面しながらも労働組合を組織化した自身の体験について報告し、労働運動を通して若い世代の士気を高め、蔓延する差別をなくしていきたいと述べた。

マレーシアのモハマド・アズラン・アシュワド・ラムリ委員は、ユースで取組む活動の成功事例を共有するとともに、若者に関する課題(薬物、無謀運転、エイズ等)をあげ、それらの課題に労働組合として取組むことで、若者を取り込んでいきたいとした。

ネパールのクマール委員は、人々の労働組合に対する知識不足を課題にあげ、大学で労働組合の権利を伝えるなど意識啓発に力を入れたい、また、より多くの女性が組合に参加できるよう取組みを続けたい、と述べた。

パキスタンのシュジャ・ウル・ラーマン・ドゥラニ委員は、不十分な労働法とその運用により、低賃金・不当な労働時間など多数の課題を抱える一方で、労働に関する権利や労働運動への理解も進んでおらず、まずは活動の基盤となる体制を整えていきたいとした。

シンガポールのケビン委員は、成熟した社会の中で組合員を増やすため、キャリアアップのためのワークショップやトレーニングに参加できるようにするなど、付加価値をいかに提供できるかに力を入れており成果が出ているとした。

インドネシアのユリアン委員は組合潰しが存在する現状に触れ、経営者の意識を変えていくことが重要だとした。また、最低賃金に関する新しい政令“PP78”について、労働組合の権利が侵害されているとして撤回を求めて取組んでいくことを報告した。

オースラリアSDAのステファニー委員は、若者の非正規化が進み、頻繁な転職により組織率が低くなっていることに対して、組合への入会をオンラインで簡単にできるようにしたこと、企業の入社に関する一連の説明の中でオルグのための時間を設定してもらうなどの事例を報告した。

スリランカのノリカUNI Apro青年委員会副議長は、若い組合員に権限強化を行い、あらゆる業種の若者に組合に参加してもらうよう働きかけていると報告した。

フィリピンのカレンUNI Apro青年委員会議長代行は、先に行われた大統領選挙に触れ、新政権は労働組合にとってもプラスになる選挙だったと述べた。新しい大統領は、就任した1日目から非正規は廃止するという強い姿勢を見せ、今まで排除していた外資企業を受け入れて雇用の創出をする予定とのことだった。

玉井キャンペーン・組織化部長は、UNI Aproの行動計画の中から組織化を中心に説明し、「組織化は終わりの無い活動であり、続けなければ弱体化につながっていく」と述べた。また、企業と労働組合はウィンウィンの関係が必要で、敵対関係は問題の解決にはならない、パートナーシップに基づく組合活動が必要と訴えた。イオンやHERO(インドネシア)などを例に挙げ、ベストなパートナーシップによって企業のブランドイメージが強化されたことを報告した。それぞれの国で組合を取り巻く環境、法律は違うが、挑戦できる可能性はあるとの見方を示した。


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