UNI-LCJ/モンゴル加盟協(UNI-LCM)共同セミナー

2016年7月26~29日、モンゴル・ウランバートルで、UNI-LCJ/モンゴル加盟協(UNI-LCM)共同セミナー及び関連プログラムが開催され、UNI-LCJ加盟組合より小川損保労連中執(あいおいニッセイ同和損保労組委員長)を団長に5人の講師、UNI Aproより玉井組織化キャンペーン担当部長、UNI-LCJより森川事務局次長が参加した。

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日本側参加者(団長以下は組織正式名称の50音順):

団長 損保労連 中央執行委員

(あいおいニッセイ同和損害保険労働組合委員長)

小川 真弘
団員 情報労連 通建連合

ミライトグループ労働組合

ミライトテクノロジーズ企業本部 副書記長

藤原 宣
団員 UAゼンセン 男女共同参画・社会運動局 副部長 岡部 匡
団員 自動車総連 組織局部長 後藤 大輔
団員 JP労組 中央執行委員(組織活性化担当部長) 峰行 一夫
事務局 UNI Apro 組織化キャンペーン担当部長 玉井 諭
事務局 UNI-LCJ 事務局次長 森川 容子

 

1990年に複数政党制を導入して70年続いた社会主義体制を放棄し民主化されたモンゴルにおける労組支援は、UNI-LCJ結成以前のFIET時代より続く歴史あるプロジェクトである。「2015~2018年度UNI-LCJ海外活動の方向性」では、モンゴルの支援について「パートナーシップ労使関係」への理解を深めるための現地セミナー3回(2015年、2016年、2018年)と日本への代表団招聘(2017年)を実施することになっており、今回は今期2回目の現地セミナーとして開催された。

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セミナーはUNI-LCM加盟組合でゴビ労組を通じてゴビ社の会議室を借りて1日半にわたり行なわれた。冒頭にはゴビ社副社長が歓迎挨拶を述べる等、ゴビ社の良好な労使関係が伺われた。UNI-LCMを構成する7組織からは、若手組合員、組合役員を中心に28人(女性21人、男性7人)が参加した。日本語や英語に堪能でコミュニケーション能力の高い積極的な参加者も多く、若い労働人口が多い人材の豊富さも感じさせた。また、新規加盟組合として550人が加盟することになったチンギスハーン国際空港労組のインへ委員長も初めての参加となった。今回のセミナーは、日本側・モンゴル側からのプレゼンを聞くだけでなく、テーマごとに2つのグループに分かれ、与えられたトピックについてグループディスカッションを行う時間を多く取り、話し合った内容を発表し全体で共有するという形で進められた。その結果、参加者同士の活発な意見交換が促進され、より双方向型・参加型のセミナーとなった。

オユンバヤールUNI-LCM議長の挨拶に続き、UNI-LCJ代表団の小川団長(損保労連)が挨拶し、UNI-LCJ結成前から続くモンゴルとの交流の歴史を振り返り、参加者の積極的な参加を呼びかけた。森川UNI-LCJ事務局次長は、UNI、UNI Apro、UNI-LCJの組織機構や活動の概要、パートナーシップ労使関係を利用したUNI Aproの組織化方針等について講演した。

「日本を知ろう:社会・文化、政治・経済、労働事情」のセッションでは、小川講師が日本型労使関係について理解する上での基礎となる「少子高齢化」「長時間労働」「非正規雇用の増加と経済格差の拡大」等日本の社会が抱える課題について紹介した。その後のグループワークでは、「日・モンゴルにおけるワークライフバランス」「日・モンゴルにおける若い世代の労働組合のイメージと社会的影響力」のテーマで、いかに若年層に組合加入のメリットを伝えるか等を議論した。

08 Group B_s2「パートナーシップ労使関係の構築」のセッションでは、岡部講師(UAゼンセン)が生産性向上を目指す日本型労使関係のメカニズム、それを実現する労働組合の役割、団体交渉と労使協議について小売業加盟組合の例を示して説明し、「組合員とのコミュニケーションを密にし、現場で起きている課題を吸い上げ、解決を図る現場起点の活動」の重要性を強調した。藤原講師(情報労連)は、情報労連・通建連合加盟のミライトグループ労働組合における実際の労使協議と団体交渉の内容や進め方について具体的に紹介し、「労働組合が会社と共に会社の社会的な企業価値を高めていくためには随時必要に応じて組合員の意見を会社に伝えていく努力が必要だ」と述べた。続いてモンゴル側からも労使協約の意義、中身、基本原則についてプレゼンがあった。グループワークでは、モンゴルにおける労使のコミュニケーションの現状と改善点、各労組における団体交渉の成果、パートナーシップ労使関係構築に向けた課題等について議論が行なわれた。

「組織化」のセッションでは、ペトロスター労組のツォージ委員長がモンゴルにおける組合組織率が18%に留まっており組織拡大が喫緊の課題であること、産別労組レベルで企業の調査を行い、従業員及び企業へのアプローチを行なっていること等を報告した。課題として、使用者や国による干渉や圧力があること、非正規雇用の増加等、日本と共通する問題も抱えていることが分かった。後藤講師(自動車総連)は、組織率低下(未組織・未加盟企業)や非正規労働者を含む組織拡大の取り組み状況と、連合・地方連合会・自動車総連の三位一体の取組みを通じた最近の成功事例を紹介した。峰行講師(JP労組)からは、全国組織のネットワークを生かした福祉型労働運動、リサイクルブックエイドや書損葉書集約等のユースネットワークによる社会貢献活動を通じた組織活性化の取組みが報告され、特に書損葉書の換金方法等について質問が集中した。グループワークでは、①組織化の可能性がある企業と効果的なアプローチ、②外国人労働者や非正規労働者の組織化について討議された。携帯電話会社等が今後の組織化対象として挙げられ、外国人労働者・非正規労働者について労働法に規定し、組織化を進めるべきとの意見が出た。

23 Group A_s特に組織化については、今後UNI やUNI Aproの支援を受けながら、モンゴル側のニーズに特化した教育・研修の実施を検討していくことが確認された。これにより、既存労組のUNI加盟の促進、さらには未組織企業における新規加盟組合の結成等につながることが期待される。UNI-LCMとしては、オユンバヤール議長の下で団結し、情報交換を密にしながら次世代のリーダー育成や組織化に力を合わせて取り組むことが今後の発展の鍵となろう。これを踏まえ2017年の日本招聘にあたっては、次世代のUNI-LCMを担う若手組合役員を中心としたメンバー構成をモンゴル側に要請しているところである。

UNI-LCJ代表団はこの他、日本大使館訪問、日本式の小・中・高・高専・大学の一貫教育を行なう新モンゴル学園訪問、ゴビ社のカシミア工場見学、加盟組合訪問・職場視察等盛り沢山のプログラムをこなし、モンゴルの社会・経済事情や労働運動への理解を深めると共に、草原の伝統的なゲルに宿泊してUNI-LCMメンバーのホスピタリティーに触れ、ともに両国の労働者をめぐる問題に取り組む仲間としての強い絆を再確認した。


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